採集履歴

“2006年 師走” 編(8)



06.12.16
Sat) 「〆は憧れのアカジマトラ」 
                                                                                                  

県内にアカジマトラが生息していることは
過去の記録から既に分かっていた。

では、本種のホストとなるケヤキの古木はどこに??

実家周辺でも、屋敷林、社寺林などの中に結構見受けられるが
古くから、ある程度まとまって生えているエリアは少ない。

そう考えると、これまで県内のあちこちを走り回った経験から
生息地は大方の予測がついていた。

しかしながら、想像し、それを言葉には発するものの
実際そのエリアに足を踏み入れることは何故か一切なかった。

今回は、先週お会いした水戸昆の大先輩である渡辺さんからの良きアドバイスが
一歩踏み出す重要な決定打となった。

そんな訳で、今年最後の〆括りは、県内採集が難しい種類のひとつ
憧れの「アカジマトラカミキリ」 を狙ってみたいと思う。

されど もはや12月... こんな時期にできることといえば、必然的に「材採」ということになる。。


〜 待望の材採集 〜


ラッキ〜☆彡 今週は暖かい♪
晴れ間の中、カミキリムシを求めてフィールドへ出るのは
本当に久しぶりのことだ。
自然とテンションがあがってくる。

そのような中、昨晩 「明日13:00頃に 目的地手前で合流!」 と約束を交わした
yasu から突如連絡が入った。

私が余裕を持って出発しようとしていた 11:30 頃に...

「予定より早く仕事が片付いたので、もう到着しそうだ!」 との事。。

おいおい、いくらなんでも ちょっと早すぎるだろ...
あいつは、私以上にテンパっているらしい... (^-^;

という事で、急にバタバタと支度を始め
車に乗り込んだ。


今日は晴れました☆ 行ってきます!


フライング気味の yasu に追いつくべく
いつもの雑木林の中を颯爽と突き抜けていく。。

う〜む... 前回掲載した雨中の写真と比べれば
我が車の車高の低さが良く分かるな... (^-^;

とりあえず、非常に明るく 暖か気で良い☆


先週と同じ雑木林の中からのスタートです。


で、合流場所には約1時間ほどで到着。。

昼食をとりながら待機中の yasu には
小型の鋸を用意してもらっていた。

落ち枝を採集して持ち帰るためには、適当な長さに切断しなければならない。

斧と 材を運ぶためのBOX は私が車に積んできたし、万全の体制である。

これら道具全てを yasu の車 1台に積み込んで
予定時刻より30分ほど早く、目的地へ辿り着いた。。


うぉぉ....!!

現地へ一歩足を踏み入れたときの辺りの印象は
これまで何度も車窓から眺めてきた記憶より
数段素晴らしく思えた。。。w(◎。◎)w


こんな...

所です☆


林の奥には、樹齢を重ねた荘厳なケヤキが沢山見受けられる。。


とてもいい感じです♪


林全体から、本当にアカジマトラが生息していそうなオーラが
強烈に放たれている。。


これが葉っぱですよ☆


数日前、結構な強風が吹いたので 落ち枝も多い。

よく見れば、径の大きさから考えても、アカジマトラの可能性が高そうな羽脱孔がちらほら。。

勝手な思い上がりだが
「我々のために、全てお膳立てがされている」という感じだった。...(^ ^ヾ


この辺は、一瞬雨が降ったみたいですね。。


よし、早速作業開始☆

渡辺さんから教えていただいた通り、ちょっと削ってみて
食痕が覗かれたものを次々と選んでいく。。


これなんか、良さそうです。


時折、羽脱孔がビシバシ開いた立ち枯れも。。
このうちの幾つかは、アカジマトラのものなのだろうか??
来夏訪れて、何時間でも じっと飛来を待ってみたいなぁ...☆彡


もう一度やって来ねばなりませんね☆


これも羽脱孔が開いている。
しかし、目に付くもの全てを回収していたらキリがない。。


可能性を上げるため、広く浅く、そして少しでも多く持ち帰りましょう。。


で、約1時間30分の滞在で、これだけの材を得ることができた☆


結構な重量です... (^ ^ヾ


う〜む... 足りないだろうか??
でも、これ以上は持ち帰れない...(^-^;

yasu は、17:00 までに知り合いと合流しなければならない次の予定が入っているそうなので
この辺でお開きという運びとなった... 14:50。

考えてみれば
先週、渡辺さんの御宅で拝見させて頂いたこの標本を見てからの私の頭の中は
アカジマトラ一色だった。


アカジマトラカミキリ
Anaglyptus bellus bellus

MATSUMURA et MATSUSHITA
, 1933



本日持ち帰った これら材の中から、一頭でも本種が出てきてくれれば嬉しい♪
そして、いつしか実際に現地で、元気良く活動している成虫の姿を見ることができれば
何も言うことはないだろう。。
それから、新産地の模索にも目を向けていかなければ。。
これは、新たな課題である。
来年へ向けてのお楽しみが、これでまた一つ増えた...☆



※ 結果 (07.07.30 追記)



〜 後記 〜

本格的にカミキリムシの採集に着手し始め、早くも2年半の歳月が流れようとしている。
これまでに採集した記録を振り返れば、計 119種類。。
特に茨城県内での記録についてみれば
昨年までに87種類、今年は26種類、合計113種類のカミキリムシと出会うことができた。

備忘録として2006年の成果を挙げておけばこんな感じ...

カッコウ(88)・ホシベニ(89)・タケトラ(90)・スギ(91)・キクスイ(92)・エゾサビ(93)・シロスジ(94)
アカネトラ(95)・シラケトラ(96)・ニイジマチビ(97)・ルリ(98)・ヤマトチビコバネ(99)・キモン(100)
ゴマダラモモブト(101)・ヘリグロベニ(102)・ガロアケシ(103)・ニセヨコモンヒメハナ(104)
フタオビアラゲ(105)・キヌツヤハナ(106)・ハンノアオ(107)・マツノマダラ(108)・オオクロ(109)
ヨコヤマヒゲナガ(110)・ヒゲナガゴマフ(111)・カノコサビ(112)・フタモンアラゲ(113)・・・

今年は、昨年に比べ1/3に満たない記録の追加状況ではあったが
その原因は、決して出撃回数が減ったからではない。
度重なる調査の末にホスト採集したもの、明りを灯してじっと飛来を待ったもの・・・と、時間をかけて
丹念に採集した種類が比較的に多かったということなのだろう。
それ故に、土場で偶発的に採集したものより
想い入れが強いカミキリムシと沢山出会えたような気がする。

また、茨城県内で採集できる、初心者向けのカミキリムシを
既に概ね採る事ができたとも言えよう。

来年は、新たに採集できる種類が より一層減ってしまうだろうが
1種類でも多くの県産カミキリムシとの出会いを大切に...
そして、その他多くのムシ達と触れ合うことを期待して...
引き続き、生まれ故郷のフィールドを駆け巡りたい。。




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