採集履歴

“2003年 水棲昆虫” 編(2)



03.10.05
(Sun) 晴れ Plain 「想い出の水場を訪ねて…引き続き近所を散策」 
                                                                                                  

 先週は、本格的な水棲昆虫採集行の記念すべき第一回目となった。
その結果、生涯初となるコオイムシの発見にえらく感動してしまった( → ショボい・笑)!
コオイムシなど、普通種中の普通種…
それだけに、まだ×2「ド」が付く程の素人である訳だが
だからこそ未知の世界に対する興味が尽きない。
…と、いうわけで今週も先週に引き続き、身近な場所(実家付近)を散策しよう。
子供の頃に楽しませて頂いた想い出の水場も訪ねてみたい。
勿論、同行者は相棒である。


〜 沼地へ 〜


 まずは、実家から車で5〜6分の所にある池…
20年程昔なら、口の細い瓶を水底に沈めると、簡単に天然タナゴがタコ採れしたものである。
しかし現在は、水深が無くなり、ススキに覆われた湿地帯と化していた。
う〜ん、残念…

ただ、ゲン(ゲンゴロウの略称)が棲息するには充分すぎる環境がそこにはあった。
陽当たりが良いし、成虫が産卵するための植物、幼虫が羽化するための泥などが豊富にある。
なのに

ちかづくな!

と、言われましてもねぇ…(^-^;


んな、殺生な…(^-^;


いい雰囲気の湿地帯です。

日陰の水溜まりをガサガサやる相棒…


K小学校のアドバイスを一応念頭に入れながら(苦笑)、
水がある程度溜まっていて、網を入れることが可能な箇所を
くまなくガサガサ漁ってみた…
しかし、入ってきたのはアメリカンばかり…
こいつらが大量発生していると、何かやりにくいなぁ。
絶好の環境が整っていても、この結果では、非常に厳しい…。


カンカン、アメリカ〜ン♪ (レッド吉田の五文字ネタ…)



〜 コオイムシがいた用水路へ 〜


 続いて、先週コオイムシを発見した某湖裏手の用水路に来てみた。
先程の湿地帯と同じ町内なので、あっという間の到着である。
用水路へ至る途中の土手に生えていた雑草は、全て綺麗に刈られていた。
ササッと川岸まで走り寄り
早速相棒と二人で網を入れてみる…


先週訪れた場所は、土手の草が刈られていました…。

汚い…!富栄養化現象です(+o+)


すると今週は、すんなりとコオイムシをゲット!
しかも2頭である。
そして先週に引き続きまたもや相棒の手柄であった☆
2頭の内1頭は、成虫になる為の最後の脱皮を終えたばかりで黄金色に輝いている。
綺麗なぁ…!
相棒は、これを他の種と勘違いした模様…
それはチョビッツいただけませんなぁ…(^-^;
しかし、やったな相棒!
丁重にお持ち帰りだ♪


脱皮直後のコオイムシDiplonychus japonicusをゲット!



〜 水場を求めて 〜


 その後、湿地帯、池、小川などの水場を求めて
地元のあらゆる場所を走り回った…
しかし、これがなかなか見つからない。
時折、
「これは!」
と感じさせる絶好の水場があったとしても
ほぼ100%アメリカンに支配されている…
一時期、ブラックバスや、ブルーギルの餌となって大幅に減少したと聞いていたが
そんな事はない、彼らのハバの効かせ方は健在であった。
相変わらず、異常繁殖した結果、餌が無くなって共食いしている状況も見られた。
A小学校に至る途中で見られた休耕田でも御覧の通り…


1枚の写真の中に6頭のアメリカ〜ン


A房方面から、S小学校方面へ…
黄金色の稲穂の向こうで、農夫が野焼きをしている様子が映った…
生まれ故郷ののどかな風景である。


田舎です…。


S小学校付近の田んぼのあぜ道を行くと
小さな水道処理場の横に
少々流れが速いものの、水草が沢山生えた川があったので
網を入れてみた。
すると、ぴょん×2跳ねる、水棲昆虫が数頭…
これは、マツモムシという水生半翅類である!
いつも図鑑で見ていた奴だ。
体長は1cm程と小さく、顔が怖い…(^-^;
何となく、とっつきにくかったが
一応、初採集と言うことで
お持ち換えりだ。


マツモムシNotonecta triguttata)やん…(^-^;


続いては、親戚が住んでいる家付近にある紳士服屋の裏手へ…
田んぼの間に、少々流れが速い小川があったので
一応網を入れてみると
タイコウチの他、コオイムシの終齢幼虫が入った☆
まだ、羽が形成されていないが
これで本日3頭目となる。
やはりあなた達はカワイイ♪


コオイムシの終齢幼虫です。



〜 懐かしのU家具の裏へ 〜


 一日中歩き回って、陽も大分落ちてきたので
最後に小学生の頃、友人Oちゃんとカエルを捕まえた小川を目指した。
U家具の裏である。
到着してみると、あらビックリ!
懐かしい想い出の小川は、一切整備されておらず当時のままの姿であった♪

早速網を入れてみると、いるわ×2!
水物のオンパレードであった。
殆ど空振りのない状態である。

ヒメゲン、コシマゲン、小型のガムシ類、ミズスマシ、タイコウチ、ミズカマキリ、マツモムシ…
各種ドジョウ、アメリカン…他

棲息している生物も、当時のものと何ら変わりはなく、健在であった。
どの種も普通種だが、当たり前のものが当たり前の様に棲息している…
しかも沢山…
あ〜…嬉しくて何だか泣けてくるねぇ…(T-T)


写真が暗めですが…懐かしい小川は、健在でした☆

ヒメゲンに、アメリカン…

コシマゲンに、怖い顔したマツモムシもおります…。


さぁ暗くなってきた…満足できたこの辺で、本日はお開きにしよう♪
今宵は千葉でちょっとした用事があるので、急いでアパートへ戻らなければならない。
遠い昔、自分が歩いてきた足跡を辿ってみるのは
なかなか楽しく、そして感慨深かった。


この辺で閉幕…あの鉄塔の下に実家があります☆



〜 後記 〜

 今回は子供の頃の記憶を辿り、久しぶりに近所の小川や湿地帯を訪ねてみた。
それらの様相は、20年程前と比べ大分変わっていた場所が多かったものの
そうでない場所も若干残されており(う〜ん、懐かしかったぁ…)、
水棲昆虫はしっかりと息づいている様だった。
そしてマツモムシの他、最近お気に入りのコオイムシも3頭ゲットできた♪

甲虫に関しては、ヒメゲン、コシマゲン、その他、小型のガムシ類が精一杯であった。
彼らの健在ぶりは大変嬉しいが
これ以上の種を求めるには、やはり地元では厳しかろう…。
今週は、大まかではあったが過去のおさらいをして楽しむ事ができたので
次回以降は、少しずつ行動範囲を広げて行きたいと思う。



-脱皮したてのコオイムシ
-
夜には大分色づいてきました。



〜 主な確認種 〜

●水生半翅類
 コオイムシ
 マツモムシ




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