採集履歴

“2006年 未採集種に挑戦” 編 (2)



06.07.01
Sat) Hill 「再びオニグルミ」 
                                                                                                  

さて、7月一発目の採集日だ。
今日は、再びオニグルミにつくキモンカミキリを狙ってみたいと思う。

県内ではハードルが高いと思われるカミキリムシだけに
これまでの経験から、ホストの量、および周囲を取り巻く環境共に
最も好印象を受けたエリアへ なおも脚を運んでみたいと思う。

まぁ目くじらを立てて探すような無理はせず、他にも目を配りながら
気楽に行ってこよう。

では。。


〜 寄り道 〜


と言うわけで、家を出て約1.5時間ほどで目的エリアの周辺に辿り着いた。。

前回も訪れた、オニグルミが豊富に生えている渓谷へ向かう途中で
スル〜するわけにはいかない斜面伐採地やコナラを中心とした雑木林の横を通りがかったので
チェックを入れてみる。

まずは伐採地の方だが、カミキリムシは...
ありゃりゃ... 殆どいなし。。
かろうじてシロスジ、ヤハズが一頭ずついた程度だ。
おかしいなぁ。。まだまだセール中の筈なのだが。。



今日は少ないです。


一方、雑木林の方では...


だんだん雰囲気が出てきました。


やった! お気に入りのス〜ジ〜☆
久しぶりの登場だ。

コナラのうろからピンセットでつまみ出してみると...

ほ〜っ、なかなかご立派な大顎ではないか。。
この辺りでは、30mmを超える様な 割と大きめの個体が良く見つかる。
因みにこの子のサイズは32.5mmあった。



-スジクワガタ
-Dorcus striatipennis striatipennis MOTSCHULSKY, 1861



最近、昔ほど熱を入れてクワガタを探す事はなくなったが
何だかんだと、こうして気にはかけている☆



〜 オニグルミのチェック 〜


ようやく目指してきた某渓谷沿いに入った。
ここは、車での進入が不可能なので徒歩で散策。。

まず目に飛び込んできたのはこの子。
枯れ枝につくセミスジコブヒゲカミキリ(♀)である。
昨年までは、けっこう想い入れが強いカミキリムシだった。


.セミスジコブヒゲカミキリ
..Rhodopina lewisii lewisii BATES, 1873



この様に あちこちで見かけるようになってくると
感動の度合いが徐々に薄れてくるのは仕方ない事だが
名前の通り、触角にコブがある♂に遭遇したことはあまりない(過去に一度だけだった)ので
基本的には、今後とも いつでもウェルカムである☆

その他には、不明広葉樹のビーティングにより
2頭目のヤハズ、それからビロウドカミキリなどを確認した。


で、肝心なオニグルミについては
見かける度に逐一チェックを入れていく事にした。

しかし。。。

今回も当たりが来ない。

サラッと書き流しているが

yasu と2人がかりで
相当叩きまくった。

ホストがありすぎて、絞り込みができない事も
発見を妨げる要因になっているのかもしれない。


おお〜、オニグルミの巨木だ。

樹幹は、私の胴回りの何倍あるのだろう??

すんごく高い。。


オニグルミの巨樹です。。


とは言っても... いないものは、いないんだなぁ... (^ ^ゞ

ホント、棲息していても まったく不思議ではない環境が整っているのに。。

歩き続けて●時間...
結局今回も、このエリアからオニグルミノキモンカミキリを得る事はできなかった。。

ん〜、残念。。


とりあえず去り際に、美しい竹林が見えたので一枚。。
清らかな水を吸った、汚れのない荘厳なタケが群生していた。
何だか、義光が出てきそうな... そんなイメージだった。。


美しい竹林でした。。



〜 材場採集 〜


道端のクワでキボシカミキリを確認しながら暫く車を走らせていると
眼前に大量の伐採木が積まれている光景が飛び込んできた。
材種はコナラ、次いでサクラなどが中心である。
これは寄らない手はないだろう♪

この時期、この辺りに棲んでいるカミキリムシが一気に集約されているに違いない。

うわっ... 凄ぇ... (^-^;
読み通り、カミキリムシが大量発生中であった。


勿論、みちくさ させて頂きます☆


まさに適材適所。。(ん?適虫適材が正しいのか??・笑)
まずはサクラ材にヤツメカミキリを発見。
この辺りでは、そんなに多くないのでサンプルとしてありがたくゲットさせてもらおう♪


あれに見えるは...

.ヤツメカミキリ
..Eutetrapha ocelota BATES, 1873



わずかながらネムノキなんかもあって、ホタルカミキリが大集会中。。


これはほんの一部... 実際は強烈な数でした。


ただ、確かに大量なんだけど 目にとまるのは全て普通種ばかり。。
キイロトラ、エグリトラ、シラホシ、ヨツスジハナなどが主で
特にキイロトラなんかは、それは恐ろしい数だった。


.キイロトラカミキリ
..Demonax notabillis notabillis PASCOE, 1862



これらの材は 全てあそこの山肌から運んできたんだろうな。。


目の前の山が伐採されてました。


傾斜面の所々に、払われたソダが溜まっているようなので
ちょっと見てこよう。。


こちらも無視はできなそうです。


う〜む... 結局集まっているメンツは 先程の土場とほぼ同じ模様。。
新たな顔ぶれとしては、せいぜいゴマフ、シラオビゴマフケシなどが加わったぐらい。。

こうして見てくると、ようやく我々も 茨城県で採集できる一通りの普通種を
ほぼ押さえ切ったと言えるのかも。。
その分これからは、よりホスト採集に専念しなければ
新たな一種類を追加する事が難しくなるのだろう。。

そんな事を感じた材場採集であった。


その後、陽が落ちる寸前まで
再び道端のオニグルミをチェックしていった。。

B小屋付近では、フワ〜ッと飛び交う小さなカミキリムシにドキッとさせられるも
よく見れば、ヨツキボシ。。
やっぱり難しいっすね... 茨城産オニグルミノキモンカミキリは... (^-^;



〜 ちょっとだけ夜の部 〜


急遽、市内で晩飯を食べる予定ができたので
ディナータイムまでの暫くは灯下のチェック。。

うろついていた水辺付近の、広場らしき場所では
よその土地からやって来た若者達による打ち上げ花火が上がって
「直ちにやめなさい!」という地元放送が流れるという一幕もあった。。

わはは... (^-^; 世間では、もはや夏真っ盛りなんだよね☆

でも、なんかこう... 違うんだよなぁ... 今年は。。
皆さんが口々に仰る通り、自然全体の流れに2週間ほどの「ズレ」を感じる。
だからと言う訳ではないのだが、灯下の方もパッとしなかった... (^-^;


さ、御飯を食べに行きましょう。。



〜 後記 〜

結局今回も、オニグルミノキモンは見つからなかった。
まぁ、初めから駄目もとでやっているので諦めはつく。
来年、再来年でも、10年後でも... いつの日にか出逢えればラッキーであろう。

考えてみれば... 県内で採集したカミキリムシは、いつの間にか3桁に乗ったのだから
今後新しい種類に 効率よく出逢うためには
普段通りのやり方をやっていたのでは駄目なのだろうな。。
今日の様な、ホストを当たっていく手法は勿論、自家灯火などにも積極的に挑戦して
新しい展開を模索していかなければと思う。。


〜 主な確認種

●ハナカミキリ亜科
 ヨツスジハナカミキリ
●カミキリ亜科
 キイロトラカミキリ
 エグリトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ゴマフカミキリ
 ビロウドカミキリ
 ヤハズカミキリ
 シロスジカミキリ
 キボシカミキリ
 ヒメヒゲナガカミキリ
 シラオビゴマフケシカミキリ
 シラホシカミキリ
 ヤツメカミキリ
 ヨツキボシカミキリ





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