採集履歴
“2003年 朝まで採集” 編(1)
03.06.20 (Fri) 晴れ Night 「フライング気味かな?」 |
6月下旬!最高気温は31℃!それを考えただけで、日中はとても落ち着いて仕事ができなかった。 シーズンは遂に本番を迎えたのか? それが気になって仕方がなかったのだ。 夕刻になって、本日私が担当する全ての授業を終えると、一目散で電車を乗り継いで帰宅し、18:00には相棒邸へ向けて出発した。 明日は休みだし今夜は心おきなく採集ができるぞ!…そう思いながら、心をウキウキさせてアクセルを踏み、ハンドルを切る♪ 実に幸せな男だ・笑。 そんな私が掲げた今夏の目標は、 (1).色々な虫を見て楽しむ事 (2).ノコノコ・ミヤップ・ス〜ジ〜・コクワちゃん・アカアシなど普通種のマイ・ギネスサイズを更新する事 …この2点のみである。 特に(2)の実現は運次第なので、体力の続く限り動き回り、クワガタと遭遇する確率を増やしたい。 今年もとことん夏を満喫するぞ! |
〜 北上!〜
相棒邸へ到着したのは20:30。 わずか60kmの道のりを、何と2.5時間もかけてしまった(^-^;
既に「ゴールデンタイム」のまっただ中である。
これは昆虫達が、「さぁ繰り出すぞ!」と言わんばかりに空へ羽ばたく日没後間もない時間帯を指す。
つまり、夜の採集にはもってこいのひと時なのだ。
よってそれを追って採集人も動き出し、樹液や街灯の下へ群がるのである(これでは虫と同じだね・笑)。
私のロスタイムは実にもったいないのだが、出身県での採集に拘る以上、身近な千葉での採集に妥協する訳にはいかない。
相棒の車に乗り換えて、直ちに近くのインターから高速に飛び乗り、本日目指す目的地付近まで高速移動だ!
ガンガン移動しましょう!
〜 まずは樹液事情 〜
高速を降り、早速行きつけのNポイント→OBポイント→ONEWポイント
の樹液をまわってみた。 その結果は…
コクワちゃん・コクワちゃん・コクワちゃん…とコクワちゃんのオンパレード…(^-^;。
樹液や樹の幹に着く個体をいちいち数えた結果、確認できただけでも12♂♂2♀であった・笑
概ねこの時期になればノコノコが大発生し始めるものであるが
今年はまだ一匹も確認できていない。
どうやら彼らにとっての夏の始まりは少々遅れ気味のようだ。
確かに朝夕の気温は例年に比べて弱冠低めであるし、
寒さに強く発生時期の早いコクワちゃんが未だ集団でのさばっていられるのが動かぬ証拠である。
(ちなみに昨年は、6/8にノコノコ1匹目を確認している)
羽化は♀、発生は♂の方が早いです。
さて!頭に入っている主要な樹液は一通り見回った事だし、次は街灯を求めて飛んで行こう!
〜 続いて灯下採集 〜
先程NポイントからOBポイントへ向かう途中、左手(西方)から
煌々と輝いている何とも明るい2本の街灯の光が目に飛び込んできた。
田んぼの先にある遙か向こうの山際からである。
聞けば相棒も以前から気になっていた光だというので
まずは、興味そそられる「あそこへ行ってみっぺ」という話になった。
この辺りは水源が豊富なので、水棲昆虫も含めてかなりの期待ができる。
周囲をうろつき、光の発生源へ至るであろう細い舗装道路を発見したので、
ぐねぐねと蛇行しながら近づいて行った。
さぁ、その結果は…!?
この2本…周囲は凄い事になってました。
ピンポーン♪正解です!
この街灯の周りには水モノを含めた無数の昆虫達が、気違いの様に飛び交っていた!
クワガタの姿は余り見えないが、ここまで魅せつけられると充分に楽しい♪
撮影したほんの一部の昆虫だけでも順を追ってご紹介致しましょう…。
※以下の昆虫の同定には、るどるふ先輩のご協力がございます。
コガネムシ(Mimela splendens)
かろうじて今期初!頭部羽化不全のノコノコ♀
エゾカタビロオサムシ(Campalita chinense)
ヒメガムシ(Sternolophus rufipes)
ゲンジボタル??
タガメ(Lethocerus deyrolli)今夏1匹目!
そして何と、水棲昆虫の王様タガメまでもが飛来してきていた!
因みに今夏初である。 タガメが棲息できるような水源が残っているのだから
この辺りの環境は自然度が高いに違いない。 貴重なポイントだ☆
〜 NEXT!〜
さい先良く滑り出した所で、少々場所移動。
ここへ来る途中で降りたインター方面へ徐々に戻ろう。
次なるポイントは「石U」。
昨年から通い慣れた、引き続き水源が豊富なポイントだ。
ここでは…
公の場、「石U」では…
コクワちゃんの♀
アオスジカミキリ(Xystrocera globosa)
…等々が見られた☆
しかし先程の街灯に比べ、心なしか虫が少ないようだ。
いずれにせよ、ここは親子連れが沢山採集に訪れるポイントでもあるので
あまり手をつけないで見切りをつけよう。
更に移動だ…
〜 NEXT!! 〜
その次は、全く人気がない「麻薬工場(嘘×2)」と、「小学校の頃遠足で訪れた水瓶」をチェック!
とてもいい灯りが幾つかあったのだが、やはり、あまり虫は飛んでいないご様子だ。
しかし、いつの間にか私は虫の事などそっちのけで、相棒を含めた街灯の撮影にはまっていた。
まる子のお友達、タマちゃんのお父さん状態である・苦笑。
綺麗なぁ〜!
静けさの中、機械音だけが聞こえてくる怖い所です…。
この辺りは、思ったより虫がいないみたいです。
虫避けの街灯…でも綺麗だったから1枚・笑!
で、肝心な虫の方だが物珍しいのは唯一これだけだった・苦笑。
水瓶の近くの中野さんちの門にて…
ムネアカセンチコガネ(Bolbocerosoma nigroplagiatum)
どうです、綺麗でしょ? 体長は1cm程度。
相棒に見せると、一瞬「どんぐり」か何かと思ったそうだ( →さすが!面白い表現をなされる・笑
)。
木の実ではなく、れっきとした甲虫なのだが、何を隠そう糞虫である。
名前の通り動物の糞の中から採集されるが、飛翔性が高いので灯下の方が見つけやすいようである。
まぁ、他の意味も含めて採集は灯下がお勧めだね・笑。
〜 南下!〜
やはり気温が若干低いのだろうか…。
どこへ行っても虫の飛びがいまいちのようである。
どうやら1番最初に行った2本の街灯は、例外中の例外だったようだ。
(それだけに虫が集まる貴重なポイントだったとも言えよう。)
暫く南下を続け、状況の変化を伺う事にした。
しかし、高速に飛び乗って一気に南下してしまうのはつまらないので
初めて通る下道を選択してゆっくり移動する事にした。
でなければこんなほのぼのした光景に出逢う事はできない・笑。
犬(Dog)…
〜 灯下!〜
私が仕事でよく訪れる地区のそばを通りながら、
相棒行きつけのポイント付近に差し掛かったので、寄り道をこく事にした。
「石ポイント」である。 写真は撮れなかったが、とてもいい街灯が何本かあった。
しかしやっぱり虫の飛びはいまいちの様だ…。
そんな中、普通種とは言え大変綺麗なゴマダラカミキリが来ていてくれた☆
ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)
ついでに殿様もおられました☆
〜 BRAKE 〜
ここでちょっと一息入れよう…。
我々が路駐した付近に大胆な荒波のペイントが入ったトラックが横付けされていたので一枚。
間違いない、すずき工芸の仕事である! 相棒は以前にもこれを見かけたそうだ。
「望郷」かぁ〜やはり生まれ育った故郷が一番だぞよ…え、何々?
「ゆっくり走っぺ○○県」?
「日トラ営業」??
概ね「日テレ営業中」のパクリであろう、実にお茶目である☆
「望郷!」いい言葉じゃないですか!
〜 再び樹液!! 〜
う〜む、灯下の状況は県内どこへ行っても代わり映えしないみたいだねぇ…。
北と比べれば、気温はわずかながら上がったものの
もう日付も変わって2:00だけに、虫の飛びは更に悪くなってきた。
まぁ、こんなものでしょうか。
せっかくなので、付近の「民家裏の里山」、「こっちの山の麓」
などの樹液も一通りチェックする事にした。
う〜ん、やっぱりどこも一緒みたいだ。 まだまだコクワちゃんが全盛のようである…(^-^;
今日の我々はチョビッツ焦っちゃったのかなぁ・苦笑?
主役はやっぱりコクワちゃん♂
〜 タイムアップ 〜
そんなこんなで走りまわっているうちに、あらら…空が明るくなってきちゃったよ。
気が付けば既に4:00である。 今回はここら辺が退き際でしょうかね。
相棒邸に近づいたので、これにて私も千葉へ帰る事にした。
さ!道はがら空きだ、飛ばしていこう!
我が家へは5:00過ぎに無事到着。
夕方2.5時間かかった道のりも、帰りは1時間ちょいしかかからなかった。
ただいま〜!思えば昨日起きてから24時間経っているのね…(^-^;
一応相棒にメールを入れておかねば…無事に到着したでよ!今日はお疲れ様でした☆
眼前に迫る我がねぐら♪
〜 後記 〜
どうやら今日の我々は少々フライング気味だったようだ・苦笑。 しかし、これでやっと夜の部のスタートラインに立つ事ができた様に思う。
行っておかなければきっと後悔していたに違いない。
一連の成果の方は、初めて見る面白い昆虫に出逢えた事や、水棲昆虫が沢山採集できそうな新しい街灯を発見する事ができた事だ♪
これから気温は一層高まる… 先に記した(1)(2)の目標を達成させる為には、今後の灯下、樹液事情から目を離すことができそうにない。
よって暫くは、この「朝まで採集編」を続けていく予定である。 さぁいい加減に寝ないと!今日に響くでぇ・笑!
〜 主な確認種 〜
●クワガタムシ科
コクワちゃん : ♂いっぱい
ノコノコ : 1♀
●オサムシ科
エゾカタビロオサムシ
●カミキリムシ科
アオスジカミキリ
ゴマダラカミキリ
●センチコガネ科
ムネアカセンチコガネ
●水生半翅類
タガメ(持ち帰り)