採集履歴

“2009年 楽しんで見直し” 編 (1)



09.05.09
Sat) Mt 「シーズン・イン」 
                                                                                                  

暑くなりそうです。
そろ×2 、沢山のムシが出そうな予感がします。

これからのシーズンは、昨年歩んだ “みちのり” を
リラックスして、楽しみながら見直して行きたいと思います。

さすがに、昨年ほど多くの出逢いはないと思いますが
幾つかの忘れ物がありますし、少しぐらいは新たな発見も期待できると思います。

まだ拘るかって??
ははは... (^ ^ヾ
それだけ、私はある地域が好きになってしまったのです。。

今回は、できれば、かく×2 しかじかで標本として残せなかった
ナガクチキをキープできればいいなと思います。



それでは、行ってきます。


良い天気になりそうです... @ 07:42



3時間後に、目的地へ到着です。。
県内での移動とは言え、いつもの自然林へ脚を踏み入れるには
どうしても それぐらいは要しますね... (^ ^;;


湿潤な自然林内です。。
@ 11:26



早速 適当な樹の枝葉を掬ってみます。

すると、いきなり アトキリが登場しました。
オサムシ科の中では、割と好きなタイプです♪
(ガスは強烈ですけど... (^-^;;)

今日は、久しぶりに色々な樹上性のゴミムシが見られそうな気がします。


ハネビロアトキリゴミムシ
Lebia
Nipponolebia duplex BATES,1883



続いては、トラフコメツキです。
山地から平野部まで幅広く棲息する普通種ですが
何気に ここで見るのは初めてなので、キープしておきましょう。

なか×2 カッコイイですよ。


トラフコメツキ
Selatosomus onerosus (LEWIS,1894)



ふと足もとを見れば... あれま、クワガタです。
数年前は、悲しい材割をして得ていた種ですが
偶然♂が葉上に静止していました。。

前回のコルリクワガタ♂もそうですが
このところ、クワガタ@小型種が下の方から良く見つかっています。

それにしても... 久しぶりに見ると、以前より大きなムシに見えるから不思議なものです。


マダラクワガタ
Aesalus asiaticus asiaticus LEWIS,1883



更に、チドリノキの葉上からは...

やった!またもアトキリです。
う〜む... 昨年採集したミヤマジュウジとは、前胸の色合いや上翅の模様が若干違う気がします。
帰宅後調べたところ、ジュウジアトキリゴミムシと判明しました。
県内各地から記録がありますが、私にとっては嬉しい 1頭です。

この他にも、ミツアナアトキリゴミムシ、ウスグロモリヒラタゴミムシなどがネット・インしました。。


ジュウジアトキリゴミムシ
Lebia (Poecilothais) retrofasciata
MOTSCHULSKY, 1864



倒れたブナの割れ目には...
うほほ!アトコブゴミムシダマシです♪



アトコブゴミムシダマシ
Phellopsis suberea LEWIS, 1887



気がつけば、樹々の隙間から明るい青空が見えました。


ピーカンのようですね... @ 12:29



さぁ、どん×2 行きましょう。。
昨年 沢山お目にかかったゾウムシも...



シロオビアカアシナガゾウムシ
Mecysolobus nipponicus (KONO, 1930)



コメツキも... 全てが懐かしい限りです。


オオアカコメツキ
Ampedus optabilis (LEWIS, 1894)



明るい植林地に出ました。
さて、この辺で昼食を。。。


手頃な腰掛です。



おにぎりを食べながら、向かい側の斜面を ボーッと眺めます。。
ヤマザクラの ピンクが少なくなって、一面が青々としてきました。。
暖かいなぁ...♪


気持ち良いです... @ 12:43



さぁ、午後の部です。。
まめに チェックを入れている倒木@イヌブナのもとへ歩み寄れば...

早くもシロトラが産卵に... それも 1頭や 2頭どころではありません。

明らかに、生き急いでますね。。


シロトラカミキリ
Paraclytus excultus
BATES, 1884



おまけ... ヒメスギも、風にあおられながら やってきました☆


ヒメスギカミキリ
Callidiellum rufipenne
(MOTSCHULSKY, 1860)



で、すぐ傍にある立枯れ@ミズナラ を チェックしたのですが...

残念ながら、今回期待していた ナガクチキは全くおりませんでした... (^ ^;;
昨年は、この時期に必ずいたんだけど。。。

ここ以外では見かけたことがないし...
どこか他に可能性のある場所があるでしょうか。。

仕方がないので すぐに移動です。
とりあえず山の稜線に沿って、数百メートル歩いてみました。

こちらのモミ@立枯れは、まだ新しく
これから どんなムシが寄ってくるのか注目しています。


期待しているモミ...



これ... 面白い木肌ですよね。。
サルスベリってやつです。

このエリア内では、何ヶ所かで確認しています。


ナツツバキの大樹です☆



さて、思い当たる 次の候補樹の前に到着しました。

先程見つけられなかったナガクチキ...
こちらの立枯れにはいないかな??



昨年は、時々チェックを入れてました...
@ 14:17



イエス!いました。


予想的中です。



極太の幹の周りに、4頭ほど身を潜めています。


キオビホソナガクチキ
Phloeotrya flavitarsis
(LEWIS, 1895)



斑紋がとても綺麗なナガクチキです。


改めてみると、カッコイイですね!



ふ〜っ... 自身へ課した任務完了です。
何とか目的が叶えられて良かった... (^-^;;


いい時間なので、これを機に そろ×2折り返すことにしましょう...
麓を目指し、黙々と歩き始めました。

勿論、復路でも色々と摘んでいきます。。

これはルイスクビナガハムシ... 自身 2度目の出会いとなります♪
赤と黒のストライプが、とても綺麗なハムシです。


ルイスクビナガハムシ
Lilioceris lewisi (JACOBY, 1885)



鬱蒼としてきた急斜面を、下っていきます。。


でかいブナです... @ 15:16



沢の音が、近づいてきました。。


すっかり夏の様相です... @ 15:22



最後に、水際に生えた ハナイカダの花上を覗いてみました。

開花期には、キベリクロヒメハナ、ナガバヒメハナなどの
カミキリムシがよく見つかっていたのですが...
今年は、どうも役者が違うようです。


ハナイカダこと、ママッコの上に... @ 14:35



唯一、これ一頭が訪花していました。


トガリバアカネトラカミキリ
Anaglyptus niponensis
BATES, 1884



昨年以上に、開花期とムシの発生のタイミングが
チグハグなシーズンとなりそうですね。。



麓まで降りて、マイ・カーで移動を始めると
渓流沿いに生える、カエデの大樹を見かけました。

こんなところにも生えていたんだ... (^ ^;;

最後に もう一掬いしたところ...


満開のカエデでした... @ 16:22



数十頭のコメツキムシが、ワラ×2 と入りました... (^ ^;;
カミキリムシは全く入りません。
ミドリヒメ、ドウガネヒラタ、ダイミョウヒラタなど、その中での少数派を一頭ずつ選んで
今回の食べ歩きは終了しました。。



〜 後記 〜


ムシが、ドドッと出てきました。
初めての出逢いは少なかったものの
森が賑やかになってきたことに、心躍りました。
キープしておきたかったキオビホソナガクチキも得られたので
大変良かったと思います。
実は昨年... 展足して乾かしていたら
アカネトラと一緒に食べられちゃったのですよ...
え〜と... 不覚ながらゴキジェットに。。

遂に スイッチが入ったようです。
今シーズンも、やれる範囲で楽しませてもらおうと思います。


〜 主な確認種

●オサムシ科 Carabidae - ●ヒラタムシ科 Cucujidae -
 ウスグロモリヒラタゴミムシ  ベニヒラタムシ
 フタホシアトキリゴミムシ ●ナガクチキムシ科 Melandryidae
 ハネビロアトキリゴミムシ  キオビホソナガクチキ
 ジュウジアトキリゴミムシ ●アトコブゴミムシダマシ科 Zopheridae
 ミツアナアトキリゴミムシ  アトコブゴミムシダマシ
●デオキノコムシ科 Scaphidiidae ●ハムシ科 Chrysomelidae
 ヤマトデオキノコムシ  ルイスクビナガハムシ
●クワガタムシ科 Lucanidae ●カミキリムシ科 Cerambycidae
 マダラクワガタ  ヒメスギカミキリ
●コメツキムシ科 Elateridae   シロトラカミキリ
 トラフコメツキ  トガリバアカネトラカミキリ
 オオアカコメツキ ●ゾウムシ科 Curculionidae
 ダイミョウヒラタコメツキ  シロオビアカアシナガゾウムシ





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