採集履歴

“2006年 改めて仕切り直し” 編



06.05.05
Fri) Hill 「春から、夏へ」 
                                                                                                  

5月5日 「こどもの日」、この日は私にとって大切な日である。
私の人生に大きな影響を与えてくれた
かけがえのない人に会いに行くべき日だ。

そして午前 11:00...
スカッと晴れ上がった青空の下
太平洋からの、夏を感じさせる生暖かい潮風を受けながら
しっかりと感謝の挨拶をした。



さぁ、それでは出かけよう。
5月最初の調査がスタートである。



〜 初夏の匂い 〜


ふーっ... 遂にやってくるのかぁ〜
本格的なシーズンが...。

これまで再三綴って来たように
「茨城県産カミキリムシの一時代の記録を残す」ため
今シーズンは、ラストスパートをかける意気込みで
やれるだけの事はやってみよう。

是非自分の手で!という使命感を持ったH市の調査については
カミキリムシの出現期がやや遅いという事で
前回同様、今回もお休みである。


やや内陸部へ移動し、これまでの経験から
かなり自然度が高いと思われるフィールドへ足を踏み入れてみた。

のどかな田舎道を進んでいくと
水が引かれた水田からは
蛙の鳴き声が聞こえてくる。

カラララララ・・・コロロロロロ・・・
カララララ・・・コロロロロ・・・ と。。

蛙が鳴き始めて以来 随分と時が経過しているが
今日の様な暖かい日には
改めて、もうじき初夏を迎えるんだなぁ...という実感が湧く。


さ、始めましょうか。。


で、相変わらず 受け皿にはビニール傘を使ってのビーティングを開始した。
気になった茂み、枝葉をビシバシと叩いてみる。。


とりあえず叩きましょう。


お!早速カミキリだ☆

おとうと が構える、傘の中に
まずはこんなんが入った。。
先日、T山塊で落ち枝の中から割り出し
めでたく通産100種類目となった
カッコウカミキリである。

当然、この地での採集は初めてなので
ありがたくゲット♪

いやいや、本当に小っちゃい。



-カッコウカミキリ
-Miccolamia cleroides
BATES, 1884



その後も、徒歩で移動しながら ヒトオビアラゲ、シナノクロフなどを随時確認していく。。

普通種とは言え、皆1年ぶりなだけに嬉しい。



-ヒトオビアラゲカミキリ
-Rhopaloscelis unifasciatus BLESSIG, 1873


.シナノクロフカミキリ
..Asaperda agapanthina agapanthina BATES, 1873



あ... ナミテントウが、アブラムシを食べている。。

樹々には新芽が目立ち始め、どんどん緑が増えつつある。。
その傍らで、こういった小さなムシ達が、活発に動きまわる様子を眺めていると
生命の計り知れない力強さに感動せざるを得ない。。


アブラムシをモリモリ食べる、ナミテントウです。


この時期、目にとまりやすいウワミズザクラ。。
けっこう集虫力がある花だが、残念ながら 今日のところはカミキリムシの姿が見られない。


けっこう集虫力があります。


道端に、点々と散在するタラノキの一本には
昨年落ちたと思われる センノキカミキリが、真っ白なカビに覆われて
当時の姿のまましがみついていた。。

今年はこのタラノキから もう一度 H市内のネジロくんを採っておかねば☆


延々歩き続けて、これまで何度も世話になった とある谷間を眼下に見下ろしてみた。
なるほど... まだまだ健在の様だ。沈んではいない。
どうやら今夏も脚を運ぶことになりそうである。


イタヤが棲息するエリアです。



〜 T山塊へ 〜


その後、暫く時間をかけてT山塊へ移動。。
要するに、前回の余韻をまだ引きずっていると言う事だ。... (^ ^ゞ

せっかくなので、目的地までの道中は初めてのルートを辿ってみた。
見た事がない素晴らしい景色が車窓を流れていく。。
こうして見ると、まだまだ遊べそうな土地が いくらでも残されている事に気付く♪

で、15:00をまわった頃に、目指してきた山の一端へ突入。。

山肌の急な傾斜地に建つ 珍しい保育園を見つけたので、とりあえずそちらの方へ登ってみる。。
すると道端には、真っ白なミヤマガマズミの花が咲いていた。
軽くポン×2 と ビートしてみると...



独特の葉と花の形です。


フタオビヒメハナや、チャイロヒメハナなど、ピドニア類が落ちてきた☆


.フタオビヒメハナカミキリ
..Pidonia puziloi SOLSKY, 1873



保育園に植えてあったカエデ類には
ヒナルリハナと、キバネニセハムシハナ、トゲヒゲトラが湧いていた。
手持ちのサンプル数が少ないシラケトラを一頭目撃したので
一応押さえておきたかったが
眺めている内に、飛ばれてしまった... (^-^;
ま、姿を確認できれば それはそれで嬉しいんだけどね☆


イロハカエデも、集虫力高しです。


最後に、先日シロトラカミキリを採集した ニワトコが生えている本命の場所へ向かったが
やはりヒナルリハナと、キバネニセハムシハナを見たのみであった。。

う〜ん... 結局今回も、終始お散歩感覚だったかな... (^-^;
ま、今日の所はこの辺で。。



〜 後記 〜

夏が、ぐっと近づいたな...
そんな気がした。

そろそろ地元H市内でも、多くのカミキリムシが活動し始める事だろう。
タケトラ、ホシベニ、キクスイ、マツノマダラ・・・など
今夏の目標に掲げたカミキリムシは何種類もいるが
まずはこの所 気にかけているタラノキのネジロくんからクリアしておきたい。

前回の仕切り直しに続き
今回は、本格的なシーズンがすぐ傍まで来ていることを
一層強く感じることができた。

次回から、気合いを入れて調査に挑もうと思う。


〜 主な確認種

●ハナカミキリ亜科
 ヒナルリハナカミキリ
 キバネニセハムシハナカミキリ
 フタオビヒメハナカミキリ
 チャイロヒメハナカミキリ
●カミキリ亜科
 シラケトラカミキリ
 トゲヒゲトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 カッコウカミキリ
 ヒトオビアラゲカミキリ
 シナノクロフカミキリ





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