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“2008年 R地区調査” 編 (21)



08.02.08
(Fri) Plain 「枯れ果てた想い出の地から」 
                                                                                                  

このところ、R地区のゴミムシ類を拾い歩いているうちに
とても気になるポイントが浮かび上がってきた。

小学生の頃に慣れ親しんだ、想い出の場所であり
かなりの近所である。

現在、マイ・カーを修理に出している最中だが
そこなら、簡単に歩いて行けるだろう。

今回は、夕刻前に 2時間程の余裕ができたので
これを機に、是非現場のチェックに向かいたいと思う。

私が故郷を離れている間に、どれぐらい様子が変わったのだろうか??
その辺にも興味がある。


〜 想い出の地へ 〜


家から 北へ向かって数百メートル 歩いていくと
畑の片隅に、こんな空間が残されている。。

ここが、冒頭に記した “気になるポイント” への入り口となるのだが
20数年前には、“メインの入り口” と、“裏の入り口” が別にあった。

しかし現在は、大量のゴミや草木に覆われて ひどい荒地と化しているため
さすがに、そちらから入ろうという気は起きない。。


最後の入り口です。。



何故にここだけが 綺麗に残されているのかというと
おそらく、この数百メートル先に 高圧電線が張られた大きな鉄塔が建っているので
ごくたまに、関係の方がチェックに向かうためであろう。。


で、早速 ここを 3分ほど下っていくと
沢山のクワガタが棲む 楽しい雑木林へ通ずる筈だったのだが... 

辿り着いたのは、鬱蒼としたスギ林の中だった。。


かなり暗いです。。



一蹴りで 2桁に上るクワガタを落としたクヌギは、既にない。


苔の、生すまで...



立ち枯れや、生気を失ったような台場だけが、幾つか残されていた。。


樹液焼けの跡を残したまま
枯れていました。。
こんな台場が、幾つか見られました。
奥に見えるサクラも、ここから出ています。



少々悲しい現実だが、まぁ 小学校 2〜3年生時の古い話なので
幾ら当時を懐かしんでも、今更 リアルな再現などありえない。
(そも×2 冬の真っ只中だし... (^ ^ヾ)

ただ嬉しいことに、起伏が激しく 土手の多い地形だけは 予想通りそのまんまであった☆

今回は、それを狙って来たのである。... (^ ^ヾ



〜 オサ堀り 〜


と言う事で、気を取り直し、ムシ採りを始めよう。

土手を掘る前に、スギの赤枯れ材が 落ち葉の中に埋もれていたので
まずはそれを割ってみた。

おおっ!幸先良く、小さなゴミムシが集団越冬している模様。。


いてくれて、ありがとうございます!



これは、山地でも良く見かけている ヨリトモナガゴミムシであろう。。(^ ^)v


もういっちょう!



更には...


綺麗な個体が出ましたね〜♪



前胸背板の光沢が美しいルイスをゲット!


触角にも、特徴があります。



ラッキ〜♪
まさか、こんな所で出逢えるとは思わなかったよ!

この他にも、アオゴミムシなどが潜んでいた。


...
ルイスオオゴミムシ
Trigonotoma lewisii
BATES, 1873
何気に、左の上翅が変ですよね... (^ ^;;



では、ウォーミングアップはこれぐらいにして
お待ちかねの土手に着目してみよう... (^ ^ヾ

狙いは、前回のエゾカタビロオサに続いて
そろ×2 手堅く手中に収めておきたいR地区産のアオオサである。

夏季に、付近の灯下でも何頭か目撃しているので
採れる可能性はある。

あとは、目の付け所が間違っていなければ何とかなるだろう。。

よし、まずはこんな所から。。


東に面した斜面を崩してみましょう。。



おっと、掘り始めて 30秒も経たぬ内にエサキが出てきた!


あっさりと、出てきました!



これは行けるでしょ!と思い、暫く周辺を掘りまくる。。

が しかし、後続は全くない。。(^-^;;

あれぇ〜、おかしいなぁ ... (^ ^ヾ

こんなに暗い空間の中でも、斜面の向きによって分布状況に偏りがあるのかな??

とりあえず、オサがいることは分かった。


続いて、薄っすらと西陽が射し込む 南西に面した土手を選んで掘ってみることにした。
タケ藪なので、根っこが邪魔になるが 根気良く探してみよう。。


これはしんどそうです... (^ ^;;



すると、掘り始めてから数分後に...

出たっ!

ワ〜ォ... w(◎o◎)w 凄〜く小っちゃい☆

しかし、上翅の青い光沢が非常に美しかったので
こぼれ落ちた瞬間に ルリヒラタゴミムシであることが分かった。

めちゃくちゃ普通種らしいが
ネットや図鑑で眺める度に、憧れていた種類である。

震える指先で、ケースの中へ放り込み
静かに ガッツポーズをとる。。

嬉すぃ〜!(>_<) (>_<) (>_<)


欲しかった一頭が出ました!



これだけでは終わらない。

更に、でかいオサムシが仰向けになってこぼれ出た!

裏返して背面を見るまでもなく...

「間違いない、 “アオ” でしょう!」

という確信が持てた。。

そう、まさしく 今回の本命である。

イエ〜ス! ラッキ〜♪ (>_<) (>_<) (>_<)


今日の主役は、あなたでしょう!



これも普通種なのだが、前回のエゾカタビロオサと同様に
灯下などによる偶然の産物としてではなく、狙って採ることができたので
かなり嬉しかった。 ... (^ ^ヾ


周囲の状況です。。(^ ^ヾ



カントウアオオサムシ
Ohomopterus insulicola kantoensis
ISHIKAWA et UJIIE, 2000
ルリヒラタゴミムシ
Dicranoncus femoralis
CHAUDOIR, 1850




最後に、すぐ隣に生えていたサクラの根部周りを掘ってみれば。。


こんな感じです。。



実に、あっさりと。。


ひとつ!



沢山のエサキオサムシが。。


ふたつ、みっつ!! (^ ^ヾ



出てきた☆

おそらく、この辺りには相当な数のオサムシ、ゴミムシが眠っているに違いない。。

やはり、土手の向き(方角)によって分布に偏りがあるようだ。


ところで... 以前 yasu が、ツクバクロオサなる こいつらの親戚を
原産地の麓に住んでいた頃に 何頭かゲットしているが...
違いは、いったいどこにあるのだろう??

見分けられる方がおりましたら、是非ご一報ください。。m(_ _)m


エサキ... ですよね??



さて、そろ×2 制限時間いっぱいである。

今回は、少々寂しくもあり、そして嬉しくもあった。。
いずれにせよ、目的は十二分に達成されたと言えよう。

それでは、この辺で。。


向こうの鉄塔の下が、我が家です。




〜 後記 〜


今回は、身近にある 枯れ果てた想い出の地から
憧れていたゴミムシ類の他に、そろ×2 片付けておきたかった
R地区産のアオオサを狙ってゲットすることができ、本当に良かったと思う。

塵も積もれば山となる。。

春を迎えるまでに、この様なちょっとした活動はやれる限り繰り返しておこう。
(さて、お次はヒメマイマイかな。。(^ ^ヾ)


〜 主な確認種 (目撃数)

...
●オサムシ科
 カントウアオオサムシ 1ex
 エサキオサムシ 8exs
 ルイスオオゴミムシ 1ex
 ルリヒラタゴミムシ 1ex
 ヨリトモナガゴミムシ 9exs
 アオゴミムシ 1ex



ムシの種名・学名等の記載に関し
明白な誤りにお気づきの方がおりましたら
お手数をおかけいたしますが
ご連絡をいただけると大変助かります。
ご協力のほど、よろしくお願い致します... m(_ _)m
カントウアオオサムシ
Ohomopterus insulicola kantoensis
I
SHIKAWA et UJIIE, 2000





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