採集履歴

“2006年 R地区調査” 編 (4)



06.08.05
Sat) Plain 「もうちょっと粘ります。松林でも1種類追加!」 
                                                                                                  

暑い... 待ち望んだ梅雨明けとはいえ
普通ではない暑さだ。
こりゃ参った...(^-^;
こんな感じで、午前中はぐったりしていた。 ... (^ ^ゞ

さて、今日はどうしようかな??
う〜〜ん・・・ う〜〜ん・・・よし、決めた!

涼しげなお山の恩恵を受けてから まだまだ日も浅いので
今回も、R地区の調査を進めておきたいと思う。
先週はタケトラカミキリを無事にゲットして、気分を良くしたばかり♪
是非ともこの流れに乗っていきたい。

今日のフィールドはマツ林である。


〜 マツ林 〜


「マツ林」と言うことで、今回の狙いはマツノマダラカミキリである。
ご存じの通り 「松食い虫」 と称されるほど
害虫としてのレッテルを貼られてしまった悲しいカミキリムシだが
実際にマツを枯らすのは、このマツノマダラではなく
外国からやってきて本種と仲良くなった
マツノザイセンチュウ(材線虫:長さ1mmほど)なのである。
まぁ、いわばマツノマダラは、この線虫の運び屋になった訳だ。
(元来「松食い虫」とはマツの材線虫の呼び名である。)

で、この様なあまりにも有名なカミキリムシを狙ってみるわけだが
前情報によると、実際には意外と見つからないらしい。

運良く発見できると良いのだが。。


という訳で、昼過ぎに家を出た。

さぁ、どこへ行こうかな??

海岸線沿いには、大規模なマツ林が延々と連なっているものの
何となく勝手な想像で、潮風が当たらない方が良いのでは??
と判断し、やや内陸側を攻めることにした。

そして炎天下の中、ふらり×2 と こんな所へ辿り着いた。


実家と千葉のアパートを行き来している通りです。

枯れマツも見えます。

さぁ、どんなもんでしょうか??


毎度同行している yasu も
この辺に 枯れマツ混じりの林があることは充分認識していたので
到着は割と早かった。

まずは二手に分かれて、林内を散策してみよう。

暑いなぁ... ドバ〜ッと汗が噴き出してくる。。

努めて、ムシの足跡探しに力を注いでいると...

お!早速 羽脱孔だ。。


羽脱孔、その1。


孔径といい、マツノマダラの可能性が非常に高そうだ。


同じく、その2。。


それが、一つや二つではない。
けっこうあちこちで見受けられる。。

・・・てことは、ここには潜んでいるな。。

ちょっと割ってみよう。

先週のタケ材割りから、季節外れの斧がとても役立っている。

むむむ... なるほど。。

結構太い食痕も縦横無尽に走っているではないか...。


そんなとき、道路を挟んで反対側の林から

「お〜〜い、カミキリムシがいたぞ〜!」

という声がかかった。

調査開始からわずか10数分... 何と、もういたのか!?

倒れた枝の下側にひっそりと隠れているようなので
それがマツノマダラかどうかは分からないと言っているが

おそらく、本命が来たのだろう!

フトカミキリ亜科だと言っているので、可能性は非常に高い。


さて、どこにいるのでしょうか??


いそいそと歩み寄って見せてもらうと、一発で分かった。

イエ〜ス! ラッキ〜☆彡

まずは写真撮影から行きましょう。

とりあえず、カシャッ!カシャッ!っと、3回ほどシャッターを切ってみる。

う〜ん駄目だ、周囲が明るすぎて
茂みの中の明るさとの、ギャップが大きすぎる。
なかなかピントが合わない。。


あのシルエット、間違いなさそうです!


汗も止めどなく ひたたり落ちてくるし
結局、こんな写真しか撮れなかった...(^-^;

でもまぁ、これが証拠写真と言うことで...

遠慮なく摘ませていただこう。

はい、来ました〜♪



マツノマダラカミキリ
Monochamus alternatus
HOPE, 1842



県内で108種類目に採集したのは、本日の本命
マツノマダラカミキリと言うことになった。

右側の触角が途中で切れているものの
このR地区内で1種類追加できたことが嬉しい。

それも、こんなにあっさりと♪


ホントに「マダラ」です... 前脚が長いですね〜☆


雑草まみれのこのマツ材は、切り倒されたばかりのようで、まだ青々とした葉が残されていた。
もしかしたらこの♂、衰弱木を選んで産卵する♀を探しにやってきたのかもしれない。


その後、当然 追加個体を狙ってみる。
しかし、これがなかなかうまくはいかない。。

生木、衰弱木、枯れ枝... と、一通りチェックしても
新たなマツノマダラと出会う事はなかった。

採集時期、タイミングを間違えたという感もあるが
そう考えてもやはり
先程の個体は非常にラッキーだったと言えよう。

また ついでと言っては何だが、ここではアカハナカミキリもゲット♪
平野部のR地区では未だ記録がないので割と嬉しい。
山地で採るのとは意味が違う。

当然お持ち帰りだ。


アカハナカミキリ
Corymbia succedanea
LEWIS, 1879



そして更に10分後。。

う〜〜〜... もう駄目だ。
暑くて、これ以上耐えられそうにない... (^-^;

yasu とも意見が一致。
一路、コンビニエンスストアへ給水に向かった。

得るものは手堅く得たし、今日は終了☆




〜 後記 〜

今回は、かなり短時間の採集行であった。
しかし非常に効率よく事が運んだと思う。
県内で108種類目のマツノマダラカミキリを
無難に採集できたのである。

いざ探してみると、なかなか見つけることができないと言われている本種を
このR地区で確認できたことが嬉しいではないか。。
(何気に地区内ではちょうど50種類目達成である。)

とても好条件とはいえない今夏だが
一種類でも多くのカミキリムシを、最後まで探し続けたいと思う。

もうちょっと粘りますよ!R地区調査編☆



〜 主な確認種(持ち帰り頭数) 〜

●ハナカミキリ亜科
 アカハナカミキリ ×1
●フトカミキリ亜科
 マツノマダラカミキリ(県内・自己初) ×1





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