採集履歴

“2007年 クワガタ @小型種” 編 (1)



07.11.12
(Mon) Mt 「コルリを求めて」 
                                                                                                  

前回も綴った通り、今後は茨城県の枠を越えたムシ採りも視野に入れていくつもりだ。
(ただし、当面は「我が故郷に通ずる自然環境であるならば」 という条件付きとしたい...。)

で、その題材として まず浮かんできたのは
福島県の太平洋側、茨城県では非常に影が薄いと言われる コルリクワガタ(原名亜種)である。

未採集故に、そろ×2 どうにか得ておきたい... という気持ちもあるが
カミキリ調査の名残りとでも言おうか...
その分布域を追ってみたいと思い始めたのである。

まず今回は、わずかながらも記録例がある県内某所で様子を見てみたい。
運良く手応えを掴めたならば、徐々に視点を拡げていこう。

じっくりと、 マイ・ペースで行きたいテーマだ。


〜 のんびり発進 〜


晴天の下、10:05に家を出た。


行ってきます。。



目的地までは、長時間のドライブとなるため
1ヶ月前から このプランについて話をしていた
Exit 氏にメールで連絡を入れたり...
車窓から見える秋の景色を楽しみながら のんびりと歩を進めた。。



素晴らしい青空の下... 今日は
筑波山が くっきり見えます。



お腹が空いたら、車を停めて ランチタイム♪
わははっ!今日はお弁当を持参したのだ。。(^ ^ヾ


ランチタイム @12:15




〜 秋の彩 〜


・・・と言う事で、12:35 にブナのある某所へ到着した。


樹齢を重ねたブナは、やはりいいです。



コルリを探すなら、山の谷間にできた沢沿いが良い。

せっかく標高を上げたのに、少々もったいない気もするが
想い描いてきたシチュエーションを求め、どん×2 斜面を下った。。

時折陽が射し込むと、色づき始めた樹々の葉が 非常に輝かしく映った。


秋の彩 @13:03



振り返って、もう一枚。。


同じく... その2



まさに天然林ならではの魅力である。
あと数週間経てば、より一層美しさが増すのだろう。。



〜 できすぎ 〜


この辺りから、(・)マークが付いた落ち枝を探し始めた。
目安としては、腕周りぐらいの細材が良い。。


散策開始です。



特に、湿度を保ち ある程度腐朽が進んだ堅めの材が好まれる。
土中に埋もれているような、真っ黒な材にも充分可能性があるらしい。。


おっ! 早くも理想的な材が見つかった。


太さは 7cmぐらい。。
(・)マークが付いてます。



リュックから鉈を取り出して、表面をちょっと削ってみると あっさりと食痕が出てきた。
う〜ん... これは何かしら入っているに違いない。


で!


本日の1頭目 @13:22



キラリ緑色に光る、美しいクワガタムシが登場した。

わ〜ぉ... w(◎o◎)w いきなりの ♂ゲットである。
散策開始から わずかに15分... これは幸先が良い。

ただし、重要なのはここからだ。
はたして これがお目当てのムシなのだろうか??

早速 軍手を外し、手のひらの上で じっくりと眺めてみた。

むむむ... マジか!?

明らかに、前胸背板の後角に突起がある。
これって、コルリだよね??


コルリクワガタ (原名亜種)
Platycerus acuticollis acuticollis

Y.K
UROSAWA, 1969



初見は自信がなかったが、その後 いつものルリを採集しながら姿形を比較していくうちに
だん×2 と確信の域に達した。 やっぱりそうだ... 間違いない。。

はぁ... 私は なんて運が良いのだろう。。(T^T) (ToT) (T^T)

“いつもの” よりも先に、初めて目の当たりにする “本命” が出てしまったのだ。

あまりにも できすぎた展開に、すぐには実感が湧いてこなかった。。

念のため、帰宅後に るどるふ先輩や yasu にも写真を見てもらったところ
まさしくコルリであるとの事だった。 ありがとうございます...m(_ _)m

イエ〜ス、 イエッス×2!!

いい歳をした大人が、こんな小っちゃなムシで大喜びできるのだから 何とも幸せな話だ。。(^ ^ヾ


枯れ沢 @15:08



以後、同じ様なコルリ材を求め 3時間ほど枯れ沢の周辺をうろついてみた...。
しかし、見つけた材から出てきたのは 前述の通り、案の定 “いつもの” ルリばかり... (^ ^;;
コルリ命中率は、100%から 50%、33.3%、25%・・・と、次第に “ 0 ”に近付いていった... (^ ^ヾ


じんわりと、水が流れ始めました。。



とことん標高を落とした結果、急斜面に うっかり足を滑らせて 手首から流血...
なんていうアクシデントも発生... (^ ^;;

それにしたって今回は、天然林からの この上ないお恵みに大感謝である。。m(_ _)m

さぁ、もう陽が暮れる... 早めに引き返そう。。
この時期は、本当に採集できる時間が短いなぁ。。


気がつけば、シーズン中に最も拘りを持って挑んでいた山の稜線が
真っ赤な空に包まれていた。


黄昏時 @16:36




〜 後記 〜


... 平日の夕刻... 大混雑の復路を
3時間以上かけて帰宅した。。

今回は、本当に運が良く 茨城産コルリを得ることができた。
まぐれにも程があるが、ただ×2 嬉しいの一言につきる。

ルリ、ツヤハダ、オニ... 一口にクワガタムシとは言っても
小型種というのは、その独特かつ精巧なフォルムに
大型種とはまた違った味がある。
ここへ来て、改めてその魅力に取り付かれてしまったかも... (^ ^ヾ

冒頭に謳った通り、今後も折を見て
本種の分布状況を追って行きたい。

そう簡単にいくものとは思えないが
せっかくなので、少々長いスパンで臨んでみよう。


※記録は、後日 水戸昆を通じて県へ報告していただく予定です。m(_ _)m
コルリクワガタ (原名亜種)
Platycerus acuticollis acuticollis

Y.K
UROSAWA, 1969



〜 主な確認種


●クワガタムシ科
 コルリクワガタ 1
 ルリクワガタ 多数





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