採集履歴

“2007年 R地区調査” 編 (12)



07.03.03
Sat) Lake Side 「東側をブラブラと... その2」 
                                                                                                  

今日は 桃の節句 “ひなまつり”☆ ・・・と言うことで
実家へ帰ってくると、玄関先に雛人形が飾られていた。
親戚が人形店をやっているので、そこから頂いたものらしい。

日本人形の造形、表情には
どんなものでも 、華やかさと共に しみじみとした味わいがある。
そして、こういった季節をも感じさせる伝統文化を
つくづく素晴らしいと思う。

もう3月か... 春なんだねぇ。。



さて、とことんR地区調査編である。
3時間という制限の中で
今週も、東部を徘徊してみたい。
海側は、あんまり南へ行くと工業地帯に近づくため
緑地が乏しくなる一歩手前で様子を見てみよう。


〜 湖畔部 〜


約30分のドライブで 辿り着いたのは、こんなところ。。
ネットの航空写真を見ながら、予め目を付けておいた湖畔部である。



遠方に湖が見えます。


貧弱な林の表層部を見つめながら、ブラ×2 と歩いていくと
またこれを探し当ててしまった。。(^ ^ヾ

半枯れ状態のアケビだ。


それほど多くはありませんが、遠くからでも
一発で見極めがつくようになりました。



乾燥気味で、あまり腐朽が進んでおらず
ヤツらが宿るには、まだちょっと早いかな??と思いながらも
ベキッ!と一折すると...

あらら、ビックリ!w(◎。◎)w いきなり出てしまった♪


材芯部から出ました☆


とりあえず、今週も新産地から確認できたので
ラッキーである☆


カッコウメダカカミキリ
-Stenhomalus cleroides
BATES, 1873



せっかくなので もう少し... と思ったが
残念ながら、同材からの追加個体はナシ。。(^-^;

付近にあった別の材に手を出しても
結果は出せなかった。

どうやら、最初のは まぐれだったらしい。。(^-^;


これなんか、いい感じで腐朽してたんですけどね... (^-^;


少し離れて、これまで歩いてきた里山の全景を撮影。。
わずかな緑地でも、それ相応のカミキリムシが ちゃんと棲息しているのだ。
夏になったら、どんな顔ぶれが揃うのだろう??
たかが知れているだろうが、楽しみである。


もう一度ぐらい、来なくてはいけませんね。


湖、谷津田、里山、民家...
なんら代わり映えのしない 景色を眺めながら
15分ぐらい移動していると、いつも通り シノ藪の前を通りがかった。
一応寄り道しておこう... (^ ^ヾ

カッコウメダカを採ったのだから
ハイイロヤハズもおさえておかねば。。

今私の中で、これらは 完全にセットになっている。... (^ ^ヾ


ハイイロヤハズも探しましょう!


気になった材を拾い上げ、試しに削ってみると...

お!これまた一発で出現☆

でも残念、幼虫だった。... (^-^;
その後、ここではハイイロヤハズが入っていそうな材さえ見つけられなかった。


幼虫とはいえ、写真さえ撮っておけば
棲息事実の裏づけにはなります。



と言う事で、少々車で移動し、こんな感じの場所でリトライするこした。


ここなら、きっといますよ。


古さ、太さを目安にして
良さそうなシノ材を適当にチョイスする。。

さて、これあたりはどうだろう??
見当違いかな!?

一応、「採る前に、撮る」。



太い材には、大型の個体が入っているものです。


そして、気になった箇所を裂いてみると...

おお〜、正解♪


普通サイズでしたが、やはり成虫が出ると嬉しいです。


ハイイロヤハズは、一本の材に一頭ずつ宿っているものなので
おそらく、付近に兄弟姉妹が沢山いるはずだ。

そう考え、別の材を選んでもう一折。。

すると... わわっ!

また当たっちゃった♪


羽化期も、ほぼ同じだったと思われます。


これなどは削る必要ナシ。
ひび割れした部分から顔を覗かせているやつもいた。


中でもがいてました... (^ ^;


最初から殆んどハズレ無し。。
トントン拍子で事が運んだ。


最終的に、このポイントでは4頭のハイイロヤハズ(成虫)を確認できた。
標本用のサンプルとしては、充分すぎる数である。
もっとやれば、まだ×2 出るだろう。
因みに、命中率は80%だった。 (^ ^v


で、これが一番大きな個体である。
和をイメージする繊細な姿形、独特な上翅、色彩...

冒頭の人形話ではないが
自然が作り出した、ムシの造形も毎度の事ながら素晴らしい。



ハイイロヤハズカミキリ
Niphona furcata BATES, 1873



顔はなかなか可愛らしい☆


黒字の上に、白っぽい体毛が密集して
全体として このような色に見えるんです。



それにしても... 毎週×2 飽きもせず、良く同じことをやっているな... (^ ^ヾ

さて、早くも制限時間が残り少なくなってきた。
引き上げよう。



〜 実家の近所 〜


家に着く直前、近所に庭木として植えられているカクレミノがあったので
ふと眺めてみた。


ご近所の、Kさん宅です。


よ〜っく見ると...

あれっ!?(◎。◎;

一本の枝に、ボート状の傷跡が...


写真中央です。


形といい、大きさといい... 見覚えあるやつにソックリである。
大分 治癒しているけれど
もしかしたら、過去にアレがいたのだろうか??

でも、傷跡から先が青々としているからねぇ... (^-^;


アップ!


念のため、そこから 30m程離れた茂みにある数本のカクレミノもチェックしてみた。。

でも... いないよね、やっぱり... (^-^;

ただ 足元を見下ろすと
これまでに確認していなかったカクレミノの若木を発見。

いったいいつの間に??

まだ、丈60cm ぐらいと言ったところか...。
葉っぱはツヤ×2 である。

これ、新たに植えられたものだろうか? それとも、周囲の株から派生したのか??
後者だとしたら、結構繁殖力が強いのかも。。


こちらは、I さん宅の林内です。。


カクレミノが自生している林を探して
山へ、海岸へと、散々走り回った過去を振り返れば
実家の近所に、カクレミノが生えてくるなんて
とても喜ばしいことである。

タテジマくんがいなくても良いから、ジャン×2、育ってほしい...☆



〜 後記 〜

カッコウメダカとハイイロヤハズ...
またもや この2種類を見つけてしまった。
ただ一応、今回も新産地の確認に繋がったので良しとしよう。

ここのところ、本当にハマっているなぁ... (^ ^ヾ

これまでの活動履歴を振り返ると
レア種の発見に対する感動、喜びの大きさは相当なものであり
かつ確かなものだったが
私は普通種の採集もつくづく好きなんだなと思う。... (^ ^ヾ

ムシを通した茨城との対話が純粋に好きだから
遠回りが、苦にはならない。
近道できるなら、喜んでしたい。
そして、同じことの反復も非常に楽しい。

地元茨城県に棲息するカミキリムシの一時代の記録を、正確に記述してみたい...
私の採集スタンスに、そんな付加価値を見出し
そして謳い始めてから、早くも 1年以上が経過している。


〜 主な確認種

●カミキリ亜科
 カッコウメダカカミキリ 1ex
●フトカミキリ亜科
 ハイイロヤハズカミキリ 4exs





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