採集履歴

“2003年 水棲昆虫” 編(4)



03.10.25
(Sat) 曇り Hill 「来期へ繋ぐ水辺の散策」 
                                                                                                  

 朝から、今にも雨が降り出しそうな空模様である。
季節柄、大分気温も下がってきたし
それに伴って、昆虫達は活動が弱まり、じきに越冬に入っていくのだろうが
本日もオオ(ナミ)ゲンゴロウ採集の布石を造りに出かけたいと思う。
「いつか採れれば…」
それでいいのですわ☆


〜 怪しい車と遭遇 〜


 11:30、相棒と共に実家を出発。
いつもの如く淡々と、畑や造成地の中を突き抜ける見晴らしの良い県道を北上していると
何やら怪しい車に遭遇した…

我々の前方を走っていたのだが
第一印象は、とにかくノロい…。
しかも、ただノロいだけではない。
突然速くなったり、そして遅くなったり…
トータルして、相当ノロいのだ…(^-^;
こういうのは、後を着いていく立場とすれば非常に走りにくい。

蛇行せずにきちんと直進できるので
酔っぱらい運転ではなさそうだ。

しかし、とある交差点に差し掛かった所で更に怪し気な動きを見せた。
あろう事か、赤信号を無視したのだ…(^-^;
黄色から赤に変わる瞬間に?
そうではない。
初めから完全に赤信号の交差点に差し掛かかり
これまで走ってきた、そのままのペースで流暢に前進、通過してしまったのだ。
危ないねぇ〜。

同じようなペースで次の交差点を迎える…また赤信号である。
さて今度は?…おおっ、今度は止まった!
ビックリである(何でやねん・苦笑)。

しかし、やはり彼はただ者ではなかった…。
停止後、10秒ぐらい経つと
周囲の様子を伺うかの様に横断歩道を跨いで少しずつ前進…
右へ左へ直行する車がいなくなると…
もしかして!?
ウソ、またもや前進??
あっけなく2度目の信号無視をして交差点を通過して行きやがった…(^-^;

前方を走る怪しいこの車は、交差点毎に我々より先に行ってしまうのだが
何せノロいので、直ぐに追いついてしまう。
別に急いでいる訳ではなさそうだ。
完全にゴーイングマイウェイの運転手らしい…。
信号の存在など、全く気にならないのだろう。

そして遂に、ビュンビュン車が流れている国道(2車線)との交差点の前へ差し掛かった…。
まさか、ここではやらないだろう。
と言うよりも、できないだろう。

そう思いながらもハラハラしながら様子を見ていると…
え゙っ!?
ここも行くんすか??

お行儀良く(?)左折のウィンカーを出し始めたので
今度は直進ではなさそうだったが
またもや少しずつ前進して横断歩道を跨ぎ
右から左へ慌ただしく走り過ぎていく沢山の車の隙間に割り込んで、とうとう行ってしまった…(^-^;


まさか、ここでもやるんすか!?


あらあら…(^-^;


その際、一瞬ではあったが、運転する中年男性の横顔が見えた。
しかし、これ以上のコメントは差し控える…。
免許を持っているのだろうか?
あの調子だと、多分本日中にポリスメンに捕まってしまうでしょう…。

のっけから、的外れな内容で済みませんです…m(__)m
それだけインパクトが強すぎました…(^-^;



〜 調査開始! 〜


 仕切直しだ・笑。
この夏、クワガタ採集の折り、散々通った道を走っていたところ
とある橋の下に見える流れの緩い川が気になった。
まずはここで腰を下ろしてみよう…。

いつも素通りの川であったが
ターゲットが水棲昆虫となると、視点も随分変わってくる。
ここをやり過ごす訳には行かない。


良さそうな川でしょう?


川を挟む土手には丈の高い雑草がびっしりとはびこっていたが
釣り人が多いのだろう…
そんな中にもしっかりと小道ができており
容易に水際まで辿り着く事ができた。

ふと気が付くと
「りんたろうみみず」と書かれた
空き箱が落ちていた。
フナ釣りかなぁ…。
結構あちこちで釣りをやっていた形跡が見られる。

肝心な水棲昆虫は??
見付ける事ができなかった…(^-^;


お次は、いったん橋のたもとまで戻り
直ぐそばの林際をチョロ×2流れている小川に着目…
草が生い茂って良さそうな雰囲気だったが
入ってきたのは、ドジョウにカエル…虚しい・笑


ありゃ…カエルさんだ。


更に、先程の川を水源とする田んぼの方へ…
用水路に、ヒメゲン、コシマゲンなどが少々…
ドジョウが大量…
まぁ、こんな所でしょうか・笑。


小型ゲンゴロウが少々見られました…。


その他に見られたムシと言えば、イナゴ君…


おんぶバッタが欲しなぁ…by ゆうか


また、思ったより臭くないと言われる
アカスジキンカメムシのご遺体を
相棒が水中から拾い出していた。


アカスジキンカメムシ(Poecilocoris lewisi



〜 知らない道を 〜


 これまでに一度も走った事のない道を流してみた。
すると、建設現場跡の様な広大な荒れ地に
自然と水が溜まり、雑草や水草が生えた湿地帯を発見した。
道路を挟んで反対側には川が流れており
水棲生物の流入も容易い状況である。

これは素晴らしい!
そう思って
長靴に履き替え早速網入れを開始した。
しかし、何にもおらん…なんでやね〜ん… (-_-;
時期的なものかな?
いや、多分我々がヘタなのだろう…
来年、暖かくなったらまた来よう☆


凄くいい雰囲気なので来年に期待ですね☆

カンカン、
アメリカ〜ン♪…でかい・笑


その後、小高い急斜面緑地の下に沿って走る細い道路を突き進んだ。
すると、右手の斜面側には、良さそうなクヌギやコナラが散見され
左手の湿地帯には
わずかながら若い柳が生えていた…。

ここも、来夏に期待だな♪
視点がクワガタモードに切り変わってしまったが
知らない道を行けば、何かしら発見があるから面白い。


クワガタも行けそうじゃないすか♪


更に行くと、斜面地を利用して
広い庭園を造っているお宅を発見した。
小さな池も造られていたので、チョビッツ覗かせて頂くと
渓流に棲んでいる様な魚が泳いでいた…
何がいようと網を入れる事などできないので
ゲンゴロウがいなくて良かった…(^-^;



〜 Sきょく周辺 〜


 今年の夏、タガメ、シマゲンなどを沢山発見した
「Sきょく」から100m程離れた所に、大きな溜池を発見した。


ここからタガメが飛んできていたと推察されます…。


おそらく人工池であろう。
「水溜まり=低地」というセオリーを外れて
小高い丘へ登った所にそれは存在した。

水田の縁から我々が登ってきた土手が
池の水をせき止めており、いわゆるミニチュアダムといった状況である…。
よく見れば、土手の隅の方には水田へ水を引くための小さな水門が
築かれていた。

ただし周囲の植生の豊富さといい、水の澄み具合といい、自然度がとても高そうに映った。
(写真右手の雑木林は、いかにもミヤップが棲んでそうな感じであった・笑)
おそらく、ここからも「Sきょく」へ向けてタガメが飛んでいくのだろう…。

本日は、来期に向けて
この辺りの水源の分布を少しでも多く把握して帰りたい。



〜 河川には見切りを… 〜


 川底に、力尽きた鮭が沈んでいる様な
割と大きめの河川も一応チェック…

コンクリート壁に打ち込まれた、錆びた金属製のはしごを伝って
苦労して水辺まで辿り着いたが
今後に繋がる、これと言った手掛かりは何も掴めなかった。
もう二度とここへ降り立つ事はないだろう…(^-^;

これから川を探すなら、幅が数十センチ程の小川…と言うよりもむしろ
流れの止まった水路ぐらいの方がいい(→ただしコンクリート製のU字溝は避ける)。
そう悟った瞬間であった…(^-^;


川岸まで降りていくのが大変でした…。


それにしても、こんな汚い川にも鮭は帰ってくるのですねぇ〜。



〜 今日も「弁当屋」 〜


 前回沢山の水棲昆虫を発見した
○よしの弁当屋さんのそばへやってきた。
せっかくなので、チョビッツ覗いてみよう…。

果たして今日もいるのかな??
カニ!ガマ!
…おっ!
またいましたコオイムシ
これでボーズは回避ですな♪
何度見てもカワイイです☆


カニさんに…

ガマチンに…

コオイムシDiplonychus japonicus



〜 衝撃の沼! 〜


 「OBポイント」の裏手に構える里山の中をあちこち走り回った。
すると、薄暗く、うっそうとした林の中に、一軒の空き家が…
うぇ〜、気味悪っ!

しかしよく見ると、その前面には衝撃の沼があった!

「凄ぇ〜 (◎o◎)!」

相棒と口をそろえて、つい興奮してしまった…(^-^;
たたみ54畳分ぐらいの広さだろうか?(→余計分からん・苦笑)


こんな良さそうな所、滅多に見られませんよ…


ある程度の深さがあるし、水の栄養分も豊富そうだが、決して汚染されている訳ではない。
水面には、適当な水草が根を下ろして浮いており、周囲も含めて植生が豊富である。
年内の採集は無理としても
来年の春以降が楽しみなポイントである。

たまたまの発見ではあったが、この出逢いは
本日の「成果」として充分すぎる内容であったと言えよう♪

このポイントは「Oポンド(池)」に続いて、「Oスウォンプ(沼)」とでもしておこう…。

さぁ、納得の行く手応えを得たこの辺で、本日はお開きにしましょう。
17:00かぁ、夏だったらこれからが本番なのだが…
それにしても、陽が落ちるのが早くなったものだねぇ…
そして寒い×2…(^-^;
よし、帰るべぇ。



〜 後記 〜

 本日は、来期への布石を造るために
県内某地区周辺の水辺を、時間のある限り探して回り
その分布を把握した。
 確認できた水棲昆虫自体の数は少なかったが
暖かくなれば、きっとそこにムシが湧くであろうと予測できる
見事なポイントを幾つか発見する事ができた。
そして、見切ってもいい環境がどういった所か
少しずつ分かってきた(気がする…(^-^; )。

そう×2、初っぱなに出逢った怪しい車…
あれはインパクトがあったなぁ〜。

本日は、全体として有意義な行脚となったのではないだろうか…
なぁ、相棒??

…およ、相棒は父と茶の間で工作している模様。
ペットボトルを切断して、いったい何を作っているの???
明日デビューするのかな!?


〜 主な確認種 〜

●水生半翅類
 コオイムシ




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