採集履歴

“2007年 R地区調査” 編 (9)



07.02.04
Sun) Plain 「勘を頼りに」 
                                                                                                  

立春... 暦の上で 今日は春になる日である。
しかしながら、今季の冬は
春など とうの昔に到来していたかのような
そんな暖かさが続いてきた。。

明らかなる異常気象... これで良いのか、悪いのか
いささか疑問が残るところではあるが

とりあえず今週も 雲一つない晴天であり
ポカ×2 とした、本当に春らしい日和というわけで
先週に引き続き、小まめに地元を散策しておきたい。

最近、何度もスカを食らっている
カッコウメダカカミキリの新産地を、今日こそは見出すことができるだろうか。。


〜 トントン拍子で 〜


当然いるのだろうけど、いざ探すと見つけられない...
そんな展開が続いているカッコウメダカを探すために
今日は、こんな所へ やってきた。。

あそこならきっと! という根拠のない勘を頼りに... (^ ^ヾ

過去に1度 メダカ(この場合、お魚の... )をすくいにやってきた
小川の周辺である。。


この辺は、水がとても綺麗なんです。


付近を散策していると、休耕田らしき日溜りを見つけた...


先程のポイントのちょうど反対側になります。


水を引くのをやめてから暫く年数が経っているようで
やや乾燥気味である。。
ただ、そのまま放置してあるわけではなく 荒地になるのを防ぐために
マメに雑草が刈られ、地盤も平らに整地してあるようだ。。

周辺には、スギやサクラ、コナラの足元を包み込むように、シノダケが密生している。。

ふと見ると、いかにも!って感じの古いシノダケ材があったので
とりあえず割ってみた。 (ここのところのお約束... (^ ^ヾ )

すると...

ビンゴ!

ハイイロヤハズが いきなり出た。
最近、本当に正解率が高くなった♪


ハイイロヤハズカミキリ
Niphona furcata BATES, 1873



結構大型の個体である。
何気にここも、公的には未記録地なので
ラッキーであった。

・・・ということで、持ち帰ろう☆


さて、今日の本命は そろそろ採っておかねばならないカッコウメダカである。
タケではなく、蔓性の植物を見ていこう。

ほほ〜ぅ。。
睨んだ通りである。

やや乾燥気味の環境であるためか
沢山の枯れ蔓が 複雑に絡み合って コナラの枝上に見受けられる。

いろんな種類があるようだが
これまでの経験では、アケビなどが良いようだ。



太さは これぐらいのものがいいかな...
右側の太い蔓に見られる羽脱孔は
おそらく別種のものでしょう。。



では、早速この辺の材を折ってみよう。。


とてもいい感じです。


樹皮が剥がれると、見なれた繊維模様が現れた。
そう、こんな感じだ!
カッコウメダカの匂いがプン×2 してきたぞ♪
(どんな匂いだ... (^-^; )


何故か、いい予感がします。


やや膨らんだ節の部分に入っていることが多いので
その辺を選んで パキッと一折!

すると...

おおおっ!


またしてもビンゴ!


ラッキ〜☆彡
何ということだろう。 こちらも一発で出てしまった... (^-^;
実にあっけない。。

おそらく、先程のハイイロヤハズを発見してから、まだ10歩程しか移動してないだろう。
出るときのタイミングは、いつもこんなものだ。。


カッコウメダカカミキリ
-Stenhomalus cleroides
BATES, 1873



いや〜、今日まで頑固に粘ってきて正解だった... (^ ^ヾ
これにより、当該地区から 初のカッコウメダカカミキリを記録する事ができる。
また一つ 新たな任務を完了し 何となく ほっとした気持ちになれた。

よし×2♪

さぁ、せっかくなので追加個体を狙おう。

こういったウネ×2 したところなんか、可能性が高そうだ。


次はこれあたり 行ってみましょう。


グリ×2 と よじる様にする事で
斜めに刻みを入れると、すぐに割れ目から極細の食痕が出た。

そしてそれを丹念に辿っていくと...

よっしゃ!(>_<) (>_<) (>_<)

また来た♪

めちゃ×2 チビすけ君だが、2頭も確認できれば
調査の趣旨としては充分すぎる結果である。



カッコウメダカカミキリ
-Stenhomalus cleroides
BATES, 1873



暖かいせいか、すぐに蛹室を這い出した。

わはは。。 起こしちゃってゴメンね... (^-^;



ヨチ×2 と、不器用そうに歩く姿が
実にかわいらしいです。



それにしても、ホントに今日は トントン拍子で事が運んだな... (^-^;

時計の針は、まだ 13:30...
家を出てから、2時間弱しか経過していない。
かなり短い時間内での出来事だったが
手応えある嬉しいひと時であった。

さて、今週はこれにて撤収... つづきは、また次回。。
病み上がりなので、休息も上手にとっておかないと...☆



〜 後記 〜

これまで結構手こずったが
ようやくカッコウメダカカミキリの確認に至る事ができた。
R地区内では、過去に何ヶ所かで採集済であっても
当該エリア(市)からの記録は、おそらく初であろうから嬉しい。

今回は、勘を頼りに まっすぐ当地へやってきて正解だった。
こういうときに、地道な調査の積み重ね(経験)が活きてくる。

ただ、今後はもう少し南方での記録を追加しておきたい。

また今回もハイイロヤハズの新産地を確認する事ができた。
ここ数回の出陣で、6ヶ所の産地を見出した事になり
これで、R地区 ほぼ全域での分布が確かめられたことになる。

現在着手している仕事に一区切りがつくまでは
今後も、ごく自然な結果を導き出すために
ひたむきに取り組んで行きたいと思う。。



〜 主な確認種

●カミキリ亜科
 カッコウメダカカミキリ 2exs
●フトカミキリ亜科
 ハイイロヤハズカミキリ 1ex





※採集記目次へ