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“2009年 出張” 編(3)



09.09.06
Sun) Mt 「お勉強」 
                                                                                                  

昨晩遅く、yasu から電話が入り
明日は県外の某エリアへ出かけておこう という誘いがありました。

実は、とある勉強のために
この時期に行っておかないと...
という話を 以前よりこちらから出していたのです。
また、県内では得られないカミキリムシも
少しは 得られそうな気がします。

昨日は、極度の寝不足状態でありながら 某山中にこもり
朝から夕方まで、重量級の作業をしていたので
正直 かなり しんどかったのですが... (^ ^;;

まぁ、合流後は助手席に乗せてもらえそうなので
順当に 行くことにしました... (^ ^ヾ

急遽 2:30には定例のトレを済ませ
夜明けを待ちました。。
また、寝不足ですね... (^ ^;;

好きな事を とことんやるのには、根気も必要です。
シーズン中は、仕方のないことですね... (^ ^ヾ



6:00前に yasu から再度連絡が入り
メールで 待ち合わせ場所を確認しました。

因みに天気は... 晴れの予報です♪


今日は 秋晴れになるようですよ。
@ 実家 06:36



いいですね!東から、朝陽が昇ってきました。
道も ガラ×2 で、気持ちよく飛ばせます。


まずは待ち合わせ場所まで... @ 6:50



そして、約 30分後に合流。。
手頃な場所に、いい無料駐車場があるのですよ。

そして、高速移動。。
目指すのは、5年前に ヒメオオを追いながら辿った道筋です。


助手席に乗り換えて... @ 7:35



いや〜っ... やはり便利ですね。。
あっという間に目的のエリアへ到着です。。

(何気にここは、灯火をやりに 先日訪れたばっかりなのですけど。。(^ ^ヾ)


夜限定で こっそり やってきてた場所...
山の上は曇ってましたね... (^ ^;; @ 11:04



まずは外に出て、新鮮な空気を吸い込みました。
平野部に比べると、やはり 涼しいです。

前回の灯火時は、ムネグロリンゴカミキリが飛んできたので
手始めに 付近の キク科を眺めてみました。

すると...


ゴマフキマダラカミキリ
Annamanum griseolum
(BATES, 1884)



あれれ... アザミの上に、ゴマフキマダラカミキリが。。。
どうしてここに??
背景にある ダケカンバの林から飛んできたのかな??

先日、某所でも この アザミを BT したら
どういうわけか、ビロウドカミキリが ボト×2 と落ちてきたのですよね... (^ ^;;
あれは、明らかに群がっていた様子。。

そのことが頭にあったので、今回の光景は ちょっと ひっかかりました... (^ ^ヾ

まぁ あの時は、ヒメビロウドが キク科をホストとしているので
ビロウドが賑わっていても 別にいいじゃないか☆
といった軽いノリで 片付けちゃいましたけどね... (^ ^ヾ


しばらくの間、右往左往してましたよ... @ 11:08



とりあえず、未採なので ラッキーでした♪

さて、時間的な余裕はないし 早速最寄の林道へ入ってみる事にしました。
周囲の山肌は、若い針葉樹林に見えます。


晴れてきました♪... @ 11:25



しかしながら、どうも 糸口がつかめません。。
ルッキングしたくなるシチュエーションに ぶつからないのです。
カミキリムシが好みそうな、陽当たり良い モミ帯の傷口があれば一番良いのですが。。。


で、車に戻り 暫く 徘徊した結果、ようやく上方に伐採の跡を発見しました。

ちょっと面倒になりますが
地の利もないことですし、これ以上無駄に時間を費やすのはもったいないので
強引に そこまで這い上がることにしました。

某建設現場のバリケードを跨いで、ノコ×2 歩いていくと...
地元のパトロール車に呼び止められはしましたが...
カワイイ昆虫採集で-す☆ と、正直に事情を説明し
そこは何とかクリアーしました... (^ ^ヾ ...m(_ _)m

日曜だからか、現場の お仕事は休みの様子。。
仮設の事務所には誰もおりませんでした。

山肌に取り付いて登っていくと、やや開けた 伐採地の最下部に辿り着きました。

うむむ... これは良さそうです。



ようやく... @ 12:32



初めは、広葉樹が多かったのですが...

やっぱりね。。

高度を上げるにつれ、モミの大木が転がり始めました。


ヤスとモミ... @ 12:45



すぐさま、最も大きな体格の持ち主が出迎えてくれました。
ヒゲナガカミキリのペアです。

さすが高標高地ですね... まだ普通に見られるようです。
それにしても、やっぱり でかいですねぇ〜 (^ ^;;
最終的には、3♂ 2♀が確認できました。


ヒゲナガカミキリ
Monochamus grandis
WATERHOUSE, 1881



その他にも。。。


ヒゲナガモモブトカミキリ
Acanthocinus orientalis OHBAYASHI, 1939



然るべき役者が、勢揃いでした。


シラフヒゲナガカミキリ
Monochamus (Monochamus) nitens BATES, 1884



特に、この シラフヒゲナガの多さには圧倒されましたね... (^ ^;;


凄い数でした。。



その賑わいぶりには、暫し 釘付けにされました。

・・・・・。

おっとっと... 忘れちゃいけません。。(>_<)

今日は、お勉強をして帰らねば。。。


枝の付け根をチェックする好機です。



完全な立枯れや、倒木の枝など、多数のモミを丹念にチェックして写真を撮っておきました。
幼虫が入っているであろう二の腕位の枝も 散見されましたが
さすがに道具もなく、とても持ち帰ることはできませんでした。

ただひとつ、大切な事が分かったので 良しとしたいです。
このことは、今後の ささやかな希望に繋がる気がします。。

あえて写真は掲載しませんが、せめて感想だけでも...

え〜と... ここは濃い!(のかな?)

とりあえず、良かったです。。(^ ^ヾ


そして遂に、伐採エリアの最上部まで来ました。



最上部... @13:35



それ故に、カミキリムシも湧いています。
もしかしたら まだ大丈夫かな?? と、期待していたキジマトラや...


キジマトラカミキリ
Xylotrechus zebratus
MATSUSHITA, 1938



ヘリグロアオなど、然るべき顔ぶれに出逢えました。
(紋が磨り減っていたし、色合いといい 初めは ヒゲナガシラホシかと思っちゃいました... (^ ^;;)


ヘリグロアオカミキリ
Saperda (Saperda) interrupta
GEBLER, 1825



なおかつ、広葉樹の倒木には...

おお... ヤツボシカミキリ。。。
このくすんだ水色は、間違いありません!

生体を見たのは、2004年の8月以来となります。
あの時は、内角をえぐりこんできた飛翔個体を
見事に空振りした 残念な記憶があります... (^ ^;;


ヤツボシカミキリ
Saperda (Saperda) octomaculata BLESSIG, 1873



しかし今回は、みんな頭を突っ込んで産卵の準備 (?) をしており...
撮影も余裕でできちゃいました。



逆に、頭を突っ込んでいない個体は
見当たりませんでした。。(^ ^;;



その他には、ハンノアオとか...


ハンノアオカミキリ
Eutetrapha chrysochloris chrysochloris
(BATES, 1879)



逃げもせず、私の指先を威嚇してきたヤツメカミキリなど。。


ヤツメカミキリ
Eutetrapha ocelota
(BATES, 1873)



触角が切れていても、紋が磨り減っていても
小奇麗な面子が集まっていました。



ビビッているのは、ハンノアオ...
ヤツメくんの方が、断然 攻撃的でした... (^ ^;;



これらは全て、一本の大木上における光景でした。
ヤツボシと ヤツメが群がっていたからには
オオヤマザクラあたりのバラ科かな??

 
帰宅後に図鑑で調べてみたのですが...
 老木で、樹皮の様子からは判別できませんでした。。(^ ^ヾ

さて、無事に目的も達成され、楽しむことも存分にできたし
下山しましょう...

いい加減、エネルギー切れです... (^ ^;;



下山中に一枚... @ 13:58



オレンジ色のコンビニで、弁当を買いながら
帰路につきました。。

お勉強のために、たまには外に出るのも良いですね。。



再び、朝の待ち合わせ場所まで... @ 16:51




〜 後記 〜


17:40に、帰宅しました。。

いささか くたびれはしましたが
気分転換も兼ねて、よい勉強になりました。。。m(_ _)m

随分以前から認識していたこととはいえ
ひとつ、確信できたことがあるんです。
それだけでも、得る物はあったといえます。
とても スッキリしました。

あとは セオリーどおり、相応の結果がついてきた... とでもいえましょうか。。
色々と採れましたが、県内では見られない種類も混じっておりますので
良い記念として、大切に保管しておきたいです☆
今晩中に、一気に展足作業を済ませてしまおうと思います。


〜 主な確認種

●カミキリムシ科 Cerambycidae
 
 クロカミキリ亜科  フトカミキリ亜科
  オオマルクビヒラタカミキリ   ヒゲナガカミキリ
  シラフヒゲナガカミキリ
 ハナカミキリ亜科   ヒメヒゲナガカミキリ
  フタスジハナカミキリ   ヒゲナガモモブトカミキリ
  アカハナカミキリ   ゴマフキマダラカミキリ
  センノキカミキリ
 カミキリ亜科   ヘリグロアオカミキリ
  ウスイロトラカミキリ   ヤツボシカミキリ
  キジマトラカミキリ   ヤツメカミキリ
  ハンノアオカミキリ


キジマトラカミキリ
Xylotrechus zebratus
MATSUSHITA, 1938

ヒゲナガモモブトカミキリ
Acanthocinus orientalis
OHBAYASHI, 1939


ゴマフキマダラカミキリ
Annamanum griseolum

(BATES, 1884)

ヒゲナガカミキリ
Monochamus grandis

WATERHOUSE, 1881


シラフヒゲナガカミキリ
Monochamus (Monochamus) nitens
B
ATES, 1884


ヘリグロアオカミキリ
Saperda (Saperda) interrupta
GEBLER, 1825

ヤツボシカミキリ
Saperda (Saperda) octomaculata
BLESSIG, 1873
ヤツメカミキリ
Eutetrapha ocelota
(BATES, 1873)
ハンノアオカミキリ
Eutetrapha chrysochloris chrysochloris
(BATES, 1879)





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