採集履歴

“2005年 夏のカミキリ採集” 編(6)



05.06.25 (Sat)
 Mt 「まだまだですなぁ〜」 
                                                                                                  

ここの所本当に暑い。
地元の日中の最高気温は、6月にして33℃だそうだ。

これから、7月、8月を迎えるのが、嬉しいようで、ちょっと怖い。
あんまり暑すぎると、カミキリムシも材場に飛んでこないそうだからね。...(^-^;

で、今日は、久しぶりにブナ帯へ出かけよう!

カミキリを狙ってブナ帯へ出かけるのは、実は今回が初めてである。

随分前から、この時を楽しみにしてたんだよね♪

当然、儚い希望も密かに抱いているが
果たして、それ相応のカミキリムシが得られるだろうか??

まぁ滑り出しは、様子見と言うことで。。。


〜 材場採集 〜


11:30、家を出発した。

例によって、立ち寄れる材場には
しっかりとチェックを入れておこう。

まずは家を出て10分程の「Kポイント」へ。

むむぅ... 今日は外したかな??


いつもの材場です。


とても気持ちの良い陽差しの元で、カミキリムシが殆ど見当たらない...(^-^;
時間帯のせいだろうか??
材場採集は、タイミングも重要。
この所へ来て、ようやくそれが分かってきた。


更に1時間ほど走り、「Oポイント」のクヌギへも、一応寄り道。
そろそろクワガタの姿も見ておきたいところなのだが...


コクワちゃんなら何頭かいますね...。


まぁ、いて当然の役者さんが、方々の小部屋に潜り込んでいた。

最近、カミキリ採集が続いているが
当然今年も、クワガタのギネスサイズの更新は目指して行きたい☆


コンビニで昼食を買い込み、パクパクと車中で食べながら
流れ流れて、ようやく本日登る山の麓へ辿りついた。

さすがに、何時間も北上すると
大分涼しくなっている。

こちらの材場では...


いないかなぁ...? おとうと君、ビデオ撮影中です。


ほほぅ。。
キスジトラカミキリが大勢でお出迎えだ。
嬉しいじゃ〜ん♪

サクラを中心とする薪炭材の上を、あちこちで走り回っている。
おそらく、この時間帯がピークなのだろう。




-キスジトラカミキリ
-Cyrtoclytus caproides caproides
BATES, 1873



おおっと、これは未採集種じゃないかな??
一見、ツマグロハナかと思われたが
よくよく見れば、姿形が全く違う。

やったね、
ハネビロハナカミキリだっぺよ!



-ハネビロハナカミキリ
-Leptura latipennis
MATSUSHITA, 1933



よしよし♪
これで持ち帰るべきカミキリムシを手堅くゲットできたぞ!
それではこの辺で、一気に高度を上げてブナ帯へ行って見よう。



〜 ハナカミキリ 〜


14:30、山頂付近へ到着。
まずは、ブナ帯の周辺に走る林道を彷徨ってみることにした。

山の中腹あたりに差し掛かった頃から気付いていたが
本日は山地性のセミ(おそらくエゾゼミ系)が大合唱しており
とてもいいムードである。

林道には青々とした樹々の葉が、これでもかと言うぐらい元気に生い茂っており
花も結構咲いていた。


とても良い雰囲気ですねぇ...!


特に、白い花の上を眺めれば、既採集種とは言え
各種ハナカミキリが簡単に見つけられる。

えっと、チャイロヒメハナ、セスジヒメハナ、ニンフハナ…




-ニンフハナカミキリ
-Strangaliella nymphula
BATES, 1884



ややや?
この子は未採集のようだ!

どうやら
オオヒメハナカミキリらしい。。



-オオヒメハナカミキリ
-Pidonia grallatrix
BATES, 1884



また、一時カミキリ探しを中断して、私が標本用にツヤハダクワガタを探し始めた頃
弟は、ソダが積んである木陰でこんな子をゲットしていた。

どれどれ?
うきゃ...☆ 綺麗ななぁ〜!

ふっふっふ。。あなたなら、図鑑検索をするまでもなく、よく存じておりますよ!
カラカネハナカミキリさんでしょう??

やったね!またも未採集種だ。



-カラカネハナカミキリ
-Gaurotes doris
BATES, 1884



体の造りがガッチリしている上
キラキラとラメが入っていて、超カッコいい!

いつもとは、また違ったタイプのハナカミキリだったので結構嬉しかった♪

では、これらカミキリムシを育んでいる、ブナの森へ潜入してみよう。




〜 ブナの森 〜


さすが、この辺のブナの巨木はとても貫禄がある。
実に堂々としたものだ。
小学生の頃、父親に連れられて来たのが最初だが
当時、これらの巨木はどれぐらいの大きさだったのだろうか...。


長い年月をかけて、この森を形成してきたのでしょう。。


で、ここへやって来たからには
ある程度狙いも定まっている。

ちょっぴり恥ずかしいが
やはり、
ネキ! オオホソコバネカミキリでしょう!

いやぁ...でっかく出ましたね〜。
まぁ、いつだって事の始めはこんなもんでしょ??

採れりゃうれしいが、別に採れなくてもそれはそれで良し。。
基本的に、私は急がば回れ主義である。... (^ ^ゞ

いつか採れれば、それでいいんですよん☆

先輩から頂いたアドバイスによると

オオホソコバネカミキリは、ブナの立ち枯れで、樹皮のはげている箇所に飛来するそうだ。
おおよその傾向としては、午前中に♂が飛来し、午後に♀が産卵に 来るという。

7月がメインなので、ちょっと時期早々な気もするが
とりあえず頑張ってみたい。


早速、調査開始だ!

ヤブこぎをしながら、周囲を見渡せば
ものごっつ太い立ち枯れが時折見受けられる。
おそらく、クワガタが入りそうな柔らかいものではなく
半枯ぐらいの堅いものがよいだろう。

条件の良い立ち枯れを見つける度に
ひたすら表面を、じ〜〜〜っと眺めてみる。

けれど、そう簡単に奴は現れてくれない... (^-^;

巨木なんで、随分幹が高いのだが、あんな上方にも飛んでくるのだろうか...??

来るのだろうけど、手も足も出ないよなぁ〜。

ただただ、ブナのスケールに感心するばかり。... (^ ^ゞ

早くもちょっと諦めモード??

根気が足りないっつーの!... (^ ^ゞ


いやいや、結構時間をかけて
私なりに頑張ったのだが、今日はお目当ての獲物と出逢うことはできなかった。。。


その後も山中を彷徨い
切り倒されたばかりのブナのブロック材がゴロゴロしている光景を目の当たりにして

ややや!? これは!?

と、声を上げ飛びついてみたが、なんにもおらず...。

あれぇ?? あらら〜??(by 師匠@倉本みつる)

おかしいなぁ... (^-^;

普通種とは言え、県内では少ない
ルリボシさんなんかが
飛んできそうなものだが...

しかし、タイミングさえ合えば、ここには必ずそういったカミキリが飛来することだろう。
新鮮なブナ材の香りが、辺りに充満している。

最近、ルリボシの他、
ヨコヤマヒゲナガカミキリのような人気種に憧れを抱くようになってきた。
つまり... 具体的な欲が出てきたって事ですよ!
とっても良い傾向☆


森の中を、延々彷徨った末、再び林道へ出た。
仕方がないので、森の中のルッキングはこれにて終了し
時折道端に現れる、コゴメウツギやアジサイ類などの、白い花に着目しながら
車の駐車場所まで、歩いて引き返す事にした。

それにしても、随分と彷徨っていたんだなぁ...。

車までの、登り坂の距離が、えらく長く感じた。... (^-^;

そうそう、手持ちのサンプル数がまだ少ない、
ニセヨコモンヒメハナカミキリ
採り逃してしまったのは痛かったねぇ... (^ ^ゞ



〜 今度はヤツメ 〜


目的の種は得られなかったが
見ておくべきポイントを、一通り回り終えたので
下山する事にしたした。

陽が落ちる前に麓まで降り、昼間にキスジトラが湧いていた材場へ再び立ち寄ると
今度は、
ヤツメカミキリが湧いていた。


あ、今度はヤツメだ!


写真のように、積み上げられた材の隙間で
静かにたたずんでいる個体を発見した直後
第2、第3のヤツメが
方々から、トントン拍子に姿を現し始めた。



-ヤツメカミキリ
-Eutetrapha ocelota
BATES, 1873



へぇ〜。
時間帯が変わると、まるっきり役者が変わるもんなんだねぇ。
あれほど沢山いたキスジは、既に全く見られない。
面白〜い☆

その他、
シラホシカミキリも何頭かいた。



-シラホシカミキリ
-Glenea relicta relicta
PASCOE, 1868



さぁ〜て、大分陽が傾いた。
せっかくなんで、もう一種ぐらい未採集の個体を得ておきたいところだったが
そろそろ引き上げることにしよう。

カミキリ採集は、陽が落ちたら終了である。
(灯下、樹液採集は別としてね☆)

炭焼きの香ばしい臭いを堪能しながら
本日の採集行は閉幕した。。

久しぶりに、飯でも食って帰りましょう。


以前一度訪れているお店で、こってりと腹を満たし、家路につきました☆



〜 後記 〜

日中凄く暑かったもんで
帰り道、ポイント「Sきょく」なんぞにも立ち寄ってみたが
相変わらず灯下には、おびただしい数のムシが集まっていたものの
特に持ち帰りたいと思うものは見つからなかった。
とりあえず、「2005年:夜の部開幕!」 と言ったところだろう。
それにしても、タガメは今年も健在だな... (^-^;

今回は、久々にブナの森へ足を運び
ハネビロハナカミキリオオヒメハナカミキリカラカネハナカミキリといった
3種類の未採集種を得る事ができた。

いや〜、まだまだですな... (^ ^ゞ
県内でカミキリ採集をするなら
まさに別格と呼べる素晴らしいエリアを訪ねたにも係わらず
結果は、この程度であった。... (^ ^ゞ

仕方ないっす。 己の受け皿のスケールがまだまだ小さいのですよ。
つまり、偉大な山のポテンシャルを、受け止められるだけのレベルに達してないんです。。。

まぁ、これからものんびり行きましょう...☆


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 チャイロヒメハナカミキリ
 セスジヒメハナカミキリ
 ニンフハナカミキリ
 ニセヨコモンヒメハナカミキリ
 ハネビロハナカミキリ(初採集) ×1
 オオヒメハナカミキリ(初採集) ×1
 カラカネハナカミキリ(初採集) ×1
●カミキリ亜科
 エグリトラカミキリ
 キスジトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ヤツメカミキリ ×3
 シラホシカミキリ





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