採集履歴
“2007年 R地区調査” 編 (11)
07.02.24 (Sat) Plain 「東側をブラブラと」 |
長らく続いた冷たい雨のトンネルを抜け 空は真っ青に晴れ上がった。 強く吹き抜ける風が冷たいけれど、眩しい陽射しがとても気持ち良く お昼前からブラ〜っと散歩に出かける事にした。 今日は、海と湖に挟まれた東部をうろついてみよう。 せっかくなので、こちら方面からは未だ実績が出せていない カッコウメダカカミキリをサンプルとして得ておきたい。 |
〜 下り坂 〜
これまで散々走り回った東部であるが
まだ×2 知らない通りはいくらでもある筈だ。
台地上の殺風景な畑道を軽く流していると
ふと、左側に細い下り坂を見つけ、いったんは通り過ぎた。
この辺りに、県道などの主要な道路は走っていないので
あれを行けば、暫くはレアなコースを辿れるに違いない。。
今いる台地を降りた谷間が谷津田なら、とてもラッキーである。
そう思った谷津田好きは、急遽Uターンして
吸い込まれるように その坂を降りてみることにした。
とそこで...
お!? ちょっとタンマ。。
坂を下る途中で、慌ててブレーキを踏んだ。
最初の寄り道です。
右手には、シノ林が無造作に切り開かれている。
最近毎度のように話題にしているハイイロヤハズを採るには
もってこいのシチュエーションだ。
そして左手には、今回おさえて帰りたいカッコウメダカのホストである
アケビがあちこちに蔓延っている。。
この辺りで、車中からツル性の植物を見かけた場合
大抵はフジ蔓であるケースが多いのだが...
これは滅多にない展開だ。
立ち寄らない手はないだろう。
枯れ蔓も、それなりに見つかる。
とぐろ巻きがgoodですが、半枯れですね...。
これぐらい枯れているものがちょうど良い。
もらった!と思いました。
スクリュー状の部分、節の部分などが特に狙い目だ。
独特の断面です。
だが、あまりにもアケビが多すぎて
逆にお目当てのムシを見つけることができない。
案外簡単にいくものと思われたのだが...。
一方で、ハイイロヤハズは幼虫があっという間に見つかった。
標本も大分溜まってきた本種に関しては
棲息の事実さえ記録できればそれでよい。
ただ... せめて、証拠写真ぐらいは撮っておけば良かった... (^ ^ヾ
ここには、これぐらいで見切りをつけました。
では、お楽しみの谷間まで歩を進めてみよう。。
〜 谷津田の周囲 〜
うお〜♪
180度、視界が一気に広がった。
進路方向に当たる前方は勿論
右へ左へも、奥深く谷津田が入り組んでいる。
やった! これなら めいっぱい楽しめそうである。
そして、これは右側。。
左側は、またも撮り忘れ... (^-^;
何となく、右側の環境に興味をそそられたので
しばらく、その林縁部を散策してみることにした。
わぉ... こちらの方もアケビが凄い。。
ならば、カッコウメダカに再挑戦してみよう。
またもや、アケビが沢山ありました。
これぐらい古めのものを選んで...
地面に枯れ落ちていたものです。
よじる様に折っていくと...
お!出た♪
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カッコウメダカカミキリ -(Stenhomalus cleroides BATES, 1873) |
今度は一発である。
う〜ん、いいね!
その姿形といい、配色や彩りといい
何度見ても個性的なカミキリムシだ☆
そして、幼虫もちらほら。。
3頭ほど、出てきました。
続いて、2頭目の成虫が現れた。
頭隠して尻隠さず、とはこのことか??(違う×2...(^-^; )
必死で中へ潜り込もうとしています... (^-^;
起こしちゃって、ごめんよう。。m(_ _)m
ゆっくりと引きづり出すと
手のひらの上で、ちょこまかと活発に動き出し...
仕舞いには、左側の触角にまとわりついた抜け殻を
付け根から先端へ向け順番に食べ出した... (◎。◎;
器用に少しずつ、食べていきます。。
初めは、突然外界へ出された驚きのあまり
パニクって、自分の触角を付け根から噛み切ってしまうのか??
と心配されたが、そうではなかった。
おもしろ〜い☆
その後、何種類かのゴミムシや、ハイイロヤハズの幼虫を確認していると
いつの間にか、3時間ほどが経過していた。。
うむ、なか×2 いいところだった。。
きっと、他にも多様なムシを探し出すことができるだろう。
最後に最初の本線を前方に進んで
周囲の様子を眺めながら、時間切れとなった。
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アスファルトの道路沿いは ちょっと魅力に欠けるかな... |
ふ〜ん... このあたりにも、こんなクヌギやコナラがあるんだね...
やはり未知の部分はまだいくらでも残されている模様。。
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とある斜面には、クワガタの樹が 3本程並んでました。 |
という訳で
今後も、もうちょっと東側を見回っておきたいと思う。。
〜 後記 〜
最近、R地区内でムシを探していると
ちょく×2、地元の方から声を掛けられる。。
「カミキリムシは有り難くないムシだからどんどん採って!」 とか...
「お仕事ですか?」 とか... それぐらいは普通だが
「暇人だな〜!」 とか... (^-^; (この言葉を浴びせられたのは2度目である...(^ ^ヾ)
今回は、「釣り餌にすんのげ??」 「はぁ〜、色んな趣味があるもんだね〜!」 と。。
先日は、某市の職員から色々と尋問されたし。。
決して特別なことをしているつもりはないけれど
私の行動は、他から見れば、やはり不可思議に映るのかなぁ...??
何だか ちょっぴりこそばゆいが
これこそが自分の居場所なんだなと実感すれば
誇りに思う。。
ひとくちに茨城と言っても、多彩な表情を持っている。
これまでに、県内の一通りのエリアを 何かしらの形で見回ってきたが
R地区同様、いずれは他の地区にも もっと入念なチェックを入れて
おさらいしてみたい。
そのような流れの中で、今回は
R地区内で 6ヶ所目となるカッコウメダカカミキリの産地を見出す事ができ
良かったと思っている。
〜 主な確認種 〜
●カミキリ亜科 | ||
カッコウメダカカミキリ | : | 3exs |
●フトカミキリ亜科 | ||
ハイイロヤハズカミキリ | : | 幼虫数頭 |