採集履歴

“2010年 出張” 編(5)



10.
08.15 (Sun) Mt 「もう一度、お邪魔いたします。」 
                                                                                                  

ホームグラウンドである 茨城県では夏が終わりに近づき
4年間、丹念に続けてきた 2エリアの甲虫調査にも概ね区切りがつきそうです。
あとは、それを どのように纏め、報告するかが残された課題ですが...

その前に、まだまだ夏が継続しているであろう県外へ
今年 2度目となる出張を楽しんでこようと思います。

あくまで調査。そんな日頃のスタンスを切り替えて、気分は昆虫採集モードです。

昨夜は 2時間弱の睡眠で、相変わらずの朝を迎えましたが...
今回も運転は yasu に お任せできるので、気楽に遠出できます。

メインは、やはり カミキリムシです。
猛暑のせいか、昆虫全般の出現が乏しいと囁かれている今シーズンですけれど...
前回 ( 7月下旬 ) の手応えを思い出すと、今度は何が採れますやら、楽しみです。




4:30 起床、5:00 に出発しました。。


最寄のインターから 行ってきます... @ 05:19



目指すのは、まだまだ見ておくべき点が多い、既知のエリア...
コンビニの朝食を食べながら、7:30 にはドライブ終了です。

身支度を整え、現場まで更に 30分ほど歩きます。。

やがて、朝陽をいっぱいに受ける 眩しい斜面下に辿り着きました。


では、登りますか... @ 8:02



続いて、急な斜面を自力で登ってゆきます。。


体力勝負です... @ 8:08



改めて、昨年の伐採斜面を見下ろしました。。


昨年は、写真中央部で採集しました... @ 8:41



随分標高をあげた後... モミの樹幹にて、ようやく カミキリムシを見かけました...


キジマトラカミキリ
Xylotrechus zebratus
MATSUSHITA, 1938



これは、渦巻き...


真ん中から 未だ ヤニ... @ 10:33



お!この日の 2種類目は黒い ネキダリスでした。 これはラッキー。
最終的には、1♂ 1♀を見かけることができました。


クロホソコバネカミキリ
Necydalis harmandi P
IC,1902



およそ 3 - 4時間ほど斜面を徘徊し、ムシの個体数が異様に少ないことを認識しながら
先ほど見下ろした、昨年の伐採斜面にも脚を運んでみました。。


今年は怖ろしく何もいません... @ 12:05



今度は、午前中に這い上がっていた斜面を見上げてみました。


9合目辺りから、こちらを見下ろしていました... @ 12:05



そして、そのまま眼下を見つめます。。


とは言え、ここも随分高いんです... @ 12:12



どこまでも、ムシの姿がありません...


昨年の成果が、嘘のようです... @ 12:19



かろうじて、カンバの倒木上から もう 1種類を追加。
セオリー通りのツマキトラカミキリでした。

しかし この辺りから、突然 yasu の体調が思わしくなくなりました。。
日頃の過労と寝不足がたたってか、くしゃみ・鼻水が止まりません。。
今回も長距離運転をお願いしているので、これ以上の無理は禁物です。

とりあえず、既にアルマンやコルリクワガタの産卵材などを確保できたので
ここで引き返すことにしました。


ツマキトラカミキリ
Xylotrechus clarinus
BATES, 1884



早々に車の傍まで辿り着くと... なんと、アスファルト上にハンノキカミキリが!
おそらく、近くに見える シラカバから落ちてきた個体でしょう。。

本家 茨城県では♀しか得ていなかったので、嬉しいです。

ハンミョウに目をやりながら、下を見続けていたことが功を奏しました。


ハンノキカミキリ
Cagosima sanguinolenta THOMSON, 1864



甘いものを食べたり、途中のサービスエリアで仮眠を取りながら のんびり帰宅しました。


来年は、もうちょっと出張の回数を増やそうかな。。




〜 後記 〜


18:00には、帰宅しました。

運転手の体調不良により、早い時間帯でのお開きとなりましたが
考えてみれば、7:30 - 13:20 という、約 6時間のフィールドワークでした。
猛暑故なのか、ムシの少なさが際立っている今シーズンとはいえ
アルマンを 1ペア得ることができましたし、手応えは充分です。
茨城には棲息していないカミキリムシですからね...
行った甲斐はあったと思います

コルリクワガタが無事に羽脱すれば、標本写真を以下に加えたいものです。。


さて... 盆休みに、また良い想い出作りができました。
今後は報文の纏めに力を注いで参りましょうか。。


●カミキリムシ科 Cerambycidae


クロホソコバネカミキリ
Necydalis harmandi
P
IC,1902 
キジマトラカミキリ
Xylotrechus zebratus
MATSUSHITA, 1938
ハンノキカミキリ
Cagosima sanguinolenta

THOMSON, 1864





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