採集履歴

“2003年 気になる山を散策” 編(3)



03.04.29
(Tue) 晴れ Mt 「どこぞの山は何頭?みどりの日にはルリでなきゃ!…by相棒」 
                                                                                                  

 祝日(みどりの日)だ!天気がいい! 本日私は相棒と実家で合流している。 朝トレして、NHKの連ドラ「こころ」chanを見て、相棒の起床を待つ…しかしいっこうに起きてくる気配がない。 じれったいので強引に起こしに行ってしまった(^-^; そして納豆や海苔とか味噌汁とか、実家ならではの朝食らしい御飯をしっかり食べて今日も採集に出発した!
 目指すは未開の山。 昨晩から地図を見ておおよその見当をつけておいた場所だ。 レアな場所を見つけて足を運んでみる事はやはり幾つになっても楽しい♪ また一昨日の採集記にも書いた通り、そっちの山の方も、もうチョビッツ見ておきたい。 現在の私の興味は、故郷の山間部の地理の把握にもウエイトが置かれている。 今日は相棒の車が修理中のため、珍しく私のシビックで出発する事にした☆
果たして実りある行脚になるのであろうか…。


〜 快晴! 〜


 目指す山はどこにある? とりあえず目的地の近くまでは下道をゆっくり流していった。 すんごく天気がよい♪
本と、暖かくなったねぇ…もうすぐ「こどもの日」だよ。


おもしろそ〜に、泳いでる〜?


 山間の国道を走っていると、交差点の所で沢山の材を積んだトラックが右折していった…
う〜む、材はまだ切りたてホヤホヤのようだ…堅そうだし、チェックしなくても大丈夫だよね? > 相棒


よく見ると「茨城」の文字はすずき文字じゃありませんか!


 その後暫く走ってから我々も国道を逸れた。
そして山の麓に沿ってうねうねと蛇行しながら目的地の登山口を探してまわった。
しかし、それがいっこうに見つからない…。
明らかに地図情報と現状が一致しないのだ。
のどかな農林業地帯の中で路頭にくれる客人達の姿を
牛が「?」てな顔をして見ておられた…(^-^;


蛇行などせず前の車の所まで直進です! そんな我々をよしや君が心配してくれました…



〜 登山口発見!…〜


 恥ずかしい話、2度も登山口を間違えたが、3度目の正直で、ようやく本命に辿り着く事ができた☆
結構細い登り坂だ…祝日でこの陽気だけに訪問客もそこそこいるようである…。

しかしそれが大問題で、車ですれ違うたびに試練が訪れる事になった…。
皆さん大分お歳を召された方達ばかりで、かつ結構でかい車に乗っておられる。
対向車はいつも路肩に大分余裕を持った状態で停車して、
「早くいってくれ!」てな顔で我々がすれ違い通り過ぎるのを待っているだけなのだ…。
私は必ず片方の車輪を路肩に乗り上げ「ガッタン!」と言いながらすれ違う…。
これが一度や二度ならいいが、そうではないから大変だ…(^-^;

更にたちの悪い事に、清水が湧き出ていようものならそこに平気で何台も路駐しており
その周辺できゃぴきゃぴ戯れている…。
しかし、ゆっくり車で通り過ぎようものなら、
「ぶつけるなよ!」と言わんばかりの
もの凄い剣幕で睨まれてしまうのである。

我々同様、人間ってのは皆 “ゴーイングマイウェイ” だから仕方ないかぁ…(^-^;


こんな細い道ですれ違うのは大変ですね…


 人通りを過ぎ山頂付近に近づいてくると、とあるカーブでこんなものを発見した。


森林総研は昆虫調査中だそうです…


 森林総研の昆虫調査中の看板。 周囲には小虫を採るための変なトラップが沢山仕掛けてあった。
森林総研は相棒の職場からそう遠くはない。 どちらかというとそっち方面の仕事をしている相棒は
ここでバイトできないかな…などとぬかしておった・笑。(→いいんでな〜い?)
ここは昆虫が豊富なのか!? ここまで苦労しているだけに期待感は増すものの
目に飛び込んでくるのはばかりである。
望みは薄いが来たからには山頂まで行くぞ!
ということで登り詰めてみた…
が!結果はハゲ頭であった…(ToT)
標高800mを越える山であったため、その環境はどんなものかと楽しみにして来たのだが、
う〜む、残念! 仕方なくこのお山は撤退する事にした。
まぁまぁ、これも大切なお勉強だ☆ 一つまたお利口さんになったね♪ >私


ハゲを彩るみどりばかりでした…。



そっちの山 〜


 時間は限られているのでそそくさと移動した。
1時間経過…無事到着。 さぁ、やるか!と思いきや、私はハゲ頭に鉈を忘れてきてしまったらしい…。
と言う事で、私は散策に重きを置く事にした☆
まずは前回(4/27)最後に寄った登山口付近から、更に少し奥へ入った所…
結構細めの材にはやはり沢山のルリクワガタの産卵マーク () がつけられていた。


  材をチェックする採集馬鹿:相棒…。

  今回はくっきりトリプル産卵マーク(


そして今日も直ぐに成虫が登場した!
やはり「
みどりの日にはルリクワガタがふさわしい♪(相棒:談)」
他にも、
ヒメマイマイやクワガタの幼虫が作った坑道などで集団越冬をするオサムシにも出逢うことができた☆


  綺麗な
ルリの♂(左)、♀(右)が出てきました♪

ルリクワガタ♂(Platycerus delicatulus delicatulus

百頭百色のヒメマイマイカブリDamaster blaptoides oxuroides)♪

これは何オサムシ!? 朽木中の坑道で集団越冬してました…。


〜 またまた登山!チョビッツが相当に… 〜


 ルリ君達に簡単なご挨拶を済ませた所で、チョビッツだけ登山がしてみたくなった。
そもそも今日の私は、できるだけ沢山の地理を把握しておきたくてここまでやってきたのだ。
「本当にこの山の事を知りたいのなら、身体で聞いてみないと分からないのではないか!?」
そう思ったのである。
それに何よりも「登山口」からここへ入ってきたのだから…。
更に、大分古くなった看板に気がついたので、着目してみると、
どうやら我々は既に第「3」ポイントに到達しているらしい。
こうなったら「4」を目指すのが必然であろう・笑
相棒も乗り気の様だ☆

 そんな訳で、急遽我々は山登りに転じる事にした
よっしゃ、行くべ!

…しかし、暫く人が通ってないみたいだねぇ、ここは。
山を登り始めて直ぐに出てきた率直な感想である。
それを裏付けるかの様に、何度も、何度も
道が一たんなくっなっては再び出現した。
時には道の上に、でかい川がまたがっていたりもした…。
まぁ道らしきものがあるだけいいか♪
そんなお気楽思考で
杉山の中を…単なる広場を…柳の見える川沿いを…まるでハイキングをするかのように
くだらない話をしながら歩いていった。
ところが、「4」、「5」には簡単に到達できたものの、いつまで経っても「6」が現れなくなり、
我々の心境は次第に不安なものへと変わっていった。

 「6」が見つけられないまま、かなりの時間歩いてくると、少し開けた場所に出た。
ふと遠方を見やれば、この山の頂上と思われる場所に鉄塔が見えた☆
よし、あそこまでは行ってみよう!
心身共に大分お疲れモードに入ってきてはいたが、ゴールらしき目標物が目に入った途端に勇気づけられ、
我々は元気を取り戻す事ができた。
(しかしあっさりと目に飛び込んできた目標は、天竺のように遠い所にあるのであった…(^-^;


おぉ!頂上か? あそこまでは行っておこうぜ♪…と私。

あぁ、赤枯材がありますね…でも今は先を急ぎましょう…(^-^;


いったい何km歩いてきたのだろう…
マラソン経験者の我々がそう思うのであるから、相当な距離を移動してきたに違いない。
既にヘトヘトだ…
最後はコンクリート製の小さな疑似丸太で作られた
急勾配で登りにくい階段を一気に駆け上がった!
着いたぞぉ〜!
思った通り、この鉄塔の直ぐ目と鼻の先には目指してきた頂上があった☆
ここは何番だ?もうそんな事はどうだってよく…
この山を制覇したという達成感で我々は胸が一杯だった!!

さぁ、せっかくやって来たのだから軽く周囲を散策してみよう!
範囲はそんなに広くない。
鉄塔を囲む鉄網の横に、大きなミズナラが生えていたので、その根本を注意して見てみると、
ありゃ、久しぶり! ミヤマクワガタLucanus maculife moratusのお頭が落ちていた。
きっと昨年お亡くなりになった個体であろう…。
決して不思議な出来事ではなかったのだが、この山での生存を確認するのは初めてだったので何気に嬉しかった。
それに屋外でお会いするのは昨年の夏以来だったので、
わざわざでかい声を出してミヤップ好きの相棒を呼んでしまった・苦笑。
(どうでも良い事だが、我々は彼をミヤップと呼んでいる…。)


  65mm前後といった所でしょうか…。


 ところで肝心な眺望の方はどうだろうか?
一応なりにも、この山の頂上である事を記す杭が立てられていたので、そこに立って四方を見渡してみた♪


山の頂上から北方を臨む…。


ガ〜ン…(-_-)
頂上は先程のようにハゲてはいなかったが、余りにもうっそうとした林で覆われており、景色を見渡す事など殆どできなかった…。
それにこの林は、ミヤップの生存は確認できたものの、植生、陽当たり等から判断して
クワガタが好んで生息しそうな環境であるとは言い難い。
従って今後のこの山の採集ポイントは、山全体の中腹か、それ以下に絞り込むのが打倒だと言う事が分かった。

おっといけない! さっきまであんなに晴れていた空がだんだん薄暗くなってきた。
仕方ないね…我々はこれにて下山し帰宅する事を余儀なくされた。
(シビックまでの距離が非常に遠く感じた事は言うまでもない…物理的にも、心理的にも…(^-^;


〜 お疲れ様〜☆ 〜


 この後我々は実家へ戻り、美味しい晩飯をたらふく頂いた。 腹が満たされれば、すっかりご機嫌である♪
今日はよく歩いたなー!そんな話をしながら暫く休憩して、各々の家を目指して解散となった☆
お疲れ〜! > 相棒
高速を飛ばして千葉に到着したのは0:00。
今日一日の走行距離は420kmであった…。
玄関を開けて気が付けば、マイギネスサイズのコクワちゃん(02.08.01採集)が遂にお亡くなりになっていたので
2:30までかけて標本用のてん足をやってしまった…(^-^;
夢中になれる事があるって、本と幸せな事やね♪


〜 後記 〜

 今日は高〜いお山に2つも登った。
しかし、てっぺんからの眺望は双方余り良いものとは言えなかった…。
もう2度とおつむまでは登らない!それを悟る事ができただけでも大変有意義であった!

…嘘々、決してそんなものではないぞよ・笑!
上述のような地理を把握していく事は、今後の昆虫採集に繋げる為に非常に大切な事である。
くたびれたのは確かだけれど、マラソンでゴールした時の様な達成感を味わう事もできたし
そう言った意味でも本日の採集行は大変満足の行くものであった♪
それに相棒の言う通り、みどりの日にルリクワガタを採集できたのだから、きっと正解だったに違いない!

〜主な結果(持ち帰り)〜

ルリクワガタ:1♂2♀♀



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