採集履歴

“2006年 帰ってきた私の夏” 編 (1)



06.07.22
Sat) Mt 「記録の追加と予行練習」 
                                                                                                  

久方ぶりに、まともな採集ができそうだ。

連日ず〜っと雨続きだったが、今日は終始「曇り」らしい。
気温は若干低めでも、ここ暫くの状況を考えれば
贅沢など言えない。
外に出られるだけ ありがたいというものだ。
明日以降再び崩れ始めるそうなので
これはチャンスと捉えるべきだろう。
(にしても、早く梅雨明けしないもんかな...(^-^; )

また 話は変わるが、先週末には
6月にオービスで撮られた証拠写真の確認を速やかに済ます事ができた。
結果はどうあれ、今夏の採集ライフだけは無事に継続できる事がわかり
正直ほっとしている。

不幸中の幸い(?) ラッキー☆彡 などと謳うのは
今の私の立場からすれば大変不謹慎な話だが
とりあえず今日は、再びボーナスステージへ足を運んで
心おきなくムシ採りを楽しんでしまおう☆ ... (^ ^ゞ

「今シーズンはもう無理なんだろうな... 」 と、諦めかけていた私の夏が復活したのだから。。

条件の良い場所で、少しでも多くの県内未採集種を追加しておきたいところだ。

それから、7月下旬〜8月上旬あたりにかけて
是非、山のてっぺんで挑戦してみたい自家灯火の
予行練習なんぞも積極的にやっておきたい。


〜 合流 〜


10:00 に実家を出発した。
より高値になったガソリンを入れながら
まずは、「おとうと」 あらため 「yasu」 と合流すべく
彼のアパートまでひとっ走り。。
あいつが引っ越してから数ヶ月が過ぎているが、何気に今日が初訪問である。


一日、こんな天候でした。


1時間程で海岸沿いにあるアパートへ到着。
せっかくなので簡単に屋内の様子を覗かせてもらった。

私が住んでいるアパートと比べると
単純に2倍以上の広さがあり、とても明るく、家賃もずっと安い。
耳を澄ませば、波の音も聞こえてくる。。

踏切のそばで、騒音と振動が絶えない4畳半の生活とは大違いだった。
さすが田舎... いい所である。

私もいずれは、故郷の地へ戻ってくるのだろうか...。
そんな事を考えてしまった ... (^ ^ゞ

では、yasu の車に乗り換えて、あらためて出発しよう。



〜 斜面伐採地 〜


まずは、1ヶ月前に訪問した斜面伐採地へ。。


結構標高があるんです。


周囲を見渡せば、向こうの方にホウノキが見える。
オニグルミ同様、随分前から着目しているが
果たしてあれにつくカミキリムシを
いつか採ることができるのだろうか。。


真ん中辺りがホウノキです。


では本題に移って
早速材に集まっているカミキリムシを探してみよう。

とりあえず初めは、先月 存分に楽しませてもらったクリストフの姿を
念のため追っておきたい。

これまでにクリストフが 「いた」 エリアを20分ほど徘徊し
ゴロゴロと転がっている 一本×2のコナラ材上を眺めてみた。

う〜む。。 さすがにもう姿を消しているようだ。
考えてみれば、もはや8月目前である。
全てのタイミングに、ズレ(遅れ)が生じている今夏だが
まぁこれが順当な流れであろう。

・・・という訳で納得! 次のターゲットに目を向けられそうだ。


さて、新たな顔ぶれはどんなものだろう??

とりあえず、こういった気候条件なので
カミキリムシが乱舞するような光景は殆ど見られそうもない。

しかし、よ〜っく観察してみれば
ひっそりと、いるにはいるようだ...。

ゴマフ、タテスジゴマフ、アトジロサビ、ナカジロサビ、シロオビチビ、トゲバ...
まずはその辺が次々と見つかっていく。。

そんな中、yasu が

「ヘリグロベニだ〜!」

と大声を発した。


.ヘリグロベニカミキリ
..Purpuricenus spectabilis
MOTSCHULSKY, 1857



ほ〜! (◎o◎)

昨年県境で採集済みだが
結果としては微妙に茨城産のものとはならなかったので
これはラッキーである。

実は、このヘリグロベニをはじめ、タケトラ、
アカアシオオアオ、ガロアケシあたりは
今夏中に手堅くしとめておきたいもんだと
yasu と話し合ったばかりだったのだ。

この後、ヘリグロベニは2頭追加することができた。


それから、そんなリストに含まれるガロアケシもあっけなく登場!
どうやら結構沢山いるようだ。


小っちゃいです!


豆粒のように小さいこのカミキリムシ...
遅ればせながら初採集ということになった☆
ピンボケしてしまったのが ちょっと残念...(^-^;


.ガロアケシカミキリ
..Exocentrus galloisi
MATSUSHITA, 1933



それから、アトモンマルケシも相当な数がいる。



こちらも ペア〜☆ です。


小さくても、紋様はなかなか綺麗だ。


.アトモンマルケシカミキリ
..Exocentrus lineatus
BATES, 1873



他に湧いていたのは、ヤツメくん。
もちろん、サクラ類の伐採木がメインだ。



.ヤツメカミキリ
..Eutetrapha ocelota
BATES, 1873



やっぱりT山塊の個体とは違って、色彩が淡く薄い。
最近よく出くわすが、割と好きなカミキリムシである。



〜 広大な伐採地 〜


続いては、お隣さんの広大な伐採地へ。。

こちらは状況が一変しており、土地が耕され
周囲には雑草がはびこり始めていた。

主要な太い伐採木は前回訪れたときには 既に大半が持ち去られていたので
今回は見られるポイントが、わずか数ヶ所に絞られていた。


材が減り、雑草まみれです...。


ただ、この地の奥の方で、最近我々の中では好評の
ヌルデの立ち枯れに着目してみると...


フラッシュの光が反射して、ちょっと見えにくいですが...


まずは yasu が

「お! ・・・これ、フタオビアラゲじゃね〜??」

と歓喜の声を上げた。

どれどれ??

うん...

「そ〜だ、間違いない!」



どこにいるのか分かります??

.フタオビアラゲカミキリ
..Arhopaloscelis bifasciatus
KRAATZ, 1879



そうそう、以前東北山中の県境で見つけたやつだ。
茨城でも採れることは分かっていたが
いつか採れればいいかな... ぐらいに思っていて
今日は完全にノーマークだった。

よく見れば、そこそこの数が発生しているようで
あっさりと5頭も得る事ができた。
運良く発生のタイミングに居合わせることができ
ホント、ラッキーである♪
おそらく、いつでも採れるものではなかろう。。

それにしても、樹皮の色と 黒いブツブツ模様に
うまくとけ込んでいるように見えるが、これは単なる偶然なのだろうか??


先程の写真といい、保護色になってますよね☆


さすが、県内では最もカミキリムシが豊富とされるエリアだけに
わずかな時間で、ヘリグロベニ、ガロアケシ、フタオビアラゲの3種類を
経験値に加える事ができた。
これにて茨城県内では105種類のカミキリムシと出逢ったことになる。

今日は、ここへやって来て正解だった。


さぁ、時刻が16:30に差し掛かった。
今日は、久しぶりに夜の部が控えているので
そろそろ移動しなければ...。

この辺りでは、陽が暮れると いっそう気温が低くなりそうなので
ムシの飛びも悪くなる可能性がある。。
ならば、ある程度南下を試みる事にしよう。


目的地まで向かう途中、更にお隣さんの土地でこんな光景も見かけた。
均等に切断された大量のコナラ材が、無造作に放置されている。



直径30〜40cmのコナラ材が、集約されていました。


ちょっとだけ立ち寄ったが、いたのはシラオビゴマフケシ、アトモンマルケシが少々といったところ。
1ヶ月前なら、ここにもクリストフがいたのでしょうなぁ...。
チャンスがあれば、また来よう。



〜 夜の部へ 〜


さてさて、夜の部へ。。

今宵は、馴染み深いミヤップの郷へ赴いて
短時間、かつ実験的ではあるが、灯火採集にトライしてみようと思う。

今回、これである程度ムシが採れることを確かめられれば
近々、是非お目当てのムシを狙って、県内の各ポイントでも試してみたい。

一時は、邪道(?)と捉える この世界の一部の考え方が煩わしかったので
我々には縁がない手法だと思われたが
それは「クワガタ採集」をする上でのつまらん競争を意識し過ぎていたからであって
マナーと節度をもって臨めば、何の負い目も感じることはない有効な手段と言えよう。

20:00過ぎに現地へ到着し、適当な場所を決めて、初心者なりのセットが完了した。。

気温22℃、ちょっと低いが湿度は高め。
風はほとんど吹いていない。

では、スイッチ〜、オン!


さぁ、どんなムシが飛んでくるのでしょうか!?


1時間後...

とりあえず、すんごく来た。...(^-^;

シートの裏側からの写真では、それがなかなか伝わらないけど...
恐ろしい程のムシの数だ。。

う〜〜む。。
世の中には、こんな楽しい手法があったのか...(^-^;


シートの表側には、絶え間なくムシが飛来してます。。


特に珍しいムシが飛んできた訳ではないが
ほんの一部 ご紹介すれば、こんなのとか...


.クワカミキリ
..Apriona japonica
THOMSON, 1878



こんなのとか...



.シロスジカミキリ
..Batocera lineolata
CHEVROLAT, 1852



この辺に棲んでる一通りのクワガタもやってきた。


.ミヤマクワガタ
..Lucanus maculife moratus
MOTSCHULSKY, 1861



少し離れたところには、こんなんも。。


.タガメ
..Lethocerus deyrollei
VUILLEFROY, 1864



これを載せると、何故かアクセス数が上がるみたい...。

よしよし、手応え十二分♪

次回から、時間がとれる限り この手法を活用させていただこう☆

あらら? つい夢中になっていたら もう 22:30。。
これから yasu のアパートまで送ってもらって
そこからまた、遠路遙々私の車で実家まで帰らなければならない。

という事で、あとは道中の灯下を楽しみながら、引きあげることにしよう。。



〜 後記 〜

2:00 ジャストに帰宅。
自分の車に乗り換えてからの 「灯下」 への寄り道も
それはそれで楽しんでしまった。 ... (^ ^ゞ
(関係ないが、カブトムシがうじゃっていた...(^-^; )

今回のボーナスステージでは、今夏中に手堅く採っておきたかったものを含む
県内103、104、105種類目の各カミキリムシを追加でき
更に夜の部では、自家 「灯火」 になかなかの手応えを感じ
久々の長時間採集行に、かなりの充実感が得られた。
(疲労感も得られたけどね...(^-^; )

車に乗る自由は、罰金と講習会さえクリアしておけば 何とか継続される訳だし
一度は失いかけた夏を、これから めいっぱい楽しんでおかねば。。

ただ、早いもので、もう7月が終わろうとしているんだよね。
未だ梅雨明けしていない事だけが、問題だよなぁ...。

例年通りなら、8月上旬には シーズンが終わっちゃいますよ...(^-^;


〜 主な確認種(持ち帰り頭数) 〜

●ノコギリカミキリ亜科
 ノコギリカミキリ
●クロカミキリ亜科
 クロカミキリ
●ハナカミキリ亜科
 ヨツスジハナカミキリ
●カミキリ亜科
 ヘリグロベニカミキリ(県内初) ×3
 シラケトラカミキリ
 エグリトラカミキリ
 キスジトラカミキリ
 キイロトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 ゴマフカミキリ
 タテスジゴマフカミキリ
 ナカジロサビカミキリ
 ヒメナガサビカミキリ
 アトジロサビカミキリ
 ヒメヒゲナガカミキリ
 アトモンマルケシカミキリ
 シラオビゴマフケシカミキリ
 キッコウモンケシカミキリ
 ガロアケシカミキリ(県内初) ×n
 シロオビチビカミキリ
 トゲバカミキリ
 クモノスモンサビカミキリ
 ヒトオビアラゲカミキリ
 フタオビアラゲカミキリ(県内初) ×5
 シロスジカミキリ
 クワカミキリ
 ゴマダラカミキリ
 ヨツキボシカミキリ
 ヤツメカミキリ
 シラホシカミキリ





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