採集履歴

“2003年 気になる山を散策” 編(1)



03.04.19
(Sat) 晴れ Mt 「初夏の陽気にるんるん気分 !? …見事に生還!」 
                                                                                                  

 今日は早起き!しっかり朝トレしてシャワーを浴び、スカッ!とした滑り出しを迎えた♪ 暖かくなったものだ…初夏の香りがする! 今日は兼ねてから決めておいた山へ向かう事にした。 目的は小型種。 そろそろクワガタの成虫(コクワちゃん以外)の姿を見ておきたいもんだ☆ そんな訳で朝食後9:30に相棒の車で出発した!

緑や花が見え始めた実家の奥庭の様子を撮影してみました♪


〜 ちょいと寄り道 〜


 余りにも暖かい(暑い!)ので、山へ登る前に昨年通ったOBポイントの、とあるクヌギさんちへ寄って行く事にした…いくらなんでもまだ4月、樹の幹に着くクワガタが採れる訳がないのだが、そこは性分という奴だ。 ス〜ジ〜位は…などと思いつつ様子を見に行った。

  凄い事になってます…(^-^;

…いない・苦笑。 しかし、さすがに自己ギネスサイズ級のクワガタを沢山輩出してきたクヌギであるだけに、樹根部周り、幹(上の写真2枚)に加え、樹上部とあらゆる部分に洞があり、樹液焼けの跡も著しい…更にかなり極太で貫禄があるので、それだけで相棒と共ににんまりしてしまう♪ これでスズメバチンがブ〜ンとやってくりゃシチュエーションはばっちり夏なのだが…なぁ相棒よ(あっ違うか・苦笑!)。 は〜やく来い(^o^)! な〜つよ来い♪(→間違っとる!)
思いっきり早とちりな出だしであった…。


〜 到着! 〜


 目的地への到着は12:00。 3/23に来た山と同じ場所である。 しかし1ヶ月経てば事情は大きく変わるものだ!
さすがに麓に比べれば山頂の気温はグーンと低くなったが、足下や枝先を見ると大分春めいていた♪
…雪は解けてなくなり、花が咲き始め、ブナの枝先には新芽が出てきていた。

  カワイイお花が咲き始めております☆

 まずは、前回ルリクワガタの幼虫を観察した辺りで、彼らがどんな様子でいるかを確認してみることにした。
彼らは5月になると羽化して、樹液ではなくブナの新芽をかじるのである。
よって、そろそろ蛹や成虫の姿が見られるかもしれない…

むむ、まだ赤ちゃんでおられたか…☆

…と思いきや、まぁだ赤ちゃんであった。 多分君らは来年様だね☆
今日は成虫を見たくて来たのだが…。

その変わりにこんな子が出てきた。
オオキノコムシや…(^-^;
一応、国内のキノコムシの中では最大種である。
名前の通り、菌糸を食べておられる甲虫である。

オオキノコムシ(Encaustes praenobilis

 少し視点を変えて、ブナの赤枯材を見てみる事にした。 すると…
おぉ〜!クワガタ成虫の1番手は君であったかマダラ君
彼もれっきとしたクワガタ虫科でございます☆
幼虫を見ればそれが良く分かるでしょ?(写真左下…小さすぎて分からないかしら!?)
マダラ君がいるという事は、ここには当然ツヤハダ君がいてもおかしくないのだが…

  マダラクワガタAesalus asiaticus asiaticus

  幼虫の頭、お尻を見ればクワガタだって分かるでしょ?

 ね!予定通り、その直後に相棒がツヤハダクワガタの幼虫を発見した☆
一瞬オニクワガタかな?と思ったらしいが、オニとは顔、尻の形が全く違う…。
ツヤハダの場合、顔の輪郭が円形ではなく「角張って」いて、顎の形は「おちょぼ口」、尻は「細くとがって」いる。
また、慌ただしくグリグリと動きまわって落ち着きがないのも特徴だ。
その後、ほんのチョビッツ材を削るだけで数十匹の幼虫が出てきた。
この赤枯材は、まさにツヤハダクワガタのアパートであった…。
お!ほらね、答え合わせをするかのごとく、ツヤハダクワガタ♂の成虫のお頭が出てきた。
多分彼らは皆、長年この極太の赤枯材1本で繁殖してきた大家族なのであろう…
死骸とは言え、成虫の姿にお目にかかるのは実はこれが初めてだったので相棒共々嬉しかった♪

  ツヤハダクワガタの幼虫(左)と成虫のお頭(右)。


〜 よし!移動! 〜


 この辺で少し場所移動を試みた。 人がたやすく入って来られる場所ではチョビッツ面白みに欠ける。
まぁ、子供らが自分達だけの秘密基地を持って満足しているような、そんなたわいもない気持ちに浸りたかっただけである…(^-^;
山の北側斜面というのは陽当たりが悪く、動植物の生育には余り良い環境とは言えないのだが、
そんな訳で、我々はあえてそこを選択する事にした。

 すると直ぐに舗装されていない未開の下り路を発見!我々はそこを突進する事にした…
こう言う時の主役は当然相棒の愛車、インテグラである!
しかし3km程走ったろうか、意気揚々と前進していたはずなのに、路がどんどん悪くなってきた…
インテグラも悲鳴を上げ出したようだ。
路面はガタガタだし、道幅の1/4が土砂崩れにより塞がっていたりと
多彩なバッドシチュエーションに行く手を阻まれた(ToT)
下手したら路が途中で無くなってしまうのではないか…そんな不安な気持ちで一杯になった。
運転している訳ではない写真奉行の私も撮影している余裕がない…。
しかし毎度書いている様に、相棒はバックが大嫌い(その前に方向転換するスペースがどこにもない…)。
もう引き返す訳にはいかなくなった。

 そんな不安な気持ちのまま更に3km程突進していくと…おっ!
向こうからモトクロスバイクに乗った兄チャンがさっそうと登山してきた!
ブンブンブンブン(久しぶりの人だ!格好いいぜ兄チャン)!
当然すれ違い様に声をかけた。
聞けば、もう3km程下れば舗装道路に出られるという☆
これでほっと一安心だ♪
ありがとうございます!
…こんなスリルも採集行の大切な楽しみの一つなのである(…嘘です・危ねぇ〜)☆

 また暫くすると、ようやく少し開けた場所に出た(助かったぁ〜!)。
陽当たりが良く、2本の小川が合流しており、ブナ、ミズナラ、柳などが散見されたため、暖かくなってからが期待の場所だ♪
ちょいと材を削ってみると、直ぐに相棒がアカアシの幼虫を出した。 当然クワガタはいるであろう。
いい場所見っけ!ラッキー☆彡 …しかし、果たしてこの場所へもう一度来る事があるのだろうか!?

最初は綺麗な路だったのにね…

谷底には小川が流れておりました…まさに路肩注意!です…


ようやく少し開けた場所は昆虫採集には絶好の環境!

この小川と別の小川2本がこの地点で合流してました。


〜 ラストにもっかい! 〜


 あまり夢中になっていたらやばいよ!日が暮れてしまう!
時間も迫ってきたので、この場所には見切りをつけて更に下山した。
…すると、路端に良い感じの立枯れを発見!
思わず相棒にストップをかけてしまった。
路があまりにも狭いため、助手席側に座っていても運転席側にある立枯れ材に
ルリクワガタ
の産卵マークが付いている事を直ぐに確認できた。
今日の目的は、クワガタの成虫を確認しておく事であったため
当然車を降りて最後の寄り道をする事にした。
既に標高は、わずか400mぐらいしかないであろう…しかし環境さえ整えば
標高1000m以上のブナ林に棲息するのが定説である小型種も、しっかり生きてゆけるのである。
またそれだけに気温は上がっている筈なので、先程と比べれば羽化している成虫に出逢える確率が高い。
…すると、思った通り緑色のルリクワガタ成虫2♂が出てきた!
成虫にお会いするのは何気に今年初である♪


直径5mm程の小さい産卵マーク ( ) が4つあります…分かりますか?

蛹室の中に今年初のルリクワガタ♂(Platycerus delicatulus delicatulus

さてさて路を急ぎましょ!
あらら…途中でこんな光景を目の当たりにした…。
もう植えなくてええんちゃいますかぁ…(^-^;

花粉症である相棒の天敵が行儀良く育てられてました…。

そんな長〜い路のりを経て、どうにかこうにか山の麓まで降りてきた。
モトクロスの兄ちゃんが言ってた通り、路が無くなる前に舗装道路にたどり着く事ができた♪
まさに「生還した」気分である…(^-^;
気づいたら、山の麓は県境を越えていた。
午前中通ってきた国道へ辿り着くと、ほっとしてどっと疲れが出てきた…“正直しんどい”と言うやつだ。
あとはゆっくり帰るだけ…ということで、とあるラーメン屋に入り
例によってラーメンと鳥飯をダブルでたいらげて、3時間以上かけてダラダラ帰宅するのであった。


〜 後記 〜

 今日は、ハラハラドキドキのスリルと共に(苦笑)、マダラツヤハダルリなど、
小型種の代表選手達を確認する事ができて良かったんではないでしょうか?
次回はツヤハダの生きた成虫に出逢っておきたい所ですな☆
まっ、のんびり夏を待ちましょうや! >相棒

〜採集結果〜

マダラ×5 (幼虫多数)
ルリクワ2♂♂ (幼虫多数)
ツヤハダ幼虫多数
コクワちゃん幼虫多数
アカアシ幼虫×2



※採集記目次へ