採集履歴
“2003年 水棲昆虫” 編(1)
03.09.28 (Sun) 晴れ Lake Side 「水物を求めて…始動!」 |
ここの所、無性に水棲昆虫の事が気になっている。 今年の夏、灯下巡りの際に沢山のタガメ、ゲンゴロウと出逢った事がそのきっかけだが 実は遠い過去にも幾度か、興味を惹かれた出来事が訪れていた。 小学生の頃、クラスメートのOちゃんと、実家から網を持ってU家具の裏へ カエルを捕まえに行ったのだが その時網に入ったのは、タイコウチ、ミズカマ、ヒメゲン…であった。 それを持ち帰り、一律同じ容器に入れておいたところ ヒメゲンがミズカマキリに食われ、ミズカマキリがタイコウチに食われ… いわゆる弱肉強食の世界を目の当たりにし、ショックを受けたものだった…(^-^; そしてタイコウチの2齢幼虫を 「もしかしたらコオイムシではないか!?」 と思い、儚い期待を持って一生懸命図鑑で同定しようとした…(^-^; 家族旅行の帰り道、某高速サービスエリアで2頭のオオゲンを発見し 初めて見る大型ゲンゴロウのB面にグロテスクさを覚えた…(^-^; (現在は美しく感じているが・笑) 中学になると、部活に没頭してムシに対する興味心が一時衰退したが 帰宅途中、U家具前の灯下に衰弱した「タガメ」を発見し 初めて見る水棲昆虫の王者の貫禄に圧倒され、丁重にお持ち帰りした事を思い出す。 残念ながら☆になった後、標本を作製しようとしたが、絶妙な臭いを放ち失敗…(^-^; …つまり、度々重ねてきた懐かしい感動の想い、好奇心が再び蘇ってきたと言う訳だ。 私のムシ採りは、「機が訪れた時に」、「気ままに」、「時にストイックに」…そんな感じである。 まさに趣味を活かして人生を楽しんでいる幸せ者だ。 そんな訳で、今後は暫く水棲昆虫と戯れてみたい♪ もちろん、相棒もこれにノリ気である。 そして記念すべき第一回目の採集行となる本日は、ゲストとして相棒の相棒である父も参戦。 基本的に釣り好きな父。 「水棲昆虫=水辺」…だからか!? 相棒の誘いによって、ターゲットがクワガタの時よりも、あっさりと食いついてきたそうだ…(^-^; …と、いうわけでまずは身近な場所(実家付近)から散策を開始したいと思う。 |
〜 堤防へ 〜
水辺散策のナビゲーターは、助手席に座る父が担当した。
長年、魚を求めて付近の水場を渡り歩いてきただけに
その情報はあてにすべきだろう。
K小学校辺りの山間の農道からスタートして、T町方面へ…
そしてまず始めに辿り着いたのは、某湖岸(東側)の裏手に流れる用水路だった。
緩やかな流れがあって、水深は大分ある。
水草の根際あたりを、網でガサガサやると…
ピチピチと何やら沢山の生物が入り込んだ。
おぉ〜、これはエビでないの!
どうやら湖からのおこぼれの様だ。
面白い様に、いくらでも入ってくる☆
かき揚げにして食べるとうまいんだよね〜♪
しかしこれは昆虫ではない…(^-^;
夢中になる父と子…
エビchanです。
どうやら父のナビは、半分「魚釣りモード」の様だ。
少々塩分を含んだ水辺へ、自然と到達してしまう…(^-^;
陽が落ちる前に、視点を変えて次の採集ポイントを探さねば…急ごう!
次、行きましょう!
〜 整備されてしまった小川 〜
先程の湖を離れ、今度は点在する低い丘の合間を縫う様に広がる
田んぼの水源を散策する事にした。
しかし、ほぼ全ての河川が(か細い小川までも)、コンクリート製のU字溝で整備されており
水棲昆虫が住めそうな環境が見つからない。
水の流れが速いのもNGだ。
昔見た様な、土を起こして作った、あぜ道の谷間を緩やかに流れる
水草多き小川がめっきり少なくなった模様…。
そんな寂しい感想を抱きつつも、更に移動だ。
コンクリートの側溝を覗いても、いそうにありません…。
デンジャーな絵です…(^-^;
さぁ、もう一踏ん張りしましょう!
〜 コオイムシを発見! 〜
最後に訪れたのは、先程とは別の湖岸周辺…
目を付けたのは、再び堤防裏手の用水路だった。
ただしT町で見た用水路とは違い、こちらは湖との接点(水門)から程遠い様だ…
よって塩分控えめと見た・笑!
水の流れは無いに等しいほど緩やかで、川底には泥が溜まっている。
生活排水が少々混じっているのが返って幸いしているのか、水草が多く、小虫も湧いている模様…
まさに富栄養化現象である。
とてもナイスなシチュエーションであった。
最後はここに決定!シャッター速度を遅め明るく撮影です。
水草の根際をガサガサやると、早速ミズカマキリやタイコウチが入ってきた。
久しぶり!
とりあえず、水棲の「昆虫」が採集できて一安心である…(^-^;
そして今度はエビではなくアメリカン(アメリカザリガニ)も入ってきた。
こいつらがいるとなるとチョビッツ厄介である。
何でも食っちまうからなぁ…。
他にドジョウ、クチボソ、タニシ、ウシガエルのオタマジャクシ…etc
淡水生の生物がいくらでも入ってくるが、暫くはこれといった発見がなかった。
ミズカマキリはいくらでもいます…。
タイコウチもそこそこ入ります…。
このポイントで相当粘っていると、遠くで相棒が…
「おっ!何か変なのが入った!」
と叫んだ。
不思議なもので、現物を見なくても
もしや、コオイムシを採ったかな!?
という予感がした。
歩み寄って確認してみると、見事に「正解♪」であった!
「よっしゃー!」
でかしたぞ、相棒よ!
このコオイムシ、文献によれば、いる所には沢山いる、いわゆる普通種と紹介されていたが
初めて見るし、子供の頃から憧れていたので
それは×2感動してしまった!
正直嬉しい♪
体長は、20mm程度…実にカワイイ。
タガメの子供みたいだ・笑!
しかし、これで立派な成虫であり
♂は♀が産んだ卵を沢山背中に背負って、幼虫が生まれるまで面倒をみるそうだ。
主に、卵の給気、保水を担うのであるが
それ故に「コオイムシ」なのである。
![]() |
-この子に会いたかったんですよ〜♪ -コオイムシ(Diplonychus japonicus) |
一頭いれば、もっといる!
そう思って、暗くなるまでガサガサと網入れしてみたが
残念ながら2頭目を発見する事はできなかった。
やはりこの辺では、タイコウチ、ミズカマキリと比べ個体数が圧倒的に少ない様だ。
そう簡単にはいかないかぁ〜。
ふと気が付けば、本日も時間ギリギリまで粘る相棒の姿があった…。
相変わらず粘る相棒…。
タイムアップ!
そろそろ引き上げましょう。
たかがコオイムシ、されどコオイムシ!
満足気な相棒を見て、やはり満足している父の姿があった。
そして、そんなコンビを後部座席から撮影し、にんまりしていた私なのであった♪
満足気なコンビ☆
〜 後記 〜
水物をやっておられる先輩方には
とてもお見せできる様な内容ではなかったが
まぁ第一回目の採集行としては、短時間ながら
大変満足の行くものとなった。
何せ、生まれて初めてコオイムシを見る事ができたのだからね♪
その後、実家へ寄ってから千葉へ帰り、店を閉めて夜な×2作業をしておられるNDさんの所へ
半ば強引におじゃまして、本日の一連の話を聞いて貰った。
いつも、お守りをして頂いてありがとうございます…(^-^;
とても楽しかったので
今後も少しずつ、水物を追いかけていきたいと思う。
〜 主な確認種 〜
●水生半翅類
コオイムシ