採集履歴

“2011年 チャレンジ” 編 (1)



11.09.08
(Thu) Mt 「お陰さまで、僕にも。」 
                                                                                                  

例え平日でも、暑くなると予報される日を狙って
丸一日存分に、刑事のような張り込みをしてみたい。。
ずっと そのように考えていました。

9月の初旬を迎え
僕も、オオトラカミキリに挑戦してみました。



標高が高い場所、もしくは低い場所。。
候補地は 2つあったのですが、まずはアクセスのし易さを選びました。

午前 8:00を過ぎた頃、春先に訪れた某エリアへ到着。。

見上げた空は、気持ちの良い快晴でした。

初めての経験ですので、気負わずに 周囲の散策からスタート。。

僕は、ひたすら歩きまわったり、じっと待ち続けることが
苦にならない性分ですので、気長に臨みました。


車を降りると、稜線に モミが見えました。



この日、現地の気温は 33℃まで急上昇しました。

前日まで 26℃前後の日々が続いていたことを考えると
大きなギャップが感じられる この日こそが
活動の再開に弾みをつける 良いきっかけになるだろうと、予想しました。

しかし 時計を見れば、いつの間にか 16:00過ぎ...
あっという間に、およそ 8時間が経過してしまいました。

帰路にかかる時間を計算すれば、残念ながらタイムアップです。。

気温も下がりつつあり...
やはり、そんなに甘くはないなと 諦めがつきました。


全ての荷物を背負った マイ・カーまでの帰り道。。
コナラの樹上から、クロカナブンが急降下して地面に落ちました。

この日に見た、3種類目の甲虫です。
それ以外は、飛翔するタマムシと
水際に群れるハンミョウのみだったので
なんだかとても嬉しく感じました。

オオトラも落ちてこないかな。。
などと、冗談半分に思った矢先の出来事でした。。


直径 10cm程の、若いモミでした。



あれれ!?

あっけにとられました。

目の前にあるモミの樹幹を、オオトラが元気に歩き回っていたのです。

このヤニが出た細いモミ... 何度も繰り返し眺めていましたが...

潔く帰ろうと決心したお陰で、絶好のチャンスにめぐり合えました。

デジカメは背負ったバックの中だったので
さすがに撮る前に採ってしまいました。


お陰さまで、僕にも採れました。



後日@飼育ケースの中の写真です。


よき想い出をくれた、大切な一頭となりました。




〜 後記 〜


後ほど、日頃より お世話になっている先輩に
今回のことを ご報告させていただきました。

カミキリムシに携わったムシ屋の一人として
僕も、いつかは野外でオオトラを見てみたいと
思っていました。

やや小ぶりな個体かもしれませんが
まぎれもない 大きなトラカミキリです。

春先に賜ったアドバイスが、大変活きました。
お陰さまで、良い経験をさせていただきました

どうも ありがとうございました。。m(_ _)m


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 オオトラカミキリ
 Xylotrechus villioni (VILLARD, 1892)


 





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