採集履歴

“2006年 続・秋のカミキリ採集” 編(1)



06.08.27
Sun) Hill 「BT!カラスウリ」 
                                                                                                  

ツクツクボウシの合唱、コオロギの演奏が自然と耳にはいるようになり
朝夕は、涼しげな風が吹き始めた。。

さて、出会い・感動・出頭命令・喘息・・・
色々と想い出をつくった “熱き” 夏は いつの間にやら峠を過ぎて
すっかり秋モードに突入である。

それに伴い、カミキリムシの数は ぐっと減ってしまう訳だが
これからは、時期相応の特定の種類を狙いながら
2006年の採集シーズンを締め括っていきたい。

思い起こせば昨秋は、 「三種の神器 @茨城」 (タテジマカミキリ、カノコサビカミキリ、ブドウトラカミキリ)
を求めて、カクレミノ、カラスウリ、ブドウ類に注目していった。
その結果、るどるふ先輩のアドバイスを受けながら
カクレミノをホストとする タテジマカミキリを無事に採集する事ができた。
よって今秋は、カラスウリをホストとするカノコサビカミキリから始動したいと思う。

カラスウリは、地元R地区内にも普通に(というか、めちゃくちゃ沢山)生えているので
実は、これまでにも散々叩き回った経験がある。
しかしながら、肝心なカノコサビとだけは どうも縁薄のようで... 結局発見できずじまいだった。... (^ ^ゞ

そんな訳で、今季はまず手始めに 公的な記録が残るエリアへ赴いて
「ホストで採れる」という感覚を しっかりと勉強してこようと思う。。


〜 記録地にて.. 叩き調査、再開 〜


11:00 過ぎに実家を出た。
カノコサビの記録がある某エリアまでは、車で30分ちょいの距離なので
普段と違って非常に気が楽である。

yasu とペラペラ喋っていると、あっという間に(午前中の内に)現場へ到着してしまった。

さぁ、いくら「記録地」とは言え フィールドは広い。
そう簡単に発見できるものではないだろうから
まずは、じっくりと辺りを観察してみよう。

とある山を中心に、標高を上げないよう、付かず離れずの距離を保ちながら
麓のドライブを開始した。

道端を眺めつつ低速で走っていると
R地区同様、やはりカラスウリは 沢山目に付いた。。
畑の縁、林床部、民家の生け垣部など
発生状況は様々と言えよう。

要所×2 では助手席の yasu にビーティングしてもらいながら歩を進めた。
久しぶりの叩き調査である。


周囲を観察しながら、低速移動中です...。


で、初めに辿り着いたのはこんな所...


古びたお寺さんでしょうか??


林の前には、様々なツル性の植物が ごっちゃになって生い茂っていた。


カラスウリが主です。


ご紹介が遅れたが
これが本日のキーワードとなる「カラスウリ」の葉と実である。


時期的に 実はまだ小さいようです。。


その量たるや、もの凄いものがあったが
ここではいくら叩いても、カノコサビの気配が感じられなかった。

ま、滑り出しはこんなものだろう。... (^ ^ゞ

まだ、始まったばかり。
どん×2 場所を変えて、ビシバシ叩いて行こう。


次に訪れたのは、こんな所...


相変わらず、ビニル製の傘を使っております... (^ ^ゞ


林道の土手に沿って、ビッチリとはびこっていたが
残念、落ちたのは、ハムシ、トホシテントウ、アリ、オオカマキリ... etc

撮影後に、飛んで行かれてしまったが
こんなのもいた☆


ピンボケですけど...
いずれ、こっちの世界にも目を向けたいと思います☆




〜 まさか、の末に 〜


流れ 流れて、谷津田の周辺に辿り着いた。
何となく、こういった里山的なイメージが 生息環境としては良さそうな気がしたのである。

そして尚もカラスウリを叩き続けた。。


とにかく叩くしかないのです...(^-^;


うぉ〜、ここなんか凄すぎ...(^-^;
これだけ密集していると、叩き甲斐があるな。。


彼は、もはや叩き職人です。


ここで、ハイキングを楽しむご夫婦が登場し、遠くから声をかけてきた。

旦那さん: 「何採ってんですか〜??」

そして、こんな会話がスタート...。

私: 「わはは、カミキリムシですよ☆... (^ ^ゞ」

旦那さん: 「カミキリなんて、この辺には いくらでもいるでしょうよ〜!」

私: 「今日は、カラスウリに付くカノコサビを狙ってるんです。 日によってターゲットは変わるんですが...」

旦那さん: 「この林道を歩いていけば、簡単に採れますよ〜!」

私: 「そ、そうすね...(^-^; 頑張ってみま〜す☆」

以上。。

ご夫婦がこの場を去った後
yasu に、「そんな簡単に見つけられたら世話ないよなぁ...(^-^;」
と声をかけた。
すると yasu は、うんうんとうなずきながら笑みを浮かべていた。


では、話を元に戻そう... (^ ^ゞ
引き続き、叩き調査だ。

この辺からは、ただ闇雲に叩くのではなく
こういった枯れツルがある箇所を選んで攻めていく事にした。


特に根拠はないのですが...
他のカミキリムシと同様に
半枯死部を好みそうな気がしてきました。。



すると、まず初めに落ちたのはこんなん...

ん??

ややや?? こいつはっ!? W(◎o◎)W

なんと、アケビコノハの幼虫ではないか。。
全く無関係のムシだが
確か先輩も、カノコサビを採る前にこいつを落としていたような...
ひょっとしたら、我々は同じ “みち” を辿っているのかもしれない☆... (^ ^ゞ



アケビコノハの幼虫で 変に盛り上がってしまいました... (^ ^ゞ


とすれば、この後 本命が採れてしまうのだろうか!?
そうなったら、さっきの旦那さんの言葉が嘘ではなくなるね!
はは、まさかぁ〜☆

なんて冗談を交わしながら ビーティングを継続...

そしてそのわずか2分後の事である。。
突然 yasu が小さいながらも歓喜の声を発した。

おっ... やった!入った♪♪

なぬ〜っ!?


マジかよ... どれどれ...??

ほ、ほんとだ... (◎o◎;


カノコサビカミキリ
Apomecyna naevia naevia
BATES, 1873



来た〜!!(>_<)(>_<)(>_<)

叩き始めてから まだ2時間ちょいしか経っていないのに...
昨秋地元では、あれほど探しても採れなかったのに...

ビックリすると同時に、さすが記録地である事を実感した。
また、「ピンポイント」 に辿り着けて実にラッキーだったと言えよう。

マジマジと眺めてみると、腹部が長く、そして脚や触角は短く
非常に独特な体型をしている...。
そして、指で摘んで見ると分かりやすいが こんなに小さいのだ☆


サイド・ビューです。


めでたく初採集したこいつは 県内で112種類目となった。
う〜ん、素直に嬉しい♪

因みに、こんな場所に潜んでいた。


発見現場を撮影する yasu ...


もっといるかな??
と思い、更にここを叩いてみたが
残念ながら追加個体を得る事はできなかった。
(ま、一頭採れれば御の字だけれど... (^ ^ゞ )

それにしても、適当に発したとしか思えない あの旦那さんの予言が見事に的中したな...
実は強者だったのかもしれない...(^-^;


また、ついでと言っては何だが
すぐそばに生えていたクワの幹が、著しく食害されていたので
チェックしてみると...


気になったときには、ぬかりなく...。


予想通りキボシカミキリが2頭見つかった☆




キボシカミキリ
Psacothea hilaris
PASCOE, 1857



どんな出会いがあるか分からないので
こういった場面では、マメにチェックを入れるように心がけている。
例え当たり前の結果が出ても、これまでの復習に繋がるというものだ。


さてさて、田んぼの向こうに目をやれば
竹林の前に、いかにもカノコサビが潜んでいそうなカラスウリの茂みが見える。

あそこにチェックを入れてから、本日の出稽古(勉強会)は終わりにしよう。

先程の発見現場から、100m程移動して
最後の叩きを行った。
すると...


さぁ、どうでしょう??


わははっ... (^ ^ゞ

ラッキー☆彡、また入ってしまった♪


今度のは、やや大型のようです!


写真には1頭しか写っていないが
この♀と、非常に小さい♂も、ペアーで落ちてきた☆

せっかくなんで接写モードでアップの写真をば。。
ホント、面白い姿形のカミキリムシだ。



カノコサビカミキリ
Apomecyna naevia naevia
BATES, 1873



最終的に、この地では合計3頭のカノコサビを得る事ができた☆
手応えとしては、申し分ない。

さて、時刻は14:05...
腹が減ってきたので、予定通りそろそろ引きあげよう☆


カノコサビが棲息していた環境です。。



〜 後記 〜

14:09 に現場を離れ、14:45 には無事に帰宅...
寄り道を挟みながらも、あっという間に冷蔵庫を開ける事ができた。... (^ ^ゞ
しかしながら、わずかこれだけの移動時間で
カノコサビの発見が非常に難しいエリアに変わってしまうのだから
ムシの好みは難しい。...(^-^;
ホストがあれば良いという訳ではないのだ。

勉強と称した今回の出撃が、果たして今後に活きるのだろうか??
とりあえず、他のカミキリ同様、ホストの枯れ死部を叩く事がポイントになりそうである。
あとは、アケビコノハの幼虫が見られれば少しは可能性が出てくるかも...(^-^;
(勉強の成果はあまりなかった模様.... (^ ^ゞ)

いずれにせよ、「やる気」だけは貰った。
結局、「懲りずにねばれ...」と言う事かな...??
今後とも、「気になったらマメにチェック!」 これを繰り返して
いつしかR地区でも本種を採集できればラッキーである。

兎にも角にも、嬉しい県内112種類目の採集行であった。


〜 主な確認種(持ち帰り頭数) 〜

●フトカミキリ亜科
 カノコサビカミキリ(県内・自己初) ×3
 キボシカミキリ





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