採集履歴
“2005年 夏のカミキリ採集” 編(4)
05.06.18 (Sat) Plain 「ホスト採集の醍醐味を」 |
今日は、暑い。 てか、今日も暑い!...(^-^; 最近、採集に出かけてばかりで 早く書かねばならない日記(採集ネタ)が、どんどんたまっていくばかり。。 困ったなぁ ... (^ ^ゞ しかし、行ける時には何度でも行っておかねばならない。 これは、昨今における私の絶対的な方針であり それができる余裕があると言うことは大変幸せなことでもある。 特に、今日はね。。☆ 昨日は、弟が、るどるふ先輩とカミキリ採集に出かけ 色々とノウハウを教えていただいたそうなので 早速、それを活かしてみたいと思う。 ここの所、連日カミキリの採集に出かけてはいるが 考えてみれば、竹林に棲むベニカミキリ、ハイイロヤハズカミキリの採集(2月)以来 ビーティングや材場における無作為なカミキリ採集が多く あらかじめ、お目当ての種類を目標に設定して出かけた事はまずなかった。 よって今日は、久しぶりにホスト採集の醍醐味を実感できたらいいなぁ〜と思う。 フィールドは、弟が先輩と歩んだ道のりと同じく、地元を探索する予定だ。 |
〜 まずは 〜
12:30、出動。
昨日、先輩から平野部におけるクリストフコトラカミキリの稀少性を
具体的に教えていただいたので
まずは、是非その追加個体を得てみたいと
先週と同じ材場へ向かった。
道中、道端にスイカズラの花が見えたので
いったん車を路注して、観察してみる。
スイカズラの花が咲いてます。
この葉脈に沿った食痕は、シラハタリンゴカミキリのものらしい。
弟が、昨日先輩から学んだ事の一つだそうだ。
私も実際に目にするのは初めてである。
なるほど...。
葉脈に沿ったシラハタリンゴカミキリの食痕です。
肝心なシラハタは既に不在だったが
この事については、以前私の方でも
先輩からインフォメーションを頂いていた事なので
是非今日、その宿題をやり遂げておきたいところだ。
で、「クリストフポイント」へ到着。
早速、目を大きく見開いて材場を歩き回った。
いないかなぁ...。
私も、撮られてみました... (^ ^ゞ
しかし、今日はなかなかカミキリムシに出会えない。
先週から、好環境な割に
カミキリムシが薄いポイントである事には気付いていたが
今日は特別なようだ。
材場採集は、ある程度偶発性を期待するものとは言え
こうもいないのであれば
また、出直したほうがよさそうだ。
とりあえず、ゴマフカミキリの他に確認できたのはこれ。
クリストフとは違って、普通種だと言うことが徐々に分かってきた。
でも綺麗だから好き・笑☆
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-キスジトラカミキリ -(Cyrtoclytus caproides caproides BATES, 1873) |
〜 ホスト採集♪ 〜
クリストフはあきらめ
今度は、「カッコウポイント」へ...。
ポイント直前で、道端の茂みが気になり
また、寄り道。。。
近所なので、時間にもゆとりがある。
のんびりいこう。
何かいそうですねぇ...!?
早速エグリトラカミキリが現れた。
これも普通種だけど
よく見ると格好いいでしょ??
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-エグリトラカミキリ -(Chlorophorus japonicus CHEVROLAT, 1863) |
小さいムシとは言え
よ〜〜っく観察すると
体の精巧なつくり、美しい色調、紋様に感動してしまう。
このエグリトラカミキリだけで、十枚ぐらいの写真を撮ってしまった。... (^ ^ゞ
と、そこへ弟が呼ぶ声がした。
どうやら、見たことがないカミキリムシを発見したらしい。
足早に近づいて、見せてもらうと
一瞬ナカジロサビカミキリかとも思われたが
よく見れば、体のつくりが全く異なったカミキリムシが葉の上にたたずんでいた。
さて、これは何かミキリでしょうか??
寄ってみると、こんな感じ。。
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-ネジロカミキリ -(Pogonocherus seminiveus BATES, 1873) |
答えは
ネジロカミキリだった。
肩越しの根本から白色なのでネジロカミキリと言うんだね...!?
(違うかな??...笑)
サイドから眺めると、上翅の後部にポチポチと突起がある。
右の触覚が、途中で切れているのがちょっと残念。。。
サイドビュー。 ほら、ポチポチがあるでしょ???
撮影に夢中の私...。
ザクの左肩(武装部分)みてえだな!・笑 > おとうと
はい!いただき♪
また、すぐ横には先程出てきたスイカズラの花も咲いていた。
枯れ枝に、ビッシリとツルが巻き付いている。
果たしているかな!? シラハタ...
こんな感じで、スイカズラがからみついていました。
およよ??
何やら綺麗なカミキリムシがとまっているぞ...。
しかし、シラハタではないな。
綺麗なカミキリムシがいます...。
ぐ〜っと寄ってみると...
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-ヨツキボシカミキリ -(Epiglenea comes comes BATES, 1884) |
あら!
なんと、先週初採集したばかりのヨツキボシカミキリであった。
カッコウPで捕まえた個体は薄く水色がかった紋様だったが
今回のはヨツキボシらしく、黒字に黄色のラインが美しい!
こういった美麗種を目の当たりにするときは、いつも ハッ!? とさせられてしまう。
こんな風につい動揺してしまう自分自身が、たまらなく心地よい。... (^ ^ゞ
うしし♪ まだ手持ちのサンプル数が少なかったので、素直に嬉しい。
ただ、この子については後程、ヌルデの葉の上でホスト採集する予定だったんだけどね。...(^-^;
とりあえずラッキーだったということで、これもOKでしょ...☆彡
そして、突然彼は姿を現した。。
相変わらずバシバシ撮影を続けながら、ふと横を見てみると...
むむむ!?
このシルエットは???...
葉の裏に、リンゴ系のカミキリムシが休んでいるぞ...。
スイカズラの葉ではないが
明らかに、密接しているスイカズラへやって来た個体であろう。
リンゴ系ですな♪
逃げられないように、慎重に指で摘んで、あらためて撮影。。
じゃ〜ん!
我々がどうしても採らねばならなかった
シラハタリンゴカミキリを遂にゲット!
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-シラハタリンゴカミキリ -(Oberea shirahatai OHBAYASHI, 1956) |
よっしゃ〜!(>_<) (>_<)
ようやくこの子をクリアしたぞ♪
やはり、ホスト採集した時というのは、感動も大きい。
狙い通り... 採るべきものを採った。 そんな感じ☆
その後、ラッキーな事に、もう一頭のネジロカミキリ(今度のはちゃんと触覚が付いている完全体♪)
を採集して、この地を後にした。
そしてようやく、「カッコウポイント」へ。
まずは、ポイント名の由来となった、カッコウメダカカミキリが湧くサクラの樹をチェッキング☆!
以前にもご紹介したが、このか細く、枯れツルが巻き付いたサクラに
カッコウメダカカミキリが付いているのだが...
今日も、いるのだろうか??
今日はどうでしょうか???.
じ〜っと頭上を眺めていくと...
ややや!?
あのシルエットは???
間違いないでしょう!
間違いない、カッコウメダカカミキリだ!
逆光なので、フラッシュをたいて再度撮影。
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-カッコウメダカカミキリ -(Stenhomalus cleroides BATES, 1873) |
むむむ!
あんな所にも♪
あ!あそこにもいますね。
ぐ〜っと寄って、もう一枚☆
チビ助だけど、これはなかなか大き目です。
どうやら今日は、沢山発生している模様。
既採集種だが、標本用にお持ち帰りだ。
この子達は、体のつくりがもろいのか
ポロポロとフセツが欠けてしまうので
慎重に持ち帰ろう☆
また、傍らに積んである材場ではキイロトラカミキリが大発生していた。
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-キイロトラカミキリ -(Demonax notabillis notabillis PASCOE, 1862) |
さぁ、お待ちかね☆
この辺でヌルデの葉に着目してみよう。
昨日ここで、弟がホスト採集の醍醐味を教えてもらったばかりだが
是非今日は私も、その感動を味わってみたい。
それにしても、このポイントの背景にある林に、こんなにヌルデが生い茂っていたなんて
気付きもしなかった。... (^ ^ゞ
これがヌルデの葉です。。。
早速、じ〜っと、ギザギザの葉を眺めてみる。
小さなムシを探すのは、結構好きなんだよね〜♪
いないかなぁ???
あ...
あれ?
あ〜!いたいた!
間違いないです!!
思ったより短時間で見つけることができた。
まさしく、ここを目指してやってきたヨツキボシカミキリである。
うひゃ〜! うれし〜〜! (>_<) (>_<) (>_<)
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-ヨツキボシカミキリ -(Epiglenea comes comes BATES, 1884) |
既採集種だが、これで本当に
「採った」 と胸を張って言えるのだろう。
と言うより、
「採らせてもらった」 と言った方が良いかも☆... (^ ^ゞ
いずれにせよ、ホストのヌルデにとまるヨツキボシを
バッチリと確認することができ
大変満足であった!(^O^)
葉っぱの裏につく、意義のあるカミキリムシを沢山撮影する事ができたぞ♪
〜 もうちょっと楽しんで帰ろう 〜
時間的に、まだ余裕があったので
もう一カ所だけ寄り道をしていくことにした。
とある農道を走っていると、畑の向こうに、花満開のクリ林が見える。
本日の目標、シラハタ、ヨツキボシは、既にクリアしているので
気楽な気持ちで覗いてこよう。
狭い小道に車を路駐し
農道からクリ畑までの、50m程の距離を歩いていくと
途中、農地の隅の林に、またもスイカズラを発見した。
くたびれ気味のスイカズラですが...
花も咲き終わり、しおれた様子だったが...
おお!
弟が、リンゴ系のカミキリムシをゲットした。
はじめは本日2頭目のシラハタリンゴカミキリか??
と思われたが、こちらはより胴細の
ホソキリンゴカミキリであった。
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-ホソキリンゴカミキリ -(Oberea infranigrescens BREUNING, 1962) |
ホソキリンゴカミキリは、腹部が黒いことで有名だが
この時点では、上の写真のように全く黒くはなかった。
しかし展足後は、下の様に、みるみるうちに真っ黒に染まってしまった。
こんな感じです。。。
とりあえずホソキも、シラハタ同様、スイカズラには来るらしい。
また、笹の葉に上にアトジロサビカミキリも発見。
普通種だが、何気に今年初である。
結構大型だったので、標本用に頂いておこう☆
1年振りになりますね...
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-アトジロサビカミキリ -(Pterolophia zonata BATES, 1873) |
わずか、50m程の移動でも結構時間がかかるもんだ。...(^-^;
それだけこの時期は、方々でカミキリムシが湧いて出るのだろう。
で、目的のクリ林へ辿り着くと
予想通り、ムシがわんわんと花に群がっていた。
小さなハチ類が最も多いが、カミキリムシもいっぱいいる♪
夢中で、樹上を眺めていると、
付近で休んでいた農家のじいちゃんが
「何やってんだっぺ??」
と興味津々で歩み寄ってきた。
「カミキリを探しているんですよ〜♪ (^ ^ゞ 」
ちょうど、じいちゃんが来たところで
こんなカミキリもやって来た♪
ヨツスジハナカミキリである。
うしし!普通種だが、こいつだって我々にとっては、まだ未採集種である。
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-ヨツスジハナカミキリ -(Leptura ochraceofasciata MOTSCHULSKY, 1861) |
「おじちゃ〜ん、こんなカミキリを探してるんだよ!」
と、摘んだカミキリムシを見せると
「はぁ〜?? 俺は、カミキリと言えばもっと大きい、こんなのかと思ったよ!」
と、自分の指で意図するカミキリムシの大きさを表現した。
おそらく、シロスジカミキリのことを言いたかったのだろう。...(^-^;
カミキリと言えばシロスジというのが、一般的な解釈だからね... この辺では・笑
その他、目新しいカミキリムシを得る事はできなかったが
ここはもの凄い集虫力があった。
みんな、一生懸命夏を生き抜こうとしているんだねぇ...☆
それが良く伝わってくる光景だった。
お!
トゲヒゲトラカミキリのペア〜だ♪
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-トゲヒゲトラカミキリ -(Demonax transilis BATES, 1884) |
さてさて、じいちゃんとも仲良く会話を楽しんだこの辺で
今日はお開きにしよう。。。
今回は、目的のムシを然るべき場所で得ることができ
大変満足である。
〜 後記 〜
今回は、実家周辺で
ネジロカミキリ、シラハタリンゴカミキリ、ヨツスジハナカミキリといった3種類の未採集種を含む
14種類のカミキリムシを確認することができた。
特に、ホスト採集の醍醐味を久々に体験したいと思っていたところ
お目当ての、シラハタリンゴカミキリをスイカズラ上で
既採集種だが、ヨツキボシカミキリをヌルデ上で採集し、感動できた事は
これから、他の新しいカミキリムシをホスト採集していく過程を見据えれば
大変意義のある事であったと思う。
今回は、良く知っているはずの実家周辺を
都内にお住まいの先輩から教えて頂いたようなもの... (^ ^ゞ
う〜ん... 毎度思う事ながら、侮れなんなぁ〜、実家の周辺は..。
まだまだいくらでも修行の余地があると言う事だ。
それだけ、お楽しみがいっぱい残っているとも言えるんだよね〜♪
〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜
●ハナカミキリ亜科 | ||
ヨツスジハナカミキリ(初採集) | : | ×1 |
ツマグロハナカミキリ | ||
●カミキリ亜科 | ||
ホタルカミキリ | ||
トゲヒゲトラカミキリ | ||
キイロトラカミキリ | ||
エグリトラカミキリ | ||
キスジトラカミキリ | ||
カッコウメダカカミキリ | : | ×2 |
●フトカミキリ亜科 | ||
ネジロカミキリ(初採集) | : | ×2 |
シラハタリンゴカミキリ(初採集) | : | ×1 |
ホソキリンゴカミキリ | : | ×1 |
ヨツキボシカミキリ | : | ×1 |
ゴマフカミキリ | ||
アトジロサビカミキリ | : | ×1 |