採集履歴

“2005年 夏のカミキリ採集” 編(11)



05.08.13 (Sat) Mt 「盆休み。私もルリボシが見たい!」 
 
                                                                                                  

8/2(火)、千葉で仕事中に
珍しく父と2人で茨城某所へ採集に出かけていたおとうとから連絡が入った。

「○×山で、ルリボシに逃げられた~っ!」

「うぇ゙~!?マジかよ!」

我々にとっては、地元でルリボシの尻尾をつかんだという事実が、相当なニュースなのである。

で、その5日後、8/7(日)...
この日私は、茨城県某町の歴史的な建造物の調査のため
採集には出陣できず、泣く×2仕事をこなしていた。
すると午前中のうちに、予定通り、おとうとから報告が入った。

「無事に、ルリボシゲット!」

「うきゃ~。。」 (>_<) (>_<) (>_<)

完全に好機を逃してしまった。。

実におめでたい話だが
あ~ぁ、私も行きたかったなぁ...。 恨むぜよ~!土日調査ぁ~!(>_<) (>_<)

で、そのルリボシがこれ。 ほんと、綺麗だ...。


標本作製のため、先日私が預かる事になりました。


本日は、是非私も茨城県産ルリボシカミキリの採集現場を見てみたく、おとうとと出かけることにした。
採集日から随分時間が経過しているので、もはやタイミングを外しているのかもしれないが...
私にとっては、実に2週間ぶりの久々の出陣である。 楽しみだ☆


~ お盆ラッシュ ~


あらかじめ心配はしていたが、主要な道路は、ものの見事にお盆ラッシュだった。
他県ナンバーも多い。

最寄りのインターから、高速移動を試みようとするも
すぐに、金と時間がもったいないと悟り
一区間だけ料金を支払って、下道に切替える。

でも、下道は下道で大混雑。。


なんとも、もどかしい...。



~ ルリボシがいた場所で ~


その後、じもぴ~の利を活かし、裏道を使いながら
普段より、+1時間余計にかけて、なんとか現場へ到着することができた。 … 3:15。
しかしまぁ、あの状況でこれなら軽傷なほうだ。... (^-^;

何気にこのポイント、しょっちゅう側を通り過ぎているので、位置は詳しく把握していたが
実際に降り立つのは、これが初めてである。

まずはとりあえず、斜面を這い上がりながら、おおざっぱに様子を眺めてみた。

なるほど、伐採されたコナラ、ミズナラ、ヤマザクラなどが
無造作に傾斜面になだれ落ちている。


出遅れました...。 ちょっと暗いです。


しかしながら、そんな良好な材も、いかんせん日数が経っているので
表面には随分と湿気を帯び、
木口から発せられる、独特な香ばしい匂いは
大分薄れているようだった。

更に、今回は時間帯による制約も重なりそうだ。
背が高い広葉樹が生い茂る森林の中に、ポッカリと空いた狭い空間には
陽がさす時間が限られてしまう。。
カミキリムシが飛来するためには
やはり薄暗くしっとりとしたイメージよりも
明るく暖かいシチュエーションの方がいい。

う~む...。 やはり、タイムロスが影響しちゃったなぁ... (^-^;


とはいえ、これほどの周囲の環境と、転がり落ちた材があるのなら
新たなカミキリムシの飛来は期待できなくとも、まだまだ充分採集できる筈である。
…そう踏んでいた。


では、本格的に探してみよう♪

すると、早速...

「お!」

というおとうとの声。。 なぬ?もう発見したのかや!?
どうやら下の方で何かを捕まえたようだ。

ほほう!
コバネカミキリだ。



-コバネカミキリ
-Psephactus remiger remiger
HAROLD, 1879



この様な、上翅の小さなカミキリムシは
以前採集した、
コジマヒゲナガコバネカミキリ以来、2種類目である。
しかし、コジマヒゲナガは、カミキリ亜科であって
この子は見た目通り、ノコギリカミキリ亜科なので、全くタイプが違う。

まずは、個性的な未採集種を手堅くゲッツ☆


その直後... むむむ??
何やら小さいカミキリムシがいるぞ。。
私はこんなのを発見!


白いカミキリムシがいます...。


摘みあげたるは、
タテスジゴマフカミキリ



-タテスジゴマフカミキリ
-Mesosa senilis
BATES, 1884



先程に引き続き普通種だが、これも未採集種。
カミキリ採集1年生の私にとっては非常に嬉しい。

ふふふ、既採集のゴマフ、ナガゴマフ、カタシロゴマフに、新たにもう1種類のゴマフ系が加わったぞ♪

このタテスジゴマフ、結構いるようで、その後も2頭追加できた。


で、お目当てのルリボシくんは、予想通りなかなか来ない。
本日確認しているカミキリムシは、おそらく殆どが
この場へやって来て暫く時間が経過している個体であろう。

何気にフトカミキリ亜科に分類される個体が多い。

ルリボシが数回飛来したというコナラ材の上には、その代わりに
トゲバカミキリが闊歩していた。



-トゲバカミキリ
-Rondibilis saperdina
BATES, 1884



この子は既採集だが、標本作製を見事に失敗しているので
ありがたく頂戴しよう♪

(前回は湿気でふやけてしまった... (^ ^ゞ )


その後も、ナガゴマフ、ビロウドカミキリ、セミスジコブヒゲカミキリの他
触角がない、ウスイロトラカミキリなどを確認したが
刻々と時間は過ぎ去り、完全にルリボシは断念せざるを得なくなった。
ま、仕方あるまい。。


今日は難しそうですね...。


数年前の、S研によるルリボシカミキリの公的な記録が、しっかりと頭の中に入っていたので
ここにいる事は良く分かっていたが
「1週間前に、やはりここにいた。」という事実を認識しながら
やって来られて、とても良かったと思う。。

また、この場を離れる際には、道路際に溜まっていた枯れ枝上で
更に新たな未採集のカミキリムシを追加する事ができた。

そう。なんだかんだと、やはりここにはカミキリムシが沢山集まっているのだ。

で、お次は何でしょうか??


また、未採集の個体を発見しました♪


シロオビチビカミキリだった。
これも、フトカミキリ亜科である。

指で摘んで、また撮影。。
カミキリ界には、チビ助くんが本当に沢山いるもんだなぁ~。



-シロオビチビカミキリ
-Sybra subfasciata subfasciata
BATES, 1884



チビ助くんと言えば、この他にも、ナカジロ、アトジロ、トガリシロオビ、アトモンなどの各種サビカミキリや
標本用に追加しておきたかったニイジマトラなどを、夕暮れ前に、同じ山の少し離れた場所で確認した。

“うん” がつくアクシデントは今日も勃発したが、自分で書くのは恥ずかしいので
おとうとの採集記で。... (^ ^ゞ



~ アカアシ採集 ~


辺りが暗くなり始めたが
今日はおとうとが、この地にもう少しこだわりたいらしい。
更に具体的に言えば、「夜の部に」である。

しかし、街灯などは一切ないし
もちろん自前の灯下セットなど、持ち合わせてはいない。

前回の採集記にも記したが、カミキリ採集の夜の部は
あまり効率が良くないのでは...??

じゃ、どうすんの?って話だが

まぁ、完全に陽が落ちるまでにはもう少し時間があるので
アカアシクワガタでもチェックしに行こう。。

車で20分ぐらい移動して
以前、アカアシクワガタが湧いていた橋のたもとへやってきた。

今日もいるかなぁ...???

お...

を゙!? (◎◎)



-アカアシクワガタ
-Dorcus rubrofemoratus
VOLLENHOVEN, 1865



こいつはぁ~でかいんじゃないの??

目の前にいたので、おとうとと2人で確認しあう。

下には♀もいるようで、うまい具合に♂の大きさを強調して見せる要因になっているが
とりあえずこの♂、己に自信があるのだろうか?
アカアシ君のくせに、大顎をカ~ッと開いて、もの凄い威嚇ポーズをとり始めた。

私がその様子を撮影し終えると
おとうとはこのアカアシを片手に車へ走った。
もちろん、計測をしに...☆

で、ノギス計測の結果は
51.0mmジャストであった。
よっしゃ~♪ アカアシクワガタ(完全体)の、自己ギネスサイズ更新!

49.0 → 49.5 → 51.0と、着実に増えてきてますなっ☆

いや~、2人して結構興奮してしまった... (^ ^ゞ

 ※因みに、先程(この採集記を書いている最中)、背後でノートPCの画面を覗き込んでいたおとうとから
 ※「おい、その写真はもっと大きくしろよ!」と言われてしまいました... (^ ^ゞ



~ しょぼ×2灯火 ~


大分暗くなったので、先程カミキリ採集を楽しんでいた山へUターンした。

で、現場へ戻ってから、おとうとが早速車のトランクの中から持ち出したるは白いシーツ。。
そしてその隅っこには、ビニールのヒモが括り付けられていた。

それを、手頃な電柱や木の枝に括り付ける。。。

まさか!?

そのまさかで、これから灯火採集を試みることになった。
(とは言っても、その真似事のレベルに過ぎんのだが... (^-^; )

用いる灯りは、車のライト(当然ハイビーム!)。

まぁ結構なポテンシャルを秘めた山だけに
何か来るかな??

と、私も興味深く見てみることにした。

運転席、助手席から、正面のシートへ少しずつ飛んでくるムシをじっと観察。。

へぇ~、おもしれ~!
アクセルを踏むと、若干明るくなるなっ!(^O^)



何か来ますかねぇ...?


お!ガガンボがいっぱい来たぁ~!

ややや?何だあの黒点は!?
車を降りて、よく見れば、小っさい×2、1頭のコガネムシ。... (^-^;

しかしながら、なか×2おもしろいもんだな、これは☆

と、そこへ黒い甲虫がブィ~ン!と羽音を立てて飛来!
ようやく甲虫らしい甲虫が来たようだ。
シーツの手前、道路上に落ちたようだが、その正体は...!?

ノコギリカミキリであった。... (^-^;

でも凄いなぁ、車のハイビームでもムシは来るのね・笑

その他にも、エゾゼミなんかがやってきた。... (^-^;


時計の表示は19:48。。
まぁ、この様な軽いお遊びも試みながら
本日の採集行は、閉幕した。

 ※因みに、おとうと君は、ヨコヤマ君を待っていた様です。... (^-^;



~ 後記 ~

下山中、キャンプをやってた数家族の子供らが
父ちゃん達と懐中電灯を片手に、灯下を回っていた。

「お!いるいる!(ちびっ子)」 だってさ☆
見つけたのはおそらく、かぷとむしでしょう。。
さすがにお盆休み、そして夏休みですね~♪

帰宅は、22:00過ぎ。
本日は、是非私もルリボシカミキリを現場で撮影したかったが
残念ながら、その望みは叶わなかった。

到着が15:00過ぎじゃ~、ちょっとねぇ... (^ ^ゞ

しかしながら、コバネカミキリ、タテスジゴマフカミキリ、シロオビチビカミキリといった初採集種に加え
標本用に欲しかった、トゲバカミキリ、ニイジマトラカミキリを追加することができ
得るものはあった♪

それから、遅ればせながら、アカアシクワガタの50.0mm超えも実現した。
見た瞬間に「でかい!」と思ったが
おとうとの感動振りも大変印象に残っている。。
うむ、良かった×2♪

ここの所、採集に飢えてたからな~。
なかなか楽しい一日であった。
お盆休み2日目となる明日も、当然出かけようと思う。... (^ ^ゞ


~ 主な確認種 (持ち帰り頭数) ~

●ノコギリカミキリ亜科
 コバネカミキリ(初採集) ×1
 ノコギリカミキリ
●カミキリ亜科
 ニイジマトラカミキリ ×1
 ウスイロトラカミキリ
 ミヤマカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ナガゴマフカミキリ
 タテスジゴマフカミキリ(初採集) ×3
 シロオビチビカミキリ(初採集) ×3
 トゲバカミキリ ×2
 ナカジロサビカミキリ
 アトジロサビカミキリ
 アトモンサビカミキリ
 トガリシロオビサビカミキリ
 ビロウドカミキリ
 セミスジコブヒゲカミキリ
 ゴマダラカミキリ
 シラオビゴマフケシカミキリ
●クワガタムシ科
 アカアシクワガタ(♂:51.0mm)





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