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“2007年 秋の山登り” 編 (2)



07.11.03
Sat) Mt 「お隣さんへ」 
                                                                                                  

前回(07.10.20)の山登りをきっかけに
昨年から気にしていた とある低山への関心が益々高まってきた。

何と言っても その山... 頂上は、わずかに “向こう側” になるけれど
全体として捉えれば、 “こちら側” にも充分に幅を利かせており
どうしても無視はできない存在だ。

そも×2 県境線というものは、大きな河川や 山の尾根線などと重複するケースが多く
それにより一連一帯の自然環境がバッサリと分断されがちだが...
身の周りにある 山系・水系 に 少しでも馴染んでおきたい私としては
“向こう側” を、単に “県外” だからと言って切り離すことは難しい。

と言う事で 今後は、我が故郷茨城県に通ずる自然環境を
県の括りを越え、マクロな視点で見つめて行こうと思う。

今回は(も?)単なる山登りで、ムシは登場しません... m(_ _)m


〜 曇りのち晴れ 〜


11:50、病み上がりの体で ゲホ×2 と咳をしながら家を出た。

本来、この出撃プランは 先週の土曜に立てていたのだが
ピークを迎えた持病の喘息に悩まされ あえなく断念してしまった。。

今回は、一週間の休養の末に 何とか次こそは!と心待ちにしていたので
少々の体調不良には目をつぶりたい。

あとは、予報通りに この曇り空が晴れ上がってくれれば完璧だ。


行ってきます @11:58



おっ!家を出て10分、早くも青空が見え始めた♪
いいね〜、 道も空いているし 実に軽快な滑り出しである。


中央に筑波山 @12:00



・・・と、思いきや
田舎道のど真ん中に、突如 25km/hで走る、超低速ミニ・カーが現れた。
暫く後ろに付かせてもらったが、なか×2、こちらに気付いてくれない... (^ ^;;


ようやく端によってくれました... (^ ^;;



その後、またも低速(40km/h)で走る車輌が出現。。
どうやら施設関係のマイクロバスで、他県からおみえらしい。。
こちらには、6分程 お付き合いさせていただいた... (^ ^ヾ


many many horses!群馬!



それにしても、咽喉がかゆいなぁ。。
空気が乾燥しているせいか
咳が止まらなくなり、やむをえず早くも青いコンビニで休憩を取ることにした。
う〜ん... なか×2 先へ進めない。。(^ ^;;

殺菌作用があると聞く紅茶と、登山用に水を買って
とりあえず咽喉を潤した。

うん、スッキリ! これで随分マシになった。

と言う事で、ようやく国道へ。。
それでは、仕切りなおしと行こう。。(^ ^ヾ


晴れてきました。 @12:48



流れ... 流れて、家を出てから約1時間後...
遂に目的地付近へ到達した。

気がつけば、空は真っ青になっている。

イエ〜ス!何だか調子出てきたぞ〜。
さて、どこから目指す山に取り付こうかな??


青空ゲッツ! @13:04



“こちら側” からの入口は、地図には掲載されていないし
現地にも、ハッキリした案内板が設置されていないため、結構戸惑った。

で、同じ道を何度も行き来して、ようやく見つけた切り口はこんなところ。。

ガードレールの向こう側は不法投棄がひどく
傍らには 「ごみを捨てたら罰則!」 的な看板が建てられている。

しかし、バラセンが張られた木杭には、しっかりと ピンクのテープが結ばれていた。
端に空いた隙間から中へ進入できそうだし、奥には林道が続いているに違いない。


出発点 @13:23



よっしゃ、方角さえあっていれば、きっと何とかなるだろう。
意を決して付近へ車を路駐し、支度を整えた。



〜 山登り 〜


やはりそうだ。
車道から 30m程侵入すると、何となく奥へ伸びる林道が見え始めた。
新たな赤テープも結んであるし、これは頼もしい。


鬱蒼とした林道 @13:26



ただ予想通り、暫くの間 人が入っていない模様。。
道はグチョ×2 で、シノダケが生い茂り道を塞いでいる。
この(↓)直後は、まさにヤブ漕ぎ状態となった。


タケ藪林道 @13:33



林道は鬱蒼としているが
頭上から、明るい太陽が顔を覗かせている。

頂上に辿り着けば さぞかし気持ちが良いことだろう。
そう思うと、とてもワク×2 してきた。


木漏れ陽 @13:36



道端のシノダケからは、ハイイロヤハズの幼虫 および羽脱孔が見つかった。
また、アケビが相当蔓延っており、春先の記憶が懐かしく蘇ってくる。。

ところが、林道へ入って 約20分が過ぎた頃...
突如唖然とさせられた。

前方に伸び続けてきた林道が遂に途絶えたのだ。。
頼りの赤テープも、見当たらない。

うそ〜ん... ここまでは順調だったのにぃ... (^ ^;;;

しかし、もう後戻りはできない。。

更に行くのなら、おそらくここを登るのだろう。。
と思える右手の斜面を、岩に掴まりながら、這い上がることにした。

・・・で、この選択は正解だった。

地滑りしやすい、急傾斜だったが
わずか数分の我慢で、すぐに新たな踏み痕を発見!

こんなところ。。(写真↓右手の茂みから上がってきた。)



踏跡発見 @13:50



今度は非常に明るく、道らしい道なので 安心感がある。

蛇行しながらの急な登り道を辿っていくと、すぐに分岐が出現した。
ここは、方角的に左へ行ってみよう。


分岐を左へ @13:55



おお〜、路傍に石造の小型社が祀られている。
こういう素朴な足跡は、味があって良い。


路傍の小型石社 @13:57



随分標高を上げたが、相変わらずアケビは沢山あった。


アケビの枯蔓 @14:01



だん×2 勾配が緩くなってきた。
どうやら、尾根伝いに歩いているらしい。

手元に地形図はなかったが
何となく、大分頂上に近づいている気がした。

が...(^ ^;;

やがて道の真ん中に現れた 石杭を見ると。。

うそ... (◎。◎; ここが三角点!?

まだ “こちら側” なのに???(^-^;;


三角点 @14:07



やられた〜っ!
またしても唖然。。

やはりストレートには目的を達成させてくれないらしい。

スタートしてから既に 40分も経過しているし...
とにかく赤テープと踏み跡が続く以上、先を目指すしかない。。

三角点を過ぎれば、とことん下るしかないが。。
(せっかく登ってきたのに... (^ ^;;)

その時、ふと光が差し込んだ北側に目をやると。。

なんと、遠方に別の山の頂が見えた。

なぬっ? あそこか!?

そうだ、あそこだよな!!

間違いない... (^〜^)v


本来目指すべき場所 @14:10



随分と遠回りしてしまった様だが
ここまでは順当に来ていたらしい。

本日初となる目的地の確認だけに、これで少しは安心した。
(ただ、あそこまで行かなければならないのか... (^ ^;;;)

まだ×2 先とは言え
ゴールを目指し、新たな気持ちで歩き始めた。

下るだけ下って、再び登りに転じた。

今度の登りは、かなり急だ。

さすがに、途中で息が切れ始め 時折脚が止まった。


急な登り @14:20



ただひたすら、登っていく。。
すると、ちょうどこの(↓)地点からクマザサが生え始めた。

標高が上がって、植生が若干変化した証だろう。

俄然やる気が湧いてきた。

とにかく、真ん中に続く 踏み跡を辿り続けるのみである。。


クマザサ発生 @14:24



そして登山開始から、1時間10分が経過した頃。。
初めて見晴らしが良い、陽の当たる場所に出た。

うぉ〜!!!

低山とは言え、なか×2 の眺望である。

登り口は、手前の山影に隠れてしまって見えないが
麓からここまで、自分の脚で登ってきたのだから
なんとも感慨深い。


突然の眺望(T山塊) @14:33



眩しい光景と、吹き上げてくる おいしい空気に
感動したところで、さぁ、もう一息だ。


頂上目前 @14:40



よ〜っし、来た!(>_<)

遂に “向こう側” であった 頂上へ辿り着いた。

厚着していたせいもあって、汗でビッショリ。。(^ ^ヾ
林道へ入ってから、約 80分間の登山だった。

樹々に遮られ、視界はあまり良くなかったが
遠方には、薄っすらと太平洋も見える。

また一つ、新しい山に登り
故郷の素顔を見下ろすことができ
本当に嬉しかった。


頂上からの景色 @14:48



おっ!備え付けの木箱の中に 雑記帳を発見。。
ページをめくると、本日は午前中に2組の方々が 別ルートから
やって来られたらしい。

パンフレットも入っていて
内容を拝見させていただくと、お隣では随分とここをPRしている様だ。


私も、コメントさせていただきました... (^ ^)v



で、お待ちかねの水分補給... (^ ^ヾ
色々試したけど、安価でさっぱりした味わいの
クリスタルガイザーがお気に入り♪


やっぱ水でしょ... (^ ^ヾ



あああぁ... うまいっ!
単純バカは、こんなささやかな事で
登って来た事への喜びを再認識してしまう。。(^ ^ヾ



〜 散策 〜


さて×2、せっかくなので周囲の樹々を観察してみよう。
噂通り、広大な天然林が頂上から尾根伝いに広がっている様だ。

コナラが多く、シデ、カエデ、ヤマザクラ、ダンゴウバイ、ホウノキ、キブシ。。
やや低いところでは、ヤマツツジ、サワフタギなど。。
ここへ来る途中には、アカマツ林なども見かけた。

また、わずかながらもブナが散見される。。
昔はもっと沢山生えていた様な 歴史ある雰囲気が
辺りには漂っていた。


 
ブナもありました!



下から見上げると
なか×2 立派なものです。



せっかくなので、北側の斜面を徘徊してみた。


カエデの奥にもブナの巨木が見えます。



近くまで行ってみよう。。


この辺りでは、一番高齢に見えます。



20メートル程下ると、眼下には 紅葉前の樹々が非常に美しく映った。


斜面下の美しい緑



奥に見える山肌には、鉄塔が。。


随分と登ってきたものです。



さぁ、そろ×2 タイム・アップだ。
暗くなる前に、山を下りなければ。。


短い時間でしたが
さようなら。。




〜 下山 〜


再び、本日最も眺望がよかった場所に立ち
県南の山々を見下ろした。

うむ... あの太陽が沈む前に 早めに下山しよう!

前回、付近の山に登った際は
真っ暗になる寸前まで、林道内をデレ×2 しており
冷や汗をかいたばかりなのだ。

なので今回は慎重に。。

低山ほど、道に迷うというからね。。(^-^;


陽が落ちる前に下山しましょう @15:33



夕陽が差し込む林道は、本当に綺麗だ。
さすがに下りは、周囲の景色に目を配る余裕があった。


気持ちが良い尾根線 @15:39



我が故郷が、美しく照らし出されている。


夕陽に照らされた山肌 @15:40



気温が ぐっと下がってきた。
もう少し日が経てば、さぞかし見事な紅葉が見られるのだろう。。


ひたすら下り... @15:45



登りの時点では気付かなかったが
中腹には、ホオノキが沢山生えていた。


ホウノキ @15:53



やはり、往路と比べたら脚の運びが相当軽い。
同じコースとは言え、随分と時間短縮している。

先程まで滞在していた山頂付近を
2時間前に立った場所から改めて眺めてみた。

今日は、あそこが新たな経験地となった。。


夕日に照らされている頂上 @16:01



やがて、最初に這い上がった斜面を
尻餅をつきながら滑り降り。。


ゴール寸前 @16:40



無事に、相棒のところへ辿り着いた。


Oh!My Car! @16:45



今回は、暗くなる前に余裕を持って下山する事ができた。。

えへへっ... (^ ^ヾ
実は “お楽しみ袋” をお土産にもらってきたので
結果が出てき次第、随時ここへ追記していきたいと思う。。


ちゃっかり材採してきたのですよ... (^ ^ヾ



相変わらず、完全な自己満足でしたが
お付き合いいただき、ありがとうございました。。m(_ _)m




〜 後記 〜


18:00 過ぎに実家へ帰宅。。
帰りは、結構道が混んでいた。

今回は、不法投棄がひどい ガードレールの横に 赤テープを見つけ
そこから 以前より気になっていた山の頂上を目指すことにした。

鬱蒼とした林道のヤブ漕ぎから始まり、尾根線にできた 踏み跡を辿りながら
約80分で頂上に到達することができた。

道中、どなたとも出逢う事がなかったが
樹々に巻かれた数多くのテープ、路傍に祀られた小型石社や
山頂に置かれた雑記帳などを拝見させていただくと
ほのかに 人のぬくもりを感じた。

病み上がりで、いささか くたびれはしたが
ビッショリと汗をかき、とてもよい運動ができたし
ブナを始めとする美しい天然林が残された隣県から、我が故郷を見下ろした
想い出に残る小旅となった。。


※材採の結果は、来シーズンに この場へ随時追記したいと思います。。




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