採集履歴

“2005年 春のカミキリ採集” 編(4)



05.05.07 (Sat)
 Plain 「雨上がり、実家の周りへお散歩に」 
                                                                                                  

先週あたりから、カミキリ採集が軌道に乗ってきた。
毎回少しずつだが、着実に未採集種に出逢う事ができ
気分も上り調子である。

今週末も、地元のカミキリ採集に出かけようと
昨晩から、活動の拠点となる実家にスタンバっていた。

しかし、あいにく今日は午前中から雨降り...。
シトシトと良く降り続き、風も冷たく
いやおうなしに自宅待機を余儀なくされていた。

調度、暫らく会っていない
祖父やいとこが実家を訪ねてきたりして
そういう意味では、これはこれで良いタイミングであった。

12:00をまわり、昼食をとると
完全に “今日はナシ” の気分に落ち着いてしまった。
“たまには息抜きもいいだろう” と言った所か...。

ところが...

14:00過ぎから、急に晴れ間が出てきた!...(@_@)

う〜む、出かけようか!?
時間が時間だけに、あまり遠出はできないが
せっかく作ってきたこれまでの流れを、絶やすのはもったいないので
実家の周辺を散歩してみよう。

意外と知らなかった
新たな発見があるかもしれない。


〜 お庭で、またゲッツ♪ 〜


と言う訳で、今日はプチ採集。

まずは、以前にもご紹介した実家の菜園の様子から...
少しずつだが緑の葉が生い茂ってきた。


実家の菜園です。


家を出る直前に、庭樹のカエデが気になったので
とりあえず裏の路地からビーティングしてみる。

最近は、手製のビーティンググッズはやめ
ビニール傘が活躍中だ... (^-^;


裏の路地から庭木を叩いてみました。


右手の棒でバサバサやると、傘の中に
ポトリと足早なムシが落ちてきた。

色合いと大きさから、一瞬ジョウカイボンかと思われたが
完全にカミキリムシである。

後ほど調べてみた結果
ツマグロハナカミキリであった。


ツマグロハナカミキリLeptura modicenotata PIC, 1901


やった!
幸先良く未採集種をゲッツ♪

因みに、ヤツボシハナカミキリと同種という説もあるようで
その見極めが今後の課題として残っているそうだ。

それにしても...

シロスジ、ゴマダラ、トガリシロオビサビ、アトジロサビ、ナガゴマフ
ヒメクロトラ、トゲヒゲトラ、ツマグロハナ…

考えてみれば、昨年から、実家およびその周辺で様々なカミキリムシを
見つけてきたもんだ。
まさかこんなに採れるとは思わなかったので
今更ながらにビックりしている。



〜 田舎だぁ... 〜


では、あてもないお散歩に出かけよう。

適当に流して、まず辿り着いたのは
父の勤務校...。

農業高校なんで、敷地が広く草樹も多い。

父に気付かれたら相当嫌がられるだろうが
校内へ勝手に車で乗り込んで
農場当番で出勤されている先生方に
初対面ながら軽く挨拶を交わしつつ
通り抜けた。

随分久しぶりの訪問だったが
相変わらず、“クワガタな雑木林” が健在だった。


そしてトラック野郎のOさんちの方面へ。

台地上から、低湿地帯へ滑り降りると
眼前には、雨上がりの陽射しを受けた
水を張ったばかりの水田が広がった。

とても喉かで、清々しい。
田舎だぁ〜。


郷の風景です。


水田地帯を抜けると、材木屋の敷地内に
建築資材用の大木がおごそかに積んであるのを発見。

自然豊かな里山がバックアップしている事だし
もっと暖かくなれば、きっと沢山のカミキリが飛来することだろう...。



〜 高〜い... 〜


2年程前、今日と同じ様に
あてもなく地元をフラフラしていた事がある。

あの時は、ひたすらクワガタが採れそうなポイントを探していた。

いつか来た池のそばには、イロハカエデが2本ほど並んでいて
棒で叩けば、簡単にトゲヒゲトラカミキリが落ちてきた。

でも、それ以外のカミキリムシはいない。


更に、先程とは別の田んぼのあぜ道を行く。

過去、途中で引き返した小道だったが、今日はもう少し先まで行って見よう。

すると前方から
陽当りが良い場所に数本のクヌギが見えた。

いわゆるボコボコクヌギである。
真っ黒な樹液跡もびっちりとついていて
雰囲気抜群であった。

夏に向けて楽しみな場所を見つけた。
これはラッキーである。


夏になると、誰かさんが訪れるのでしょうか??


さらに、林の中へ入ってみると
一本の巨大な老木と出遭った。

高〜い...。


ジャックと豆の樹ではないですが、上へ上へ伸びています...。


あの辺に、洞がある。



洞がありますね...。


でも、覗いてみる事なんかできないよなぁ...。


スズメバチが群がるシーンを想像できます... (^-^;


こんな所に...
人目につかず、ひっそりと残っているものですね...。



〜 寺へ 〜


再び、実家方面へ。。

帰り道、いろいろと寄り道しながら
最後は、とあるお寺さんの境内へ登ってみた。

小学校6年生の時、父に連れられ
夏休みの宿題の水彩画を描きに来て以来だ。

カエデの花が絶好調で...


赤くて小っちゃい花に、ムシが沢山集まります。


お約束のように、トゲヒゲトラカミキリが湧いていた。

風で、枝葉が揺れるし
カミキリくんもせわしなく動き回るので
ピンぼけ写真ばかり。。。


トゲヒゲトラカミキリDemonax transilis BATES, 1884


いっぱいいます。


ペア〜♪ でもピンぼけ...。


境内のあちこちを見回ったが
どこのカエデも、同じ状況。
沢山のハチやアブ、ハムシ類そして
トゲヒゲトラカミキリが湧いていた。

因みに、今日もワンコに見つかり
吠えまくられてしまった... (^ ^ゞ


慈しむ愛情...。


17:00を知らせる物哀しげな鐘が鳴り響いた。
さて、今日はこの辺でお開きにしよう。
収獲は?
物理的には庭樹で採ったツマグロハナカミキリ以外
何もないけど、心理的にはとても楽しかった☆



〜 後記 〜

17:30、早々に帰宅...。
隣に住んでいるおばさんの顔を久しぶりに見て
庭で延々と立ち話をした。

今日は、久々続きで
完全にいつもの採集ではなくなってしまった。
収獲は、ツマグロハナカミキリと
田舎の景色を眺めながら、休息できた事に他ならないだろう。


まぁ、こんなのも、たまにはいい。

次回からまた頑張っちゃおう♪
今年は、カミキリを採らなくちゃいけない。


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 ツマグロハナカミキリ ×1
●カミキリ亜科
 トゲヒゲトラカミキリ





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