採集履歴

“2006年 R地区調査” 編 (1)



06.06.10
Sat) Plain 「まずは下見から」 
                                                                                                  

数時間の睡眠をとって、目覚めると
あれれ〜? 何だか肌寒いな。。
カーテンを開ければ、空はどんよりしてるし...(^-^;

実のところ昨晩はずっと、ためていた先週分の採集記を書いていたので
寝たのは今朝の5:00頃になってしまったのだが
その時点での空は快晴で
天気予報通り、日中は夏日になりそうな予感がしていたのに。。
起床した午前9:30の様子だと、とてもそこまでの陽気にはなりそうもない。

結構期待してたんだけどね...(^-^;
まぁ、こればかりは仕方がない。

今日は、H市よりも更に幅を拡げ、もう少し南の方まで調査を進めてみたい。
県内において、未だカミキリムシの記録が残されていない地区は
思った以上に沢山残されているものである。

よって今後は 、暫く掲げてきた “H市調査編” を改めて
“R地区調査編” と謳っていくことにしよう。

特に狙いはないが、とりあえず行ってきます。


〜 とりあえずノルマから 〜


お出かけ前に、何となく前回世話になった実家の庭を一枚。。


緑が増えたものですね... 今日も行ってきますよ☆


まず足を運んだのは
今後に期待している、コナラを中心としたいつもの材場。

しかし、今日もゴマフとナカジロが多数... それからエグリトラが少々だった。
う〜む... いくら今季のカミキリムシの出が遅れているとは言え
ま〜だこの状況か。。


お次は、何気に通りかかった “○○緑地環境保全地域” へ。
2月中旬に、一度やって来た場所である。
うひゃ〜。。前回と違って、めっちゃ薄暗い。... (^-^;


以前ご紹介した、巨大なタブノキです。


辺りをうろついていると、切り落とされた木々の枝が
畑の片隅に捨てられていたので、ちょっと覗いてみてる。
しかし、ほとんどムシがいる気配がない。


とりあえず、ちゃんと見てみましょう。


ん?ちょっと待てよ。
かろうじて1頭だけ見つけた!
キスジトラだったが、今年初なので
写真をいただいておこう。


.キスジトラカミキリ
..Cyrtoclytus caproides caproides
BATES, 1873



お次は、やはり2月中旬にホシベニカミキリの死骸を発見した谷津田へ。。
多分、まだ出ていないと思うが
出現するタイミングを是非知っておきたいので
マメにチェックを入れるようにしているのだ。


ここへは、今後何度も通う事になりそうです。


前方に見える、タブノキがその現場だが...


さ、今日はどうでしょうか??


う〜ん、一週間前と状況は変わらず、淋しい限り...
やはり今日もフライングのようだ。。

しかしながら、以下に掲載する写真の枝の中には
100% あいつが宿っている事を確信している。

いつか、ここで真っ赤なカミキリムシと出逢えるのかと思うと
非常に楽しみだ。


必ずまた来ますよ。


ふと見ると、まだ生え始めの小っちゃなスイカズラの葉が...
注意すれば一枚だけ葉脈に沿って食害された痕がある。


昨年、お勉強したんですよね。


てぇ事はいるかなぁ??

捕虫網を下からガサガサ入れてみると
予想通り、1頭だけシラハタくんが入った。
食が細そうだからね(?)、ちょっと小さめである。


.シラハタリンゴカミキリ
..Oberea shirahatai
OHBAYASHI, 1956



その他、このポイントと同様に定期的に見まわりをしている
タケトラカミキリがいる竹林をチェックしたが
やはり私の気が早かったらしく、同じ結果であった。



〜 お隣の市へ 〜


では予定通り、お隣の市へお邪魔してみよう。

同時進行で、T山塊を調査中の おとうとと電話連絡を取りながら
今年はカミキリムシの出が遅い事を、改めて実感しつつ歩を進める。。

むこうさんは、るどるふ先輩から手ほどきを受けたポイントにて
無事にヤマトチビコバネカミキリを手中に収めたとの事。

朝7:00過ぎの出来事だったので
個体数は少なかったそうだが
これで、我々が確認してきたカミキリムシは県内で99種類目を数えた事になる。

果たして、節目の100種類目は何カミキリになるのだろうか??


暫く南下したところで、高台に登ってみた。
すると、小学校のそばに エノキの伐採木が放置されているのを発見。
これはチェックしておかなければ。。


一部焼かれていて、焦げ臭い匂いもします。


お!いた。
遠目で見てもすぐに分かった。

本日2頭目のキスジトラカミキリである。
この地区のカミキリムシであれば、どんな普通種でもウェルカムである。


.キスジトラカミキリ
..Cyrtoclytus caproides caproides
BATES, 1873



それから、この子も今日が今年初だ。
キイロトラカミキリである。
こちらは結構沢山いて、みんな元気ハツラツだ。
羽ばたいては、着地、駆けずり回り...
各々がその繰り返しであった。


.キイロトラカミキリ
..Demonax notabillis notabillis
PASCOE, 1862



それ以外の種類は、残念ながら見られない。
にしても、ちょっとずつ新しいメンツが揃ってきた事が分かって嬉しい☆

ただ、余りにもヤブ蚊が多く
あっという間に左手を3箇所、左耳を2箇所刺されてしまった。。
と言うわけで、数分間の滞在後、いそいそと撤収... (^-^;


とりあえず、何かしらかミキリムシが確認できて良かった☆


次はここ。。

竹林の前にクリの木が...
花が満開で、車の中からでも多くのムシが乱舞している事が分かった。


こんな所です。


とりわけ多かったのがこいつ。
まぁ竹林の前だから当然と言えば当然だけれども...
ベニカミキリ。


.ベニカミキリ
..Purpuricenus temminckii
GUERIN-MENEVILLE, 1844



それから、隣の竹林の方にはセミスジコブヒゲカミキリの♀がいた。
先程のベニカミキリとは反対で
おそらくこちらは、クリの方からの流れ者であろう。


.セミスジコブヒゲカミキリ
..Rhodopina lewisii lewisii
BATES, 1873



あと、アオスジアゲハがいっぱいいた。
うまく撮れていないが一応掲載しておこう☆


.アオスジアゲハ
..Graphium sarpedon nipponum
FRUHSTORFER, 1903



その後も暫くドライブを続けたものの
歩を止めて、カミキリムシを探したくなる様な
これといったポイントが見つからない。


これは 結構生えているようです。


お!いい感じ。。
と思ったここなんか、ゴマフ一頭たりとも見つける事ができなかった。。

う〜ん、おかしいなぁ... (^-^;

まぁ、そんなにトントン拍子で事はうまく運ばないものだ。


思わず足を止めたんですがね... (^-^;


そんな時、民家の横に、タラノキが群生しているのに気付き
パクリと食いついてみる。
完全に枯れているものもあり、結構期待できるかもしれない。

いるかな〜???

お!ネジロくん!?

と思いきや、残念、アトジロサビであった。... (^-^;

でも、まあ良い。
この子だって記録するに値しよう☆


.アトジロサビカミキリ
..Pterolophia zonata
BATES, 1873



まずはこんな感じで、N市を幅広く大雑把に下見してみた。
まだ、もう一歩奥へ足を踏み入れていないので
何とも言えないが、引き出しはいくらでも残されているような気がする。

家を出てから、あっという間に6時間が経過。。
いつのまにか、17:00過ぎである。
今日の下見はこの辺にしておこう。



〜 後記 〜

本格的なカミキリ採集を初めて、まだ2年目の私が言うのも何だが
周囲の噂通り、今年は例年に比べ カミキリムシの出現が
1、2週遅れているのは間違いなさそうである。

今回は、カミキリムシの報告事例が少ない お隣のN市の調査に時間を費やしてみた。
まだ全体像も掴めていない状況であるが
植生はH市と さほど変わらなそうである。
ただ、どちらかというと湖岸部というイメージが強い。

おそらく、あと数週間もすれば、もうちょっと沢山のカミキリムシが記録できるだろう。

色々と気になるエリアが沢山あるが
ここも、無視はできない重要な地区であるだけに
許された時間の中で、効率よく見回っていく事ができればと思う。

最後に...
帰宅後、おとうとと合流したときに見せて貰った、99種類目のカミキリムシです。
河川敷のヤナギをホストにしてました。


.ヤマトチビコバネカミキリ
..Leptepania japonica
HAYASHI, 1948



〜 主な確認種

●カミキリ亜科
 キスジトラカミキリ ×2
 キイロトラカミキリ ×n
 エグリトラカミキリ ×3
 ベニカミキリ ×n
●フトカミキリ亜科
 セミスジコブヒゲカミキリ ×1
 アトジロサビカミキリ ×1
 ナカジロサビカミキリ ×n
 ゴマフカミキリ ×n
 シラハタリンゴカミキリ ×1





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