採集履歴

“2008年 R地区調査” 編 (19)



08.01.27
Sun) Plain 「ハマりました(崖崩しに)... (^ ^ヾ」 
                                                                                                  

今週も R地区のゴミムシ類を求めて
身近なフィールドをうろついてみよう。

新たな発見、出逢いはあるだろうか??

yasu の助手席に座って、のんびり行ってきます。


〜 Point.1 〜


雨上がりの、素晴らしい天気だ。

ドライブ感覚で町内をざっと一回りしているうちに
何年か前、クリストフを採集したエリアへ近づいた。


お久しぶり!のんびりと くつろげる
よいお天気ですね。。



谷津田の周辺から 高台上へ至る 登り坂の横には
南側に面して土手が連なっている。

暖かい上に、草樹の保水力もあり
ムシが潜むには、とても環境が良さそうだ。

おそらく、何かしらは採れるだろう。。


一帯は、縄文時代中〜後期の遺跡です。。



早速、そんな土手に張り付いて 樹根部の周りを崩してみた... 11:50。


こんな所を崩してみると...



おお〜、読み通りだ。
あっさりと、エサキオサムシが出てきた。

既に採集済みの種類だが、R地区からの個体なので
改めて ターゲットに加えさせていただこう... (^ ^ヾ


あっさり出てきました。



その後、キボシアオゴミムシなどに紛れて
マルガタ系も出てきた。

・・・が、名前の先頭に 「ニセ」 がつくらしい。

青〜緑系の銅金色をしており、体長が 9mmに達しているので
類似する他種(後半登場します...)との区別がついた。

その他、ハムシも一頭ゲット。。

このシーズンは、来るものを拒まずに採集していくつもりだ。

まずは、ここでの成果の一部を。。


エサキオサムシ
Carabus albrechti esakianus
NAKANE, 1961
ニセマルガタゴミムシ
Amara congrua
MORAWITZ, 1862
イタドリハムシ
Gallerucida bifasciata
MOTSCHULSKY, 1860



うむ、なか×2 順調な滑り出しである。。(^ ^)v


でっかいヤマカガシも日向ぼっこです。
カメラを近づけると、攻撃してきました... (^ ^;;




〜 Point.2 〜


続いて、水田の際にある土手の前へやって来た... 12:30。
2度目の訪問となるが、うまく新たな種類に出逢えるだろうか??

早速、地表に穴が開いた部分を削ると...


それなりに、ムシが出てきます。



まずは オオヒラタゴミムシが出てきた。
まだ手持ちの標本が少ないので ありがたく持ち帰ろう。


オオヒラタゴミムシが出ました。



続いて、前回大量に発掘した オオキベリアオゴミムシも ご登場。。


水田の横だけに、この手は多いです。。



で、運良く 初の出逢いとなったのはこちら。。

ホシボシゴミムシといって、やはりごく普通に見られる種類らしい。

写真では分からないが、頭のてっぺんに うっすらと赤斑があり
それが、同定の手がかりとなった。

しかし、体長・姿形ともに酷似した オオホシボシゴミムシという種類との判別には
正直自信がない。。(^ ^;

(間違っていたら、どなたかご一報ください。。m(_ _)m)


ホシボシゴミムシ
Anisodactylus punctatipennis
MORAWITZ, 1862




〜 Point.3 〜


最後は、こんな所へ... 12:55。

視界に入った瞬間に、やや粘土質なこの地層には ピンと来た。

南西側に面し、裏手には水田が広がっている。
温度・湿度共にバッチリだ。
(そして、何よりも削りやすそう...(^ ^ヾ )


ここは良さそうです!



予想通り、あっさりと越冬中のゴミムシ群が出てきた。
こういったシェルターの数も、ハンパじゃない。。



難無く確認できました!



わずか数分で、あまりにも沢山のゴミムシが出てきたので
各種類、数頭ずつを持ち帰った。

以下がその標本写真である。。


オオアトボシアオゴミムシ
Chlaenius micans
FABRICIUS, 1792
キボシアオゴミムシ
Chlaenius posticalis
MOTSCHULSKY, 1853
アオゴミムシ
Chlaenius pallipes
GEBLER, 1823



今回は、コキベリアオゴミムシもゲット。
オオキベリが軽く20mmを越えるのに対し、本種は13mm程度であるので
簡単に判別できた。
ゴミムシ類の同定には、体長の幅が大きな手がかりとなる。


オオキベリアオゴミムシ
Epomis nigricans
WIEDEMANN, 1821
コキベリアオゴミムシ
Chlaenius circumdatus
BRULLE, 1835



更に フタホシスジバネゴミムシ(写真左)...
はじめはオオヒラタかな?と勘違いした クロモリヒラタゴミムシ(中)...
それから マルガタゴミムシの一種(右)を初ゲットした。

マルガタゴミ系の同定は、本当に難しい。。(^ ^;;
図鑑に掲載されている どの種類も、姿形、銅金色、体長幅 共に酷似している。

ということで、これについては正確な種名判定ができなかった。。

“ゴミムシ類の見極めには、微細な差異を、顕微鏡などで観察する必要がある。。”

というアドバイスを先輩から受けたことがあるが、まさしくその通りだ。。(^ ^;;


フタホシスジバネゴミムシ
Planetes puncticeps
ANDREWES, 1919
クロモリヒラタゴミムシ
Colpodes atricomes
BATES, 1873
マルガタゴミムシの一種



その後も、続々と登場。。


先程登場した エサキオサムシです。



わぉ... まさか、あなた方は。。(^ ^;;


白煙連発です.... (^ ^;;



こちらには、オナラが得意な クビボソゴミムシ科の オオホソクビゴミムシが
ワンサカ詰まっていた。。(^ ^;;

あれれっ!? そんな中にも、どうやら初モノが見えるぞ。。


新顔は、あの “屁ッピリ虫” でした。
オナラのし過ぎで、お尻が濡れてます。



なんと、別名があまりにも有名な、ミイデラゴミムシであった。

両者とも、膨らんだ腹部が大変柔らかく、中空なイメージである。
この中で、大量のガスを生産しているのだろう... (^ ^;;


ミイデラゴミムシ
Pheropsophus jessoensis
MORAWITZ, 1862
オオホソクビゴミムシ
Brachinus scotomedes
REDTENBACHER, 1868



ゴミムシ類だけではない。

時折、他の生物も顔をのぞかせる。。


爬虫類とか...


トカゲくん、ゴメンナサイね... ^人^ ;



両生類なども...


シュレーゲルさんも、ゴメンナサイ... m(_ _)m



気分を変えて、20mほど移動すると
また新たに小さな崖が見つかった。


ここも なか×2 良さそうです。



そしてこちらでも、あっさりとシェルターを発見♪


沢山詰まってます!



一番手前に見えたのは、大型のスジアオゴミムシだった。
オオキベリアオ同様、軽く 20mmを越える大型の個体である。
色合いも、かなり美しい。

それから、ゴモクムシの一種も何頭かゲット。
ヒメケゴモクムシ... それから、ニセケゴモクムシという非常に似た種類がいるのだが
いったい、どちらなのだろう?
それとも、また別の種類なのか??判別できません... m(_ _)m



スジアオゴミムシ
Haplochlaenius costiger
CHAUDOIR, 1856
ゴモクムシの一種



因みに、この穴からは何度も白煙が放たれ相当面食らった... (^ ^;

原因はやはり、穴の一番奥に潜んでいた 3頭の“屁ッピリ虫”だった。。
不思議なのは、3頭同時に「せ〜の!」で放屁すること。。
いったい、どんな合図で息をあわせているのだろう??


さて、普通種ばかりだったが
短時間で これだけ色んな種類のゴミムシに出逢えたのだから
今日のところは御の字だろう。。

この辺で、ランチタイムに切り替えることにした。...14:03。



〜 後記 〜


“あな”(路面陥没部)にハマってから、2日が経ち...
今日は、近所の崖崩しにハマッてしまった。。(^ ^ヾ

出発から帰宅まで 2時間 30分という短い内容だった割には
効率良く結果が得られたと思う。(普通種ばかりだけどね...(^ ^ヾ)
いつしか、R地区内に棲息する種類を 概ね見極められたら嬉しい。。

笠原須麿生さん、西山 明さんによる
「茨城県の歩行虫 」るりぼし15 (1990年:水戸昆虫研究会)
高野 勉さん、大桃定洋さんによる
「茨城県産甲虫リスト」るりぼし23 (2000年:水戸昆虫研究会)
によると、茨城県内には少なくとも
オサムシ科が 333種類、ホソクビゴミムシ科が 5種類程棲息しているようだ。

まだ始まったばかりなので、どんな出逢いも新鮮であり...
多岐に渡る採集方や、種の同定の難しさも含めて
まずは身近なところから、徐々に楽しんでおります。。(^ ^ヾ

ムシの種名・学名等の記載に関し、明白な誤りにお気づきの方がおりましたら
お手数をおかけいたしますが、ご連絡をいただけると大変助かります。
ご協力のほど、何卒、よろしくお願いいたします... m(_ _)m



〜 主な確認種 (目撃数)

●オサムシ科
 エサキオサムシ 3exs
 スジアオゴミムシ 1ex
 オオキベリアオゴミムシ 多数
 コキベリアオゴミムシ 1ex
 アオゴミムシ 1ex
 キボシアオゴミムシ 2exs
 オオアトボシアオゴミムシ 多数
 フタホシスジバネゴミムシ 1ex
 クロモリヒラタゴミムシ 2exs
 オオヒラタゴミムシ 2exs
 ホシボシゴミムシ 1ex
 ニセマルガタゴミムシ 1ex
 マルガタゴミムシ...の一種 2exs
 ゴモクムシ...の一種 多数
●クビボソゴミムシ科
 ミイデラゴミムシ 5exs
 オオホソクビゴミムシ 3exs
●ハムシ科
 イタドリハムシ 1ex





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