採集履歴
“2006年 師走” 編(7)
06.12.09 (Sat) Mt 「久々のクワ調査 → 水戸昆渡辺さんのお住まいへ」 |
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早くも12月。。 ここの所随分ご無沙汰気味だったフィールド調査へ 久しぶりに、出かけよう。 今日の目的は、珍しくクワガタムシである。 具体的に言うとツヤハダクワガタ (原名亜種)。。 その分布調査に重きをおきたい。 私も県内の何ヶ所かで本種の生息を確認しているが いずれも数年前の記録なので 訳あって 新しく具体的なデータが欲しい。 今回は、個体数がさほど多くない某エリアから 生息の跡を今一度 掴んでおきたい。 採集は二の次なので、幼虫でもいいから確認できないだろうか?? |
〜 3年前の地へ 〜
11:00 過ぎに実家を出た。
今日はyasu の助手席で楽チンである。
でも、この雨がちょっとうっとおしい。。
雨の雑木林を抜けるところからスタートです。。
一歩一歩、現地へ近づくにつれ、どんどん雨脚が強くなっていく。。
おまけに、風も強いです...(^-^;
標高を上げながら
やがてはヒメオオ、アカアシなどの記録もある
某林道へ入った。。
グッドタイミング!
幸いなことに、先程までの天候が嘘のように
雨がほぼ上がった☆
少しだけ雪が降ったようですね。。
うひゃぁ... それでも空気が冷たい。。。
この辺へやってくるのは本当に久しぶりです。。
貧相な広葉樹林の背景には、スギ、ヒノキ、スギ、ヒノキ・・・といった感じ。。
ブナ、ミズナラなどは全くの皆無である。。。
ツヤハダクワガタの足跡を追うには縁遠いかな...??
それでもとりあえず、3年前 (03.07.19) にはまさしくこの場所でもオニクワガタを確認している。(写真↓)
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オニクワガタ Prismognathus angularis angularis WATERHOUSE, 1874 |
また、更に同じく3年前 (03.05.18) には、ここから10km程離れた所(直線距離では2km弱の範囲内)で
本日探しているツヤハダクワガタ、マダラクワガタの幼虫も確認済みなのだ。(写真↓)
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ツヤハダクワガタ Ceruchus lignarius lignarius LEWIS, 1883 幼虫と、潜んでいた赤枯れ材。 |
だからこそ、あえてこの辺りでもう一度!
という強い想いがあるのだが...
おっ!あれはいい♪
このあたりでは珍しく極太の赤枯れした切り株を見つけたので
早速表面を割ってみた。
何かいますかね???
う〜〜、駄目だ、見つからない...。
ここに入ってないとすれば、今後の道のりは険しいかも...(^-^;
しかしながら、今回の目的種ではないものの オサムシがでてきてくれた♪
オサが出てきました。
せっかくなので、こちらを標本用に持ち帰ろう☆
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クロナガオサムシ Leptocarabus procerulus CHAUDOIR, 1862 |
その後も、延々調査を続けた。
奥へ、奥へと道なき山中をさまよった。。
こんな所で、湿地帯が立ちはだかります... (^-^;
突然蔓性の材が 縦横無尽に出現。。
何か出るかもしれないから
少し持って帰ろうかな☆
カミキリムシの羽脱孔も見られます。
次第に辺りが暗くなってきた。
何じゃここは... (^-^;
どんどんツヤハダとは縁遠くなった気がする。。
湿地帯なので、ヤナギも多いです。。
おおっ!
なんと、それでもルリがいるのか!!
まさかこんなところに... ちょっとビックリかも... w(◎。◎)w
これ以上の深追いはしません。
うひゃ〜、雨が再び強まってきた。。
残念... 撤収しよう。。
それに今日は、夕刻から もうひとつ大事な予定がある。
決して満足の行く結果ではなかったが
とりあえず、ツヤハダ的に 「ここは×」 それが分かっただけでも得るものはあった。
調査は、また後日行えばよい。
髪の毛をビショ×2 に濡らしながら、随分離れてしまった車の駐車場所まで
必死で引き返した。。
〜 渡辺さんのお住まいへ 〜
夕刻には、水戸昆虫研究会の大先輩である渡辺さんのお住まいへ
お招きいただいている。
今回は、茨城県に生息する数多くのムシの標本を見せていただけるとの事なので
大変厚かましくも、どんなお話が聞けるのか、とても楽しみである。
駆け出しの身である 私達には、願ってもないチャンスと言えよう。
とりあえず、 約束の時間までには 随分と余裕があったので
これまで通ったことがない林道を選んで下山することに。。。
あぁ... まだこんなに素晴らしいエリアがあるんだな。。
この山肌には、どんなカミキリムシが生息しているんだろう??
担当エリア外ではあっても
来夏には灯火でもはって、確認してみたい。。
素晴らしいエリアは まだ沢山ありそうです。
林道を抜け、やがて高速道路へ。。
途中、某サービスエリアへ立ち寄って、16:00過ぎに遅めのランチをとった。
チャーシュー麺で体を温めながらの休憩後
そそくさと買い物を済ませ、一気に渡辺さんのお住まいへ。。
1時間後。。。
ガス欠になりそうな危機を何とか乗り越えて
携帯電話でのやり取りを兼ねながら、無事に辿り着く事ができた。
まずは 玄関先から出迎えてくれた、とても気さくな渡辺さんにご挨拶。。
初めまして!お世話になります... m(_ _)m
そして、早速渡辺さんのムシ部屋へ案内され
数多くの貴重な標本箱を拝見させていただいた。
ふぇ〜〜... (◎。◎;
色とりどりのムシから発せられる、美しさ、歴史の深さ...
目にするもの全てが、まさに圧巻であった。
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やはりカミキリムシには 注目してしまいます...(^ ^ヾ | ヒョウタンゴミムシや糞虫でも盛り上がりました☆ | |
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噂には聞いてましたが... こんなに!? | 渡辺さんと言えば、やはりトンボですよね! |
特に茨城県産の アカジマトラ については
前々から気にかけていただけに、yasu 共々一瞬息がとまってしまった...(^ ^ヾ
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アカジマトラカミキリ Anaglyptus bellus bellus MATSUMURA et MATSUSHITA, 1933 |
更には、「来年の目標に!」 という事で
こんな お土産まで。。
ホントですか!? ありがとうございます♪
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スネケブカヒロコバネカミキリ Merionoeda hirsuta MITONO et NISHIMURA, 1936 |
てっぺんのお寺には「出るぞ!?」という怪談話から始まり...
・上空を舞って低湿地へ産卵しに来るトンボや、スネケブカ・アカジマトラなど各種カミキリムシの採集法...
・コブヤハズカミキリや、ネブトクワガタなど、もはや 幻の存在となった甲虫の記録...
・特殊なギンヤンマや トンボの標本作りの難しさ...
・とてつもなく Big な県産オオクワガタ を目の当たりにしながらの採集エピソード...
などなど その他にも様々な話題で盛り上がり
短時間ながら、とても勉強になる楽しいひと時を過ごさせていただいた。
帰り際には、無事に車を出すところまで見送ってくださり
何からかにまで、本当にお世話になりました。 ... m(_ _)m
〜 後記 〜
20:00 前には実家へ帰宅。。
今日は天候も悪く
目的とするツヤハダクワガタの新産地を見出すことはできなかったが
3年前にオニクワガタを確認したエリアで
ルリクワガタの生息をも確認することができ
それなりに得るものはあった。
また、帰りにお邪魔させていただいた渡辺さんのお住まいでは
茨城県に生息する多彩なムシのお話を伺いながら
今後の 調査・採集 に対する意欲や希望のほか
県産カミキリムシの、記録の取り纏めに対する情熱を一層引き出して頂いた。
.本当に頼もしい、親分肌なお人柄にふれ、力が湧いてきました。
.まだまだ未熟者ではありますが、私達も やれる限り頑張りますので
.今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
.今日は本当に、ありがとうございました... m(_ _)m > 渡辺さん
〜 主な確認種 〜
●クワガタムシ科 | ||
ルリクワガタ | ||
●オサムシ亜科 | ||
クロナガオサムシ |