採集履歴

“2005年 夏のカミキリ採集” 編(2)



05.06.11 (Sat)
 Mt 「ペア〜♪の日」 
                                                                                                  

今日の県内は、昼過ぎから雨になる模様...
そんな訳で、午前中はどんよりとした曇り空だったが
随分と気温が高いので
雨さえ落ちなければバッチリ採集が楽しめそうである。

本日は、先週、仕事の関係で充分な時間を楽しむ事はできなかったものの
巡りあえただけで大変ラッキーだった
素晴らしい尾根線の林道を、再び訪ねておこう。
狙いは特にない。
新しいフィールドを、カミキリムシを通して存分に味わってみたいと思う。

このまま何とか、天気がもってくれる事を祈るばかりである。


〜 電器屋さん 〜


最近、安物ながら、デジカメで写真を撮るのが好きな私は
あろう事か、出発ギリギリまで電池の充電をしていて
それを忘れてしまった... (^ ^ゞ

そこで、K’S電機へ寄り道して電池を調達。
よしよし、これで一安心♪
撮影ができない採集行は、面白くも何ともな〜い!


そんなこんなで、やがては目指す山の麓に近づいてきた。

うへぇ〜っ!めちゃめちゃ空が暗い!

大丈夫かなぁ... (^-^;


天気悪いですねぇ...(^-^;



〜 Pair♪ 〜


林道に入ると、先週同様
早速コゴメウツギ、エゴノキの真っ白い花が道路際に見え始めた。
しかし、コゴメウツギは結構散っている。

それでも、細い林道に路駐しながら、これら花樹をビーティングしてみると
ツヤケシハナを中心に、ニンフハナチャイロヒメハナなどのカミキリムシが落ちてきた。
ハナカミキリ軍団は、ご健在の様子☆

そんな中、久しぶりに大型種が登場した。



日本最大のカミキリムシがいます!


お馴染み、シロスジカミキリである。


-シロスジカミキリ
-Batocera lineolata
CHEVROLAT, 1852



小学校1年生の時、父親が実家の倉庫の裏に生えていた庭木で見つけて
アゲハチョウの絵柄がついた、鉄製の虫籠に入れてきてくれたのが
初めての出逢いである。
あの、緑色の虫籠に、アブラゼミと同居させていたのをよく覚えている。
懐かしい〜!

以後、小2の時には、親戚のお店付近の街灯に飛来して
翌日の昼間まで、じっと隠れていた7頭をかき集めて興奮したりと

考えてみれば、こいつらには結構楽しませてもらったんだよなぁ〜。

しかしこのシロスジカミキリ、クリやコナラなどの樹皮を囓るのだが
今日は他のハナカミキリ同様、花粉にやってきたのだろうか???

さすがに、それはないかな... (^-^;


よく見れば、すぐ横には半枯のコナラが立っていて
木の根本付近には、しっかりと産卵マークが並んでいた。

ふと見上げると... おっ!

カミキリムシのペア〜だ!


あれに見えるは...


この子らもお馴染みですね〜。
ゴマフカミキリであった。


-ゴマフカミキリ
-Mesosa japonica
BATES, 1873



どうやら、このコナラ材の周囲にはフトカミキリ亜科のカミキリムシが集まっている模様。
見上げれば、
セミスジコブヒゲカミキリらしきカミキリも
枝の上を這っていた。
逃げられちゃったけどね... (^-^;


この他にも、色々なムシが元気であった。

う〜〜んしょ!!

…と
アカスジキンカメムシ(脱皮中)!


-アカスジキンカメムシ
-Poecilocoris lewisi
DISTANT, 1883



これからが本番!クワガタにも少しずつ登場してもらわねばなりませんね。
久しぶり!
ス〜ジ〜


-スジクワガタ
-Dorcus striatipennis striatipennis
MOTSCHULSKY, 1861



更に歩を進め、麓の景色が一望できるエリアに出た。
晴れていれば、とても素晴らしい景色が期待できるのだろうが... (^-^;
ほんと、今にも降り出しそうな空模様である。


マジで暗いですねぇ...


斜面の緑地は、夜景モードでシャッター速度を落として撮影...。


結構巨木も生えています。


エゴノキの花に、小さなハチがぶんぶん飛んでいたので
注意してみると...
うん、やっぱりカミキリも沢山いるなぁ...。
ツマグロハナヒナルリハナニンフハナ、それからキバネニセハムシハナ...
普通種ばかりだが、ハナカミキリも満開である。


エゴノキの花に来たキバネニセハムシハナカミキリ


弟が、むこうの方に面白いものがあったと言うので
行ってみると...

なるほど! これね... (^-^;
いったい何なんだろう??このトラップは...

スズメバチンがようさん入っとる!


スズメバチ 汁 ( ぢる )。


また、場所を移せば
よしよし、今日もいてくれましたね!
最初の出逢いが好印象だったので
採れる時は、いつでも嬉しい
シロトラカミキリ
コゴメウツギからゲッツ♪



-シロトラカミキリ
-Paraclytus excultus
BATES, 1884



更には、先週、ちょっとサンプル数が少なかった
ナガバヒメハナカミキリも!
ありがたく標本用に持ち帰ろう。


-ナガバヒメハナカミキリ
-Pidonia signifera
BATES, 1884



こんなムシもいますよ!
こちらさんは、
ウバタマコメツキと申します☆


-ウバタマコメツキ
-Paracalais berus
CANDEZE



ややっ??
あれに見えるは、またまたペア〜♪
しかも、シロトラカミキリの様である。


ややや!?今度はペア〜♪でお出ましでしょうか??


ちょこまかちょこまかと、せわしなく動き回っていたが
ようやく撮影しやすい所まで
寄ってきてくれた♪

あ〜い、チーズ!☆



-シロトラカミキリ
-Paraclytus excultus
BATES, 1884



今日はどうやら “ペア〜♪の日” !?

…と言う事で、こんな子達も登場させておきましょう。
半透明のボディが面白いでしょ??
ジンガサハムシです。


-ジンガサハムシ
-Aspidiomorpha indica
BOHEMAN



ムシの撮影に夢中になりながら
延々走ってきた林道は、いつの間にか終盤に差し掛かっていた。

そんな時、ふと見ると
「○○神社入口」という看板から
細い林道が横へ伸びているのを見かけた。

う〜ん、気になるなぁ。。

ならば、寄り道して行こう... (^ ^ゞ

しかし、結構道幅が狭く、随分険しい林道だったので
車で数百メートル前進したところで

すぐに

「これ以上は無理っ!」

と判定... (^ ^ゞ

仕方なく、薄暗く、花もあまり咲いていない林道を
テクテクと徒歩で散策した。。


薄暗く細い林道で...


何となく、ここはカミキリムシとは無縁かなぁ〜??
と思われたが...


おっと!またまたペア〜♪
今度は
チャイロヒメハナカミキリだった。
いいねぇ!




-チャイロヒメハナカミキリ
-Pidonia aegrota aegrota
BATES, 1884



♂♀のペアかどうかは分からんが
とりあえず、やはりペア〜♪ という事で... (^-^;

この他、道端に捨ててある廃材には、
ヒトオビアラゲカミキリも見られた。

まぁ、こんな所だろう...。

神社まで、もう少しで到達できそうな所まで歩を進めたが
目的がムシ採りなんで
別に無理はせずUタ〜ン☆

車に乗って、これまで走ってきたアスファルトの林道へ再び戻ってきた。

道路に出る瞬間...

ガタン!

おゎ〜、ビックリした。

なんとまぁ、でかい音...
一瞬タイヤが破裂したのかな!?...とも思ったが
単に、底をすっただけだった。

おいおい、大丈夫かよ〜??

しかしまぁ、私の車ではないから関係ないかぁ ... (^-^;


済みません...で、林道の続き。

このあたりから、道路横のいたる所で
山林を伐採して出た大量の廃材が確認され始めた。


道路横は...


見下ろせば、こんな感じの場所だらけ。

う〜ん、美味しそう♪

切られて間もない材ばかりなので
期待が持てそうだ。


そこらじゅう伐採木のゴミ捨て場と化してました。


ガードレールの上から、廃材の上をじっと眺めていると
早速ちっちゃいカミキリムシがヒョコヒョコと歩いていたので
下へ降りて確認してみる。

お!
クワサビカミキリだ。
この子は、標本用に持ち帰ろう♪


-クワサビカミキリ
-Mesosella simiola
BATES, 1884



全部チェックしていたら、きりがないぐらい
方々の道路脇には伐採木が捨ててある。

もはやゴール間近の林道なのだが
なかなか終着点には辿り着けない。

最後の最後まで楽しませてくれるなぁ〜。
嬉しいねぇ♪


この林道も、残りわずかなのですがねぇ☆



で、最後に選んだ廃材場は、こんなところ...。


スギ林の陰に、ソダの山が積んでありました。


ここでは、この林道のフィナーレを飾るかように
大量の
ヒトオビアラゲナカジロサビの両カミキリムシが
ジメジメとした薄暗いスギ林の影で、湧きに湧きまくっていた。

なんじゃい、ここは... (^-^;

最初は、“お!またアラゲ見っけ♪”

なんて一生懸命撮影に励んでいたのだが

気が付けば、そこらじゅうにいるではないか。。。

それはもう恐ろしい程の数である... (^-^;

しかしながら、当然カップルもあちこちでできている模様。

これはいい!

まずは
ヒトオビアラゲカミキリのペア〜♪


-ヒトオビアラゲカミキリ
-Rhopaloscelis unifasciatus
BLESSIG, 1873



こちらはナカジロサビカミキリのペア〜♪


-ナカジロサビカミキリ
-Pterolophia jugosa jugosa
BATES, 1873



んも〜、いたる所に...


もう、そこらじゅうに湧いています。


この両者が湧いていた。


ペアの数も相当のものです。


その他、ヒシカミキリヒメクロトラなども散見されたが
もはや比ではない。


あまりにも沢山いたので、だんだんおかしくなって
笑いが止まらなくなった・笑!



さてさて、心配された天候だったが、雨に降られる事もなく
無事に長き林道を堪能し終える事ができた。

本日は、未採集種を追加する事ができなかったものの
「ペア〜♪」撮影で充分に楽しめた。


そろそろお開きにしよう☆



〜 後記 〜

19:20に帰宅。

いや〜、先週に引き続き
今週も、発見したばかりの尾根線の林道を一通り見てまわった訳だが
ビーティング、材採集、それからムシの生態の撮影を通して
存分に楽しませてもらった。

心配された雨にも悩まされずに済んで、本当にラッキーであった。

残念ながら、未採集種を得る事だけはできなかったが
終盤の林道沿いなら、時期を変えれば、また違った面子が集うに違いない。

是非また訪れてみたいと思う。


家のトイレの中で...


ん!?

ペア〜♪


今回の採集行は、ペア〜♪の一日であった・笑。



〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 ツマグロハナカミキリ
 ツヤケシハナカミキリ
 フタオビヒメハナカミキリ
 チャイロヒメハナカミキリ
 ナガバヒメハナカミキリ ×3
 ニンフハナカミキリ
 キバネニセハムシハナカミキリ
 ヒナルリハナカミキリ
●カミキリ亜科
 シロトラカミキリ ×5
 ヒメクロトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 シロスジカミキリ
 ゴマフカミキリ
 クワサビカミキリ ×1
 ヒシカミキリ
 ナカジロサビカミキリ
 ヒトオビアラゲカミキリ
 シナノクロフカミキリ





※採集記目次へ