採集履歴

“2005年 春のカミキリ採集” 編(8)



05.05.22 (Sun)
 Plain 「車に乗らないで、ご近所採集」 
                                                                                                  

日中、これまで採集してきたカミキリムシを展足している時だった…
我が家に至る坂道を

ダッダッダッダッ!

と、誰かが駆け下りてくる音が聞こえた。

“あ、これ... 1年前と一緒だ。”

余りにもの慌て様に

“あいつ、採りやがったな…” それがすぐに分かった。

私もやや興奮気味に、弟の指に摘まれていた1頭のカミキリムシを見せてもらった。

ほお!

今日は、けっこう蒸し暑い。 展足は一時中断して
ちょっくら散歩に出かけてみるか!


〜 2分圏内 〜


手渡されたカミキリムシは、久々のフトカミキリ亜科であった。
くどいようだが、好きなタイプである♪
それにしても、ひげが長〜い。

早速指に摘んで撮影してみる。


ひげが、長〜い!でしょ? サイドビュー。


で、この子の名前は
ヒメヒゲナガカミキリという。
勿論、未採集種である。


-ヒメヒゲナガカミキリ
-Monochamus subfasciatus subfasciatus
BATES, 1873



焦げ茶色をしていて、格好いいなぁ〜!
渋いねぇ...。

裏のTさんちのコンクリート塀にとまっていたそうだ。


こんな所に、とまっていたそうです。


いや〜、ラッキーだったなぁ♪


では、採集に出かけてみよう。
まずは、玄関を出て2分足らずで辿り着ける裏山へ。

何度も紹介しているが
クリ、梅、モモ、グミなどの果樹が所狭しと植え込んである。

ウメ畑をウロウロしていると...


ウメ畑を彷徨っていると...


弟の方へ、フワ〜っとカミキリムシが飛来した。
細い枝先にとまったので
葉っぱごと、慎重に摘んだ模様。

ややや! この色と形は!?

間違いなく初採集となるリンゴ系である。

よっしゃ、そのまま押さえとき!
まずは撮影させてくれ!


リンゴ系のカミキリムシに間違いないですね!


で、私の指で摘み直し再度撮影。
どうやら、
リンゴカミキリの様である。

寄主植物はサクラ類などのバラ科が知られている。
ウメも当てはまろう。


-リンゴカミキリ
-Oberea japonica
HUNBERG, 1787



因みに、この子もフトカミキリ亜科だ。
以前図鑑で眺めていた頃は

一見、カミキリらしからぬ容姿だけど... 

な〜んて思っていたものだが
実物を見てみると

なんておしゃれなカミキリムシなんだろう!

そんな印象を受ける
ステキなカミキリムシであった♪



〜 3分圏内 〜


度重なる未採集種の発見に気をよくしながら
家から3分の場所まで歩いてみる。

ふと道端に目をやると
ハナムグリが夢中で花粉に群がっていた。
それぞれ一輪ずつ平等に。
面白い☆


一輪ずつ、お行儀良いですね☆


と、そこへ、実家の隣に住んでいるNさんとこの息子さん(小学生)がチャリンコをこいできた。
照れくさそうに視線をそらしながら私とすれ違うと、近所の友達が待っている公園へいちもくさん。

うむ、子供は、遊んだらええがなぁ...!


で、大きな体をした子供二人(私と弟)は
遙か昔、小学生の頃、夏休みの早朝にラジオ体操をやっていた空き地の跡地へ辿り着いた。

今は、地元の「Sきょく」になっている。

敷地を囲む金属製の柵には、ベニカナメモチがビッチリとはびこっていて
小さくて可愛い白い花が、沢山咲いていた。

先程のハナムグリが結構ついていたので
カミキリムシもいるかなぁ... と思い注意して眺めてみると...

お!


ベニカナメモチの花の上に...


いたいた!

まずは、毎回の様に登場してくれる
トゲヒゲトラカミキリである。


-トゲヒゲトラカミキリ
-Demonax transilis
BATES, 1884



暫くデジカメから覗き込んでいても
ほとんど動く気配がない。

夢中で食事を楽しんでいる。


必死や〜ん! ...(^-^;

この子達は、とても沢山いた。

その他、昨日初採集した
ホタルカミキリに加え
フワ〜ッと
ベニカミキリが飛来したりと
この辺りに住んでいるカミキリ達が、一斉にここへ集約してくるようだった。


-ベニカミキリ
-Purpuricenus temminckii
GUERIN-MENEVILLE, 1844



更に、小学時代の友人T.Kの家の方へ。
細い路地を歩きながら
小っちゃな花が咲いている、割と背が高い生け垣を見ていくと...


あら? また逢いましたね♪

先程、ヒメヒゲナガカミキリを見つけた壁の前でも飛翔中の所をお見うけした
ツマグロハナカミキリであった。

この子も、食事に夢中で全く動かない。
とってもお行儀が良いので、君も撮らせていただきます!


-ツマグロハナカミキリ
-Leptura modicenotata
PIC, 1901



う〜む、侮れんなぁ... 実家の周囲も。。。
気がついたら、未採集の2種類を含む、6種類を確認していた。
本当に、あっという間の出来事であった。


近所の路地です。


さぁ、そろそろ帰ろうかな☆
展足の続きをやらねばならん。

また、仕事を増やしてしまった... (^ ^ゞ



〜 後記 〜

本日の未採集種は
ヒメヒゲナガカミキリリンゴカミキリという個性的なフトカミキリ亜科であった。

ちょいと出かけていって
これだけのカミキリムシに出会えるのだから

実家周辺も結構侮れない。

ほんと、これまでどうしてこんな楽しみに気付く事ができなかったのだろう...。


いずれにせよ、とてもラッキーであった。
体を休める事にも繋がった訳だし、たまにはこんなお気楽な採集も良いだろう。

今回は、プチ採集記と言う事でこの辺で...☆彡


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 ツマグロハナカミキリ ×1
●カミキリ亜科
 ホタルカミキリ
 ベニカミキリ
 トゲヒゲトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ヒメヒゲナガカミキリ ×1
 リンゴカミキリ ×1





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