採集履歴

“2007年 R地区調査” 編 (8)



07.01.27
Sat) Plain 「前回のつづき...」 
                                                                                                  

今週は、前回・前々回のつづきである。
狙いも同じ... 冬季成虫採集ができる
ハイイロヤハズカミキリ と、カッコウメダカカミキリを
未記録地で 確認してみたい。
この時期は、暫くR地区に拘ってみたいと思う。


〜 お約束のハイイロヤハズ 〜


まずは、1年前にホシベニカミキリの死骸を確認したエリアへやってきた。

この辺の谷津田は、想像以上に奥まで続いており
それなりの自然環境も残っているようで、期待できる。

これまでの実績は、ホシベニ、シラハタリンゴぐらいと
まだあまりないので、やり甲斐はある。

まずは周囲の植生を観察しながら適当に車を走らせ
何となく、日当たりの良い林の前で落ち着くことにした。


人気がないので、やりやすそうです♪


関係ないが上方には、ものごっついコナラの立ち枯れが見える。
白枯れしている根元にはキノコも生えているし
こういう所にオオクワなんかが入るのだろうか??


ちょっと手が届きませんね... (^-^;


で、足元には 古びた薄黒いシノダケ材が数本...
こりゃ、幸先が良い♪


見た瞬間に、ピンと来ました。


材はあまりにも細く、そして腐朽しており、簡単に折ることができた。

すると... ビックリ!なんと 一発で出てしまった。w(◎。◎)w


まさか!? とは思いましたが...


いくらなんでも、あっけない幕切れである。
ここ数回、こればかりやってたからな... (^-^

だんだん感が冴えてきたのかも... (^ ^ヾ


ハイイロヤハズカミキリ
Niphona furcata BATES, 1873



せっかくなので、もう少し...

これはお約束の産卵マーク。
この辺りの この類のタケ材には
一本に一頭、ほぼ確実に入っているようだ。


きっと これにも入っているでしょうね。


この様な、新しい繊維質の食痕が出れば
近くの空間に成虫がいるはずだ。
さぁ、結果はいかに!?


この時点で、一応写真を撮っておきましょう。


はい、正解です☆
2頭目をゲッツ♪


ビンゴ!


しかし、窮屈そうだな... (^-^;
こんな細い所に、実にお行儀良く入っているものだ。
なかなかキュートな表情なので
これ以上はあえて手を付けずにおこう。。


何だか、金太郎飴のようです(笑)


その後、更に追加個体をゲット。。
今回は幼虫が一切出てこない。
おそらく皆、同時期に産み落とされた兄弟姉妹なのであろう。
細い材に入っているためか、どれも極小の個体である。


本日の3頭目です。


これは、羽化不全...(?)
材中で☆になった模様。。



腹部がぺしゃんこだったので
他のムシに食された可能性も
ありますね。。



まだまだいくらでも出そうだったが
3頭のハイイロヤハズを回収したところで材採は終了。
未記録地を、既知の産地に変えるためには
申し分ない結果であった。



〜 今日こそは? 〜


続いて、カッコウメダカカミキリを狙ってみよう。
少々場所を変え、やはり谷津田周辺の林を見て回る事にした。



あっという間に行き止まり... 鬱蒼としていて
ここは何だか違う気がします。



こちらは、結構奥の方まで続いているようだ。。
それだけ楽しみも増えるというもの♪
私の車では進入困難なので
徒歩にて散策を開始する。


見るべき所は 幾らでも残されているようです。


それにしても...
毎度×2、文句の付けようがない快晴である。
非常に気持ちが良い。


N市へ向かう飛行機でしょうか...


暫く のほほんと歩いて行くと
ようやくカッコウメダカカミキリがホストとする
アケビの枯れ蔓を見つけることができた。


グチャ×2 と絡み付いて... とても魅力的です。


フジ蔓が大半だが、確かにアケビも絡まっている。
早速、手を伸ばして枯れた部分を切断し
割るというより、“むしる”、“削る” という感じで
材中を眺めていくと...

あらら... 今日も幼虫だ。。(^-^;

確信は持てないが、そのサイズといい
おそらくお目当てのカミキリムシだと思う。


何ともいえませんが...


そんな時...

いたっ!(痛っ!) (>。<) (>。<) (>。<)

つい夢中になっていたら
誤って自分の指を削ってしまった。

人差し指の、第2関節部である...。


またやっちまいました...。


気にせず、調査を続けようとしたが
一向に血が止まらず
それが、衣服につきそうになり
あえなくお楽しみは終了。。

あ〜ぁ... (^-^;

これからという所だったので、ちょっと残念...
Uターンして引き返すはめに... (^-^;

もう少し見ておく価値はありそうなエリアなので
是非またやってきたいものだ。

はぁぁ... いつの間にか随分と歩いてきたものだ。
車のところへ戻るまでに、結構時間がかかった。。


あともう少しです。。


時計を見れば、もう 16:40...
陽が大分西へ傾き出している。
やめるタイミングとしては意外と良かったのかも。。




〜 後記 〜

前回同様、残念ながらカッコウメダカには辿り着けなかったが
今回もハイイロヤハズの新産地を確認する事ができた。
ここ数回の出陣で、3箇所の産地を見出した事になり
R地区内での「分布を確かめる」という目的は、ほぼ達成されたといえよう。

ごく自然な結果とは言え
環境さえ整っていれば、ほぼ全域で見られる事が確かめられた。


ここのところ、話がハイイロヤハズに偏っている感はあるが
本種に関わらず こういった地道な調査は
現在着手している仕事に一区切りがつくまでは続けて行きたい。


〜 主な確認種

●フトカミキリ亜科
 ハイイロヤハズカミキリ





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