調査履歴

“2010年 R地区調査” 編 (29)



10.06.06
Sun) Coast 「頼もしい歩行虫」 
                                                                                                  

今回は、半日をかけてR地区内の 8ヶ所を廻り
ピットフォールトラップのチェックと、誘引用の餌換えを行いました。

気負わずに、細々と続けてきた歩行虫調査...
3年目の今年は、遂に纏めの段階になります。。
報告書提出の 〆切日も、あとわずかです。

そのような最中、思いも寄らぬムシが現れて
とても頼もしさを感じました。



誘引用の餌換えが終わったのは、16:40 のこと。。

既に 6月の夏日です。
気温が上がってくると、さなぎ粉は あっという間に腐ってしまいます。
臭いもかなりキツいです...。

因みに、落ちていたのは シデムシやらセンチコガネ、ハネカクシなど。。
目的であるオサムシ科の割合は、徐々に減ってきました。


畑の中を、キジが闊歩してました... @16:48



ずっと下ばかりを 見つめていたので
帰りには、上も 眺めて行きました。。


タブノキの樹冠部を眺めます... @17:25



あぁ... あれは間違いないですね。。

地上 9m 付近から、“ 赤いの ” を見つけました。

体長 3cm ぐらいですが、とても目立ちます。

数年前なら、茨城県では重要な一頭でした。


ホシベニカミキリ
Eupromus ruber (DALMAN, 1817)



総じて目新しい成果はなかったものの...
一日の仕事を終えたことで気分を良くし
大好きな近所の海へも寄ってみました。



気温が随分下がりました。



せっかくですので、波打ち際ではなく
クロマツの林縁を歩いてみましょう。。


砂丘へ上がります。。



そろそろ良い時期ですが、砂浜の ヒョウタンゴミムシは次回のお楽しみとして...
オサムシモドキを意識しながら、転がっていた丸太材を起こしてみたところ...

おお、いきなり オサムシ。。



材の下から、オサムシの B 面です。。



エサキオサかな?? と思いましたが...


動きませんね... @18:16



拾い上げてみると
おいおい、これ クロカタビロではないですか...


クロカタビロオサムシ
Calosoma maximowiczi (MORAWITZ, 1863)



しかも、良く見れば まだ かろうじて生きてます
ゆっくりと、動き始めました。


茨城県では、過去に 4地区から散発的に記録されており
本個体自体、数頭目の事例になると思われます。。

偶産とは言え、あまりにも感激してしまい
その余韻に浸りながら、暫く浜辺で時間をつぶすことにしました。


少し、波打ち際へ近づいてみました。。



足元には お花が沢山咲いていました。
ピンク色や...



ハマヒルガオ
Calystegia soldanella (L.) Roem. et Schult.



黄色。。


コマツヨイグサ ( 小待宵草 )
Oenothera laciniata Hill



可愛らしいですね


波打ち際と、クロマツ林の間を引き返しました。。



楽をしようとしないで...
謙虚に、コツ×2 とやっていればさ...


さぁ、日没が近いですね... @18:47



たまには、良いこともあるみたいですよ


自宅でも、一枚。。




〜 後記 〜


触角の先端を除いては、無傷で大変綺麗な個体でした。
セアカオサムシにも同じことが言えますが...
工業地域やゴルフ場などの土地利用が目立つR地区にも
こうして良いオサムシが生き存えているのですね。。
頼もしい限りです。


〜 主な確認種 〜

●オサムシ科
Carabidae
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クロカタビロオサムシ
Calosoma maximowiczi
(MORAWITZ, 1863)

 





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