採集履歴

“2003年 気になる山を散策” 編(2)



03.04.27
(Mon) 雨〜晴れ Mt 「そっちの山」 
                                                                                                  

 昨晩は3:00に寝て、そして5:00に起きた。 眠い…。 今日も相棒と採集に行く予定。 相棒邸はこっちの山の麓にあって、私の所(千葉)からせいぜい60km程の距離。 しかし渋滞にはまるのが常で、訪問するなら2.5時間は見なければならない…だからさっさと朝トレ→飯をすませ7:00前には家を出た。
 うわぁ〜雨だぜぇ…最悪だね。 今日は晴れの予報だったのに…しかし運良く道はすいていて8:00には相棒宅へ到着することができた♪ 当然相棒はお休み中であった☆彡(→起こしちゃってごめんよぅ…) そんなわけで少し休憩してから相棒のインテグラに乗り換え再出発! 今日はそっちの山へ行ってみようぜ☆ 


〜 雨→快晴! 〜


 再出発するも、依然まだ土砂降りで状態あった。
「どーしゃぶりー、雨の中を〜2
人は〜駆けて行くよ〜」(PSY・S:Silver Rain→マニアック?だけど静かでなかなか良い曲です♪ )

 しかし、1時間ほど走ってトンネルを抜ければ…見事、快晴なり!
天気予報、大当たりである!
車内では、いつも一人で歌いはしゃいでいる私の選曲が、乙葉のアートネイチャーに切り替わった♪
最近コマーシャルでこの曲が流れる度に、若干おふざけ調で歌ってしまう…

ぜろいち♪ふさふさ♪アートネイチャ〜〜♪
あなたにぃ〜♪ あなたにぃ〜♪ あにゃ〜たにぃ〜♪

そこばっかりである。
つまり、今日の私はご機嫌なのだ…(^o^)♪
相棒もケタケタ笑っておられる。


のち 快晴!


 山の麓まで辿り着くと、気温もぐんぐん上がり、テンションも上がった! コンビニで食料を調達していざ山に登らん!


〜 到着ー!〜


 頂上付近には、激狭ではあるが舗装道路がうねうねと走っていて、道端から入れる山道も沢山ある。
この山には数年前から幾度か訪れているので大体の地理は把握しているが、今日はどこへ入ろうか…。
まずは我々の中で最もポピュラーな山道に入り、ある程度の所から徒歩にて散策を開始する事にした。


陽当たりの良い山肌には、結構良い感じの広葉樹帯が広がっております。


 この山一帯は湿原も多く、それ相応の植生が見受けられる。 ミニチュア版尾瀬と言った感じか…。
極太ではないものの、そこそこのブナ・ミズナラは生育しており、また湿原が多いだけに柳が豊富である。
自治体や山の管理者の他、ボーイ、ガールスカウトの方達など、地元民の手により立てられた看板を見る度に
故郷の自然に対する愛着感が増してくる。
それに我々にとっては、るどるふ大先輩が大切にしてきた自然環境の一つでもあるのだ。


湿原の中に生える見事な枝っぷりの柳。


 山道を2km程入った分岐点で車を止め、そこからは徒歩で散策を開始した。
それにしてもよく晴れ上がったものだ! 風はなく、暖かい日差しの中では小鳥がさえずり、川のせせらぎも聞こえてくる。
この辺の水は大変綺麗なので、いつか湿原の “水物” もチェックしてみたい…。
大型のゲンゴロウなどはいてくれはしないだろうか…
枝先にふと目をやれば、何やら甲虫がおなかを膨らませて交尾をしているのを発見した☆
後日相棒が図鑑で調べた所、これは「ハムシ」の仲間であるようだ…。
るどるふ先輩によると、写真での判定では厳密な種の絞り込みが難しいらしい。
ともかく昆虫たちが活気づいてくると、嬉しくなってくる♪


細い山道をにみちくさをする私…。

交尾をするハムシの仲間…!?


 ブッシュに侵入して間もなく、左の谷側斜面に大きな柳があるのが目に入った。 これは秋口にアカアシクワガタがなりそうである。
すると案の定、その横には乾燥しきった広葉樹の立ち枯れが途中からメリメリメリ〜ッ!とばかりに折れていて
折れ目に発見したおびただしい数のドルクスの産卵マークの跡を追っていくと
若干水気を含んだ部分でアカアシクワガタ2♂の死骸が発見された。
やっぱりね…予想した環境にいるべき役者がしっかりと生存している…
そんな当たり前の確認作業がとても楽しいのだ♪
この材の大半は建築用語で言えば「絶乾材」であり、水分を全く含んでおらず、クワガタがこれ以上生存できるとは考えにくかったので
(…と言うよりも、材が乾燥しきっており、堅すぎて鉈が入らないので(^-^;
見切りをつけた。


  アカアシクワガタ♂の死骸


 歩を進めた山道は常に急斜面上にあって非常に細く、永遠に山奥へ続いていた。
途中何度か道が崩れ落ちていたりして非常にデンジャーであったが、そこはスーパーマリオのごとく軽快なジャンプで飛び越えて行く…(^-^;
もはや、「この先はどうなっているのだろう?」という好奇心が大事で、来た道をまた戻らなくてはならないという先の事など
全く考えずに前進した。
勿論みちくさをしながら…。
あっ釣り人だ!ビックリである。
こんな所にまでご苦労様です…(^-^;
お好きなのですねぇ♪


彼らは我々が歩む道の反対側からここまで辿り着いたそうだ☆


 当然我々の方も、発見したミズナラの白枯材からオニクワガタの幼虫を数匹発見していった。
特にそのうちの1匹は、相棒が丁寧に材のブロックごと取り除いてくれたので、そのまま千葉へ持ち帰り羽化を待つ事にした。
楽しみである♪(写真左下の幼虫。。。)


オニクワ

その後
お持ち帰りのオニクワガタ幼虫。 オニクワガタPrismognathus angularis angularis
※7/23追記:22.0mmの立派な♂が羽化。


また、こんな虫も登場した。


ウスチャジョウカイ


相棒が発見し撮影したものだが、るどるふ先輩の鑑定によると
ジョウカイボン科のウスチャジョウカイと言うらしい。
それにしても日本には、余りにも沢山の甲虫がいるものである。
ドシロウトの我々は、現地ではカミキリムシ科だと決めつけていた…(^-^;
(相棒はその後ジョウカイボン科である事までは突き止めたのだが)


更に暫く行くと、若干開けた所に出た。 杉を主体とするうっそうとした茂みである…。
しかし小川沿いは光が差し込みとても綺麗で、流れる水は飲めそうな勢い(とは言っても飲まないが…)であった。





ここでは大岩に絡みつく杉の樹根部の赤枯があり、ツヤハダマダラ君の幼虫達が確認できた。
う〜む、これ以上先へ行っても杉ばかりかな…これではクワガタが薄くなる…
よし、ここらで引き返そう! (車までの道のりは非常に遠かった…(^-^; )


〜 移動ー! 〜


 次は今までいた湿原付近を後にして、小鳥を捕っているおっさんに出くわす山道の入口まで移動した。
ここにも柳は群生している☆
山道は急な登り坂で、頂上付近と思われる所から少し下る…すると再び数本の柳が見えてくる。
この辺は陽が差し込み、適度な湿気があるので、暖かくなれば柳に付くクワガタが発生しそうである。

 更に下ると、先ほど訪れた様な薄暗〜い、じめじめとした場所に出た。
中央にはか細い小川が流れている。
極太のブナの赤枯材が倒れていたので、ちょっと様子を見たが
何も確認できなかった…。
しかし、川にまたがって倒れ、沢山の水を含んだ白枯材の中から
ここでもオニクワガタの幼虫を4頭程確認できたので、持ち帰ることにした(※7/23追記:1♂3♀♀であった)。


赤枯材を削ってみる私…



〜 再び移動ー☆ 〜


 車に乗って元来た道を戻りつつ、最後に登山口付近を攻めてみる事にした…。
長い運転をしつつ、夢中になって歩き疲れたのか、相棒はしばし車内で仮眠をとる事になった。
よって私は一人で山中に入り、適当なクワガタが発見できれば起こしに行く手はずとなった…。
っし!行くべ!
やはりここにも小川が流れ、地面の至る所から水がにじみ出ているような湿原であった。
ただし陽当たりは非常に良い。
川の中には、NDさんが大好きなヒキガエルの卵が産み付けられていたりした。
よく見りゃオタマジャクシもいる…。
そんな中を数百メートル行くと…おぉ、これは…
あっさりとルリクワガタの産卵マーク ( ・ ) を発見する事ができた♪
しかもあちこちに沢山ある。
う〜む、この辺には沢山いるね…チョビッツ削ってみるとあっさり♂が出てきた。
そんな訳で疲労回復して元気になった相棒を呼びに行き
その後相棒も2♀♀を追加した。


 
ルリクワガタPlatycerus delicatulus delicatulusの♂(左)と、珍しく真っ黒な♀(右)


 これ以上の深追いはやめておこうか…出せばきりがないと思う。
ルリが棲息する新しいポイントの雰囲気に包まれただけで幸せでしょうて♪
しかし、あっちの雰囲気とは全く違っていたなぁ〜標高も大分落ちているであろう…。
それが結構新鮮な経験であった。
この場の写真が掲載できなくて残念である…。


〜 終ー了ー! 〜


それにしても今日は、幼虫・成虫・死骸と様々な形ではあったが
アカアシオニツヤハダマダラルリと山のオールスターズに出逢う事ができた♪
相棒共々大分疲れたけれど、内容はかなり充実していたと思う。
さて!陽も落ちてきたし今日の採集行はこれにて終了としよう。

…その後我々は、こっちの山の麓まで移動して、相棒お勧めの食道で晩飯を兼ねた反省会をした。
なるほど、凄いボリュームのカキフライ定食であった!
スポーツ通の相棒の実況も交えプロ野球中継を見ていたら
ベイスターズの斉藤隆さん…可哀想に大ちゃんの犠牲になってしまったようだね…。
そんな訳で解散。 一日お疲れ様でした〜!> 相棒


〜 後記 〜

 今日は、湿原を中心にクワガタムシの小型種を確認してまわった。
材を斧で割ると言うよりは、小さい鉈で表面を削る程度に留めた…
寝不足気味ではあったが、いるべき役者に出逢えた事は勿論、
ペース配分を忘れる程に、場の空気に飲み込まれる事ができてとても嬉しかった。
次回は、早くも明後日の予定…向こうの山が気になり出したし、もうチョビッツそっちの山の事も知りたいし・笑♪
…何となく私にとっての昆虫採集ってのは、採集する事だけが目的ではないような気がしてきた。
やべい!もう1:30や…今晩私は一人実家に戻っております。 今日は気持ちよく眠れそうだっ♪

〜主な結果〜

ルリ:1♂2♀♀(持ち帰り)
オニ:幼虫×5(持ち帰り)
マダラ
:幼虫多数(リリース)
ツヤハダ:幼虫多数(リリース)
コクワちゃん:幼虫多数(リリース)
アカアシ:成虫死骸×2♂



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