採集履歴
“2006年 未採集種に挑戦” 編 (1)
06.06.17 (Sat) Hill 「オニグルミの日」 |
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前回は、今シーズンの大きな目標の一つであった 茨城県産ホシベニカミキリ(生態)の確認を 無事に成し遂げる事ができた。 よって気分的に余裕が生まれた今日は、久しぶりにR地区以外のエリアにも目を向けてみたい。 県内で、今季中にこなしておきたい課題は山積みである。 地道に、根気よく片付けて行かねば。。 今回のテーマは “オニグルミ” である。 まぁ、生えている場所は分かっているので そこへ行って、目的とするカミキリムシがいるか、いないか... はたまた、今後 採れる可能性があるのか... そんな事を確認してこようと思う。 |
〜 その前に、ホシベニチェック 〜
午前中の内に、一昨日私がホシベニを発見した現場へ赴き
手堅くその飛翔個体を確認してきたおとうとと 13:00 に合流した。
では、早速出かけよう。
まずは、同じR地区内でも、2月に本種の死骸のみを確認している
巨大なタブノキの前に ちょっとだけ寄り道する事にした。
できれば早い段階で、H市内での結果も出しておきたい。
ここのタブノキは、相当な樹高があります。
う〜ん、駄目だ。 ...(^-^;
高すぎてよく見えない。
いる事は間違いないのだけれど。。
では、その近所に生えている こちらのタブノキはどうだろう???
ちょっと奥の方まで 車で乗り付けてみました。
むむ!?
あ〜っ!いた!!
間違いない。 私と おとうとの4つの目で
鮮やかな深紅の彩りを放ちながら、元気に飛翔するカミキリムシの姿が捉えられた。
しかし、その位置は余りにも高く...
捕虫網は惜しくも空を切った。 ... (^-^;
間違いなく、ホシベニだったのに。。
いや〜、残念。。
しかしまぁ、ちゃんといるって事さえ確認できれば
これで一安心である。
死骸であっても、棲息を裏付ける証拠としては申し分ないんだけどね。
生きムシの姿を見る事ができたのは、やはり嬉しかった。 ... (^ ^ゞ
ふむ、やはりこちらでも動き始めたようだ。
また今度、やってこよう。
〜 ミヤップの郷へ 〜
久しぶりにミヤップの地へ...。
この山の一画には、オニグルミが群生しているエリアがあるのだ。
目的地を目指し、のんびり車を走らせていると
コナラ林を形成していたはずの山の斜面が
ばっさりと丸裸になっている事に気付いた。
ありゃ〜、もったいない。 ... (^-^;
しかし、これはある意味では良しと捉えて
チェックしておかねばなるまいな。。
と言う事で、再び寄り道してみた。 ... (^ ^ゞ
こんな所です。。
まずは、枯れ枝にとまるコブスジサビを見つけた。
何気に、今年初である。
とっても小っちゃい こいつの
自然体の写真を撮るのはこれが初めてかも☆
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.コブスジサビカミキリ ..(Atimura japonica BATES, 1873) |
急な斜面には、比較的新しいソダが あちこちに引っ掛かっているようだ。
これはいい!
しかし、思った通り沢山のカミキリムシがいるものの、目新しい種類を得る事はできない。。
見つかったのは
キスジトラ、キイロトラ、エグリトラ、シラケトラ、シナノクロフ、ヒメヒゲナガ、ホタル、ヒシ... と言ったところ。。
でも、シラケトラをこの地で見るのは初めてかな☆
良さ気なんですがねぇ...。
陽当たりも良く、絶好のシチュエーションに感じられたが
周辺に生えていた スイカズラの葉より シラハタリンゴを追加した後
この地には見切りをつける事にした。
更に数百メートル移動すると...
ややや? 道端にコナラ材が積んであるではないか。。
あまり沢山の量はないようだが...
でも、やっぱり無視はできないよな...
うん、とりあえずまた寄っとくか!... (^ ^ゞ
何かいるでしょうか???
お!ヨツキボシだ☆
どうやら、産卵中のようである。
ヌルデをホストにするこの子だが、コナラにも産むんだね〜。
バッチリ撮影させて頂こう。
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.ヨツキボシカミキリ ..(Epiglenea comes comes BATES, 1884) |
それから、ヤツメを発見。
このエリアからは、初採集である。
ちょっと嬉しいかも♪
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.ヤツメカミキリ ..(Eutetrapha ocelota BATES, 1873) |
その他には、キスジトラ、エグリトラ、ゴマフなど...
材の量の割には、それなりにカミキリムシがいたんで
立ち寄って正解だったかな。 ... (^ ^ゞ
では、ようやく本題であるオニグルミの調査に入ろう。
〜 ポイント水浸し 〜
ようやく目的地へ到着した。
クワガタ採集などで、これまでに散々恩恵を受けてきた このエリアには
これからも末永くお世話になりたいものだ。
しかしながら、近い将来
ここは水瓶の中に沈んでしまうのかもしれない...。
林道は、もはや完全に封鎖されており、車での侵入は不可能である。。
仕方ないので、直線にして約500mの範囲を
徒歩にて散策する事にした。
お、早速オニグルミを発見!
葉の配列が特徴的です。
ほぇ〜!
図鑑で調べたとおり、沢沿いに多く生えている事は分かっていたが
まさか、これほどまでに沢山群生していたなんて 全く気が付かなかった。。
ビックリである。
きっと、ヤナギばっかり見ていたからだろうな ... (^ ^ゞ
樹高2、3mのものから、10mを越えそうなものまで様々です。
しかしながら、良さそうな枝葉を見つけるたびに
慎重に網叩きをしていくも
なかなかあいつは現れてくれない。
歩けど×2、視界からオニグルミが消える事はないのだけれど。。
暫くの間、人が入ってないようです。。
1時間ほど調査を続けたが
奴に関する手がかりは何も掴めそうにない。
食痕でもあれば目安にはなるんだけど...
これだけの環境が整っていながら、この状況ではやはり厳しいのか。。
その代わり、こんなカミキリムシを採集できた☆
ヌルデの葉に寄ってきた所をスィーピングしてとらえたヘリグロリンゴである。
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.ヘリグロリンゴカミキリ ..(Nupserha marginella BATES, 1873) |
既採集種だが、ヤツメ同様、こいつもこの地では初めてだ。
それに、生涯2頭目なので結構嬉しい♪
で、歩き続けた結果、最終的にはこういった明るい場所へ出た。
ついでに、オトコヨモギも探してみました☆
ここには、オニグルミの他に、ヌルデも沢山生えていた。
なので、ヨツキボシは時折見られるのだが...
残念ながら、オニグルミノキモンカミキリという奴は
とうとう現れてくれなかった。 ... (^ ^ゞ
まぁ、県内では稀な種類であるようなので
そう簡単にうまくいくものではあるまい。
しかし、周囲の環境もさることながら、これ程までのオニグルミを見せつけられては
“いつの日にか、何とか出逢えるのではないかな??”
という、ほのかな期待感を高める事ができた。
ま、いつも通り 第一回目の下見はこんなものだろう。。
〜 最終ポイント 〜
だんだん陽が沈みかけてきた。。
最後に、昨年の5月中旬、オオデマリにて ドウボソカミキリを採集した場所へ、尚も寄り道。。
しかし時既に遅く、オオデマリやイワガラミなどの花は完全に散ってしまい
夕刻という事もあって、林の中は薄暗く、非常に鬱蒼としており
カミキリ採集どころではない雰囲気を醸し出していた。
一頭のシラホシカミキリが飛翔しているのは分かったが
そんな訳で、さっさと撤収。。
しかし、タダでは帰るまい。。
裏手にあったヤナギの群生地では、サクッと イタヤくんを追加することができた。
小型ながら、やはりこいつも この地では初である。
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.イタヤカミキリ ..(Mecynippus pubicornis BATES, 1884) |
そんなこんなで タイムアップ。。
一日の成果を振り返ると、既採集種ばかりとは言え
今回の土地では初採集となるカミキリムシを何頭も得る事ができた訳だし、割と満足している。
では、流れのままに帰ろう。。
〜 後記 〜
今日は、寄り道を繰り返しながら
久しぶりに 「ミヤップの郷」 へ行ってみた。
ホシベニ採集の勢いに乗って
前々から気にかけていた、オニグルミノキモンカミキリを狙ってみたのだが
残念ながらそう甘くはなかった。
しかし、肝心なホストが山ほど生えていたので
可能性がないわけではないだろう。
今後の展開を見据えながら、そこそこの手応えは感じている。
これからも、根気よく現場へ足を運んで様子を見ていきたい。
それから、特に目新しい発見はなかったものの
道中、様々なカミキリムシと出会う事ができ それなりに楽しめた。
今回のエリアでは初採集となる個体も多かったので
サンプル収集としては、なかなかの成果が上げられたのではないかと思う。
〜 主な確認種(持ち帰り頭数) 〜
●カミキリ亜科 | ||
キスジトラカミキリ | ||
エグリトラカミキリ | ||
キイロトラカミキリ | ||
シラケトラカミキリ | ||
●フトカミキリ亜科 | ||
ホシベニカミキリ | ||
ゴマフカミキリ | ||
シナノクロフカミキリ | ||
ヒメヒゲナガカミキリ | ||
ヒシカミキリ | ||
コブスジサビカミキリ | : | ×1 |
イタヤカミキリ | : | ×1 |
ヤツメカミキリ | : | ×1 |
ヨツキボシカミキリ | : | ×1 |
シラホシカミキリ | ||
ヘリグロリンゴカミキリ | : | ×1 |
シラハタリンゴカミキリ | : | ×1 |