採集履歴

“2004年 ミヤップ掘り” 編(2)



04.02.08
(Sun) 快晴 Hill 「幼虫は採れた♪」 
                                                                                                  

 先週に引き続き、ミヤップ掘りの第2段となる本日は
ゆっくりと昼過ぎからの出陣となった。
相変わらず目指すのは、前回何の成果も上げられなかった某山である。
懲りない様だが、この選択に間違いはない。

夏季にはあれだけ沢山のミヤップがいたのだから
山のどこかできっと幼虫が湧いている筈だ。
だいたい前回の、たった一回きりの散策だけで見切りをつけられる様な規模の山ではない。

では、地元のスタンドでガスを入れつつ、先を急ごう。
今日は、採っちゃうよ♪


〜 今日も某山 〜


 普段通い慣れた道は今週も工事中だったので
横道へ逸れ、先週発見しておいた田んぼ沿いの雑木林の位置をおさらいしていく形になった。
すると、「おっ!」と唸ってしまう様な
なかなかの立ち枯れを発見。

しかし、そのそばで、おっさんが車を停めて休憩中だったので
チェックする事ができなかった。
では、帰りにまた寄ってみる事にしよう…。


1時間程車を走らせ
目的の某山の一画へ到着した。
今日は、渓流沿いではなく、先輩の細道に通ずる田舎道を走ってみよう。

時折、人里離れた民家がぽつりぽつりと現れる様な、のどかな里山の風景が開けてきた。
日陰には、若干の雪が残っている。
しかしカラッと晴れた天候も手伝ってか、とても暖かく、小鳥はさえずり、心が和んだ…
いいところや〜♪


のどかななぁ…。



〜 採集フィールド決定 〜


 前方の小高い山の中に突入し、ある程度行った所でブレーキ…。
右手斜面に見えてきた雑木林には、車内から眺めても分かる程、結構な頻度でクヌギの枯れた根株が見受けられた。
また、斜面の谷間から湧いてきた水が、道路際で溢れており、最終的には
道路左手の小川に集約されている…水脈もバッチリの様だ。

今日はここで腰を下ろしてみる事にしよう。。。


今日はここで遊んでいく事にしました。

この様な根株が多数散見されます。




〜 ビンゴ!根食いのミヤップを発見 〜


 早速相棒が、小高い斜面によじ登り、踏ん張って適当な根株を削り出した。
すると…
始まってわずか数分で、ス〜ジ〜♂を発見。
ス〜ジ〜のいる所、ミヤップ有り!
ここはいけるかも!?


スジクワガタDorcus striatipennis):


私も準備を整えて、そのス〜ジ〜を撮影しながら
更に上方へよじ登り、良さそうな枯れた根株を発見し地中部分を割ってみた…
すると…
「おっ!出た!」

「何か採れたが〜??」
相棒が、私の声に反応して下から尋ねてきた。

「あぁ〜、なんだコクワちゃんだー!」
材の割れ目から背中が見えた時、体のサイズ的にそう判断した。

しかし後程、コロンと幼虫が一回転して、頭部が覗いた時、やけに顔の面積が広い事に気付いた。
この特徴的な黒くて太い顎、顔は!?
あれれ??良く見りゃ体毛も濃いかも…!?
もう一度相棒に声をかけた。

「お〜い…さっきのこれ、ミヤップだよ♪」


この体毛、特徴的な顔、ミヤップだ…間違いない!


先週あれ程見付けられなかったミヤップの幼虫を、幸先良く発見してしまった☆
予感的中!いる所にはいると聞いていたが…まぁこんな物だろう。
されど、地中の材からミヤップの幼虫を割り出したのはこれが初体験だったので
割と嬉しかった♪

一頭いれば、どんどん後に続く物!?
その後、同じ根株の更に地中深い所から小さい2頭を追加した。


また出てきました!


また、先程ス〜ジ〜が出た、相棒が割っている根株からもミヤップらしき食痕が出てきた模様。
どれどれ、そっちへ行ってみよう!


そっちもいけそうですか?


おったおった!
やはり地中にはびこる、根の部分からの出現率が高い様だ。
細い根っこでも、所狭しと入り込んでいた…。


細い根っこからも

次々とミヤップが出ました☆


 その後、地中に埋まった極太のエノキの切り株を発見し、そこから何頭ものス〜ジ〜の幼虫を発見した。
コクワちゃんとは違って、顔が丸く小さい…また、体が細長いのが特徴である。
そんな中で、でっかい3齢幼虫を一頭発見…このサイズはあまり見ないな…。
よし、お持ち帰りだ♪
是非30mmを越える大歯型のス〜ジ〜に羽化してもらいたい。
また、極小ながら新成虫(1♂1♀)も出てきた。

…不思議と、ここからはコクワちゃんが混ざらなかった。

相棒は、このエノキ材に完全に食いついた模様…。
ス〜ジ〜ゾーンを越え、更に地中深い部分から、太い食痕を発見した様だ。

よっしゃ、ここは相棒に全てを任せる事にしよう。



〜 せっかくなので辺りを散策 〜


 この辺りにミヤップの幼虫が沢山生息している事を確認できた所で
周囲の環境をおおざっぱにでも把握しておく事にした。

下の写真…上方から下方を撮影した物か? その逆で下から上か?
どっちでしょうか???


この谷間(水脈)周辺は、ミヤップス〜ジ〜が湧いていました…


答えは、「上から下」でした。
この谷間には、地下水脈が走っている様で
落ち葉をどけると、積もった岩石がじんわりと濡れていた。

この周囲は、まさにミヤップおよびス〜ジ〜ゾーンだった。

相変わらず、先程のエノキで相棒が粘ってる模様…(^-^;
頑張れ〜☆


 更に200m程移動すると、10m程上方に何やら根部だけが真っ黒いクヌギの木を発見!
ややや?野焼きでもやって焦げたのかな?
そんな感じだった。


ややや!?


しかし近付いてみるとそうではなく
樹液焼けの跡であった…
凄い…(^-^;


これは凄い樹液焼けの跡ですね。


どうやら、人工的な傷跡はなさそうだ…。
裏側には内部スペースの広い樹皮めくれができている。
全てが自然に形成されたものであろう…
夏になれば相当量の樹液を出すに違いない。

スズメバチンを始め、この辺一帯に生息するミヤップなどのムシが
わんさか湧いている光景が目に浮かぶ…あぁ、想像するだけでゾクゾクしてしまう・笑
楽しみな場所を発見できたもんだ♪



〜 満足した所で終了 〜


 暫くして先程のエノキの切り株の場所へ戻ってみた。

「こいつ(食痕)の正体はやっぱりミヤップだった!」

…と、相棒。 どれどれ?


エノキの根株(地中部分)に

走る食痕を追って行くと…

やっぱりミヤップがいました☆


おっ、ホンマやん!
相棒はここから出てきた割と大きい3齢幼虫を見せてくれた。


 今日は、ミヤップの幼虫が湧いているポイントの一つを難なく確認できた。
前回あっての今回故に、相棒もかなり満足気なご様子だ。
時計を見ると、まだ16:00を過ぎたばかり…
しかしながら短時間でお腹が一杯になれたので、もう充分♪
本日はこれにて帰路につく事にした。
また遊びに来よう!



〜 みちくさしながら閉幕… 〜


 当然、来る時に気になった美味しそうな立ち枯れはチェックして行く事に…。
しかし、コクワちゃんのオンパレードになりそうな展開になったので
すぐにやめる事にした。
残念、こちらは「はずれ」でした…(^-^;
でも、気になってしまえば見ておくしかないのだ☆
そんなこんなで本日の一連の採集行は閉幕致します…。


チョビッツみちくさしときましょう…。



〜 後記 〜

 17:15には実家へ帰宅…。
千葉へは明日ゆっくりと帰ればよいので
早速採集してきたミヤップの幼虫とス〜ジ〜の幼虫の飼育環境(仮設)を整えた。

本日はミヤップの幼虫が湧いているポイントをすんなりと発見する事ができ
またその周囲では、夏に期待のクヌギと出逢えて、とてもラッキーだった。
前回の惨敗がウソの様である…(^-^;
やはり幼虫は根株の地中に埋まった部分から沢山出てきた。
特に2齢程の小さい奴は、か細い根っこにまで、所狭しと入り込んでいる事が分かった。
それほど彼らにとっては美味しい箇所なのだろう・笑

根株の下は、薄い岩石が堆積している様なので、穴掘りが大変そうだったが
今後はいつか、当初の目的通り
「地中で蛹化しているミヤマクワガタ
「地中で夏を待つミヤマクワガタの新成虫」
の様子を観察してみたい…♪


主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 ミヤマクワガタ
幼虫×6
 
スジクワガタ2♂♂ 2♀♀ 幼虫×22




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