採集履歴

“2009年 R地区調査” 編 (25)



09.11.22
Sun) Plain 「コツコツと...」 
                                                                                                  

昼食前に、3時間ほど 土掘りをしに出かけてきました。
小雨が舞う 冷たい風の中...
効率良く R地区産 オサムシ科(既採種)の分布状況を
新たに把握できました。



11:30 に yasu 号で出発しました。

今回は訳あって、2時頃には帰らなければなりません。。
あまりゆとりがないので、近場を回ろうと思います。

せっかくなので、これまでに走った経験が少ない田舎道を
極力選んでいくことにしました。


鉄塔が多いですね。。



ゆっくりと南下しながら、いつも通り 小さな河川の流域に広がる
谷津田周辺の土手や林を眺めていきました。


のぼれたら、大したものです... (^ ^;;



早速、手頃な規模の崖を発見。


今日は、yasu 号で回りました。



ただ、いかんせん ここはゴミムシが出ません。
湿度が足りないです。 平素 陽が良く当たるのでしょう...
粘土層が、カラッカラな状態でした。

せいぜい、壁面に開いた穴の奥に
オオキベリアオゴミムシが 1頭見つかった程度でした。

本種はこの辺りでよく見かけるゴミムシです。
幼虫はアマガエルを食べて育つとか... (^ ^;;
グリメタはとても綺麗ですね☆



オオキベリアオゴミムシ
Epomis nigricans
WIEDEMANN, 1821



しからば、反対側を。。。


北側に面する土手です。



これは いるでしょう♪


粘土層の上に黒土が堆積しています。



篠の根が邪魔でしたけど...
オオゴミムシ、オオスナハラゴミムシ、スジアオゴミムシ、ルイスオオゴミムシなどが
次々と現れました。

ピンボケですが... 前胸のメタリックなカラーリングが美しく
上翅の溝がいつも左右対称でないルイスです...。


ルイスオオゴミムシ
Trigonotoma lewisii
BATES, 1873



オサムシは、トウホククロナガが出ました。
この辺りでは、クロナガよりも トウホククロナガの方が
圧倒的に多いです。
県央〜北部に産する個体より、比較的大きいですね。


トウホククロナガオサムシ
Leptocarabus arboreus parexilis
NAKANE, 1960



生体は出ませんでしたが...
他の子等も、当然いるようです。。(^ ^;;


アオオサと、マイマイもいるようです。。



この辺で、天気予報どおり 雨が落ちだしました。
制限時間も、残りわずか80分程です。

本降りになる前に、せめてもう一ヶ所ぐらいまわろうと
大急ぎで移動することにしました。

何ヶ所か空振りしたものの
運よく こんな場所へ辿り着けました。


ヤブツバキ、タブノキ、スダジイなどが見られる
暖温帯の常緑広葉樹林です。



いかにも R地区らしいシチュエーションです。
こういった残存緑地が残されているから、やり甲斐も生まれます。



お寺さんを取り囲む
緑地環境保全地域でした。



水田際の土手には、フタホシスジバネゴミムシ、ヒメキベリアオゴミムシなどが見られました。
台地上部の粘土層と表面の黒土層との狭間には、キボシアオゴミムシ、オオアトボシアオゴミムシ
カントウアオオサムシが多数 越冬状態に入っていました。



カントウアオオサムシ
Ohomopterus insulicola kantoensis
ISHIKAWA et UJIIE, 2000



セオリー通り、特に樹の根部には沢山潜んでいました。
やはりアオオサは綺麗ですね☆
サンプルとして 2頭ほど持ち帰ることにしました。


カントウアオオサムシ
Ohomopterus insulicola kantoensis
ISHIKAWA et UJIIE, 2000



しかし... ほんのわずかに南下しただけで
エサキオサムシが出なくなりますね... (^ ^;;

現場でも、「不思議だなぁ...。」 を連呼してました。
なんででしょう??

さて、早くもタイムアップです。
大粒の雨も落ちだしました。
帰りましょう。。。



〜 後記 〜


今回は、3時間程度 R地区における オサムシ科の分布状況を調査してきました。
目新しい種類が得られたわけではないですが
谷津田周辺に残存する、暖温帯の常緑広葉樹林内で
カントウアオオサムシが多数見られました。
逆にエサキオサムシは全く見られませんでしたね。。
最近は、これらの分布域にも ちょっと興味を持っていますので
今後も コツ×2 と、データを集積していきたいと思います。


〜 主な確認種

●オサムシ科 Carabidae
 カントウアオオサムシ
 トウホククロナガオサムシ
 オオゴミムシ
 ルイスオオゴミムシ
 オオスナハラゴミムシ
 オオキベリアオゴミムシ
 コキベリアオゴミムシ
 スジアオゴミムシ
 ヒメキベリアオゴミムシ
 キボシアオゴミムシ
 フタホシスジバネゴミムシ





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