採集履歴
“2006年 T山塊調査” 編 (1)
06.02.18 (Sat) Mt 「通算100種類目は?」 |
昨晩からずっと、そろそろヒラタを狙っておくべきかな... と思っていた。 というのも、この時期にやっておかねば これからどんどん下草がはびこり、「根掘り」が難しくなるからである。 地元茨城県では、なかなか採集が難しいクワガタだけに いつか採ってみたいという憧れは、カミキリ採集にはまっている現在でも 変わらずに持ち続けている。 これまでも 「ヒラタを求めて...」 などというタイトルを掲げ 散々県内を歩いてきた訳だが 残念ながら、なかなか思うように事は運んでいない。。 既採集種であるが、他県産のものでは ちょっと 喜びが薄いのである。 現在私は、千葉県民だ。 されど、気持ちは永遠に茨城県民なのである。 そういった想いを根底に持っていることが、韮崎、檜枝岐、多摩川などに 未だかつて一度も脚を運ばせていない理由なのかもしれない。 でもなぁ... (^-^; |
〜 流れを変えられず 〜
晴れた!
日射しが とても暖かく
空気は澄んで、すごく気持ちがいい。
まさに 絶好の採集日和であろう。
早速エンジンをかけ 家を飛び出した... 10:30。
しかし...
存続の是非を問われている鉄道が...
この時点で既に、気持ちの変化、大きな 「迷い」 が生じ始めていた。
ヒラタを探すなら、これまで同様、水辺のヤナギを狙うのが得策だと思われる。
が、何となく今日のような日は...
「是非とも山へ行きたいっ... (^-^; 」
通過しますね。。。
冒頭に掲げたように 「ヒラタを採りたい」 と思う気持ちは偽物ではない。
「動かねば何も始まらない」 という事も良く分かっている。
それ故、今日はこうして水辺へ向け ハンドルを切っているという訳だ。
・・・・・。
でも だからといって、前回まで築いてきた 「流れ」 に逆らうことは難しい。。
突如遠方に、山が映った。
「向こうへも行きたい。」
そんな気持ちがどんどん増してくる。... (^-^;
今回同行した おとうとは、どちらへ転んでも 「あり」 だそうだ。。
こっちの山々も、なかなか良さそうだなぁ...(^-^;
しかし、結局頑固な私は 当初の方針を曲げる事ができず
一つの思いを断ち切って、高速道路に乗ってしまった。
スイスイです。
ところが...
せっかく滑り出したのに、今度は過ちが発生...
降りるべきインターを間違え、一つ先のインターまで行ってしまったのだ。
これは痛恨のミスである。... (^-^;
気を取り直して、目指すポイントまでひたすら下道を走ってみるが
これがまた激混みで、なかなか前へ進めない。。
到着予定時刻は、大幅に過ぎている。。
山か、水辺か... 気持ちの整理をつけたばかりなのに
すっかり意気消沈してしまった。
交差点の信号待ちでは、右手の神社に何本ものカクレミノを見つけたけれど
「タテジマカミキリがいるかな??」
なんて興味は湧いても
いつもの様に、わざわざ車を停めて確認しに行く程、気持ちに余裕がない。
「まぁ、ここは茨城県じゃないし... 別にいいかな。。」
などと、簡単に諦めてしまう。 ... (^ ^ゞ
そんなこんなで、よ〜〜〜やく 某水辺の畔へ到着したのは、もはや13:20の事であった。
考えてみれば出発から2時間半以上が経過している。... (^-^;
なのに...
う〜ん...
せっかくここまでやってきたというのに、穴も掘らず、斧も振らずで
早くも、この地を放棄する気持ちが固まってしまった。
どうしても、気分がのらないのだ。
初めて訪れた場所だというのに、滞在時間は わずか20分。。
気持ちを切り替えて
再びハンドルを握ったのは13:38であった。。
また今度、いい流れをつくってここへやってきたいと思う。
インターを間違えたこと...
モチベーションやテンションの上げ方、保ち方...
これがスムースに行かなかったのは
全てこれまでの流れに逆らっているからに他ならなかった。
長〜〜い前フリは、これまでという事で。。
失礼しました... m(_ _)m
〜 節目 〜
遠方に山が見えてきた!
知らない下道を、勘だけを頼りに走り続けた。
地図などは全く持ち合わせていなかったが
時間的にもかなり効率が良い移動であったと言えよう。
家を出てからの事を考えれば、相当な時間が経過している筈でも
気分は少しずつ上向きになった。
遂に眼前に山が立ちはだかると
「よし来た!」
という、手応えに裏付けられた好奇心、ワクワクした感情が湧いてくる。。
やはり、これが前提にないといけない。
山へ登る前に、何となくスタミナが切れてきたので
コンビニで 遅めの昼ご飯を買い
車には給油してやった。
それでは、いざ行かん!
(この時点で、時計は15:10... 初めから、こっちへ来ておけばよかったかも... (^-^; )
まずは標高を500mほどあげてみた。
日陰には、まだ少々の雪が残っている。
気温は、麓と比べ、ぐっと下がった。
しかしながら、晴天時の山は大変清々しい。
この感覚が、何度味わっても たまらなく良いのだ。
おっと、こうしてはいられない。
制限時間は、残り2時間ほどである。
まずは こんな所で腰を下ろし、様子を見てみた。。
さぁ、どうでしょうか??
落ち枝を何本も割ってみたり
「こっち」の山の、ヤツメカミキリを追加しておきたかったので
立ち枯れたサクラの様子を見てみたが
残念、何の手応えもなかった。
ありゃ〜。。 ... (^-^;
続いては、更に700m程移動して、こんな所へ...。
夏場に、シロトラカミキリなどを沢山採った場所です。。
標高は600〜700mぐらいか。。
林の中へはいると、人為的に払われたと思われる枝が
ある程度まとめられて落ちている。
これは楽しめそうだ♪
しかしながら、そう簡単にいくものではなく
それらをパキパキと折っても、カミキリどころかムシ一頭出てこない。... (^-^;
夏場、あれだけいたカミキリムシは、いったいどこから来たのだろう??
とりあえず、上方へ続く斜路を 登れるだけ登ってみた。。
先を急ぐ、おとうと君です。。
しかし駄目だ、状況は全く変わらない... (T^T) (T-T) (T^T)
仕方なく何も得ないままUタ〜ンする事に。。
どうしよう...。
この場の空気を味わえただけでも良しとしようか??
そう思いつつも、車の周辺まで戻れば
茂みの中で、もう一踏ん張りしてしまう。。 ... (^ ^ゞ
その時だった。 おとうとが
「あ、ヒシカミキリだ!」
と叫ぶ。。
本日初となるカミキリムシの登場だっただけに、一瞬 場の空気が和んだ。
しかし更に続けて...
「あれぇ〜?ちょっと違うのかな??」
と。。
なぬっ!?(◎○◎)
おとうとが慎重に運んできた、非常に小っさなカミキリムシを見せてもらうと
なるほど、それはヒシカミキリではなく...
どこにいるのか 分かりますか!?
これまで未採集のカッコウカミキリであった☆
![]() ![]() |
-カッコウカミキリ -(Miccolamia cleroides BATES, 1884) |
上掲した写真の小枝の芯に、蛹室をつくって入っていたようだ。
寄生植物として、エゾマツが知られているそうだが
この枝は、ちょっと違うなぁ... 何となく サクラっぽい。。
流線型をした上翅の配色や、肩胛骨のような二つの突起が特徴的だ。
こうしてみると、細々とした うぶ毛も生えている。
最近、カッコウメダカカミキリを採り続け
「カッコウ」という言葉には縁があったが
気がつけば このカミキリムシが、記念すべき100種類目の採集という事になった☆
これも大切な節目であろう。
こんな場所での一幕でした。
唯一採れたムシが、記念の一頭になったところで
タイムアップ!...17:20。
夕暮れ時、下山中 路傍に見つけた、伐採木が積まれたポイントだけは
どうしても気になったので
ほんの数分間、立ち寄ってみたが
案の定、これと言った発見はなかった。。
うむ.. 帰ろう!
蛇行するたびに凍りつく路面を、慎重にクリアした後は
やはり勘だけを頼りにしながら、まっすぐに家路についた。。
〜 後記 〜
帰宅時間は18:20。。
初めて通る下道を交えながらも、現場から たったの1時間たらずで到着してしまった。... (^ ^ゞ
(往路は、現場まで4時間以上かかったのに... (^-^; )
今回は、正味2時間ちょいという短めの採集行であったが
通算100種類目のカミキリ採集ができ
上出来だったと思う。
このカッコウカミキリ、体調は 5mm 弱といったところだろうか...。
ほんとに小っちゃなカミキリムシだが
そのきめ細かい、独特なフォルムがなかなかいい♪
しっかりとしたデータを添えて、大切に保管したいと思う。
それにしても、何故 「カッコウ」 と呼ぶのだろう??
気になる... (^-^;
それから、冒頭に掲げたヒラタ採集の話だが
決して蛇足ではなく、私と おとうとの確かな思い入れとして
あえて書き残しておくことにする。
今後、採集の機が訪れれば、それは×2 嬉しく思うことだろう... ☆彡
〜 主な確認種 〜
●フトカミキリ亜科 | ||
カッコウカミキリ | : | ×1 |