採集履歴

“2007年 今夏の課題” 編 (9)



07.08.12
Sun) Mt 「リベンジ」 
                                                                                                  

想い出の採集会の日から、早くも一週間が過ぎ去った。
当日の疲れは、その後 2~3日は残っていたが
現在はもう すこぶる元気、万全の状態である... (^ ^ヾ

ここの所、知り合いの子供のクワガタ採りにお付き合いさせて貰ったりと
気分的にも充分な リフレッシュができたので
この辺で、再び拘りの山へ登り
何とか頂上における初灯火の夢を叶えてみたい。

今回は、いわば前回の「リベンジ」的な出撃と言えよう。

夜だけがメインなので、日中は体力を温存し 15:40 にゆっくりと家を出た。


~ 山登り ~


さぁ、今日こそは何とかしよう!

そんな気持ちで選択した登山コースは
これまでに経験した山頂へ至る 3ルートの内の
最も距離がある一本である。

しかし、ちょっとした トリックさえクリアできれば
頂上付近に、ある程度車で詰め寄ることができるのだ。

とは言え、最低 1時間以上の登山を要求される事は
間違いなかろう。。(^-^;


ゴール目指して、頑張ります!



発電機へガソリンを注入するために 大変便利な道具を購入しながら
山の麓へ到着したのは、18:00 過ぎ。。

ヤバぃ... 幾らなんでも ゆっくりし過ぎてしまった。
このままでは、山頂へ辿り着く前に陽が落ちてしまうぞ... (^-^;;;

だが、苦しい経験を踏まえて 前回よりは随分荷物を減らしたつもりだし。。
また、一度 ヘロ×2 になって 充分に回復したから
基本的な体力が 相当にアップした筈だ。(サイヤ人的な考え方をすると・笑)
きっと何とかなるだろう!

とにかく、急いで行ってみよう。


今日こそは...

何とかしたいです!


さぁ、今日は こんな小道からのスタートである。


正面奥の斜面を登っていきます。



今回は幾分傾斜がきつくても 下草が少ないので その辺はラクである。

しかし...


今日は、yasu の足取りが軽いです。


肩にのしかかる、16kg の重さだけは前回と変わらず...

先行く yasu の影も、どん×2 小さくなっているような... (^ ^;;


突き放されます...(^ ^ヾ


ふと振り返ると、遠くに別の山の稜線が見え出した。。
作業道の片側は、なか×2 の絶壁である。

いや~っ、我ながら随分と登ってきたものだ。。(^ ^ヾ


狭いですから、気をつけないと...


なんて、感心している余裕はない。
予想以上に時間がかかっているので
早く尾根に乗らなければ!



~ ライト・オン! ~


無事に、尾根には乗った。
しかし、またしても山頂には辿り着けぬまま タイム・アップである。。(^-^;

ただ、前回よりは かなり標高が上がっているので
今回は吹き上げのポジションで機材をセッティングできそうだ。

尾根線に沿って、ごくわずかな踏跡があったので
それをゆっくり辿っていくと、遥か遠方に薄っすらと隣県の街明りが見えた。。

改めて、“登ってきた” 事を実感する。。

やがて、スギ林の合間から、眼下に広葉樹林帯が見えた。

ブナがあまり生えていないのが痛いが、これ以上の贅沢は言えないので
そそくさと準備を始め、19:00 ジャストにライトを灯した。


本当に真っ暗です。


開始から 1分も経たぬ内に
アカアシクワガタの♂、ノコギリクワガタの♀が間髪いれず 飛んできた。
今宵は、気温・湿度が共に高く、月明かりもないので、ムシの飛来度が抜群である。

シデムシ類、コメツキムシ類のほか
カミキリムシは、ヤツメカミキリを皮切りに、キッコウモンケシ
夜の定番、ウスバ、ノコギリ、クロ、ホソから、キボシ、カタシロゴマフなど。。

普通種ばかりでも、調査の趣旨としては それで良いのだ。


ヤツメカミキリ
Eutetrapha ocelota
BATES, 1873


ウスバカミキリ
Megopis sinica sinica
WHITE, 1853


ノコギリカミキリ
Prionus insularis insularis M
OTSCHULSKY, 1857



上掲の写真だけでは、100% スギ林の中にいる様にしか見えないが
目の前(眼下)には、コナラを中心とし
ミズナラ・シデ・ヤマザクラ・ホウノキ・モミなどの大木がしっかりと混生している。

その証拠に、ミヤマクワガタ なども バシ×2 とやってきた。
とりあえずここで、「コナラ」と名が付くゾウムシなんぞも、一応。。(^ ^ヾ


コナラシギゾウムシ
Curculio dentipes R
OELOFS, 1874



ただ、この状況のまま 2.5時間ほど粘ったところで
何となく気分的な限界を感じ
当該エリアには見切りをつけることにした。。

やはり 私的には、頂上付近で
ブナ林を前に ライトを灯す事こそ最終目標なのだ。

もはやゴール寸前とも言える 実に惜しい状況だったので
是非近々、もう一度だけ挑戦してみたいと思う。。



~ 下山 ~


さて、今回は半日遅れのスタートだったし
ヤブ漕ぎがなかった分、かなりの体力が残っていた為
発電機のスイッチを落とさずに、ライトを灯しっぱなしで
それを右手、左手に持ちながら下山することにした。

うほ~、めちゃ×2 明るい!
懐中電灯と比べたら、実に頼もしい!

けれど、結局は重い... (^ ^ヾ


こんな感じでスタートしました。


やはり、肩越しに掛けて歩くよりは 両腕への負担が随分大きかった。
握力も、どん×2 低下してくる。。
右手、左手の持ち物を、休憩を兼ねて交換しながら 少しずつ前進して行った。

ただ、さすがに下り一色の復路である。
歩くスピードが徐々に速まり
22:00 を回った頃には、無事 車のところへ到着できた。

今回の下山方法に関して感想を述べると
確かに体への負担(物理的な疲労)は大きかったが
視界良好で安心感があり、精神的には随分楽であった。


お疲れさんでした!


やれるだけの事はやったつもりで
少しずつ 荷物を片付けていると
辺りには突然ガスが発生し始めた。。

今夜は、本当に蒸し暑い。。
時間は まだ大分あるけど... どうする!?

おし、行ける!

せっかく ここ(山地)までやってきたのだから
今宵は、もう一ヶ所、特別な場所で灯火採集を楽しんでから帰ろう。

まずは、里まで降りて自販機で給水(給糖)だ... (^ ^ヾ



~ ご褒美 ~


「特別な場所」へ急いで移動し、再びライトを灯したのは 23:20 の事。。
直線距離は結構短いのだが、移動には 1時間以上を要した。。

相変わらずガスは凄かったが、吹き上げてくる風が強烈で
ムシがバン×2、集まってきた。

ただ、甲虫が極めて少ない。。(^ ^;;


いきなり、凄いです!


しかし、今日は絶対にあいつがやってくる!

そう確信していた。

突如 発電機が落ち、ライトが消えてしまうといったアクシデントもあったが

0:30 頃だろうか??

yasu が、
「あ... おそらく そうだ。。」

と言いながら、一頭の甲虫に歩み寄る。。

良かった!今年も、無事に来てくれた♪


ヨコヤマヒゲナガカミキリ
Dolichoprosopus yokoyamai
GRESSITT, 1937



人気の、ヨコヤマヒゲナガカミキリ(♂)である。
るどるふ先輩風に言えば、本当にエレガントなカミキリムシだ。

うむ... 故郷の山に、感謝しなければ。。
ご褒美を、ありがとうございます... m(_ _)m

今回も、この一頭の重みを大切にしたい。

それから、グリーン・メタリックな奴も おまけで付いてきた。


ハンノアオカミキリ
Eutetrapha chrysochloris
BATES, 1879



今晩は、もはや何も言うことはあるまい。。
時計のデジタル表示は、1:37。。
さぁ、急いで帰ろう。。



~ 後記 ~

家に辿り着いたのは、3:30 のこと。。
道がかなり空いていたので、コンビニへ立ち寄っても
昼の往路より 30分以上の短縮ができた。

寝る前に、地形図を広げながら
yasu と二人で 今回の反省点をあげてみた。

やはり、「出足が遅かった」 の一言に尽きるようだ... (^-^;
それから、コンパスも必要である。

もう一息と言うところだったので、さすがに悔いが残った。。
今回の件は、絶対に最後までやり遂げようと思う。


とりあえず、やっぱりいいね!ヨコヤマは。。


~ 主な確認種

●フトカミキリ亜科
 ヨコヤマヒゲナガカミキリ
 ハンノアオカミキリ





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