採集履歴

“2007年 想い出のアルバム” 編 (2)



07.08.27
(Mon) Mt 「再び、天然林へ」 
                                                                                                  

8月の終わりに、もう一度山を登ってみたくなりました。
趣旨がムシ採りではありませんが... (^ ^ヾ
今回も、写真メインでご紹介いたします。。m(_ _)m


〜 沢登り 〜


11:45、某作業道の入口に辿り着きました。

付近に生えていたタラノキの枝を見ると
大型のセンノキカミキリが しっかりと抱きついています。

もう秋を迎えるんですねぇ。。
このまま、果てていました。



センノキカミキリ
Acalolepta luxuriosa luxuriosa
-
BATES,
1873



早速、上へ上へ と歩き始めました。

ここは以前、川の音だけを頼りに降りてきた 植林の斜面です。


植林斜面 @12:08



30分ほど登ったところで
営林署の方と バッタリ お逢いできました。

この地域に 長年御住まいの方だそうで
私が生まれるずっと以前の山の様子など
貴重なお話を沢山聞かせて頂きました。

過去における、想像を絶した天然林の規模に驚かされながら
久しぶりに、茨城弁丸出しの会話を楽しみました。


沢登りスタート @12:32



ゆっくり谷間を登っていくと、ミズナラの大木が行く手を阻み。。


ミズナラの倒木 @12:40



斜面上には、年季が入ったイヌブナの根が見えました。


イヌブナの根 @12:45



徐々に谷間は狭くなり。。


谷間 @12:58



とう×2、沢の原点に辿り着きました。


渓流の出発点 @13:08



随分と時間が残されていたので
今度は、水分を沢山含み地滑りしやすい斜面を這い上がることにしました。

右側の斜面上から、谷底に先程確認した沢の原点を振り返ります。。


斜面上から @13:15




〜 斜面伝い 〜


山へ入って、約 1時間 30分が経過。。

大変短(みじか)な稜線を越え、これまでとは反対側の急斜面に立つと
ついに未確認のブナが見え始めました。

樹齢を重ねた巨木が、とても細く、長く、そして美しく見えました。


混生林 @13:19



今回は、向かい側に見える山肌まで、斜面を伝って行ってみることにしました。

この森に生えている、少しでも多くの樹々に出逢ってから帰りたいです。。



目指せ “向こう側” @13:23



斜面に張り付きながら、尚も高度を上げていくと
付近の山の、てっぺんが見えました。



てっぺん @13:27



ブナの巨木も、少しずつ増えてきました。
谷底へ落ちないよう、傍らの樹につかまりながら
必死でシャッターを切っていきます。。


ブナの巨木 @13:53



そのまま、眼下の様子も一枚。
落ちたら ひとたまりもないです。。


登ってきた斜面 @13:54



巨木を目の当たりにする度、歩み寄って
根部にあいた羽脱孔の有無を確認して行きました。


混生林 @14:06



やがて、目指してきた “向こう側” に辿り着きました。。


ブナの巨木 @14:38



今回も、何ともいえない達成感でいっぱいです。
改めて “良いもの” を沢山見ることができました。

営林署の方から頂いた

“紅葉が綺麗ですから、是非また来てください”

という、温かい言葉に感謝しながら
この辺で、もと来た道のりを 引き返すことにしました。



沢下りへ @15:31




〜 後記 〜


今年は、我が故郷に残された こうした天然林の幾つかを訪ね
その素晴らしさに、圧倒され続けました。

関東近県の壮大な山々に入った経験も少なからずありますが
それらと比較云々することは、私にとっては 全くナンセンスな話で...

只々、つくづく、そして益々 故郷を誇りに感じるようになりました。

古くから山や森を見つめ、共に生活されてきた
地域の皆様には、尊敬の気持ちでいっぱいです。。

また、こういった自然を先駆的に調査された
多くの先輩方の情熱を、ほんの少しだけ勉強できた気がします。。

茨城を評価できるほどのレベルには 全く達していない青二才が言うのも何ですが
今は謙虚に そう感じています。。

最後に、今回持ち帰った唯一のムシを紹介しておきます。。
倒木上を、ヒョコ×2 と歩行していました。


オニクワガタ
Prismognathus angularis angularis
WATERHOUSE, 1874



〜 主な確認種 (カミキリムシ)

●カミキリ亜科
 ウスイロトラカミキリ
 ニイジマトラカミキリ
●フトカミキリ亜科
 センノキカミキリ
 ヒゲナガゴマフカミキリ





※採集記目次へ