採集履歴

“2004年 出張” 編(1)


04.08.17 (Tue) 晴れ Hill 「ヒメオオ求めて初遠征!」
                                                                          


〜 ラストスパート! 〜


某インターを降り、久しぶりに馴染みのある道を走る事になった。
随分南下し、更に標高が下がった分、大分暖かくなっている。

「どうする?」

ヒメオオアカアシノコノココクワちゃんと、色んなクワガタを見てきた訳だが
まだお目にかかっていない役者が残っているのではないかい?
後半戦築いてしまったダラダラムードから、何とか巻き返しをはかりたい気持ちも出てきた。

時間はまだ1:00前、これは行くしかないでしょ!... (^
.^ゞ


既に体力の限界と思われたが
ここでとっておきのアイテム、“眠眠打破” の登場だ。
相棒と半分ずつ口に含んだのだが
微量でも、かなり刺激が強く、名前の通り、一気に眠気が吹っ飛んでしまった・笑!

さぁ、最後の〆に、この辺りで知っているポイントを総チェックして
気持ちよく事を終えようではないか!

そんな訳で、まずは細道から。
「根太」にて
ミヤップ1♂


ミヤマクワガタLucanus maculife moratusMOTSCHULSKY, 1861):♂


次いで、「水浸しヤナギ」では!?
おお!またもや
ミヤップ♂!


この時間帯に、ヤナギの湿地帯に潜入するのはドキドキしますね〜。

ミヤマクワガタLucanus maculife moratusMOTSCHULSKY, 1861):♂


更には
「ガラスクヌギ」でも1♂1♀と、計3♂1♀を確認できた☆


ミヤマクワガタLucanus maculife moratusMOTSCHULSKY, 1861):♂♀


おっと、あなたも大事な役者さんでした。
忘れませんよ〜!
「A川」では大歯型の
ス〜ジ〜♂!


スジクワガタDorcus striatipennisMOTSCHULSKY,1861):♂


「犬屋」の他、「ダムヤナギ」ではノコノコがいっぱいいた。


ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatusMOTSCHULSKY, 1857):♂


最後は「石U」まで戻って〆。

クワガタじゃないけど、彼らだって我々の中では
大事な役者さんです。
灯下に飛んできた
タガメの♀に…


タガメLethocerus deyrollei:VUILLEFROY, 1864):♀


♀の直ぐ近くには、すんごく小さくて
かなり笑わせていただいた、♂も発見。
これで1ペアを確認する事ができた♪


タガメLethocerus deyrollei:VUILLEFROY, 1864):♂


高速を降りてから確認してきた、これらクワガタやタガメ
全て手をつけずにそのまま放置。

わざわざ体にムチ打ってまで、何のために
この様な寄り道するのか、私自身良く分からないが

ただ、彼らが今日も健在で、この土地に “息づいてくれている事 ”
それさえ確認できれば、単純に安心できるのである。


それでは、多くのクワガタのご登場により、気分もすっかり盛り上がった所で
そろそろ家路につこうではないか。

とても長かった初の採集遠征。
最後は地元で〆て、予定通り夜明け前、3:50に帰宅する事ができた。

車から少しずつ荷物を降ろし
風呂にも入らず自分の部屋へなだれ込み、4:30には深い眠りについた...。

いやいや、ご苦労様でしたぁ〜☆



〜 後記 〜

ネットや文献など、多くの資料に記されている通り
遺伝子レベルで見ても、国内では最も近縁とされる
高山種のドルクス属、ヒメオオとアカアシだが
今回の山地生ヤナギの採集行を通して
両者の生息環境が標高的にも随分違う事が
改めて感じられた。
ヒメオオは山頂付近のブナ帯が必須であり、アカアシは麓へ行く程個体数を増した。

ヒメオオがいる所に、アカアシがいる可能性はあるが
アカアシがいる所に、必ずしもヒメオオがいる訳ではない…

そんな所か...(^-^;
これは地元でも同じ傾向である。

ヒメオオの幼虫は、アカアシと違い多年1化型なので
冬季の寒さを凌ぐため、生に近く太くて固いブナの材芯に潜り込み
ゆっくりと時間をかけて材を消化していく習性があると言われている。
(目が細かく、高密度の糞を坑道に詰め込んでいくのも上記説明根拠の一つらしい。)
それ故に、標高が高い位置に生育するブナ帯を好む事も
今回、他県へ出る事で再認識できた。


それにしても
ワクワク、 ドキドキ、 ヒヤヒヤ、 ヒィヒィ、 ホッ!…の連続で
ドタバタはしたが、今後いい想い出になるであろう
とても楽しい採集行だった☆

ちょっと後半戦は、手も足も出せず、ダラダラと間延びした感はあったが
トータルして考えてみれば、4つの山の頂を目指し
初めに揚げた目標も、充分に達成できたので
第一回目の遠征としては、上出来だったのではなかろうか!?

後日落ち着いた所で
もう一度、今回一番の成果を撮影してみた。
う〜ん、やっぱ
ヒメオオってステキだな〜☆



ヒメオオクワガタDorcus montivagus montivagus:LEWIS, 1883):♂


〜 主な確認種 〜


●水生半翅類 : カメムシ目コオイムシ科
 タガメ 111
●ホソカミキリムシ科
 ホソカミキリ
●クワガタムシ科
 ヒメオオクワガタ 12♂♂ ♀ (1♂1♀のみ持ち帰り。)
 アカアシクワガタ 1n
 スジクワガタ 11
 コクワガタ 1n
 ノコギリクワガタ 1n
 ミヤマクワガタ 13♂♂♂ 1





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