採集履歴
“2003年 水棲昆虫” 編(5)
03.10.26 (Sun) 曇り Hill 「トラップ持ってお出かけ♪コオイムシのパラダイス!」 |
昨晩、相棒とその相棒(父)が何やら魚を捕るために用いる様な トラップを作っていた…。 以下の写真中央に写っている、ペットボトルの加工品だが この様なものを8つ程準備した模様…。 ![]() 父が介入すると、どうもターゲットの方向性が魚に傾いてしまうが 相棒の方は、これで水棲昆虫も行けるかも(!?)…という腹の様でとても積極的であった。 もう既に11月目前、季節柄、ムシの採集に関してはあまり期待できないが 本日は、これを用いてどんな生き物が採れるかを実験的に試してくる事になった。 当然父も参戦である。 |
〜 Sきょくポンドへ 〜
12:30…珍しく母のお手製である、おにぎりや、ゆで卵なんぞを持って出発☆
意気揚々と、昨晩用意して頂いたトラップを仕掛けに
昨日発見したばかりの「Sきょくポンド」へ向かった。
トラップの中には、魚の干物と石錘…
トラップの中身は、魚の干物と石錘を入れました。
この石錘は、何を隠そう縄文時代中〜後期(推定)に作られた本物の錘である。
楕円形の薄っぺらな石の両サイドに、縄を掛ける為の切り欠きがあるのが分かりますか??
大きな網に、大量に括り付けられたものなので
数が多く、落ちている所に行けばいくらでも落ちている。
話が大分ずれてしまったが、私は考古学が大好きで、小学校高学年〜中学時代は
暇さえあれば相棒を連れて、縄文時代の土器や石器を拾いに出かけていた…。
今回のこれはその余品なのである。
北は東北青森や、長野辺りの遺跡巡りもしたっけ…懐かしい…。
で、トラップの方だが
一見単純そうに見えて、結構考えた造りになっており感心してしまった… (・。・;
ボトルの底には、小さな穴が幾つかあいている。
なるほど、ここから空気が抜けると同時に水が入り込んで
トラップは水中に沈んでいくのか…。
入口は広く、だんだん狭くなり、一度ボトルの中へ入り込んでしまった生物は
反対に外へ出にくい仕掛けになっている。
魚に混じって、ゲンゴロウ類も紛れ込んでくれれば嬉しいが…。
(ただ、万が一入ったゲンが呼吸できなくなるのが心配だ…(^-^; )
さぁ、何処へ仕掛けよう??
本当にいい天気だ…景色も綺麗で気持ちがいい♪
撮られていました…私です・笑
この水際辺りに仕掛けておきましょう…。;
中途半端なウシガエル…。
トラップを仕掛けるに当たり、気をつけなければならない事は特にないと思うのだが
トラップに据え付けの紐をしっかりと結んでおける場所が必要だ。
また、できれば水草などが生い茂っている場所がいい…
そんな事を念頭に入れつつ、適当な所へ2つ程仕掛けてみた。
それではいったん場所移動を試みて
一回りしたら、また様子を見に来よう。
〜 Oスウォンプ 〜
昨日夕刻に発見した「Oスウォンプ」へ父を案内した。
すると父もこの沼のポテンシャルには驚いていた模様…。
「う〜む、なるほど…」
そんな表情をしていた。
水が冷く、活動期でないゲンゴロウを採集できる可能性は薄いが
せっかくなのでここにもトラップを設置して行こう…。
ここにも一応仕掛けましょう。
ところでこのポイント、沼ばかりに目をとられていて気が付かなかったが
振り向けば、辺りはとてものどかな田園地帯であった。
コンクリート製のU字溝を用いていない
細い水路があちこちでチョロ×2と音を立てながら循環しており
実に採集しやすそうな環境であった。
のどかな田園地帯です…。
そう思っていた矢先、父が
「あっ、コオイムシだ!」
との声を発した。
「え゙っ!?ホントに??」
田んぼの隅の方を流れていた幅20cm程の水路から、手ですくったのだという…。
手渡して貰ったのは紛れもなくコオイムシだった♪
コオイムシ(Diplonychus japonicus)
更にその水路の水の発生源を辿っていくと
既に干上がった田んぼの片隅で細長い水溜まりを見つけた。
水深の浅いその淀みは、陽当たりが良いので水温が高い。
またそんな好環境下で、大量の水草が生えていた。
いい所に出くわしたもんだ♪
そこには、おそらく暖かき日々に発生したのであろう水棲昆虫達が
沢山集約されていた!
期間限定のシチュエーションである。
ラッキー☆彡
ガムシ、ヒメゲン、コシマゲン、コオイムシ、タイコウチなど色々いるが
特にコオイムシのパラダイスと化していた!
夢中になる父と子…
先月、生まれて初めて採集した時には、あんなに感動してしまったコオイムシが
今我々の目の前には数え切れない程湧いている!
こっちにも…
そっちにも…
あっちにも…笑
水中に両手を入れれば、簡単にすくえてしまう。
実に面白い♪
やろうと思えば、3ケタは軽いだろう(やらないけど…笑)。
こっちにも…
そっちにも…
タイコウチまで…
いっぱいいました♪
ケースを一杯にしたこの辺でストップしておこう。 キリがない…(^-^;
久しぶりの「タコ採れ」状態に夢中になってしまった。
〜 BRAKE 〜
トラップを回収するまでの時間、おにぎりでも食べながら、知らない道を流してみた…
里山の少々奥まった所にある休耕田の横で
水源の散策を続けてみたが、でかいアメリカンばかりであった…。
こいつらがハバを効かせているなると、この辺は駄目だ…(^-^;
そんな風に悟る事も大事なお勉強である。
しかし、エネルゲンを補給しながらなのでご機嫌であった♪
その後ミカンをほおばりながら、開けた場所まで大幅に移動していると
川の横に、瓶ジュース販売用の古い冷蔵庫が放置してあった。
よく見ると、巨人の高田(懐かしいっ!)がポーズを決めているオロナミンCの宣伝チラシが…
その横で、思わずリポDを持って構えると、相棒が写真を撮ってくれた。
くだらん…(^-^;
リポビタンDは、小さな巨人です??…左手にはミカン。
また冷蔵庫のそばに、チョビッツ痩せた犬がいたので
ミカンをやってみたが、どうやらお気に召さなかった様だ…(^-^;
普通あんまり食べないかぁ。 ごめんよぅ〜。
この辺でしょうもない小話はやめておきます…m(_ _)m
カワイイ犬
〜 最後のお楽しみ 〜
実は先程のコオイムシのタコ採れで、既に充分満足してしまったのだが
最後の仕上げに、本日仕掛けてきたトラップを見回りに行ってみよう。
まだ余り時間は経過していないが、とても楽しみである。
ワクワクするねぇ〜♪
しかし、結果はドジョウ、ハゼ系の魚に、エビ…
期待のゲンゴロウは入ってくれなかった。
物が物だけに、入ってくるべき生物が入ってきたという所か…?
まぁ仕方ない。
時期的な要因もあるだろう。
雑魚が少々…☆
ただ、トラップの制作に当たった相棒は、何でもいいから入ってくれたので
そこそこに納得していたご様子だ☆
これでいいんですよ。
ワクワクする事、がっかりする事、納得する事、喜ぶ事…
全てが楽しい採集行なのである。
17:00…5時間にも満たない短い採集行であったが
今晩は千葉へ戻らなければならないし、そろそろ引き上げる事にしよう。
いやいや、お疲れ様でした☆
(なんやろ?左膝に水が溜まりだして熱がこもり始めたぞ…(^-^; )
〜 後記 〜
本日は、父と相棒が制作したトラップを用いて、ゲンゴロウ採集が可能かどうかを試してみた。
その結果は決して明るい物ではなかったが、時期的な水温の制約もあったし
まぁ仕方なかろう…。
暖かくなったらまたトライすればいい☆
ただ、今後のトラップの改良にあたり
ゲンゴロウの呼吸法に関して、考慮の余地があると思われる。
コオイムシのパラダイスにタイミング良く遭遇できた事はとてもラッキーだった。
じきに水が干上がれば、それでそのポイントは終いである。
先月末、生まれて初めて発見したコオイムシが
本日タコ採れした事でようやく普通種になった…(^-^;
沢山採れたので千葉へ持ち帰って飼育してみる事にしよう…。
そう思いつつ、ふとケースの中を覗いてみると、コオイムシがヒメゲンを捕食しておった…。
考えてみれば、あのタガメもコオイムシ科だものなぁ…ちっこいくせに実に獰猛である。
ヒメゲンは可哀想…餌は、ミルウォームあたりを充分にあてがって行く事にしよう。
えげつないですが…
そんな訳で、今年終盤に入ってから本格的に始動した水棲昆虫採集行…
目標であった大型ゲンゴロウの採集には至らず
終始コオイムシの発見で楽しんでしまった訳だが( → ショボい・笑 )
県内各地の有望な水源の発見、地形の把握など、来年に繋ぐための
下敷きぐらいはできたのではなかろうか。
冬季は、活動期でないゲンゴロウの採集が難しくなるので
来年、暖かくなるまでは網を持って出かけるのをお休みにしよう。
「機が訪れるのを待つ事」
これ、自然のセオリーなり…笑
う〜ん、来春が楽しみだ♪
マルchanを見て、晩飯食べたら千葉へ帰ろう。
“水棲昆虫編” 来年へつづく…
うらぁ〜!
〜 主な確認種 〜
●水生半翅類
コオイムシ