採集履歴

“2009年 まだ見ぬエリアを訪問” 編 (6)



09.05.01
(Fri) Mt 「SWから、まだ見ぬブナ林へ」 
                                                                                                  

快晴@気温26℃ の採集日和でした。
・・・が、どうも手応えを感じられぬまま時間が過ぎていったので
終盤から、久しぶりに “まだ見ぬブナ林を訪問” することにしました。
結果的に、得るものは充分ありましたよ♪




6:30 に起床し、トレ → 朝食と 出発の準備を整えました。
今日の目的は、カエデ掬いです。

高速道路を一区間だけ利用しつつ とある水辺へ到着しました。





早速、満開のカエデを順次 SW して行くのですが...
これといった甲虫が入りません。。

おかしいなぁ... (^ ^;;

GW を利用して訪れている 多くの家族連れと笑顔を交わしながら
暫くの間 ねばってみたのですが...
先が見えそうにないため 1時間ほどで見切りをつけることにしました。

(水面の鯉なら悠々と泳いでいましたよ♪)


続いて、とある廃校の傍で ランチタイムをとりながら...





予定通り昼過ぎには 通いなれた山へ。。

深山中にある自然林を目指し、陽当たり良い 植林・伐採作業道を辿りつつ
BT、SW を繰り返して行きました。

しかし、やはりこちらもムシの出は悪いようです。





せいぜい 切株上を走り回る ヒメスギカミキリと
葉上の ソーンダーズが、チビ×2 と見えるぐらい。。

その後、何とか自然林へ辿り着いたのですが、それでも手応えがなく...
さっさと引き返すことになりました。

この流れは、マズイです... (^ ^;;


チビタマ... @ 13:01



yasu 車に乗って、山道から アスファルト道へ復帰しました。
さて、どうしよう。。

とりあえず、あくまでも本日の方針に則り
渓流沿いに生えたカエデの花を掬ってまわることにしました。

すると... お!

ようやく、ピックニセハムシハナ、ヒナルリハナ、ミヤマルリハナなどのカミキリムシや
ダイミョウヒラタコメツキ、ミドリヒメコメツキ なんかが入りだします。

う〜む... このエリアは良いみたい♪

これらを全部持ち帰る訳ではないのですが、やはり賑やかにムシが入ってくれると楽しいものです。
一応、オダヒゲナガコバネ、ホソトラ(?)などをキープしました。

また、3時間ほど前に SWしたカエデの大木も、チェックし直してみました。
既に西陽が当たる時間帯です。


7m竿を利用しても、中段ぐらいまでしか届きません。
@ 15:50



樹冠部周辺には、ムシが沢山舞っているのが分かるのですが...
とても届きません... (^ ^;;

かろうじて、中段部の花からアカネトラを一頭。。
あまり多くはない種なので、こちらもありがたくキープさせていただきました。


アカネトラカミキリ
Brachyclytus singularis
KRAATZ,1879



さぁ、早くも 16:00を回ってしまいました。
なおも、どうしようか... と悩みます。。

中途半端な残り時間を、どのように消化すべきだろう...
定番の林道へ向かう気にはなれないし...
時間をずらして、もう一度さっきの水辺をチェックしてみるなんて
とても ナンセンスな話です。。

ということで思いついたのは
久しぶりとなる “まだ見ぬエリアへの訪問” でした。

ちょうど近場に、まだ ピークハントしてなかった山が残されていたのです。
先輩方に話せば、きっと 「え?まだ登ってなかったの??」 と、笑われてしまいそうですね... (^ ^ヾ
しかし、だからこそ経験しておかねばなりません。。
故郷の自然を語る、一ムシ屋としては。。

山麓にお住まいのおばさんに、登山に要する時間等を教えてもらい
16:28... いざ、山頂を目指し出発しました。


あの太陽が沈む前に... @ 16:54



結構険しい登りだな... そんな印象を持っての滑り出しです... (^ ^;;


へびさん @ 16:59



約30分が経過すると、眼下に麓の民家が小さく映り始めました。


どん×2 上がります...@ 17:11



そして... ややや!? あれか??

視線を上げれば、TOPらしきピークが見えました。

よっしゃ、頑張ったろ... 急がなければ!

おそらく、18:30 頃には日没が訪れるでしょう。。
時間がないので、休憩を挟まずに一気に登り詰めることにしました。



ピークはあそこでしょうね... @ 17:12



稜線に近づくと、樹々の量がガクンと減ってしまい
もはや禿山と言っても過言ではない状態になりました。。
辺りには、シノダケが密生しています。
何だか、殺風景です。。

そんな折... 路傍には、地元の中学生が植樹した苗がしっかりと根付いており...
メッセージ付きのお札が結ばれていました。。


良い事を、言いますね... @ 17:16



暫く続いた不毛地帯を抜けると、再び森が現れました。
カエデ・コナラ・シデなどがメインです。



やはり緑がないと、山は楽しくないですよ。



そして、ブナの登場です。。


東側の斜面に現れたブナです... @ 17:20



西側の斜面には自然林が残されていないようですが...
明るい陽差しを受けている様相は、とても美しく思えました。


何だか秋口のような色づきですね...
@ 17:25



絶壁のような斜面上に立ってみます。。


高い所が苦手な人には
ちょっと厳しいかもしれません... @ 17:27



カメラの角度を下に向けても、なおこれだけの勾配があります。。


写真では伝わりませんが
結構 迫力があります... @ 17:28



東側の緩やかな斜面には、見事なブナの老木が何本もたたずんでいました。
凄い... これを見られただけでも、登ってきた甲斐があったというものです。

しかし同時に、死んでしまったものも散見されます。
水源がないためか(?)、辺りは かなり乾燥したイメージでした。

それにしても、このエリアにも ヨコヤマイがいたのかぁ。。
感慨深いものがあります。

樹幹を歩く個体に偶然遭遇したという Sさんは
やはり違うなぁ〜と実感しました。。


森の歴史を感じさせますね。。



さらに少しだけ標高を上げると...

来ました、遂に頂上です!
シャツは汗でビッショリ... 登山開始から 1時間が経過していました。

わぁぁ... 素晴らしい眺望です。。



夕暮れ時の景色が、大変美しかったです。
@ 17:33



遠方中央に見えるコンクリ壁が、目立ちますね... (^ ^;;



“定番” の拡幅工事中かも... @ 17:38



ムシ採りのことなど 完全に忘れて、すっかり撮影モードになってました... (^ ^ヾ


汗が冷やされて、清々しかったですよ♪



さて×2、居心地が良かったせいか、随分と のんびりしてしまいました。(^ ^ヾ

もうすぐ 18:00です。
急いで下山しなければなりません。


暗くなる前に帰らないと... @ 17:56



初めてのブナ群を見つめられて、ホント良かったです。


また、いい汗をかきに来ます。。



足早に下りましょう。。


先を急ぐ yasu... @ 18:07



黄昏時です。。


夕焼けが美しいです。。



お月様が顔を出しました... ☆彡


もうすぐ麓に到着です... @ 18:26




〜 後記 〜


久しぶりに、山登りをしました。
結果的には、良いタイミングでの決行だったと思いますよ。

朝早くから動いてきたし
急いだせいか、いささか息が切れましたが
山頂からの眺望が非常に美しく、心が癒されました。
ヨコヤマイがいた新たなブナ林と
水戸昆の先輩の足跡を肌で感じることができたことも
大変嬉しかったです。

故郷の自然環境は、熟知しておかねばなりません。。
まだ×2 勉強不足です。。

持ち帰った成果としては...

帰宅後に気づいたのですが、運良く県初 238番目を掬っていたようです。
然るべき場へ、報告しておかねばなりませんね。。m(_ _)m


〜 主な確認種

●カミキリムシ科 Cerambycidae
 ヤマトシロオビトラカミキリ
 アカネトラカミキリ
 オダヒゲナガコバネカミキリ





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