採集履歴

“2007年 冬の山登り” 編 (1)



07.12.02
Sun) Mt 「私なりのスタンスで...」 
                                                                                                  

前回の “気ままな さすらい” 以降
某エリアにおける 3つのポイントが気になっている。

一つは、クワガタ@小型種の可能性を模索してみたい「とある沢筋」。
それから、植生を楽しみながらも ピークハントしておきたい「未登の山」。
最後に、既知の天然林に隣接しながら走る「謎の裏道」。。

これら全てを回るのには、一日ではとても時間が足りないが
訳あって、今日を逃せば 暫くの間 フィールドには立てなくなるので
寸暇を惜しみ、出かけてこよう。

またもムシが出てきませんけど... どうかよろしゅう。。m(_ _)m


〜 北へ 〜


少々雲が多い青空の下、9:30に家を出た。

今朝は、昨晩遅くに千葉から帰ってきたばかりなので、やや寝不足気味である。。
しかし、ノルマのトレーニングは きっちりと 1時間、元気良くこなしてきた。
この勢いに乗って、存分に一日を楽しみたい。

目指すエリアまでは、随分と距離があるので
効率よく歩を進めて行こう。


軽快な滑り出しです。



すいている道を選んで、ぐい×2 北へ突き進んでいく。。


何となく、山が見えてきました。



なぬっ!? いつの間にか、ここまで値上がりしていたのね... (^ ^;;


ぐっと上がりましたね... (^ ^;;



う〜〜む...
日々ハンドルを握って仕事をされてる方々にとっては、切実な問題だろうなぁ。。
これから、もっと上がっていくのだろうか??

こんなことを考えながら、あっという間に 約2時間が過ぎていった。。



〜 ちょっとだけ沢筋 〜


そんな訳で、ようやく目指してきた山並みのスカイラインが見えてきた。


改めてスタート地点に立ちます。
@11:28



ここから、新たな気持ちでの再出発である。
さて、冒頭にも記した選択肢 3つのうち どれを選ぼう??


トラック×2 。。



トロ×2 と走る ダンプ、Kトラの後ろに続きながら ゆっくりと悩んだ結果
今回も、手堅く山を登ることにした。
(少々くたびれても、理屈抜きで楽しいからねっ... (^ ^ヾ)

ただし、登山口へ向かうまでの道中に
「気になっている沢筋」を横切ることになるので
1時間だけは下見をしていこう。。

と言う事で、サクッと こんな渓谷(↓)へ降り立つことにした。


「気になる沢筋」 の一部です。。
川に沿って 200m程 散策しました。



今回は、ルリやツヤハダなどの可能性を見出すために
乾燥した白枯材や、湿度を保った赤枯材を見て回ったが
手がかりは全くつかめなかった。

周囲には、ミズナラ、カエデなどの天然林が広がっており
環境的には 申し分ないと思うのだけれど...

短時間の散策だったので、現段階では まだ何とも言えない。
近いうちに、是非また来てみよう。。




〜 未登の山 〜


続いて、国有林や土場、谷津田の周辺を右往左往しながら
お楽しみの山を目指した。


森林は、みんなの財産です。。



ナビがないため、途中停車しながら 地図との睨めっこを繰り返す。。

縮尺の関係上、辺鄙な道は一切掲載されていないので
頼りになるのは、地名と方角ぐらいだった。


こんな里山が続きます。。



暫く流していると、運良く道端に 小さな木製の標識を見つけることができた。
文字が雨でにじんでいるが、黒墨で...

「●●山 登山道入口」

と書かれている。

よっしゃ... ここで間違いない。

地域の方々の手によるものだろう。。
その傍には、乗用車 3台程を駐車できるスペースが
綺麗に刈り込まれていた。

ありがたく、そこへマイ・カーを置き
早速長靴に履き替え、リュックをしょって歩き始めた。... 12:55。


登山道を 15分程登っていくと
路傍に、馬頭観音様の碑が現れた。。

私は今日、ここで みちくさ をさせていただきます。
どうぞ、よろしく。。m(_ _)m



道中の安全、家畜の安全を祈念する
みちしるべの馬頭観音様 @13:12



眼下に、ポツリ×2 と点在する民家を見下ろしながら
コナラ・クリ・サクラ を中心とした雑木林を抜けていった。


落葉した雑木林の中を行きます... @13:20



およ??(◎。◎;;

久しぶりに樹液の匂いが鼻についたと思ったら
なんと、まだスズメバチが活動していた。

ビックリである。

いくら今年の冬が暖かいとは言え、もう12月だというのに。。

しかも、この写真(↓)を撮影した後には
更にもう一頭の巨大な♀が元気良く飛来した。。(^ ^;;

コンクリートに包まれた、暖かい都心部ならともかく...
ここは北の山の中... う〜ん、どこかおかしいなぁ。。


なんと、まだ活動してました... (^ ^;;



歩き始めて30分... 早くも息が切れてきた。
調子に乗って、少々飛ばし過ぎた為だろうか??... (^ ^ヾ


延々と登り続きです。 @13:29



道中、腐朽が進んだ サクラの赤枯れ材を 幾つか発見。。
そのうちの一つを ボロッと崩してみると
マダラクワガタの幼虫が沢山入っていた。

うん... この標高なら まぁ いるだろうね。。

ただ、周囲の環境から考えて ツヤハダの可能性はやや下がるだろう。。


マダラクワガタの幼虫はいました。。



今回の登山道は、踏み跡がしっかりしているので、安心して歩ける。
目印の赤テープも、要所には必ず結んであるし、迷うことはない。

ただ、山の中腹あたりから 道の勾配が急になり
体力的には 結構キツかった。


歩き始めて50分... 薄暗い林道が突然明るくなったと思ったら
東側の斜面地が、大胆に伐採されているようだった。

眺望を期待して そちらへ歩み寄ると
向かい側の山肌に、西陽が当たって なか×2 美しかった。

茶色の部分が広葉樹... 緑の部分が植林地。。
分かりやすいなぁ... (^-^;;


伐採斜面からの景色 @13:48



辺りには、伐採されたコナラ材が沢山積み上げられている。
こりゃ〜、カミキリムシが沢山集まるだろうな。。


シイタケ栽培の、ホダ木になるのでしょう。



その後、整然とした植林地を抜け...


植林の中を行きます。 @13:55



やがて、三角点が見えてきた。


頂上が見えてきました! @14:13



イエ〜ス! 遂にゴール!!
麓から、約 1時間15分 かけての山登りだった。

殆ど休みなしだったので
シャツは汗でビッショリである。

陽の当たる、小広い空間には
山頂を示す標識の他に、錆び切った鉄製の展望台があった。


急いだせいか??
割とくたびれました... (^ ^;; @14:14



展望台に括り付けられたロープには
“危険、登るな!” と記された看板がかかっている...
が、高い所が大好きな私故... やはり、登らずにはいられなかった。(^ ^ヾ

しかし、雑木林に囲まれているため、結局は大して視界が広がらない。
樹々の隙間から 何となく周囲の山々を見下ろすのが精一杯だった... (^-^;

夏に比べれば、落葉している分 まだマシな状況と言えるだろう。


セルフタイマーを使って
たまには、記念撮影をば... (^ ^ヾ



では、せっかくなので山頂付近の林を散策してみよう。

北側の斜面に降りると、コナラ、ミズナラ、サクラ、シデなどに混じって
若いブナも散見された。。
また、極太のカツラの立枯れや、ケヤキの老木も印象に残った。


ケヤキの巨木が見えます。。



尾根に乗って、少しだけ東側に回ると... ワ〜ォ!
こんなに立派なブナも生えているではないか。。


ブナもありました!



歩み寄って見上げれば、更に見事である。。
樹齢は、私の10〜15倍ぐらいであろうか??


なか×2 貫禄があります。



勿論、抜かりなく足元もチェック。。

ふ〜む... なるほどねぇ。。
カミキリムシの羽脱孔も何ヶ所か確認できた。


やっぱりここにも いるんですね。。



おおっと!山頂から少しだけ標高を落とした所に
とても見晴らしの良い場所があった。

ラッキ〜!展望台での経験を振り返れば、何だか得した気分である♪

(ただ、厚い雲の陰がかかって、写真の方はちょっと残念... (^ ^;)


遠くに太平洋(?)が見えます。。
光量が足りず、ノイズが入っちゃいましたね。。



で、その場から直下の斜面を見下ろすと
白っぽい樹々の枝が、大胆に視界へ飛び込んできた。
これは凄い!


こんなのを見たら、つい
胸が躍ってしまいます。



ワク×2 しながら、更に標高を落としていくと
予想通り、何本もの素晴らしいブナが私を迎えてくれた。


樹齢を重ねたブナが...


様々な表情を見せてくれました。。


茨城周辺では、この様にブナが残されているエリアが数少ない。

う〜ん、今日はここへ来られて本当に良かった。
ムシ採りこそできなかったが、得るものは沢山あったと思う。

さて!思い残す事は何もないし... そろ×2 下山しよう。。



下りは随分時間短縮ができました。
もうすぐ麓へ辿り着きます。。



・・・にしても、材採ぐらいはしておけば良かったかな??> 私 (^ ^ヾ


Oh!my car!!@15:36



その後、残されたわずかな時間を使って
少しでも “謎の裏道” を覗いてみようと思ったが
不慣れなエリア内の移動を余儀なくされ
現場へ辿り着く前に あえなくタイムアップとなった。。

まぁ仕方がない。 更なる お楽しみは次回へ取っておくことにしよう。

明日予定されている仕事の打ち合わせに向けて
今晩は色々とやっておくことがある。
急いで引き上げなければ。。


黄昏時 @16:21




〜 後記 〜


気になるポイントの全てを回る事はできなかったが
今回も 新たな山に登り、ひっそりと残されていた
長寿のブナを何本も目の当たりにして、心が動かされた。

最近、趣旨が変わってきてるなぁ... (^ ^ヾ

いや×2、こういったプロセスを、昨年までは あまり紹介してこなかっただけの話で
以前から変わらず これが私なりの採集スタンス... つまり “私のみちくさ” なのである。

将来、ムシを採るために 今回の山へやってくる可能性は低いと思う。
しかし、いつしか魅力的なムシと出逢ったとき...
ふと気付いたら、こういった経験の積み重ねが何かしらの形で活かされているものなのである。

繰り返し謳っている通り
私は、ムシ採りとは、個々人なりの自然探求なんだな... と感じている。


〜 主な確認種 〜

●クワガタムシ科
 マダラクワガタ 幼虫





※採集記目次へ