採集履歴

“2008年 R地区調査” 編 (17)



08.01.13
Sun) Plain 「作業の合間にプチ採集... その2。」 
                                                                                                  

一昨日の “プチ採集 @ゴミムシ類” が
短時間にしては予想以上に楽しかったので
今日は、その続きといこう。

昨日は雨の為、一日中 PCに向かい
ややっこしい報文を打ち続けていたので
この出撃は、ある程度 気分転換の意味も兼ねている。

訳あって、制限時間は120分程と 余裕はないが
そんな条件下で、いったいどんなムシと出逢えるのか??非常に楽しみだ。
とにかく、R地区の甲虫なら 何が出て来てもウェルカムである。



〜 記憶を辿って 〜


今回は、yasu を道連れにして助手席でのスタートだ。

まずは適当に、湖岸部の堤防から流していく。。

考えてみれば、こういった場所でムシ採りをした経験はない。。

定かではないが、その昔、夏になると 船着場の街灯下には
色んなムシが集まっていた覚えがある。
干上がった魚の死骸などが、沢山転がっていたからかなぁ...??


良い天気です!
今日も 2時間ばかり、お散歩してきます。



暫く行くと、昨年の春に 一度訪れた
小さな湿地帯の傍へ辿り着いた。

クワガタが集まりそうなヤナギも、何本か生えている。

林の片隅に、フカ×2 のクヌギ材が転がっていたので
ある記憶を思い出し、サクッと樹皮を剥いでみた。。


これはいるでしょう。。



すると、予想通り!

アオゴミムシが数頭、身を寄せ合って越冬していた。


相変わらず、臭いなぁ。。(^ ^;;



何年も前、とある河川敷でクワガタの幼虫を探していた頃は
材中の隙間で集団越冬している この子らと遭遇する度に
鼻につく、キツ〜〜イ臭いを浴びせられ 相当面食らっていたものだ。。(^ ^;;

付近の状況といい、まさに あの時の再現であったが
ときが経てば、一ムシに対する評価・考え方は 随分と変わってくる。

かつては外道扱いだった、このゴミムシ。。
大切に持ち帰り、改めて眺めてみれば
普通種なれど なか×2 美しい光沢を放っているではないか☆


アオゴミムシ
Chlaenius pallipes GEBLER, 1823




続いて、とある畑の横にある土手へ。。

陽が射し込む割に、程よく湿度が保たれており コケ類も蔓延っている。

昨春、ここでは小さなゴミムシを何種類か目撃した記憶があるのだが...


草刈がまを使って、表面に穴が開いた部分を
サク×2 と削っていく人。。



おお、やはりいたか♪

このように、土中で越冬している個体もいる。


あっさりと見つかりました☆



現場で見た瞬間に、「〜モリヒラタゴミムシ」系 だということは分かった。

で、帰宅後に図鑑検索をした結果 「ハラアカモリヒラタゴミムシ」と同定できた。

見た目が良く似ており、体長の幅 (8.5-10.5mm)も等しい
「キンモリヒラタゴミムシ」との判別には悩んだが
前胸背板の後角が直角に角ばらず、丸くなっていることが判断の決め手となった。


ハラアカモリヒラタゴミムシ
Colpodes japonicus MOTSCHULSKY, 1860



お!少し目を離すと、yasu が持つマヨ瓶の中に
いつの間にか新たなゴミムシが追加されている。。


色々と採ってますねぇ〜。



で、以下がその標本写真だ。
左は、ノグチナガゴミムシ(体長 13mm 弱)。
右は、ヒメツヤゴモクムシ(体長 8mm 弱)。
平野部の湿地周辺で、極めて普通に見られるそうだが
どちらも、R地区ならではの大切な一頭である。


ノグチナガゴミムシ
Pterostichus noguchii
BATES, 1873
ヒメツヤゴモクムシ
Trichotichnus congruus
MOTSCHULSKY




順調にゴミムシ類を回収できたので
一息ついて、周辺の林の中を散策してみた。。

すると yasuが、こんな面白いものを見つけた。(^ ^;;


コケが生えた土手の表面に
ドルクスの産卵マークが!



下の部分をちょっとだけ削ってしまったそうだが
そのサイズといい、どこからどう見てもコクワちゃんの産卵跡である。。

卵はちゃんと孵化したのだろうか??

スギ材の中に幼虫が宿っているケースは何度か見た事があるが
土中というのは ちょっと... (^ ^;;
ミヤップやノコノコじゃあるまいしね。。

でもまぁ、彼らの生命力なら何とかなってしまうものなのかな??



その後、シイタケ栽培に用いられたホダ木の廃材置き場へ。。

5〜6年ぶりの懐かしい訪問となるので
非常に楽しみだったのだが...
幾らでも転がり出てくる、彼ら(↓)の勢力に圧倒されて、あっけなく終了した。。(^ ^;;


何が出て来てもウェルカム!
の筈でしたが... (^ ^;;




最後は、ネクイハムシが潜んでいるという とある湿地帯の周辺へ。。

高さ 2m程の、小高い崖が見えたので
再びゴミムシ類を探してみることにした。

だが... (^ ^;;


粘土層の硬さといい、ムシのシェルターとしては
条件が良いと思われたのですが...



東側に面しているせいか、陽当たりが悪く、ムシ(虫)っ気があまり感じられない。。
かろうじて穴の中に潜んでいたのは、せいぜいゲジやムカデぐらいだった。。(^ ^;;

今後は、 陽当たり・湿気・土の硬さ... この 3つのバランスが
崖選びの重要なポイントになりそうだ。。


さて、そろ×2 時間かな??
120分など ホントにあっという間である。。
ちょっと物足りない気もするが、仕方ない...帰ろう。。(^ ^;;


ん!? ちょっとタンマ。。

現場を離れようとしたところ、路傍に落ちていた古いシノダケ材にピンと来たので
おもむろに拾い上げ、割ってみた。

すると...


ハイイロヤハズカミキリ
Niphona furcata BATES, 1873



おお〜、予想的中♪

何度見ても、素朴で格好良いカミキリムシである。。
昨年は、このR地区における分布状況を知りたくて、散々探し回っていたっけ。。(^ ^ヾ

あの頃の熱い想い... 過去の記憶として眠らせてはいけないよなぁ。。
(このまま終わらせる気など サラ×2 ないけどね。。(^ ^ヾ)




〜 後記 〜


今回は、懐かしいフィールドを一回りしながら
手堅く 4種類のゴミムシを採集できた。

全て普通種だが、R地区の子供らなら みんな可愛らしく見える... (^ ^ヾ
余裕があれば、明日も少しだけ出かけてみよう。
(陽当たり・湿気・土の硬さのバランスを忘れずにね!)

はぁ... ムシ採りって、本当に楽しいなぁ。。 ヤバイよ... (^ ^ヾ
たったの 2時間とは言え
雨上がりの陽射しの下で、良い気分転換ができたと思う。

ゴミムシ類は同定が難しく、かつては積極的な掲載を避けてきましたが
今後、種名・学名等の記載に関し、明白な誤りにお気づきの方がおりましたら
お手数をおかけいたしますが、ご連絡をいただけると大変助かります。
ご協力のほど、何卒、よろしくお願いいたします... m(_ _)m


〜 主な確認種 (持ち帰り頭数)

●オサムシ科
 アオゴミムシ 1ex
 ハラアカモリヒラタゴミムシ 2exs
 ノグチナガゴミムシ 1ex
 ヒメツヤゴモクムシ 1ex





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