採集履歴

“2005年 出張” 編(2)



05.07.30 (Sat) 〜 31
(Sun) Mt 「通算100報目!カミキリ求めて初遠征」 
                                                                                                  

9:00に目覚めた。
昨夜は、ストック中のカミキリムシがバタバタと☆になっている事に気づき
急遽展足作業に取りかからねばならなくなったので
3:00過ぎまでは起きていた記憶がある。 だから、まだちょっと眠い...。

しかし、昨日のクワガタ採集の興奮が少しずつ蘇ってくると
早々に、トレを済ませ、連れて帰ったミヤマやノコギリの所へ足早に歩み寄り
撮影会を開いてしまった。。

ほんと、昨晩は久しぶりに夜の部で興奮した。。

で、今日は予定通り他県へカミキリ採集に出かける。
昨夏から始まった夏のお楽しみだ☆

しかし今回は、予習など準備は何もしていない。
ただ、行き当たりばったりになるとは言え、どんなカミキリムシに出逢えるのかが非常に楽しみである。
どうせなら、地元ではあまり得られない種類が採集できれば嬉しい!

え? この様な考え方では志が低いっすか???
はは☆ まだ初心者なもので
どんなんが出てきても、それなりに楽しいかと...。

嘘ですよ〜☆
本当は、見てみたいカミキリムシがちゃんといるのです。
コブヤハズカミキリ、それからルリボシカミキリである。

この2種類、色々なサイトを眺めてみると、クワガタ採集のついでに
案外あっさりと発見されている様なので
そろそろ私もお会いしてみたい。

特に前者は、姿形が特殊だし
地元では、1962年の1♀を最後に、その後15年間の調査を経ても
記録が残らなかった超難関種だそうで、非常に興味深い。

後者は、近年地元にも、わずかずつ増えているそうだが
生き虫の、その鮮やかな彩りを拝見した事が未だない。
そして、「いつかは地元で。。」と思っている種類でもある。

それから、昨年逃したヤツボシカミキリにも案外未練が残ってたりして... (^ ^ゞ

いずれにせよ、今夏もブナ帯を目指す事になりそうだ。
おとうとの車には頑張ってもらおう。


05.07.30 (Sat) 晴れ のち 雨 Mt


〜 行ってきま〜す! 〜


12:50、いざ出発〜!
最寄りのインターから、すぐに高速移動を試みた。
ぐんぐん×2、北上し、どんどん×2、故郷が遠くなる。。

そして、とっても気持ちの良い天気♪
さて、これから先、いったい何が待ち受けているのだろう??
やはり普段通い慣れていない道のりを辿る時は
非常に胸が高鳴る。

行ってきま〜す! > 地元。


さぁ、飛び出しましょう!


15:40、今回目指すべき山へ向かうために、一番最寄りのインターへ降り立った。
家を出てから、ここまで2時間50分。
随分遠くまで来たもんだ。

まずは、コンビニを見つけ、そこで食料を調達した。
車中でそれを食べながら、更に目的地を目指す。

で、山の麓まで無事にやってくると、今年も手頃な民宿をいち早く確保し(凄く安い!)
心おきなくとある林道へ入った。。

まだ×2採集時間が残っている。
いつもの事ながら、夏は陽が長くて安心だ♪


完全に人気がなくなりました。


いや〜、とてもいい。。
一見平坦地の林道のように見えて
道路際の林の奥を覗くと
深い谷底が見え
樹齢を感じさせるブナの巨木群が
堂々と、そして静かにそびえ立っていた。


 


道端には、ヤナギも何本か生えているので
おそらく、ヒメオオなんかも行けるだろう。

どん×2高度を上げていくと
周囲の雰囲気も大分変わってきた。


まずは上の方へ行って見ましょう。


ある程度高度を上げた所で
本格的にカミキリ探しを始めた。

まずは、枯れ枝が道端にたまっていたので
眺めてみる。

お!ヒメヒゲナガカミキリだ。

今回の遠征における、初カミキリである。
でも、スル〜... (^-^;

すると、おとうとが、「あ、そこにもいる!」と。

どりゃ?

お!

おお〜!


いきなりお目当てのカミキリにこんにちは!


これが、冒頭に記したコブヤハズカミキリだ!
しかも、ぺあ〜♪

結構沢山の方が採ってらっしゃるとは言え
こんなにもあっさりと見つけられるとは思わなかった。
おそらく、運がいいのだろう。

しかし、未採集のカミキリムシと出逢えたときと言うのは、やっぱり素直に嬉しい。
こういった感動を、いつまでも忘れちゃいかんね☆

それにしても、なるほど〜、飛べなくなったカミキリムシって感じがする。。。
と言うより、飛ばなくなったと言った方が良かろうか??



-コブヤハズカミキリ
-Mesechthistatus binodosus
WATERHOUSE, 1881



ならば、何故に飛ぶ必要性がなくなったのだろうか?
長い年月をかけて、飛ばない奴だけが生き残ってきたのかな??

日本には、この手のタイプのカミキリムシが何種類かいるようだが
実にユーモラスな体型で、かわいらしい。
素朴な色合いも、私好みだ☆

ふ〜む、この子らが、40年以上前までは、地元にもいた記録があるのか...。
探した事もないくせに、本当に難しそうだなぁ〜、なんて
直感で分かるような気がした。。


幸先良いスタートを切って、ちょっと移動。。
そして次もまた枯れ木の上... おっと!普段見慣れていない、サビカミキリがいるぞ!
これはもしかして、
エゾサビカミキリではないのかい???



-エゾサビカミキリ
-Pterolophia tsurugiana
MATSUSHITA, 1934



やはりその様だ。何気にこの子も未採集種である♪

やっぱ、環境が違う所へやってくると
それなりのものが見つかるもんだ。

そう思っているうちに
コブヤハズカミキリの追加個体を発見!

枯れ枝の「コブ叩き」 をしてもいないのに、次から次へと良く見つかるものだ。
先程のぺあ〜♪より、やや大きめである。
嬉しいじゃ〜ん☆

このカミキリムシ、とまっている時は、非常におとなしいので
非常に撮影しやすい。

ただ、いかんせん雲行きが怪しくなってきたので
光量が足りない。。
(私のデジカメ、フラッシュをたくと、不自然な色合いになっちゃうんだよね...。)


ムシャムシャと、はっぱを食べてます。


はい、今回は表情も頂きます☆
ちっちゃいくせに、けっこう怖そうな顔してるかも。。
栽培マンみたい。


小悪魔ニョロよ〜ん。


その他、ヘリグロリンゴなんかを見かけたが
急に真っ暗になり、雷が鳴り出したので(山の天気は変わりやすい!)
今日のところは撤収する事にした。

(車まで、コブ3頭、エゾ1頭を両手に摘んで持ち帰るのが大変でした。ケースは、常に持ち歩きましょう。)

セ〜フ!車へ乗り込むなり、大粒の雨が落ちてきた。 ... (^-^;
しかし、これで終了ではない。
下山中、道端にあった枯れ枝が気になったおとうとが
ウインドウを空け、車内から手を伸ばし摘んだのがこの子!

小っちゃいけれど、とっても綺麗な
キモンカミキリをゲッツ♪



-キモンカミキリ
-Menesia sulphurata
GEBLER, 1825



むむ〜!
いきなり3種類も未採集のカミキリムシに出逢えるとは...
初日から手応えありすぎである。
繰り返しになるが、やはりそれなりのご褒美がちゃんとあった♪

しかし、降り出した雨は一向にやむ気配がなく。。

夕刻になってしまった。


下山して、とりあえず晩御飯をゲッツ♪


民宿へ戻り、夜になった。
雨は、いつまでもシト×2と、降り続いている。

温泉へ入った後は
本日採集してきたカミキリムシを、原色甲虫図鑑で確かめながら
くつろいでいた。

私が、温泉に入りに行くのと同じぐらいに
民宿街の街灯回りに出かけていったおとうとが
この時、ちょうど戻ってきたようだ。

なにやら玄関の前でウロ×2している様子なので
2階の部屋から

「どうだや〜???」

と尋ねると

ミヤマ、アカアシなどが♀を中心に落ちているらしい。。

へぇ... 面白そうやん!

というわけで、私も下へ降りていった。

気が付くと、雨は殆どやんでいた。
やっぱ、自然度が高いこの地域なら
悪天候とは言え、多少なりともクワガタが飛んでくると言うことなのだろう。

おとうとは、民宿のおやっさんにも探すのを手伝ってもらっていたらしい... (^-^;
それにしても、本当に♀が多い。。

せっかくなので、車に乗って少し移動してみようと言うことになった。

う〜ん、街灯がないなぁ... (^-^;
道路は真っ暗で、何にも見えなかった。

人里に近づき、ようやく見つけた、こんな街灯は...


ムシは結構飛んでましたが...


我々がやってくると、すぐに消灯されてしまうし... (^-^;

明るい街灯が立っている、白壁の大型建築物が
ちょうど、山を背景に建っていたので、しめた!と思い歩み寄ってみたが
ミヤマの♀程度に留まった。。。

まぁ、この悪条件の中、ちょっとだけでも楽しませてもらったんだもの
ラッキ〜☆彡だった。 と言うことにしておこう!

11:30に民宿へ戻り、るどるふ先輩にメールを出して
床についた。
今日は、コブヤハズが採れました〜♪ Z
ZZ...



05.07.31 (Sun) 晴れ Mt


〜 晴れた! 〜



5:00に起床。
まずは、トレできそうなスペースを見つけて
そこで53分間、ノルマの腕立てをこなした。

この民宿は、昨日から我々だけに貸し切り状態のようで
朝風呂も、悠々と楽しませてもらった♪

う〜ん、今日は快晴だぞ!


行くべ〜!


おとうとから、昨晩手をつけなかったコロッケパンを分けてもらい
それをほおばってから、この民宿、そして陽気な女将さんに、さよならをした。…6:45。


玄関前の自動販売機でジュースを買って、それを飲みながらレッツ・ゴ〜♪
眩しい太陽の光を受けながら
7:00ジャストに、昨日と同じ山の麓までやって来た。

おお、早速ハチ類を中心とするがムシ達が、ノリウツギの周りをブンブン飛び交ってるぞ!


朝っぱらから、凄いことになってますね〜。


まず視界に入ったのは、ヨツスジハナカミキリ。
いわゆる普通種で、この時期がピークのようだ。
今日はとってもいい天気!
いっぱいカミキリの写真を撮るぞ〜♪




-ヨツスジハナカミキリ
-Leptura ochraceofasciata
MOTSCHULSKY, 1861



その次に現れたのは
カラカネハナカミキリ。
この子も割と沢山いるみたい。



-カラカネハナカミキリ
-Gaurotes doris
BATES, 1884



そして、昨日と同じ林道へ入る。
ここへ来ると、ちょっと幻想的な感じ。。


朝露が、しっとりとしたイメージを演出しています。


ブナも少しずつ見えてきた。


また、お会いしましたね♪


おとうとは、ビデオ撮影にもトライ!


何かいそうですね...。


しかし

「うぉ?」

ここでアクシデント発生!とは言っても大したことではない。


「腹が... 痛たたた... ちょっとタンマ。」... (^-^;

開始早々、しばし休憩して茂みの中へ。。
ここの所、恒例になっているような気がするなぁ... (^ ^ゞ

そんな時、おとうとから声がかかる。
どうやら未採集種を発見したようだ!

そういや私が、出す物を出しているときと言うのは
あいつは必ず何かしら見つけている。

どりゃ×2、ちょっと待て! 採る前に、撮らせてくれ!

ほおお〜、これまでヒトオビは散々採ってきたが
ついにフタオビが現れたか!



-フタオビアラゲカミキリ
-Arhopaloscelis bifasciatus
KRAATZ, 1879



濡れた枝の上で、静かに
このちっちゃいカミキリムシはたたずんでいた。
う〜ん、ヒトオビアラゲには、ちょっと似てないかも...。
でも、うれしい☆

さらに目の前には、昨日感動をくれたばかりのコブヤハズ君。
今日のはかなり大きいぞ!
体長は、昨日の1.5倍ほどある。


色んな角度からバッチリ撮影☆



-コブヤハズカミキリ
-Mesechthistatus binodosus
WATERHOUSE, 1881




次第に、お日様がこの林道を眩しく照らし始めた。
「今日も一日始まるぞ!」って感じに。
カ〜ッとね!


眩しい朝陽に照らされるヤナギ... 美しいですねぇ。


これをきっかけに
ノリウツギ上では、色んなカミキリムシがにぎわい始める。
さぁ〜、テンションがあがってきたぞ!

お!あれは??
間違いない、未採集種の予感!


採る前に撮ります。


やった♪
マルガタハナカミキリだ。
先輩が、マルゲリータと書いてたやつだ!



-マルガタハナカミキリ
-Judolia cometes
BATES, 1884



太ってるからマルガタなのね・笑
ぶ〜ぴえchanと呼ばせてもらおう!


そしてこちらは... またヨツスジハナカミキリ。
こいつが一番いっぱいいる。



-ヨツスジハナカミキリ
-Leptura ochraceofasciata
MOTSCHULSKY, 1861



ん?
これはちょっと違うなぁ...。
何カミキリだろう??
とりあえず、同じ奴がいっぱいいるようなので
これも採る前に撮ってみる。



-フタスジハナカミキリ
-Leptura vicaria vicaria
BATES, 1884



答えは、フタスジハナカミキリだった。
おそらく、見たまんまを命名されたのだろう。

今後私は、ふ〜ぴえchanと呼ぶことにする☆

勿論、未採集種だ♪

いやいや、本当にカミキリムシが沢山いる。


花ばかりではなく、茂みの中を見れば、ビロウドカミキリも☆



-ビロウドカミキリ
-Acalolepta fraudatrix fraudatrix
BATES, 1873



気が付くと、茂みの間から遠くの山々の尾根線が見えた。
いつの間にか結構登ってきたもんだ。
ブナもヤナギも豊富にあるし
標高は、軽く1000mを越えているから
ヒメオオなんかも行けるんだろうなぁ。。


気付かないうちに結構登っていたようです。。


せっかくなんで、行けるところまで行ってみようと
山の頂上まで歩いてきてしまった。

これまで登りだったのに、突然下りに転じ始めた。


ここが頂上付近の様です。 林道は下りに転じ始めました。


ふむ、ここはあまり植生が豊かでないので
引き返すことにしよう。

もはや県境を越えており、聞くところによると
この付近の林道では、○○も発見されていると言うしね... (^-^;


さぁ、再開だ。

さっき採集した、ぶ〜ぴえchanが、今度はぺあ〜♪で登場。
おっ、なかなかいいショットじゃん!?




-マルガタハナカミキリ
-Judolia cometes
BATES, 1884



ややや!?あれは間違いなく未採集だぞ!
緑色に輝く、新型を発見!
以前地元で採集した、ミドリカミキリよりも一回り大きい。


それでも、採る前に撮ります。


やった!これはアオカミキリだ!
昨日のキモンカミキリに続き、美麗種と呼ぶにふさわしい。




-アオカミキリ
-Schwarzerium quadricolle
BATES, 1884



また、林の奥を覗き込むと
湿地帯の縁に、極太のブナと、その立ち枯れが見えた。

これは当然チェックを入れておかねばなるまい。

今回のターゲットには入ってなかったが
憧れの、あのカミキリムシに出逢うことができるかもしれないぞ!?


ブナも覗いてみましょう。


立ち枯れの側まで歩み寄ると、突然ブォ〜ンと、甲虫が飛ぶ音がした。

おおお!

やや大型の、赤いカミキリムシを発見。

しかし、気付いてからでは遅く、捕虫網は空を切り、逃げられてしまった。残念 ... (-_-;)

ところがその直後、立ち枯れの表面をふと見ると
真っ黒な、先程と同じサイズのハナカミキリがとまっていた。

なんと!

よし、今度こそ!
今回は、「採る前に撮る」はお休みして、手堅く手中に収めてしまおう。

その結果、今度は無事にネットイン♪

う〜む、さっき飛んでた奴は、こいつだったのかな???
しかし黒ではなく、赤ボンジュールだったような気がしたんだけど...。
ま、こいつが採れたんだから良しとしよう... (^ ^ゞ

そんなとき、幹のちょうど裏側にまわってみると...


どこにいるのか分かりますか???


おい×2!
まだ諦めるな、さっきの赤い奴がとまってるじゃん!



ほら、赤いやつがいます☆


やはり、先程飛んでいた奴に間違いないようだ。
とまっているのなら、捕虫網でしっかりと御用!

やったぜぃ♪

で、ラッキ〜☆彡な事に、赤と黒、2頭とも得ることができたハナカミキリがこれ。


-セアカハナカミキリ (オオクロハナカミキリ)
-Macroleptura thoracica
CREUTZER, 1799



色違いだが、同種である。
因みに、名前も一つではないらしい。

光沢があり、他のハナカミキリより大型で
なかなか個性的なカミキリムシである。
きっと、産卵に訪れていたのだろう。
憧れのカミキリムシではなかったが、これはこれで大きな収穫であった。


なんか、ほんとに未採集種が次から次へと採れてしまう♪

更には、再びノリウツギ上で
ニョウホウホソハナカミキリを追加!
既採集のニンフハナに似ているが
上翅の模様、触角の縞などに明らかな違いがある。



-ニョウホウホソハナカミキリ
-Leptostrangalia lesnei
PIC, 1901



時計の針は、10:00を回った。
つい夢中になっていたら、あっという間に3時間が経過。
いつの間にか頂上へ登り、そして麓まで歩いてきてしまった。

いや×2、この山には本当に楽しませてもらった。
カミキリ採集に視点を変えると、クワガタとはまた違ったブナ林の側面が見えてくるものだ。
もっと粘れば、まだ×2行けそうだったが
昨日今日で辿った同じコースを、またも往復するのはちょっと違う気がしたので
今回は、これにておさらばしよう。。
ありがとう! > 無名の山


山の恵みに、感謝いたします...。



〜 ヤナギ採集 〜


暑い... もの凄く暑い。
それもその筈、これから真っ昼間を迎えるのだ。

麓まで降りてくると、平坦な河原の中に走る、1本の渓流沿いに
かなり広範囲でヤナギが群生していた。

おとうとが、川に入りながらジャブ×2と、その様子を観察に向かう。

アカアシクワガタが結構沢山いるようだ。


長靴って、便利ですね〜♪


せっかくなんで、一枚載せておきましょう!



-アカアシクワガタ
-Dorcus rubrofemoratus
VOLLENHOVEN, 1865



ヤナギと言えば、カミキリだっているぞ!
え? ゴマダラカミキリ??

違う×2、道路横に生えていた結構背の高いヤナギを蹴飛ばすと
ほら、お気に入りの奴が落ちてきた♪
何度見ても、なかなか渋いイタヤカミキリだ。ただし噛まれると...
なかなか痛い... (^-^;



-イタヤカミキリ
-Mecynippus pubicornis
BATES, 1884



先程の山を完全に離れると、一度は去った民宿の横にある自動販売機へ向かってダッシュ!
この辺りはコンビニはおろか、自販機も少ないので、ついこの様な結果になってしまう。
駄目だ、喉が渇きすぎた... (^ ^ゞ

今度こそさようなら☆

栄えた大通りまで移動し
ガソリンを入れ、デイリーヤマザキで昼飯を調達した後は
暫く南下してみた。

で、次に到着したのは、このヤナギを中心とする林。

実は以前一度やって来たことがあって
ノコ、アカアシなどのクワガタをタコ採りして楽しんだ場所だ。


この林付近に、いたんですよ☆


しかし、今日の目的はクワガタではなく
昨年ここで採り逃がした、ヤツボシカミキリだ。

あの時は、突然飛んできて葉の上にとまり
その美しさに見とれていると、すぐに再び羽を広げたので
必死で捕虫網を振ったのだが
内角をえぐられ、見事に空振りしてしまったという、実にくやしい思いをした。... (^-^;
よって今日は是非ともそのリベンジと行きたい。

しかし... いね〜っ!
気がつけば、あれほど沢山いた、クワガタさえもいない。
そう何でもかんでも、うまくいく訳ないかぁ...。

せっかくここまでやって来たのだが、残念でした。
ちょっぴり虚しい ... (T^T)


その後、少々北方の山を目指してみたが
何だか、スギの植林ばかりで、いまいちパッとしない。

材置き場があっても
直射日光を浴びた、あっつあつの材ばかりで、ムシが付着できるような状態ではなかった。

ふと見ると、サクラの幹に1頭のキスジトラが...。
そういえば、今回初のトラカミキリじゃないか。。

何だか嬉しくて、シャッターを押してしまった。



-キスジトラカミキリ
-
Cyrtoclytus caproides caproides BATES, 1873



方々走り回って、突如ゴルフ場の中へ入ってしまったりと
この辺りから、思うように採集が進まなくなってしまった。
やばい...カミキリムシと全く縁がなくなってしまったぞ。... (^-^;

なんだか、疲れちゃった... 少し眠るっ、運転任せたっ! > おとうと。

(^ ^

15分程仮眠をとった後、これから先、どのように進路をとろうかという話になった。

どうしようか。。
今日は家へ帰る予定だし
新たに、知らない山を見つけて探索する時間は残されていない。
しかし、中途半端に、ある程度の時間は残っている。。

その結果、気になる場所を見かければ、寄り道をする事にして
少しずつ地元方面へ引き返すことになった。

せっかくなので、高速道路を使うのはやめておこう。

暫くは、とある湖を横切らねばならなくなったので、延々ドライブとなった。
助手席に座った義理として、ある程度ナビをした後は
再びおとうとに運転を任せ、お休みモードに切り替えた。... (^ ^ゞ



〜 スタミナ切れ... そう簡単にはいきませんねぇ〜 〜


国道の分岐点から、一たん西方に進路変更し、そこから三度睡眠をとる。
本日の暑さも影響しているのだろうが、どうやら、日頃の疲れがピークになっているらしい。
歳なのだろうか... (^-^;

で、目を覚ますと、なかなか良さ気な山へ辿り着いていた。
近くには温泉もあるらしい。

標高は500〜600mぐらいだろうか... ミズナラ、コナラ、シラカバを中心とする林が広がっている。
道端には、あちこちにソダが積み上げられていて面白そうな感じがした。

是非ここでは、今回あまり見ていないトラカミキリ系に会いたかった。

しかし、かろうじて見られたのは、わずかながらのキスジ、ウスイロトラカミキリぐらい。
その他には、ヒメヒゲナガカミキリ、ビロウドカミキリなど...。



-ビロウドカミキリ
-Acalolepta fraudatrix fraudatrix
BATES, 1873



おかしいなぁ〜。
もっといても良さそうなものだが...。
おそらく、時間帯の問題もあろう。

もはやどうすることもできなかった。

おとうとにせっかく見つけてもらったこの地には見切りをつけ、更に暫く行くと
背景の山が、またもスギの植林地帯と化してしまった。
もう16:30、夕刻前だ。。 この辺が潮時かなぁ... (^-^;


難しいですねぇ〜。


仕方ない、「昼の部」は終了のようだ。

後半戦、おとうとには、くたびれモードの(登り坂では止まりそうになる)愛車にムチ打って、結構ねばってもらったものの
助手席の私の方はというと、いきなり電源がOFFに切り替わってしまい、大変申し訳なかった。

凄い田舎道で、とっても貴重なコンビニを見つけたので
店内のテーブルにて、アイスやリポDを補給し、元気を取り戻した。
珍しく、その土地のお土産が販売されていたので、ついでにそれも買っておいた☆

ふ〜っ!これで本当に息を吹き返しそうだ。
よっしゃ、もう一頑張りしよう!

そんなこんなで、下道を走っている内に
ついに、茨城県へ帰ってきた。

ただいま〜! > 地元。

おとうとのリクエストで
精も根も尽き果てそうな時には、いつも立ち寄ることにしている
某ラーメン店へ。。…18:30。

こんな油ギッシュなメニューをたいらげ...


焼き肉丼と、油こってりスープのラーメンです... (^ ^ゞ


仕上げは、せっかくなんで、夜回りをすることにした☆

今となっては遙か昔のような気もするが
今夏、唯一クワガタで興奮した夜は、一昨日の話である。
でっかいミヤップがいれば、また持ち帰りたい。

その結果、今宵は某山中で6♂6♀のミヤマクワガタを確認できたが
持ち帰りたくなるような、めぼしい個体には出逢うことがなかった。

しかし、同じ職場の先生から、息子さんにとお土産のリクエストがかかっていたので
一番大きそうな1♂を持ち帰ることにした。
これで、寄り道した意義を見つけられたと言うものだ☆
それにしても、また一段とカブトが増えましたね... (^-^;


それから、今日も会ったね、ウスバくん☆
この樹の元へやってくれば、必ずついてるよね。

やっぱ、夜行性のカミキリムシはでかいなぁ〜。
日中、小型〜中型のカミキリムシばかりを追いかけているので
目が慣れていないせいか、一際大きく見える。



-ウスバカミキリ
-Megopis sinica sinica
WHITE, 1853



夜間採集も可能とは言え、採れるカミキリムシの種類は、ほぼ限られてくる。
カミキリ採集と言えば、やはり昼間が勝負なんだろうなぁ。。。


さぁ、そろそろ帰ろう。 家はもうじきだ。
道中、セブンイレブンでコーラスウォーターを1リットル
それから、粒入りオレンジジュースの500缶を買って
家に辿り着く頃には、全て飲みほしてしまった。

昨年よりも随分と早いご帰還だが
脱水症状を起こしてしまうような、暑い×2一日と
そして2日間に渡る初のカミキリ遠征が、これで幕を閉じた。。



〜 後記 〜

無事に帰宅したのは、21:00を過ぎた頃だった。

今回のカミキリムシを狙った初遠征は
初日と、2日目の午前中に調査した、ブナ帯を中心とする林道が全てだったと言っていいだろう。
何の予習もせずに、いきなり現地へ行って、9種類の未採集種が得られたのだから
初心者にとっては、なかなかの手応えであった。

特に、前々から気になっていた、コブヤハズカミキリに初っぱなから出逢えたことが
とってもラッキ〜☆彡 だったと言える。
40年以上前の記録とは言え、あれが地元にも棲息していたんだからなぁ...
う〜む、感慨深い物がある。

その他、キモンカミキリ、アオカミキリなどの美麗種や
赤と黒の、セアカハナカミキリに出逢えたことも大変印象深く心の中に残っている。

やっぱ、環境が違う所へ訪れると
それなりのご褒美が得られるものだ。

その後は、日頃の疲れがどっと出て
テンション的にも、かなり下降傾向だったが
それに対する後悔の気持ちはない。

ムシ採りというのは、勝負に出るときを除いては、そんなに無理をしなくても良い遊びと考えている。
のんびりと、細く永く続けることを理想としているからだ。
おとうとには迷惑かけちゃったけどね... (^ ^ゞ

そういや、ルリボシカミキリを見る事ができなかったなぁ...。
まぁ、それもまた次の機会に探せばいい。
あの子なら、地元でも、いつの日か採れそうな気がしてならない。

外の世界をちょっとかいま見て、下積みはできてきたのかなぁ...。
そろそろ、明確な目的意識を持ったカミキリ採集を始める機が訪れているのかもしれない。
来年の夏も、是非こうやってカミキリムシを探しながら野山を歩いていたいものだ☆


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数) 〜

●ノコギリカミキリ亜科
-2日目以降-  ウスバカミキリ
●ハナカミキリ亜科
1日目以降  ヨツスジハナカミキリ
2日目以降
 カラカネハナカミキリ
 マルガタハナカミキリ(初採集) ×5
 フタスジハナカミキリ(初採集) ×5
 ニンフハナカミキリ
 セアカハナカミキリ(初採集) ×2
 ニョウホウホソハナカミキリ(初採集) ×1
●カミキリ亜科
2日目以降
 アオカミキリ(初採集) ×1
 キスジトラカミキリ
 ウスイロトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
1日目以降
 ヒメヒゲナガカミキリ
 コブヤハズカミキリ(初採集) ×4
 エゾサビカミキリ(初採集) ×1
 ヘリグロリンゴカミキリ
 キモンカミキリ(初採集) ×1
 アトモンサビカミキリ
2日目以降
 フタオビアラゲカミキリ(初採集) ×1
 ビロウドカミキリ
 イタヤカミキリ
 ゴマフカミキリ
 ナカジロサビカミキリ
 キッコウモンケシカミキリ
 ナガゴマフカミキリ





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