採集履歴

“2005年 夏のカミキリ採集” 編(5)



05.06.19 (Sun)
 Plain 「プチ採集。遂に、セミスジの♂」 
                                                                                                  

今日は、またいっそう暑くなった。
当然、出かける予定だが
早く書かねばならない日記(採集ネタ)が、どんどんたまっていくばかりなので
午前中は05.05.28の採集記を書いていた。

昨日は、無事にカミキリムシのホスト採集の醍醐味を体験する事ができたので
今日は、余裕を持って、少し息抜きをしよう。

また、近場を回リたいと思う。


〜 まずは、いつもの 〜


12:00、出動。

まずは、いつもの「クリストフポイント」へ向かった。

できれば、クリストフコトラカミキリの追加個体を得ておきたい。


また、やってきました。


多分、この材場での採集は今季限りとなるだろう。
昨年の冬に切り倒されたコナラも、大分しなびてきた様に見える。

しかし、相変わらずカミキリが少ないなぁ。。

かろうじて確認できたのは、少数の
キスジトラ、キイロトラ、エグリトラ、ミドリ、ゴマフ、ホタル、ヒメスギ…
と言ったところ。

ほらほら、あそこにいる人に捕まっちゃいけないよぉ...(^-^;


ムシを探す人と、ミドリカミキリのペア〜♪


それにしても、暑ぃ(あちぃ)なぁ ...(^-^;
普通に立っているだけで
どんどん汗が滴り落ちてくる。

結局、このポイントで2時間粘ってみたが
今日もクリストフに出逢うことはできなかった。

先輩が言ってくださったように
それだけ1頭目の価値が増すということなのだろう。


その後、せっかくなので、ポイントの周囲の状況を
観察してみることにした。

とても車では進入できないエリアなので
徒歩で数百メートル移動していくと
ポイントの裏側が見渡せる高台へ辿り着いた。

ふぇ〜、こんな風になってるのか。。。


初めて見るポイントの裏側です。


崖下の中央には、一台のトラックがとめられている。
こんな所へどうやって入ってくるのだろう...。

「クリストフポイント」の背景にある林の裏手を見ると
寸前まで崖が迫っていた。


どんどん、削られているのですね ...(^-^;


以前の採集記にも記したが、ここは
縄文時代中〜後期の集落跡が
地中に眠っている。

公的には未調査だが
その事は、県の教育委員会が、しっかりと把握している様だ。

当時は、現在よりも海の水位が高く
内陸部まで水が入り込んでいたので
このような台地上で人々は生活していた。

県内には、霞ヶ浦、北浦、およびそこへ注ぎ込む河川の周辺に
かなり多くの、貝塚、集落跡が残されている。

ここも、その内の一つというわけだ。


台地上には、コナラを中心とする二次林が形成されているので
ここで、クリストフは長年生き抜いているのだろう。

るどるふ先輩によると、以前採集した個体は
単なる流れ者ではなく
おそらく、昔からこの地に土着していたクリストフであろう
との事だった。

偶然とは言え、あの時貴重な1頭を得ることができ
とてもラッキーだったと
あらためて感じる事ができた。



〜 ♂だぁ〜♪ 〜


いったん家へ戻り、裏山のクリ林へ行ってみた。
ここの所、セミスジコブヒゲカミキリをよく見かけるので
マメにチェックしておきたい。

♀は既に得ているので
できれば、その名の通り触覚にコブがある♂が欲しい。

昨年、標本の展足に失敗した苦い経験があるので
なおさら彼には拘りがある。


まずは、これまでに何度もセミスジコブヒゲカミキリが付いていた枯れ枝を眺めてみた。

おおっ!今日も来ている...(@_@)


今日も、この枯れ枝にいました。どこにいるでしょうか??


本当にこの枝が好きなんだなぁ ...(^-^;

クリの樹の本体は、すこぶる元気なのだが
どうやら、この枯れ枝だけがお好みのようだ。

それにしても、ついているのはいつも♀だな ...(^-^;
産卵にでも来ているのだろうか??



-セミスジコブヒゲカミキリ
-Rhodopina lewisii lewisii
BATES, 1873



う〜ん... ♂がいないかなぁ...。

もうちょっと探してみよう。

この様な枯れ枝を好むのだとすれば
それは充分すぎるヒントとなる。

パリパリと乾燥した白っぽい皮付きの枝を、まずは探せば良い。

・・・・・・。

ところが、そんな条件の枝自体が少ないようで、意外と見つけられない ...(^-^;

しかしだからこそ他にあれば
かなりの確率で、カミキリムシがついている筈だ。

そう確信していた。

おっ!

あれなんかいいんじゃない??

ほらぁ...。

ほらぁ〜♪


おおっ!同じ様な枯れ枝に!!


うっしゃ〜!(>_<) (>_<) (>_<)

遂に来た。
あのコブは間違いない、♂だぁ〜♪

思わず、弟を呼び寄せる。
たかがセミスジコブヒゲ、普通種ではあるが
めっちゃ嬉しかった。



-セミスジコブヒゲカミキリ
-Rhodopina lewisii lewisii
BATES, 1873



毎度の事ながら、バシバシ撮影。... (^ ^ゞ
手のひらに乗せて一枚。
ヒゲが長〜〜い☆



ヒゲが、長〜〜い☆


指に摘んで、また一枚。
いい顔、いい顔だ!


いい顔です!


う〜ん、今年中に
どうしても早く抑えておきたかった個体なので
これでようやく一安心だ☆
今度は、しっかりと標本を作ろう!

間違っても

頭がとれちゃったぁ〜!(T^T) (T-T) (T^T)

なんて事がないように注意しよう... (^ ^ゞ



〜 むこうから、来てくれたよ♪ 〜


スゴックを迎え撃つ、ミハル風に...笑
また、マニアックなネタで、済みませんです... m(__)m

夜になり、自分の部屋で作業をしていると
買い物から帰ってきた弟が、何やら玄関先で騒ぎ始めた。

何事かと、耳を傾けてみると
どうやら、照明に飛来していたカミキリムシをゲットしたようだ。
しかも未採集種らしい。

なぬ〜っ??

慌てて2階から駆け降り
そのカミキリムシを見せてもらった。

おおお!
これはまた素敵なカミキリムシじゃないですか!

同定には相当苦労したが
先輩の力もお借りして、答え合わせをした結果
センノキカミキリである事が分かった。



-センノキカミキリ
-Acalolepta luxuriosa luxuriosa
BATES, 1873



うししっ! やっぱ、フトカミキリ亜科は格好いいや!
日本で一番種類が多い、オーソドックスなタイプだが
体のつくりがガッシリしていて
いわゆる “甲虫” の味が、凄ぇ伝わってくる☆

のわ〜〜!!
ブルルルルルルル〜!っと、羽ばたき始めたぞ。
かなりの振動だ。

元気だなぁ〜、 おぬし。...(^-^;


わぉ〜〜!元気いっぱいですね ...(^-^;


今日は、まさに実家で
念願だったセミスジコブヒゲカミキリの♂に加え
未採集種のセンノキカミキリを得ることができた。


楽して採っちゃったけど
こういうのもいいでしょ。。。

一応、セミスジコブヒゲは、ホスト採集なんだよね〜。

何だか、とてもラッキーな一日であった☆彡



〜 後記 〜

今回も、実家周辺でクリストフコトラカミキリを狙ってみたが
残念ながら、追加個体を得ることはできなかった。

これから何度通っても、結果は同じ事になりそうである。

しかしそれだけ、以前採集した一頭目の個体が
大変貴重なものであったという事を
あらためて実感し始めている。

とは言え、あのポイントは今季限りで終わりだろうから
これからも懲りずに、時々様子を見ておこうとは思う。

小中学生の頃、せっせと自転車で土器収集に出かけた想い出の場所へ
再びカミキリムシを求めて足を運ぶ事になろうとは
夢にも思わなかった。


また、家に帰ってきてからの話だが
裏のクリ林で、念願だった
セミスジコブヒゲカミキリを採集し
更には、ラッキーな事に、玄関の照明に来た未採集種
センノキカミキリをゲットしてしまった。

地道に調査を繰り返していれば、時折いい事もあるもんだ♪
今晩は、採集記を一本アップしてから寝よう。。。


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●カミキリ亜科
 ホタルカミキリ
 ヒメスギカミキリ ×1
 ミドリカミキリ
 キイロトラカミキリ
 エグリトラカミキリ
 キスジトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ゴマフカミキリ
 セミスジコブヒゲカミキリ ×2
 センノキカミキリ(初採集) ×1





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