調査履歴

“2011年 第5次調査” 編 (1)



11.07.09
Sat) Mt 備忘録 (1) カミキリムシを追加
                                                                                                  

今年は、これで何回目の調査になるでしょうか。。
細々とではありますが、相変わらず 昨年までと同じエリアに通っています。。

単純に、大好きな森の様子が気になってしまいますし...
もはや 7月ですから、現地では非常に薄いオオホソコバネカミキリに
もう一度 出逢える チャンスかもしれません。



今朝は、4:30に起床しました。
行ってきます。


曇っていますが... 久しぶりに青空が見えるそうですよ。
@ 5:12



土曜の早朝は、スイスイと進みます。。


3年ぶりの出逢いが、ありますように... @ 5:46



100kmほど、走ってきました。
林業用作業道の途中で、ちょっとだけ車を降ります。

う〜ん・・・黄色の気配はなさそうですね。


蔓延る サルナシ... @ 7:24



そして、とある土場に到着です。

ここからは自分の脚で。。



朝から かなり蒸し暑いです。 @ 7:41



シャツやズボンが、草露で びしょ濡れになりました。。



最後に、植林の 急斜面を這い上がります。



ようやく、自然林へ。。



稜線を跨げば、森の様相が一変します。@ 8:13



早速、本命の姿を探し始めました。

彼らは、こんな立枯れが好き。 太くなくても、大丈夫です。



樹皮が少しだけ残り、表面がツルツルした
シデの立枯れ...



良く見ると、まだ ポエキラがいました。
♀でしょう。 産卵のためか、樹皮に傷をつけているところです。
♂が乗った跡も窺えます。上翅の模様が、少々擦り減っていますね。。



マダラゴマフカミキリ
Mesosa poecila
BATES, 1884



午前中は、思い当たる立枯れを 巡りたいと思います。。



斜面を徘徊中。。



菌糸が充満している こちらの立枯れ(イヌブナ)では
毎年 ミヤマオビオオキノコや キノコゴミムシなどが見られます。。



ここに飛来する確率は、低いと思います。。@ 9:42



比較的に 新しいブナの立枯れには...



ここになら、飛来するかもしれません...@ 10:44



そろそろ、ヒゲナガゴマフが集まる頃ですけど...


うん、やはり いましたね。


ペアのようです。



寄ります。。



ヒゲナガゴマフカミキリ
Palimna liturata
BATES, 1884)



立枯ればかりを見つめ、およそ 3時間が経過しましたが
本命の姿はありません。


ひょっこり明るみに出たところ、イケマの群生を見つけました。



ハート型の葉です... @ 11:12



もしやと思い、茎の部分を覗き込むと...
案の定、サインが見えました。。



この様な傷跡が、あちこちに ありました。



そして、主の登場です。。


齧った口元に、ビヨ〜ンと... @ 11:21



ようやく生態写真が撮れました。 嬉しいです。


ホソツツリンゴカミキリ
Oberea nigriventris
BATES, 1873



その後も、稜線の立枯れを 2度 3度と巡回するうちに 午前中が終了。。

本命が現れる様子が一向にないので、谷底の様子も見ておきたくなりました。。



少々時間をかけて、斜面を降りてきました... @ 12:19



大分緩やかになった傾斜の谷間を、更に下って行きます。
普段とは、全く逆のコースどりです。



オニや ルリ属など、クワガタの幼虫がいる沢です。



目的の陽だまりに辿り着き、サワグルミの生葉をスイープしたり
傷んだサルナシの枯蔓などを眺めましたが...
残念ながら、カミキリムシの気配はなし。。

空振りという結果でしたが、気になってしまったのだから 仕方がありませんね。

ある程度納得しながら、別の沢筋より再び斜面を這い上がることにしました。

ただせっかくですので、以前見つけておいた 斜面のホオノキも、チェックして参りましょう。。



昨年は、6月 中-下旬 が発生のピークでしたので
もう遅いかもしれませんが... @ 12:58



雷が落ちたのか、自重に耐えられなくなったのか...
昨年の早春に、幹の途中から 折れてしまいました。



現場状況の概略図です。。



地崩れしやすい急斜面ですので、足元には要注意。。



この状態で上方を見上げ、網を振るのは
ちょっと怖いです。



数少ない葉を見上げれば、やはり 相当食べられているようです。


今年も、沢山いたのでしょうね。。



寄ります。。


こんな食痕です。。



お... ムシのシルエットが見えました。


3mほど 先にあった、真ん中の葉です



拡大してみます。。


やはりカミキリムシです。。



更に光をぶつければ、確信できました。


グリメタですね。



良かった。 1♂だけですが、今年も会えましたね。
セオリー通りです。

既採ですので、撮影後に リリースしました。。



フチグロヤツボシカミキリ
Pareutetrapha eximia (BATES, 1884)



しかし... 意外な展開もありました。
たまたま ここで休んでいただけだと思いますけど...

とりあえず、当該エリアを含む一連の山塊では初確認となりますので
とても嬉しいです。



トラフホソバネカミキリ
Thranius variegatus variegatus
BATES, 1873



偶然の産物でしたが、こちらの斜面を辿って正解でした。


洞の開いた 有望なブナは...
遂に バラバラになっていました。。



再び稜線に乗るため、上を上を目指します。

いやぁ... 本当に暑いっ
長袖のシャツが既に塩臭いです。。



稜線をしっかりと鷲掴みにする、モミの巨樹。。



ここまでくれば、地盤が固くなり 安心です。
もうすぐ本線に辿り着きます。。



その雄姿を、見上げます。。



無事に主要な尾根に乗った後も、2時間ほど 立枯れを巡回しましたが...
結局本命には出逢えませんでした。。


しかし、チャンスは まだ何度もあると思いますので
今回はこの辺で引き返すことにしました。



そろそろ マイ・カーの元へ帰りましょう。
@ 15:32



右へ左へとハンドルを切りながら、綺麗な沢を見つけ、水浴びをしました。
ヒルは殆ど いませんし、人里とは無縁ですので、遠慮なく裸になりました。
今日は かなり汗をかいたので、とても気持ちよかったです。

そのつもりで、着替えも持ってきたのですよ。


帰りの道中で、ヤナギの群生を見かけました。
背景が植林ですので、クワ・カブは薄いでしょうけど...
ふと、職場の先輩から リクエストがあったことを思い出しました。

近々準備しておこうと思います。


ヤナギの群生に反応してしまうのは
クワガタ好きの証です。



平野部では、34℃まで気温が上がったそうです。
今日の暑さは、身体に堪えました。。

大荷物を背負いながら、激しい上り下りを繰り返したので
足首や肩の関節も かなり痛いです。


ここで長蛇の列が分散されれば、もうすぐ家に到着です。
@ 17:55



早く帰宅して、次回のために 少々骨休みしておきたいと思います。



〜 後記 〜


18:00 過ぎに、帰宅しました。

昨年ほどではありませんが、今年も折を見て大好きな森へ通っています。
相変わらず、本命の姿はありませんでしたけど...
今回は、トラニウスを持ち帰ることができました。
当該エリアにおける 112 種類目のカミキリムシ科となります。
(ホソカミキリムシ科を含めれば、113種類。)

これで、県北に存在する 全ての山塊で本種の棲息が確認されました。
公表されているのは、有名な一エリアだけですので
ファウナの解明のために、後ほど報告しておかないと。。

どうやら、梅雨明けしたようですね。。
このタイミングが重要ですから、近々また訪問しようと思っています。




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