採集履歴

“2008年 冬の甲虫調査” 編



08.01.05
Sat) Mt 「地形図を読みながら」 
                                                                                                  

 明けまして、おめでとうございます。

 今年は、昨年以上に マイペースでムシ採りをし
 引き続き、故郷である茨城県の自然と親しんでいこうと思います。


 どうぞ、よろしくお願いいたします。。m(_ _)m
S. Kumon

さて、一発目にあたる今回は “地図作成” を主な目的にして
昨年、幾度もお世話になった とある山へ出かけたい。

等高線と、主要な河川や路線、建造物が記された白地図(↓)上に
確認済みの沢筋や、踏み跡、植生などを書き込んで
これまでの活動記録を、分かり易く整理しておくのがねらいである。

白地図例 (国土地理院発行)
注) 今回のポイントとは関係ありません... m(_ _)m

撮りためた写真や 記憶を頼りにして、事前に概ねの書き込み作業を終えてはいるが
いまいち不安な箇所もあり、現地での照合が必要だ。

勿論、そこで未採集の甲虫が得られれば ありがたく確保してこよう。
では、白地図とペンを持参して、行ってきます。。


〜 味わいある山登り 〜


10:55と、かなり遅めに家を出た。。

既に昼前なので、道は随分と混雑しており
目的地へ着くまでに、少なくとも 2時間以上はかかりそうである。

日没のタイミングを見計らうと
調査活動に専念できる余裕は、2〜3時間が限度だろうか... (^-^;

まぁ、焦っても仕方がないし 徐々に歩を進めていこう。

とりあえず今回は、久しぶりに運転を yasu に任せたので
かなりラクちんである。。(^ ^ヾ


本線をそれて、植林地の中を進みます。
@13:19



出発してから、2時間20分が経過。。

本線をそれて、段差がある荒れた林道を 暫く突き進むと
明るく陽が射す小広い土場が見つかったので そこに車をとめることにした。

速やかに、長靴を履き 必要な荷物をしょって “歩き” へスイッチする。

植林地の中にある、幅 3m程の渓流を跨いでからが、本格的な登山の開始である。

今回のルートは、勾配がやや急であっても はっきりとした踏み跡が残っているので気が楽だ。
(ただし作業道ゆえに、持参した白地図上には表記されていない。。)


昨夏に比べると、下草が枯れており
随分歩きやすくなりました。。



白地図と赤ペン、コンパスを携えながら、必要に応じてメモを取っていく。。

眼前に広がる複雑な地形と、紙面上に細かく密集する等高線とが
驚くほど一致しているので とても楽しい。(当たり前の話だが... (^ ^ヾ)

さすが、国土地理院発行の正確な地形図である。。

おかげで、予め自分で見当してきた沢筋や踏み跡の位置も
それほど狂いなく描けていた。

それにしても... 随分昔、この様な山奥で
地道に測量をやっていた方々がいたのだと思うと、何だか感慨深い。。

いつもとは全く違った、味わいのある山登りだ。


スギ・ヒノキの植林と、広葉樹林との正確な境界線を、新たに書き加えつつ
歩き始めてから、約 30分が経過した。。

衣服に無数のドロボウ草を付けながら、ふと山の尾根筋を見上げれば
山頂付近にまで至る、美しい天然林が姿を現し始めていた。


西の青空を背景に、ブナやモミの樹冠部が
見えてきました... @13:52




〜 ムシ採り 〜


徐々に歩くテンポを緩めながら
天然林の片隅に辿り着いたところで、脚を止めた。

まだ山の中腹に達したばかりだが
ピークハントが今回の目的ではない。

時間の制限もある。。(^-^;

ただ、せっかく来たのだから この辺で
冬季でも採集できる甲虫類を探しておこう。

地形を読むことも楽しいが、やはり “ムシ採り” を外す訳にはいかない。

おお〜っ、樹齢を重ねた貫禄あるブナのお出ましである。
何度見てもいいもんだねぇ。。



特に、ここのブナは好きです。。 @14:01



昨年、このエリアにおいては カミキリムシ以外にも
オサムシ、ゴミムシ、ゾウムシ、シデムシ、オオキノコムシなど
多くの甲虫類を確認している。

できれば今回も 一種類でも多くの記録を追加して帰りたい。


冬季とは言え、沢筋なので
何かしら採れそうです。



残り約 2時間、yasu と二手に別れ それぞれにムシ採りを楽しんだ。


..
イヌブナの樹根部に開いた
●●ヤ●イの羽脱孔に期待を膨らませる人...
オオルリクワガタの産卵マークに
心躍らせている人...



倒木や岩石の裏側、土中にも目を向けた結果...

いつものクロナガオサムシや。。


クロナガオサムシ
Leptocarabus procerulus
CHAUDOIR, 1862



ラッキーな事に、当エリアでは未採集だった、チビモリヒラタゴミムシ、ウスグロモリヒラタゴミムシなどを
確認することができた。 いずれも、越冬個体である。


..
チビモリヒラタゴミムシ
Colpodes aurelius aurelius BATES, 1883
ウスグロモリヒラタゴミムシ
Colpodes aequatus JEDLICKA, 1936

※今回の同定には、るどるふ先輩からのご協力がありました。。m(_ _)m

ゴミムシ類は同定が難しく、かつては積極的な掲載を避けてきましたが
今後、学名等の記載に関し、明白な誤りにお気づきの方がおりましたら
お手数をおかけいたしますが、ご連絡をいただけると大変助かります。
ご協力のほど、何卒、よろしくお願いいたします... m(_ _)m


その間にも、コンパスを取り出して 枝分かれした谷筋(沢筋)や尾根筋の方向を最終チェック...
また、白地図上への補足記入作業も並行して進め
短時間ながら、有意義なひとときを過ごすことができた。

いや〜、これで良い資料が作れそうである。

おおっと、早くも 16:20だ。

森の自然を見つめていると、あっという間に 「とき」 が過ぎ去ってしまう。。

暗くなる前に、急いで下山しなければ。。



〜 おまけ 〜


年末年始は、暫く余裕がなかったので
この辺で、正月らしく休息モードに入っておこう。。

のんびりと、みちくさをしながら帰路についた。

こんなお店は、超楽すぃ〜☆


お宝鑑定的なお店の雰囲気が、かなり好きです。
最近、いろんな所にありますよね☆



で... こんなお店は 超美味すぃ〜♪ @ス●ミ●太郎 水戸店


殆ど野菜を食べない人...



そして... 甘いものには目がない人。。(^ ^ヾ




〜 後記 〜


寄り道を繰り返しながら、21:40に帰宅...
こうして、難なく年明け一発目のフィールド調査が幕を閉じた。

ムシ採りがメインではなかったので
読んでくださった方にとっては、非常につまらない内容だったかもしれない。。

ただ、地形図を読みながらの山歩きが
想像していたよりも ずっと楽しかったので、つい掲載してしまった。。(^ ^ヾ

作成した私的な地図など、公表に値するものではないが
いずれ、然るべき場面で活かせればと思う。。

とりあえず、2008年は これまで以上に マイ・ペースでやっていきます。。
こういったプロセスを無駄にはせず、ムシはしっかりと採っていきますので
もう暫くの間、お付き合いください... m(_ _)m


〜 主な確認種 〜

●オサムシ科
 クロナガオサムシ 1ex
 チビモリヒラタゴミムシ 1ex
 ウスグロモリヒラタゴミムシ 2exs





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