採集履歴

“2006年 ご褒美” 編 (2)



06.06.24
Sat) Mt 「ジェスチュアしながら記録を追加」 
                                                                                                  

本来、崩れる予定だった週末の天候が一変した。
「曇り一時晴れ」
先週に引き続き、運がいい。

こんな日こそ、県内では最も条件が良いと思われるポイントへ赴いて
カミキリ採集を楽しんでこようと思う。

日頃の地道な調査の中にも
こういったボーナスステージがちゃんと用意されているのだから
ありがたい。

そんな中で、唯一悪条件にあるのが私の体調。。
恥ずかしながら、昨晩から声が全く出なくなってしまった。
熱やだるさ等はないが
小さな声で、囁こうものなら
容赦なく嵐の様な咳と、エクトプラズマの様な物体が吐き出される。 ... (^-^;

従って、今日も一日行動を共にする 「 おとうと → 改め “yasu” 」
とのコミュニケーションには
全て身振り手振りのジェスチュアが要される事になった。

さて、どんな採集行になる事やら。。


〜 斜面伐採地 〜


午前中は、実家の近所における最低限の確認作業を行っていたので
ボーナスステージには昼過ぎの到着となった。

コンビニで食料+リポD を買い込んで、車中でそれを補給しながら いざ現地入り。。

まずは今月初めに一度足を運んだ斜面伐採地だ。


斜面伐採地に再びやってきました。


さあ、今日はどうだろう??

おおっ! (◎o◎) !?

いきなりクリストフが登場... しかも2頭だ。
なんと、まだいたのか。。

どうりで夏が来るのが遅いわけだ。。

とりあえず、早速ジェスチュアして yasu にこの事を知らせる。
そして二人で撮影会を行った。


.クリストフコトラカミキリ
..Plagionotus christophi
KRAATZ, 1879



ところで、前回、クリストフが集虫していた 何てことはない普通のコナラの材に
今日も幸先よく2頭がきていたのだから
本と、ここは大人気の様である。
直径20cm、長さ60cmほどの小さな材だが、他と何が違うんだろう??
不思議だ。


次に現れたるはこの子...

あれ!? ミヤップさんじゃないですか!
何でこんな所に...

今年初となる、ミヤマとのご対面である。

ふふふ、クワガタ君のことも忘れちゃいませんよ。
本格的なシーズンに入ったら、またギネスを狙わなければなるまい☆ ... (^ ^ゞ


.ミヤマクワガタ
..Lucanus maculife moratus
MOTSCHULSKY, 1861



その後、さっきの材付近に またもクリストフが出現。
気温が若干低めなので、前回の様に、休む間もなく乱舞することはなさそうだ。
今日は余裕を持って、ありがたく写真を頂戴できる。



来ましたね!


う〜ん、何度見ても美しいな。。


.クリストフコトラカミキリ
..Plagionotus christophi
KRAATZ, 1879



では、他のカミキリムシにも目を向けてみよう。

前回、数種類のカミキリムシが集まっていた日陰のソダ場を見てみると...

あ! ゴマダラモモブト じゃん♪

この子、以前県境で採集したことがあるけど
残念ながら、微妙に他県産と言う形になったので
今回、県内では初という事になる。

ちょっと嬉しい、101種類目☆


.ゴマダラモモブトカミキリ
..Leiopus stillatus
BATES, 1884



それから、クワサビ。。
既採集種でも、サンプルが少ないので標本マニアとしては手堅くゲット♪


.クワサビカミキリ
..Mesosella simiola
BATES, 1884



それから、エゾサビ、アトモンサビのペアなどを確認できた。


更に現場からの帰り際、追いうちをかける様にクリストフ!

あ〜、何度も言うが、ほんとに美しいカミキリムシだ。
そしてカッコイイ!


.クリストフコトラカミキリ
..Plagionotus christophi
KRAATZ, 1879



茨城県内でこんなに沢山のクリストフを眺められるのは
生涯においても、今夏限りの話になるかもしれない。

記録として写真をいっぱい残しておこう。。


もう一枚!別角度から☆




〜 広大な伐採地 〜


続いては、昨年から通い始めた広大な伐採地へ...。

が、現場へ向かう途中、道路際に薪炭材が積み上げられているのを発見した。
これは立ち寄っておかねばなるまい。


なかなか見応えがありそうです。


しかしながら、やって来ていたのはハネビロハナのみ。。


.ハネビロハナカミキリ
..Leptura latipennis
MATSUSHITA, 1933



とはいえ、9頭ほどが一ヶ所に集虫していたのでちょっとビックリした。


この中に、3頭おります。


まぁ、見掛け倒しの材場ではなさそうなので
今後もマメにチェックしていきたい。



さらに、左側の土手に生えているガマズミの花をチェック!

何気に我々は、県内でのハナカミキリの成績が良くない。
何かしらここで追加できればありがたいのだが...


yasu、ガマズミの花をチェック中...。


まずは、いつものフタオビヒメハナ...

それから...
おおっと!

ニセヨコモンヒメハナ だ♪


.ニセヨコモンヒメハナカミキリ
..Pidonia simillima
OHBAYASHI et HAYASHI, 1960



こいつは県内初(かつ自己初)である。 ラッキー☆彡

これで102種類目。 ... (^ ^ゞ

yasu 、でかしたぞ☆
この調子で、着々と採集経験値を伸ばしていこう。


で、ようやく第2の伐採地へ辿り着いた。

先程のクリストフの伐採地から目と鼻の先であるのに
ここまで30分ぐらいかかったかも...(^-^;

むむ〜、相変わらず広大な土地だ。
そして、周囲には延々と伐採木が散乱している。
しかし、枝部ばかりで幹の部分がちょっと少な目か。。

おそらく、先程の薪炭材置き場等に、大半が持ち去られたものと予想される。。


カミキリムシを探すには、申し分のない環境です。


それにしても、これだけの条件が揃っている割に
肝心なカミキリムシの数が少ないのはどういう事だろう??
やはり今年は例年と比べ、全体的にムシが出現するタイミングが遅いという事か。
ここの所、こんな事が多くて なんか拍子抜けしてしまうんだよね。。

そんなときだった、目の前に颯爽とキモンカミキリが飛来!
県内では、なかなか珍しい種類と聞くだけに
ちょっとドキドキし始める。(@_@)Oh!

しかし、この事を声に出してyasu に伝えられないので
予め示し合わせておいた段取り通り、両手で思いっきりパチパチと拍手してみたが...

あまりにも広大なこの土地の中では
まったく無駄な行為であった。...(^-^;



.キモンカミキリ
..Menesia sulphurata
GEBLER, 1825



おまけに、このキモンカミキリは、撮影後、逃げられてしまった ... (T^T) (T0T) (T^T)

先日 yasu が お隣で確認したばかりとは言え、県内で2頭目となる貴重な記録だったのに。。
やはり撮る前に、採れば良かったって事か。 ...(^-^;

しかし、もう後の祭りだ。 仕方ない。
写真を撮れただけでも、良しとしよう。

そう、記録が大事☆ ...(^-^;


それから、「少ない×2... 」 とは言いつつも
とある日陰のエリアにだけ
ヨツキボシが湧いている事に気付いた。

ヌルデの立ち枯れもあったので、まぁ理解はできる。


.ヨツキボシカミキリ
..Epiglenea comes comes
BATES, 1884



しかし、これがまた相当な数で

「あ... ヨツキボシだ。」

「あらら、そこにも...。 え!?そっちにもいる??」

「すげ〜闇雲にBTしたら、2ペア落ちた!」

そんな感じだった。...(^-^;

カミキリムシの出が少ない事に、不自然さを感じていたが
逆に一種類だけがこんなに湧いているのもちょっと変かも。...(^-^;

その他確認できたのは、わずかなシラホシ、ナカジロサビ、ヒトオビアラゲなど...


う〜ん、遂に電池切れかな。。
私の体力は、もはや限界に近付いた。... (^-^;

17:00前か... 時間も時間だし、そろそろ引きあげるか?? > yasu

運転は、私と違って上手にやれる yasu に任せられるので
私は、助手席でお行儀良く仮眠をとらせてもらう事にした。。

あ、でもそこのセブンには寄ってね!お腹空いたから ... (^ ^ゞ

いや〜、今回はちょっとくたびれたかも。。



〜 後記 〜

19:00には帰宅。
と言うわけで、今回のボーナスステージでは、県内101、102種類目の追加、
キモンカミキリや クリストフなど美麗種の確認と
「例年より出現が遅れている...」と周囲で囁かれている状況下にしては
なかなか良い成果を残して幕を閉じる事ができた。

体調は、依然として変わらず。。
今回はちょっと長引きそうだが
来週には、再び元気に採集できるコンディションを整えておきたいと思う。


〜 主な確認種(持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 ムネアカクロハナカミキリ
 ハネビロハナカミキリ ×5
 フタオビヒメハナカミキリ
 チャイロヒメハナカミキリ
 ニセヨコモンヒメハナカミキリ(県内・自己初) ×1
●カミキリ亜科
 クリストフコトラカミキリ ×4
 エグリトラカミキリ
 シラケトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ゴマフカミキリ
 ヒメヒゲナガカミキリ
 ゴマダラモモブトカミキリ(県内初) ×1
 クワサビカミキリ
 エゾサビカミキリ ×1
 ナカジロサビカミキリ
 ヒトオビアラゲカミキリ
 キモンカミキリ
 ヨツキボシカミキリ
 シラホシカミキリ





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